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男の中の男!(罠)



疾走。
駆ける、駆ける、駆ける!
心臓が高鳴り、血液が全身を駆け巡る。
腕を振るう。
脚は廻る。
息は弾み、汗が飛ぶ。
だが、それでも走る。

「うおぉおおぉぉっ!! 待ってろ、委員長ー!!」

男の中の男を目指す男、陣内兵太此処に在り。
ただ、惜しむらくは

「でも何処なんだぁー、ここー!?」

男の中の男を目指す男、陣内兵太。

只今、迷走中。

残念すぎるぞ、陣内兵太。

一面に畑がただただ広がっているだけの
何も無い土地を当て所も無く突っ走っていたが、
もう少し頭を捻れば、
まず地図を確認する事くらいは思いつくものだが
自身が置かれた急な展開と
人質として写っていた想い人の姿が
焦りだけを生み、思考能力を奪っていた。
用は落ち着きが無いとも言う。

そんな彼が今いる場所はロッコウ。
畑と眼科と奇妙な祠くらいしかない簡素な土地である。
走れど走れど、周りに見えるのは畑ばかり。
自分がどれだけ走ったかも段々分からなくなってくる程の何も無さ。
兵太でなくても突然こんな所に連れて来られれば
気力も萎えるというものである。
そう兵太でなくとも。

ただただ突っ走っていた兵太の足が不意に止まる。
その畑ばかりの場所にそぐわぬ奇妙な違和感によって。

「……ん? 何だ、あれ?」

変わり映えせぬ光景。
その中にある違和感。
他の畑とは違い、
一部だけ微妙に盛り上がって見える畑が一つ。
そう、ここの様な一面が畑という場所ではなく、
他の場所だったら注意しなければ気づかない様なものだったが
流石にこうも変わり映えしない光景の中ではそれは目立つ。

目立ちすぎるのである。

一度気がついてしまえば、
如何しても気になるというものである。
息を整え、ゆっくり深呼吸した後、
兵太は恐る恐るその奇妙な場所へ近づいていく。
近づくにつれて分かってきた事は、

(これって布か? それにこの盛り上がり具合は…)

周りに合わせ、砂を被せて迷彩効果を出させてはいるが、
離れている分には申し分なくとも
近くで見ればあまりにもバレバレな擬態である。
兵太は忍び足でゆっくりと盛り上がりへと近寄り、
思い切ってその布を蹴ってみた。

「ウゲフッ!」

布の下に隠れていた人物の悲鳴が上がり、
布が捲れ上がる。
間髪入れずに飛び出してきた少年が
慌てて兵太から距離を取る。

「……ク、クソッ! バレちまったか。
 だが、ただではやられねぇぞ!!」

飛び出してきた少年はクナイを構えて兵太を威嚇する。

「お、おい! ちょっと待てって、蹴ったのは謝るけど
 あんな変な隠れ方してるお前も悪いだろうが。
 第一、俺はやる気は無いって!」

慌てて交戦の意思が無いことを示す兵太を少年はじろじろと
睨みつけた後、訝しそうに口を開く。

「本当かよ? ……どうにも怪しいな」

疑心暗鬼に陥っているのか少年の警戒は中々緩まない。
刻一刻と時間も過ぎていく中で業を煮やした兵太はある作戦に出た。

「よ~し、分かった!! 俺も男だ。
 こうしたら、俺が戦う気は無いって分かって貰えるだろ!!」

そういって兵太はおもむろに自分が着ていた服を脱ぎだした。

「……!? お、おい、お前何やって…」

兵太の奇行に唖然としていた少年が反応に困り、
取り敢えず兵太に声をかけるが、
その間に兵太は既にパンツ一丁の格好になっている。
そして自分のデイバックを少年に向かって放り投げると
地面に仰向けに大の字になって寝転んだ。

