ヴォート F4U コルセア / Vought F4U Corsair

レックス・B・バイゼル技師の生み出したコルセアは、1938年に、陸上機に匹敵する性能を持つ艦上戦闘機として開発が開始された。
1940年5月29日に初飛行したXF4U-1の開発は順調とは言えず、F4U-1として発注されたのは1941年6月30日であった。だが、同時にXF6F-1の契約も結ばれたことから、F4Uに対する不安が見られるという意見もある。
1942年後半に配備され始めた当初は、長い機首による視界の悪さや大馬力エンジンによるトルクなどから艦載機としては不適とされ、海兵隊によって陸上基地で運用されることとなる。
しかし陸上機として活躍の場を与えられたされたコルセアは、日本軍機を相手に11対1のキルレートを実現した。
性能の高さから、1945年1月、パイロットの訓練を適切に行うとして覆うことで艦上機として運用可能、と米海軍は先の決定を覆して、コルセアを艦載機として使用することになった。
朝鮮戦争でも活躍した本機は、1964年までフランス海軍で運用された。
なお、米海軍の命名規則により、チャンス・ヴォート社製のコルセアはF4U、グッドイヤー製のコルセアはFGとなる。
レシプロ機として、最後の実戦戦果を挙げた機体としても有名で、最後の戦果はサッカー戦争におけるソト大尉によるものである。

Aces Highにおけるコルセア

AHではF4U-1、-1A、-1C、-1DとF4U-4が使用可能である。
コルセアは、フラップとエアブレーキ代わりの脚を使いこなすことで、低速から高速まであらゆる速度域で圧倒的な空戦性能を誇る。
高速からの急減速により敵にオーバーシュートさせることが容易で、相手が減速に間に合ったとしても、フル・フラップ状態でのコントロールの良さから低速シザースに持ち込むことで優位に戦闘を展開できる。
また、多連装機関銃により、わずかなチャンスでも確実に命中させることが可能である。ただ、前方視界はシールドのせいで見通しが悪く、偏差射撃のやりやすさはP-51よりも劣る。
相手が離脱するにしても、自分が離脱するにしても、大馬力エンジンによって容易に戦場から離脱することができる。
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F4U-1

1942年6月25日に量産1号機が初飛行、7月末から海軍への引き渡しが始まった。
エンジンはR-2800-8(B)(離礁出力2,000hp)を搭載している。
試作機のXF4U-1よりもコクピットが32インチ後方に移動されたことや、バードケージ、ファストバックを採用していたため、後方視界不良を改善するために後方に側面窓が設けられた。
武装は、翼内に各3挺ずつ、計6挺の0.50インチ機関銃が装備された。
1942年9月25日、チェサピーク湾において、護衛空母サンガモン(CVE-26)を使ったテストを実施するものの、空母での運用に適さないとの結果になった。
F6Fの開発、生産を進めていたことから空母へはF6Fが配備されることとなり、一方で、海兵隊ではすでにコルセアによる飛行隊が編成されていたことから、陸上機として運用されることになった。
F4U-1は、ヴォート社以外にも、ブルースター社とグッドイヤー社でも生産され、海軍の命名規則に従い、それぞれF3A-1(ブルースター製)、FG-1(グッドイヤー製)の名称が与えられた。
英軍に供与されたF4U-1は、コルセアIと、F3A-1はコルセアIIIと、FG-1はコルセアIVと呼ばれた。
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F4U-1A

F4U-1において問題となった、カウルフラップからのオイル漏れ、左翼の失速を改善、視界不良についても改善(座席を7インチ高くし、バブルキャノピーを採用)したのがF4U-1Aである。
後に尾輪も延長(6.48インチ延長)され、滑走時の前方視界を改善した。
後期型では、エンジンが水噴射装置付きのR-2800-8W(離礁出力2,230hp)となり、胴体下にハードポイントが設けられた。
英軍に供与されたF4U-1Aは、コルセアIIと、グッドイヤー製FG-1AはコルセアIVと呼ばれた。
D型よりも旋回能力に優れるため、制空戦闘を好むコルセア乗りはA型に乗っていることが多い。

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F4U-1C

米軍海軍機では珍しい20mm機関砲を4門搭載したコルセア。
生産機数はF4U-1Dの生産ラインから抽出した約200機のみと、F4U生産型としては最も少ない。
機関砲の搭載によって速度、旋回性能が落ちているが、20mmM2機関砲(イスパノ20mm機関砲のライセンス生産)4門の威力はそれを補って余りある。
パーク機ながらMAでも比較的よく見かける機体である。
愛称は「C-HOG」
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F4U-1D

内翼にパイロンを装備し、翼内タンクを廃止、外翼下面にロケット・ランチャーを装備した型で、1,685機が生産された(その他グッドイヤーが1,997機を生産)。
対戦闘機戦闘に限ればF4U-1Aには及ばないが、それでも他の機体と同等以上の空戦性能をもち、爆弾搭載量の大きさから対地攻撃にも活躍できる。
このため、F4Uシリーズ中最も使い勝手の良い機体で、MAで見かけるF4Uの大半はF4U-1Dである。

英軍に供与されたF4U-1DはF4U-1A同様コルセアIIと、グッドイヤー製FG-1Dは他のグッドイヤー製F4U同様コルセアIVと呼ばれた。
MAでも比較的よく見かけるタイプで、愛称は「D-HOG」
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F4U-4

1944年9月30日(20日とも)に量産型が初飛行、少数が対日戦に使用された。
エンジンはR-2800-18W(C)(水噴射による緊急出力2,450hp)にまで強化され、4翅プロペラと組み合わされて、高度8,000mで速度718km/hが出せた。
コクピットも完全に再設計されているが、外見上の大きな変化は、エア・インテークが主翼付け根からカウリング下部に移設されたのが最大の変化である。
パーク機であるため、MAで目にかけることはあまりないが、他のA型やD型にコイツが紛れていると非常に厄介である。
2500馬力近いエンジンによる怒涛の加速やズーム上昇は素晴らしいの一言、D型のコルセアを縦の運動性で圧倒する(ちなみに爆装燃料満タン状態でも飛燕より昇ってしまう。)。
低空における速度もP-51並の高速を誇り、拡大された主翼により大馬力エンジンを積み、失速域の挙動に難があるとされた実機とは無縁の優れた旋回性能を発揮する。
他の米軍機同様、かなり高速でフラップを展開することができ、出した時の旋回半径はスピットファイア並に小さい。
高速では旋回率の高い機動、低速では大馬力エンジンとフラップによる粘りのある旋回で優位に格闘戦を行うことができる。
まさに最強のコルセアである。幸いパーク機であるため、MAでは滅多に見かけることは無い。

Aces Highでは使用できないが、実機にはF4U-4C(20mm機関砲搭載バージョン)というバリエーションがある。

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Vought F4u-4 Corsair Fighter Pilot's Flight Manual

Pilots Manual for F4U Corsair (American flight manuals)

第二次大戦のF4Uコルセアエース (オスプレイ軍用機シリーズ 32)

ヴォートF4Uコルセア (世界の傑作機スペシャル・エディション Vol. 5)

エアロ・ディテ-ル (25) (エアロ・ディテール 25)


コメント

  • フラップ使った急加減速性能は驚異。 -- 名無しさん (2013-10-10 12:40:11)
  • それだけにこいつを落とした時は嬉しさも一入 -- 名無しさん (2013-10-11 05:39:55)
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最終更新:2017年01月22日 12:42