ξ゚⊿゚)ξ白豚とコロネのようです 第一話

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 深夜、ゼミが長引いたためコンビニで余っていた弁当を買って帰宅した私を迎えたものは、白豚だった。  訂正。一応、人間のようにも見えた。 ξ゚⊿゚)ξ「……」  そのとき、私はとても不機嫌だった。  ゼミが長引いた理由は確かに私である。  教授の言っていることに納得できなかったので、違う意見を持っていったのだ。  そのため不機嫌になった教授の相手を一手に引き受け議論を交わしていたためだった。  説き伏せることはできた。しかし、不機嫌だったのだ。  挙句、コンビニで余っていた弁当は498円の少し高いおかずが二種類入ったモノのみ。  いつも398円のお弁当かおにぎり二個+αで済ませているというのに、  無駄な出費になってしまったことがとても不機嫌であった。  女子の癖に自炊もしねーのかよという男尊女卑的な考えは認めない。  諸々の理由から、私はとても不機嫌だった。  とにかく、不機嫌だったのだ。  先ほど出迎えてくれたと書いたが、正確には違う。  この白豚は、私の進路をふさいでいたのだ。  もっと正確に言うならば、私の借りているアパートの部屋のドアの前で座り込んでいた。  かすかにアルコールのにおいもする。酩酊状態なのだろう。  確かに私は不機嫌だった。  しかし、かといって放置したり危害を加えたりする気にはならなかった。  というか、放置しても家に入れないし、危害を加えたらそれはそれで犯罪である。  仕方なしに声をかける。 ξ゚⊿゚)ξ「あの」  かすかな呼吸音のほかに反応は無い。  もしや本当に豚なので人の言葉が通じないのだろうか?  困った、私は豚語をしらない。  となると私は部屋に入れないのだろうか?  それは困る……。  自慢じゃないが私は他の女性よりも力持ちであると良く言われる。  確かに力はあるようだが、運動はからきしである。  そんなわけで、豚を動かすことは造作もなかった。  横にすこしずらして鍵を開け、扉を開いたところで気付く。  今は一月。  彼をここで放置した場合、何が起こるだろうか?  男性、アパート廊下にて凍死。  そんな記事が朝刊に見えるかもしれない。  冗談ではない。私の近くでそんなことが起きてたまるか。  しかしこの豚を部屋に入れるのか?  女学生の一人暮らしの部屋に?  酩酊状態で何をしでかすかわからない豚を?  とはいえ、死なれるのは夢見が悪い。  手足を拘束した上で、部屋に転がして毛布をあてがうことにした。  私はそれなりに綺麗好きだ。  部屋は常に片付いているほうだと思う。  豚を一頭転がしておくスペースは十分にある。  買った弁当を一度こたつの上に置き、豚が目を覚ましていないことを確認したうえで部屋着に着替える。  その後暖房とこたつのスイッチを入れ、テレビとこたつの上に置かれたままのノートPCのスイッチをつける。  PCの起動をまつ間、弁当のつつみを剥がし、緑茶を急須で入れる。良い香りだ。  パスワードを入力し、テレビを確認すると芸人がよくわからないことで笑いを取っていた。  テレビは、付けているだけでほとんど見ない。  3年前に一人暮らしを始めてからの癖。  さみしさを紛らわす、一つの手だった。  常に音がなっていることで、少し安心感を得ることができる。  そんな理由で、電気代を少しずつ多く払っている。  湯のみで手をあたため、弁当を開ける。  鶏の竜田揚げと海老フライ。重いわ。  とはいえ空腹感はあったのでむさぼることにする。  タルタルソースがなかなか美味しい。  豚がいびきをかき始めたので座布団を投げた。  食べながらメールのチェックとブログの閲覧などをする。  最近はそれにTwitterのログを見ることも加わった。  半年くらい前に始めたのだが、反応がくるとなかなか楽しい。 tsun_corone:帰宅なう 海老フライmogmog dokkun_melan:@tsun_dd おかー。海老フライいいなー cot_pot_san:@tsun_dd おかえり~、寒くなかった?  