「これでどうだ! 武器も何も隠してない、
 信じないなら好きにしろってんだ!」

自らが無抵抗である事を示す為のあえての捨て身の作戦である。
今の兵太は完全な無防備、主導権は完全に少年の方が握った事になる。

「……なるほど、よく分かったぜ。
 疑って悪かった。 ほれ」

そういって少年が兵太に手を差し出す。
兵太も少年の手を握り返し、起き上がる。

「さっきは蹴って悪かったな、俺は男の中の男を目指す男、
 陣内兵太だ。 よろしくなっ!」

照れ臭そうに鼻を掻きながら兵太は少年に名前を告げる。

「男の中の男……おぉ! なんか格好良いな!
 俺は忍者を目指す男、サワタリだ。
 おっと、名前は言えないぜ、何せ忍者だからな」

そう言いながら、妙に誇らしげな様子のサワタリに
兵太は小首を傾げる。

「……忍者って名前を隠すもんなのか?
 知り合いの忍者は全然隠してなかったけど?」

不思議そうな様子の兵太に対して、逆にサワタリは
その言葉を聞いて驚愕している。

「ちょ…エッ、何? 知り合いの忍者って…
 それ本当か!?」

物凄い剣幕で兵太の肩を揺さぶりながらサワタリが
興奮した様子で問い質して来る。

「……あ、あぁ。 忍者で伊賀の頭領の半蔵さんって人と
 あとは沙枝さんとか……」

あまりのサワタリの剣幕に若干引きながら、
それでも兵太は質問に真面目に答える。

「…沙枝さんって事はKUNOICHIか!?
 マ、マジか、一体何処にそんな楽園が…」

がっくりと膝を落とし、項垂れるサワタリに
意味が分からないまま兵太が駆け寄る。

「……お、おい、大丈夫かよ?
 何処も何も伊賀に行けば普通に誰でも入れるし、
 忍者不足って半蔵さんが嘆いてたくらいだぞ?」

そう言って、サワタリの肩に手を置こうとした
兵太の腕をサワタリがガッシリと掴む。

「……KUNOICHIの次はIGAだとぉ~?
 見た所、忍者って訳でもないのにお前は一体何者だー!!」

興奮の状態のままのサワタリが兵太の肩を
今度は激しく揺さぶってくる。

「おおお落ち着けって、ここ今度しょ紹介するからら」

揺さぶられてろれつの廻らぬままに
兵太はサワタリを落ち着けようとする。

「本当かっ!? 絶対だからな!」

異様なまでの笑顔で聞いて来るサワタリに
兵太も思わず頷き返してしまうしかない。

(…しっかし、忍者ってのは半蔵さんといい、
 沙枝さんといい、本当変わった連中ばっかりだよな)

揺さぶられすぎて若干咽ながら心の中で
思った事は口にしないでおく。
傍で妙に悦に浸っているサワタリに兵太は
ふと思い出した疑問を口にした。

「そういえばお前は何であんな事してたんだ?」

兵太に声をかけられて現実に引き戻されたサワタリが
素に戻り、顎に手を当てながら口を開く。

「あぁ、あれはな。 お前が来るちょっと前に
 俺がここを探索していたらな、誰かの気配がしたから、
 咄嗟に身を隠してたんだよ」

そういって、サワタリは自分が隠れ蓑に使っていた
布を拾い上げてデイバックにしまいこむ。

「ふ~ん、それって俺じゃなくて?」

それを眺めながら兵太も脱いでいた服に袖を通す。

「いや、違うだろうな。
 もう少し小柄な感じの気配だった」

作業を続ける二人がそこでお互いに顔を見合い。

「「あっ!!」」

ほぼ同時に口を開いた。

「…お、おい、それってこの辺りにまだ誰かいるって事だろ!?」

慌ててズボンを履きながら兵太がサワタリに尋ねる。

「わ、悪ぃ…つい興奮しちまって忘れちまってた」

それに対して本気で意気消沈するサワタリ。

そんな二人の緊張を破るように、

「ねぇ~ねぇ~? お兄さん達、何してるの?」

妙に気の抜けた明るい声が聞こえてきた。
慌てて振り向いた二人の目に飛び込んできたのは
畑の縁から見える、

「ウサ……」

「……耳?」

ぴょこんと飛び出たそれに二人が疑問符を覚えるのと
同時にその持ち主が二人に向かって飛び出してきた。

「遊んで! 遊んで!」

明るい声と共に飛び出してきたのはウサ耳を付けた
下着のみという格好の女の子。
その女の子がまずはサワタリの胸元に飛びついてきた。
背中に手を回して、身体を密着させてくる。

「ねっ! 遊んでお兄さん!」

そういって上目遣いに見つめてくる女の子の
胸の感触がサワタリを襲う。

「お、おほぅ~!! は、はいっ!
 遊びます、お姉さん!」

即答である。

そんなサワタリと謎の女の子の双方を
困惑して見比べながら、
それでも兵太は冷静に止めに入ろうとする。

「ちょ、ちょっと待てって。
 いきなり遊べっていわれても……」

その言葉を聞いてサワタリに抱きついていた
女の子は手を離し、今度は兵太に飛びついてきた。

「なら、お兄さんも一緒に遊ぼうよー!!」

サワタリの時と同じ様に兵太に抱きついてくる
女の子の胸の感触が兵太を襲う。

「うっ! 柔らかい…じゃなくて、
 俺には委員長が……うはぁ!!」

どうしても抗いがたい感触から目を逸らそうとして思わず、
逆にその元凶に目を向けてしまう。
下着だけの為に殆ど露わな状態のそれが
密着した状態である所為でより質感を増しており、
というかぶっちゃっけちょっとはみ出てた。

