メッサーシュミット Me 410 ホルニッセ

メッサーシュミットBf 110の後継機にして失敗作、Me 210の改良型がMe 410である。
Bf110の後継機種として、1937年夏から開発が始められていたMe210の1 号機が初飛行に成功したのは1939年9月2日(5日の資料もあり)であった。しかし、Me210はスピンに入りやすく、機体の安定性に欠けていた。しか し、既に1,000機 を発注していたため、そのまま生産は続行、部隊に配備され、実戦での評価を受けながら不具合を改修していくこととなった。しかしながら、度重なる事故を起 こし続けたため、1942年4月14日、Me210は実用機として不適とされ生産中止となった。その後もハンガリーのデュナ工場でDB605B搭載の Me210C-1とMe210Ca-1が合計267機生産されたが、これはハンガリー空軍のパイロットから非常に好評であった。
メッサーシュミット社はMe210のエンジンをDB601FからDB603に強化し、主翼平面型を改良し、安定性の向上を図った機体を開発、1942年 秋から試験が行われ、ドイツ空軍 にMe410として採用された。
Me410は1943年1月から量産が開始され、春から部隊に配備された。空戦性能は優れているとは言えなかったが、爆撃機の迎撃や偵察、戦闘爆撃機と して広く活躍した。Me410BではエンジンをDB603G(1,900hp)に換装された。武装もオプションに応じて様々な「U」や「R」が存在した。 BK5 50mm機関砲や回転ロケット発射器を搭載した型もあったが、多くはMK103又はMK108 30mm機関砲、最大6門のMG151/20 20mm機関砲を搭載していた。
Me410B-5は対艦攻撃用のFuG200ホーエンツヴィール・レーダーを搭載、フリーデンセルゲン滑空魚雷やSB800RSクルツ対艦旋転魚雷、 SB1000/410爆風兵器などの試験に使用された。
1944年秋までに1,160機が生産されている。
試作、計画のみで終わった型としてはMe410CとMe410D、機体の全幅が23mに及ぶMe410Hがあった。Me410Cはターボ過給器付エンジ ン(DB603JZ、Jumo213E/JZ又はBMW801TJ)、延長された胴体、主車輪を二重にした型でMe410A/Bを使い、環状カウリングと新しい降着装置が試されただけでC型の開発は取りやめとなった。Me410DはDB603JZを搭載し、主翼の幅を広げた木製構造の機体であったが、これも取りやめとなった。

最初の48機が配備されたのは、第2爆撃航空団第5飛行隊、第122偵察大隊第2飛 行 隊、 第1駆逐航空団第飛中隊であった。第2爆撃航空団は西部戦線から休養と再編成のため後方にあり、Do217から機種更新した。第122偵察連隊と第1駆逐 航空団は、シシリー島トラパニに展開しており、Me210から機種更新した。
1943年5月には対爆撃機実験部隊として試験飛行司令25と呼ばれる部隊がビットムントハーフェンで編成され、Me410も2機が配備されていた。この部隊の指揮官は、駆逐機のエース、エデュアルト・トラット少佐(Eduard Tratt)であった。1943年9月、トラット少佐は第26駆逐航空団第2飛行隊(ホルストベッセル)へ移り、ドイツ本土防 空に従事する。1944年2月に戦死するまでに撃墜38機、地上撃破26機、戦車撃破24輛、トラック破壊312輛、対空砲破壊33門の戦果を挙げている。
第76駆逐航空団もMe410を装備、連合軍の爆撃機を迎撃した。1944年7月ブダペスト上空では第1駆逐航空団のMe110及び第27戦闘航空団のBf109Gと共に4発重爆34機を含む45機を撃墜している。
1944年春からは第22、第33、第121、第122偵察連隊に偵察機型Me410が配備され、第1夜間戦闘航空団第1飛行隊にも夜間戦闘機型が配備されていった。
爆撃機型は、1943年夏に第2爆撃航空団第5飛行隊に配備され、イギリスへの夜間爆撃を実施した。第51爆撃航空団にも爆撃機型が配備された。
愛称はホルニッセ(ドイツ語、胡蜂のこと)

AcesHighにおけるMe 410 ホルニッセ

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AHでは、ユーザー投票の結果、バージョン2.28から追加された機体です。
大口径砲や空対空ロケット弾を搭載し対重爆撃機迎撃に活躍できるのでは?と思いきや、火力や旋回性能ではBf 110G-2に敵わず、上昇力や速度(勿論旋回性能も)ではBf 109GBf 109K-4に敵わないため今ひとつ出番が無い不遇の機体です。
それならば対地攻撃に、と思っても対地兵装が連合軍戦闘爆撃機に比べて貧弱でこちらも使い勝手は今ひとつです。
利点は後方に撃てる武器がリモコン機銃の20mm機関砲であることと前下方の視界がよいことくらいでしょうか。
大戦後期の機体として期待されて登場した割にはほとんどアリーナに出没することの無い機体となってしまいました。
固有アイコンは「410」

性能諸元

機種 重量 燃料 武装1 武装2 増槽 爆弾 EW MW LW
Me 410 ポンド ガロン


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最終更新:2017年02月04日 15:22