誰かがRTしたもので笑い、誰かの愚痴を見て共感し、  誰かのツイートで笑う。それに私も少しだけ参加する。そんなゆるい流れ。  そんな時間が、私の生活に少しだけ彩りを与えてくれていた。  一人でいるようで一人じゃない。  インターネットとはそういうもので、私にとってはとても重要なものだった。  さみしくなんて、ない。                         ξ゚⊿゚)ξ白豚とコロネのようです  第一話 豚肉にパン生地巻いて豚コロネってどうだろう!火が通らないし絶対まずいわ!  気がつくと、明るい光の中にいた。  体は暖かく、陽気な音楽が聞こえた。  徐々にまどろみの中から抜けていく。  どうしてここにいるのだろう。  そんな疑問が少しずつ強くなっていく。  確か、あれを見た後。  少し、お酒を飲んで。  そのあと  あれ? ( ´ω`)「……」  手足が縛られていた。  目を開くと目の前に見えたのは、見たことがあるような不気味なぬいぐるみ。  正直、この状況下で悲鳴を上げられるような余裕はない。  楽しげな声は背後から聞こえるようだ。  だが、手足が縛られている以上、おそらくあまり良くない状況だろうと考え、おそるおそる背後を見る。  眼鏡をかけて頭からコロネをぶら下げた女性がこたつに入ってニヤニヤしていた。  いや、まて、なんだこの状況。  というか良く見るとぬいぐるみの輪郭ぼやけてる。コンタクト取れてる。  ていうかコロネ? 頭からコロネ?  完全におかしいだろ、人として。  もしかしてこれ夢なのか? 手足拘束して頭にコロネぶら下げてる女性を見る夢?  誰かちょっと夢占いしてくれよおい、ろくな結果じゃないだろうよ。  なんて現実逃避している場合ではないだろう。  とにかく、手足拘束がある以上ロクな状況ではない。  一刻も早くこの場から逃げ出さなくてはいけないだろう。  気付かれないようにゆっくりと首を回し、退路を確認する。  ドアがあった。  ……間違いなく開けたら気付かれる。  おーけー、落ちつけ内藤ホライゾン。  まずこたつがある時点で拉致されて移動の最中であることは考えづらい。  ということは移動が完了しているのか?  だとしても見張りがこのコロネ女一人というのは考えにくい。  ではこの現状はなんだ?  ……まさか一生のうちに頭からコロネを下げた女と会話することになろうとは。  だが、現状がわからない以上仕方がない。接触を試みることにしよう。 (;^ω^)「あ、あー」 (;^ω^)「excuse me, can you speak...Japanese?」  頭からコロネを下げている人種だ、日本人でない可能性も高い。  英語が通じなければ一応韓国語も話せる……かもしれない。 ξ゚⊿゚)ξ「あら、目が覚めた? 白豚さん」  いや、うん。  英語が通じたとか、日本語話してて日本人だとか  そんなことよりも、ね  初対面の人間に白豚って浴びせかけられたこの怒りをどうすれば。 ξ゚⊿゚)ξ「酔いはさめたかしら? 白豚さん」  二度も言ったなァー!  親父にも言われたことなかったのに!  まあこんなこと言う親父がいたら多分暴力的な意味での虐待も受けてるだろうね! ( ^ω^)「上等だこのコロネ女。どういうつもりだ」  犯罪集団だろうがなんだろうが侮辱されたからには黙ってられねえ。  ていうか日本人なら余計にそのコロネ文化理解できない。 ξ゚⊿゚)ξ「まだ酔いが抜けてないみたいね、水持ってくるから待ってなさい」  その前に拘束を解け。一発殴ってやらないと気が済まない。  とでも言おうと思ったが良く考えたら銃の一丁や二丁持ってたらどうしようと思って踏みとどまった。 ξ゚⊿゚)ξ「ほら、水。水道水が気に入らないなんてわがまま許さないわよ」  と、グラスを突き出してくる。が。  手が拘束されているので、飲めない。 ( ^ω^)「……ん」  手を前に出しアピールするが、その手に無理やり持たされた。  どうやって飲めと、と思ったが意外と飲むことができる。 ξ゚⊿゚)ξ「飲んで落ちついたらちょっとよく考えて頂戴。状況が理解できたら呼んで」  と女はさっさとこたつに潜り込んだ。寒がりなのだろうか。  というか状況が理解できないから声をかけたんだがな。  