時を重ねるほどに優しく愛おしい、古布のぬくもり。

あざやかな染めに息をのみ、大胆な柄にハッとする。人々にいつくしまれてきた古布には、時代を越えた美しさがあり、現代では表現できないような織り・染め・刺繍など貴重なものもたくさんあります。縮緬などのやさしい風合いや、生活の中の強い美しさがある藍染めや絣の独特のコシ。ていねいに使い続けられてきた絹や綿・麻といった天然素材の手触りはどこか懐かしい気分にさせてくれます。その多くは祖母から母へそして娘へと代々大切に伝えられてきた着物たち。

雛常では雛人形の伝統を大切に守っていくのと同じ気持ちで、古布の魅力も伝えていけたらとの思いから、古布細工の手作り教室の開催や、古布・古布作品の販売も行っています。四季のうつろいを写した日本独特の色や柄、江戸や明治の人々の洗練された美意識に出会うのも楽しみのひとつです。
古布の選び方 古布に魅せられて
古布を知る。

江戸時代から昭和初期にかけて、着物や寝具などに使われていた天然素材の布を「古布」といいます。古布には現代の布では出せない素敵な色や風合いがあり、洋服や小物、インテリアの素材として人気を集めています。
古布を選ぶ。

古布は絹素材と綿素材に大別されます。絹の縮緬、錦紗、綸子は華やかな色柄や光沢、滑らかな手ざわりで、人形や装飾的な小物づくりに重宝されています。綿の絣や更紗は、丈夫で使いやすいため、日常的な小物づくりに活躍しています。
古布で遊ぶ。

古布の魅力は、時をかけて醸し出された深い色合いや風合いです。あでやかな色やモダンなデザインは今見ても新鮮で、当時の織物、染物の素晴らしさが伺えます。好きな色柄の古布を組み合わせる楽しさ。古布に針や糸を通して新しいものを生み出す楽しさ。古布の魅力は尽きることがありません。
古布の選び方 古布に魅せられて
江戸縮緬<えどちりめん>
江戸縮緬<えどちりめん>

緯糸によりをかけて平織りにした絹織物。一面の細かなしぼが光をやわらかく反射し、しっとりとした質感が上品。晴れ着にふさわしい織物です。
錦紗縮緬<きんしゃちりめん>
錦紗縮緬<きんしゃちりめん>

緯糸が密に織られていて、しぼが細く、滑らかでしなやかな質感。大正から昭和初期に好まれた薄手の絹織物です。こちらも晴れ着の代表格です。
更紗<さらさ>
更紗<さらさ>

室町時代末期に、南蛮貿易によってインド方面から伝わった木綿の織物。人や動物、草花などが鮮やかな色で染められておりエスニックな雰囲気。
藍型染<あいかたぞめ>
藍型染<あいかたぞめ>

緯糸が密に織られていて、しぼが細く、滑らかでしなやかな質感。大正から昭和初期に好まれた薄手の絹織物です。こちらも晴れ着の代表格です。


参照:「古布~豆知識:人形の雛常|雛人形|五月人形|鯉のぼり」より
http://www.hinatsune.jp/kofu/


古布専門店 はてな

東京都立川市高松町3-30-24

最終更新:2011年02月21日 09:43