「……ウッ!?」

慌てて股間を押さえる兵太の様子に気づいて
女の子は視線を下に向けた後、それを確認して顔を上げる。

「もう、Hなんだぁ、お兄さん」

頬を少しだけ赤く染めた女の子の表情に
兵太の理性が臨界点を迎えそうになったが、
そこは女装した金剛丸三蔵を想像してぐっと堪える。

「ちょっと待ってくれよ、大体あんた誰?」

女の子を引き離し、忘れそうになっていた疑問を問い質す。

「きゃんきゃん!」

明るい声で女の子が吠える(?)。

「ヘッ、いや、そうじゃなくてあんたは誰なのかって事を…」

「だから~、きゃんきゃんはきゃんきゃんなの!」

じれったそうに女の子、もとい女の子モンスターの
きゃんきゃんが兵太に肩を押さえられながらも
ぴょんぴょんと飛び跳ねる。

「へっ? あ、あぁ、きゃんきゃんね。
 …って、そうじゃなくて何が目的かって…」

きゃんきゃんを問い詰めようとする兵太の肩に
サワタリの手がぽんと置かれる。

「いいか、兵太。 この人に敵意は無い。
 それは俺が保証する」

そう言って、ビシッと親指を立ててみせる、
それだけならばそれなりに決まっていたのかもしれないが
そのサワタリからは大量の鼻血が垂れている。

「おまっ! それ完全に下心で言ってるじゃねーか!」

サワタリにツッコミを入れようとした兵太の手に
不意にポヨンとした柔らかい感触が触れる。

「ふ、ふぉぉぉー!?」

慌てて振り向いた兵太の手を掴んで
きゃんきゃんがしなを作るようなポーズで
兵太を見つめている。

「遊んでくれないの?」

嫌だから何が目的なのかとか俺には委員長という想い人がとか
サワタリの笑顔が何か腹立つとかそろそろ移動しなきゃとか
色々と考える事がたくさんあるんですけどそれよりもまず

「遊びます!」

陣内兵太も吹っ切れた。
色んなしがらみから、
後で周りからくるであろう視線とかから。

「やったー!!」

兵太の言葉にただ純粋に嬉しそうにきゃんきゃんが
飛び跳ねて喜びを表す。

「そ、それで、どんな遊びを?」

鼻の下がこれでもかというくらいに伸びたサワタリが
きゃんきゃんの傍で鼻息を荒くする。

「ん~とねぇ…じゃあ、おうまさんごっこ!」

少しだけ思案した後、きゃんきゃんが人差し指を上げて宣言する。

「よっしゃ、じゃあ俺が馬役で!」

言うや否や四つんばいになったサワタリをきゃんきゃんが止める。

「ん~うん、違うのきゃんきゃんがおうまさん!」

「い゛ぃっ!?」

慌てて飛び起きたサワタリが兵太の肩を寄せて耳打ちする。

『さ、流石にこれは拙いよな、色々と』

『あ、あぁ、越えてはいけない一線だよな?』

ひそひそ話しをする色々と悶々する世代の二人の脇で
早速きゃんきゃんが四つんばいの姿勢になっていた。

「はい、どーぞ!」

それを見て、二人は頷き合い、固く握手する。

「まぁいっかぁ!」

「まぁいいやぁ!」

本当に残念な連中である。

<キングクリムゾン!…しょうもな


「楽しかったねー、お兄さん!」

一通り遊び終えて満足したのかきゃんきゃんは
二人に纏わり付くのを止めている。

一方、

「我が生涯に一片の悔い無し!」

拳を天に突き出して真っ白に燃え尽きたサワタリと、

「…お、俺は何て事を…委員長に会わせる顔が…」

冷静になって、違う意味で燃え尽きた兵太がいた。

こうして、不測の事態で(登ってはいけない方の)大人の階段を
登った二人だが、ちなみに今だ童貞である。

【クロモン/一日目・朝】
【陣内兵太@大番長】
[状態]:健康、(悪い意味で)燃え尽きた
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、シスター服@妻しぼり、戦慄の学聖ボタン@大番長
[思考]基本:何とかして委員長の救出&脱出
    1:……やっちまった

【サワタリ@ぱすチャ】
[状態]:健康、(良い意味で)燃え尽きた
[装備]:クナイ
[道具]:基本支給品、ロケットパンチ@ぱすチャ、発光爆弾@GALZOO
[思考]基本:皆で協力して脱出
    1:わが生涯に一片の悔い無し!

【きゃんきゃん@GALZOO】
[状態]:健康
[装備]:ニンジン
[道具]:基本支給品、エロい水着@RanceⅥ、不思議犬@大悪司
[思考]基本:みんなで遊ぶ
    1:次は何しよっかな~?
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