しかしどうやら、聞く限りでは危害を加える気は無いらしい。  冷たい水で少し頭も冷えた。  一杯の水はなかなかおいしい。 ( ^ω^)「……失礼しましたお」 ξ゚⊿゚)ξ「ん」 ( ^ω^)「とりあえず、状況を教えてくれませんかお」 ξ゚⊿゚)ξ「……は? 聞きたいのはこっちなんだけど」  顔中に不快感をあらわにされる。  いや、ほんとにわからないんだ、ごめん、あとコロネなんなの。 ( ^ω^)「いや、記憶が、無くて」 ξ;゚⊿゚)ξ「は!? 記憶喪失!?」  彼女は突然狼狽し、運んだ時に頭落としたからかなとかでも外傷なかったしとか言っている。  救急車でも呼びかねないので誤解を解く。 ( ^ω^)「その、多分飲み過ぎたのかと」 ξ;゚⊿゚)ξ「な、なによ、そういう意味ね。脅かさないで」 ( ^ω^)「えぇ、すいませんお」 ξ゚⊿゚)ξ「んじゃあんたをみつけた状況から説明しなきゃいけないのね、めんどくさ」  すいません、ともう一度謝って状況を聞く。  彼女はこたつの上のノートPCに視線を留めたまま時折何かを打ちこみながら、  僕をこの状態にした経緯を話した。 (;^ω^)「あー……」 ξ゚⊿゚)ξ「理解できて? あなたの状況」 (;^ω^)「ごめんなさいとしか」 ξ゚⊿゚)ξ「よろしい」  確かにその状況なら感謝すべきだろう。  手足拘束も年頃の娘さんなら仕方あるまい。  といっても年齢は知らないが。 ξ゚⊿゚)ξ「というわけで、意識がはっきりしたなら帰ってくださる?」 ( ^ω^)「いや帰りたいのは山々なんですけどね」 ξ゚⊿゚)ξ「何よ」 ( ^ω^)「解いてくださる?」 ξ゚⊿゚)ξ「……そのままで( ^ω^)「帰れるわけないだろぶっ飛ばすぞコロネ女」  チッ! と盛大な舌打ちのあと彼女は腕に巻きつけられたガムテープを剥いだ。  産毛がごっそり抜けた感じがしてすごく痛かった。 ξ゚⊿゚)ξ「足は自分でやってね」 ( ゚ω゚)「これ直貼りじゃねえかふざけんな!!!!」  声を押し殺し、涙を見せまいと顔を伏せながら、ゆっくりゆっくりと  ガムテープを剥いでいった。 ξ゚⊿゚)ξ「時々出てる変な声が真面目に気持ち悪いんですけど白豚」 ( ゚ω゚)「お前のせいだろおおおおお!?」  もはや涙も声も枯れ果てたよ俺は!  なんでこんな踏んだり蹴ったりな目に逢わなきゃいけないんだよ! ξ゚⊿゚)ξ「うわぁ……」  白豚が奇声を上げながら慎重に足に巻かれたガムテープを剥いでいる。  正直見たくもない。 tsun_corone:マジこいつきめぇwww なんかおぅおぅ言ってるwwww dokkun_melan:@tsun_corone 何したのwwww mola_omega:@tsun_corone 性的嫌がらせと聞いて是非僕にもしてください cot_pot_san:@tsun_corone なんでそんなになるまで飲んじゃったんだろうね~ ξ゚⊿゚)ξ  はた、とキーボードをたたく手が止んだ。  年齢はわからないが私よりも年上に見えるこの男。  記憶をなくすまで飲むように酒好きのようにも見えない。  少し、興味がわいた。 ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ」 (;^ω^)「うん?」  今にも泣きそうな声で顔を挙げた白豚。  なんて聞き出せばいいんだろう?  素直に聞いても答えは出てきそうに無い気もする。 ξ゚⊿゚)ξ「あのさ」 ξ゚⊿゚)ξ「おさけ、好きなの?」  聞き方を間違えたのだろうか。  こたつの対面に男が座り、買い置きのチューハイ(レモン)をちびちびと飲んでいる。  真ん中には同じく買い置きしておいた柿の種が袋を広げておいてある。  右手のサイドボードにノートPCは移動され、タイムラインが少しずつ流れていく様がディスプレイに表示されていた。  私の手には乳酸菌風味のチューハイがある。  どうしてこうなったんだろうか?  彼は私の質問にこう答えていたはずだ。 ( ^ω^)『好きな方ではないお』 ξ゚⊿゚)ξ『……だったら、なんでそんなになるまで?』 ( ^ω^)『……とんでもなく』 ( ^ω^)『そうだね、僕にとってはとんでもなく嫌なことがあったんだ』 ( ^ω^)『それから逃げようとしたわけじゃあ、けしてないんだけれど』 ( ^ω^)『違うね、心のどこかでは逃げたかったのかもしれない』 ( ^ω^)『だから、こんなことになってしまったのかもしれないお』  なぜだかわからないけど、彼の話が聞きたくなった。  彼のことなんか何も知らないのだけれど、このとき初めて興味を持った。  理由なんかわからない。ただ、興味を持っただけなのかもしれない。  そして、共感したかったのかもしれない。  さみしさを、紛らわしたかったのかもしれない。  さみしさを、紛らわしたかったのかもしれない。  彼女には憎ささえ抱いていたと言うのに。 ( ^ω^)「始まりは、二年前だお」  二年前。  大学3年になったときに僕はアルバイトを始めた。  特に理由は無かった。  しいていえば、趣味に使うお金がほしかったからだろう。  彼女なんているはずもなく、専門の勉強にも新鮮さを感じなくなっていた。  新しい刺激がほしかったというのもあるのかもしれない。  バイトの内容は、塾講師。  クラス指導でなく個別指導中心であったため、そこまで辛くないだろうと高をくくっていたのだ。  それは幸いし、生徒たちとも良好な関係を築くことができた。  しかし、一つのイレギュラーがあった。  当時高校2年生。5つ下の生徒。  彼女に、僕は一目ぼれした。  おかしなことでは無いと思う。  別にロリコンと言うほどでもないだろうし、何より彼女は大人と比べても遜色のない美しさだった。  本当に、一目ぼれだった。  彼女に勉強を教えているときは至福の時間だった。  特に僕の得意教科である数学が彼女は不得意で、よく頼られる機会があった。  そのたびに、喜びを感じていた。  一年間、それは続いた。  彼女は受験生になり、僕は就職活動に本腰を入れるためにバイトを諦めることになった。  葛藤だった。  一年間築いたものを壊してしまうかもしれない。  受験生に余計なストレスを与えるわけではないのかもしれない。  逃げることを正当化していた。  しかしそれでもあきらめられなかった。  彼女との最後の授業の時、メールアドレスを交換した。  何気ない会話、愚痴、報告。  全てが楽しかった。  辛い就職活動もこのおかげで乗り越えられた。    でも。  それでも。  僕は気持ちを伝えることはできなかった。  やっとのことで内定を手にした一方で、彼女の隣の席を手に入れられなかった。  どちらとも明らかになったのは、11月だった。  しかし、なぜかそれをすんなりと受け入れることはできなかった。  メールでは「おめでとう」だの「続くことを祈っているよ」だの言っていたと言うのに。  心のどこかでは、嘘であること、夢であること、妄言で在ることを祈っていた。  センター試験が終わったので、少し羽根を伸ばすのだ、と彼女は報告してきた。  ちょうど、そのあたりに用事があったので、見かけたらいいなあ、程度の軽い気持ちで出かけたのだ。  ただ、それだけのつもりだった。 ξ゚⊿゚)ξ「で、見てしまったわけと」  男は、静かにうなずいた。  表情は、死んでしまったかのように無い。  チューハイは既に3本目だ。  遠慮しろと言いたくもなったが話を聞かせてもらったのはこちらである以上強くは言えない。  じっと虚空をたっぷり20秒は見ていただろうか。  不意に、口を開いた。 ( ^ω^)「彼女は、幸せなんだろうか」 ξ゚⊿゚)ξ「……」  幸せ。  それは主観が定義するモノ。  主観は人によって違う。  よって、幸せの度合いも基準も人によって違う。  誰もが幸せと思うものは何だろうか。  誰もが不幸と思うものは何だろうか。  そんなものが、そもそも存在するのだろうか。  そんなことを、考えたことを思い出した。 ( ^ω^)「彼女が幸せなら、僕はもういいんだ」  もう一度、彼は呟いた。  自己の幸せよりも相手の幸せを思いやることができるのは、究極の愛ではないかと私は思う。  その点で彼は、彼女のことを本当に愛していたのだろうと思う。  でも。 ξ゚⊿゚)ξ「本当に?」  つい、口から出てしまった。  私は知っている。  こんなことを言っていても、本心からそう思える人はほとんどいない。 ξ゚⊿゚)ξ「本当に、彼女は幸せで、あなたはそれでいいの?」  なぜ語気を荒げたのが、私にもわからない。  だが、言わなければならない気がした。 ξ゚⊿゚)ξ「自分が不幸になることで彼女に幸せが訪れる、なんてことを信じて       自分が二年間も目指したその隣の席を誰かに奪われて       それが彼女の幸せ? だからいい?」 ξ゚⊿゚)ξ「本当に、あなたはそれでいいのね?」  沈黙。  一分。  五分。  十分。  時計は、三時を過ぎたところを刺していた。  タイムラインも、流れが止まっているかのようにゆるやかだった。 ( ^ω^)「……良いわけが、ないお」  口をついて出てしまった。  本心。  これが、僕の本心なのだ。  自分勝手で醜くて、それでも主張しようとする本心。 ( ^ω^)「彼女の隣にいるべきは僕のはずだお。       僕以外に彼女を幸せにできるはずがないお。       僕は、そう信じているお。」  何の根拠もない自信。  僕の主張はそれほどまでに弱い。  だが、けして脆くは無い。  すぐに曲げられるほど、本心は脆くはない。  二年間、ずっと育ててきたこの気持ちだ。  簡単に崩れるはずが、ない。 ( ^ω^)「僕の方が、彼女をよく知っているはずなんだ」 ( ^ω^)「彼女を幸せに、できるはずなんだ」  だから。  だからこそ。 ( ^ω^)「……僕は、許せなかったんだ」  相手を。相手の彼を。自分を。  怒りが、酒に走らせた。  それを聞いた瞬間、私の中の何かが弾けた。  握っていたチューハイを一気に喉に流し込む。  勢いよく缶をこたつに叩きつけ、彼に言う。 ξ#゚⊿゚)ξ「だったら、闘えよ!」  逃げるんじゃない。  闘って、勝つか負けるかはっきりしてくるべきなんだ。  逃げるのは、自分自身に負けること。  一番やってはいけないことなんだ。 ξ#゚⊿゚)ξ「許せないんだろ! 彼女が、彼が、自分が!        だったら、その全員に喧嘩売って闘ってこい!        そうしねえとてめえは、ずっと、ずっと――!」  ずっと、その結果を引きずって。 ξ# ⊿ )ξ「ずっと、そのままになっちまうんだ」  自分に臆病になって、でもさみしさに耐えられずに。  埋めたくても埋められない穴に苦しみ。  嫌な気分だけがずっと支配して。  自分の気持ちも、体も、全部全部を重くする。  だから。  だからこそ。 ξ ⊿ )ξ「アンタは、闘うべきだよ」 ( ^ω^)「たた、かう」 ξ゚⊿゚)ξ「そう、闘う」 ( ^ω^)「彼女と、彼と、自分と」 ξ゚⊿゚)ξ「そいつらみんなと」 ( ^ω^)「ひとりで、たたかう」 ξ゚⊿゚)ξ「あたしが手伝ってやる」 ( ^ω^)「……」 ξ゚⊿゚)ξ「人間ってのは一人じゃ勇気が出せねえもんだ。       あたしがその背中、押してやる」 ( ^ω^)「……えっと」 ξ゚⊿゚)ξ「ツン」 ( ^ω^)「内藤、ホライゾン みんなはブーンって呼ぶお」 ξ゚⊿゚)ξ「これから、頑張るぞ、ブーン」 ( ^ω^)「……ありがとうだお、ツン」 ξ゚⊿゚)ξ「……うん」 tsun_corone:なにやってんだろ、あたし tsun_corone:こんな時間まで説教とかwwダッセーwww tsun_corone:ま、追いだしたことだし寝ます 誰もいないけど  :  : mola_omega:@tsun_corone おやすみー![mb]  :  :  :  : hirozon_liebe:帰宅ー hirozon_liebe:酔って路上寝とか笑えねえwwwww hirozon_liebe:ほんと笑えねえよwwww hirozon_liebe:でもそのおかげで少しだけ前進したような気がする hirozon_liebe:頑張るぞー!  :  :  :  :  :  : wp_ccC:第一話副題「バトルスタート」 終了 wp_ccC:第二話「じゅくがえりが しょうぶを しかけてきた!」 coming soon...? 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