('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです その13

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/ ,' 3「なっ……」 (´・ω・`)「先代が心を痛めていたのは、後任探しの気疲れではありません」 (´・ω・`)「周囲の目との戦いでございます」 (´・ω・`)「私の思想と肉体は甚く先代に気に入られていまして」 (´・ω・`)「早い段階で後任に私を選ぶ予定だったそうです」 (´・ω・`)「ですが、年齢で序列は決まらぬとはいえ、私は若すぎた」 (´・ω・`)「大衆の目がある……悩んでおられました」 (´・ω・`)「そこで私が御言葉添えをした。迷いなされ、と」 (´・ω・`)「迷いに迷った末の決断であると、皆の眼前で訴えなされ、と」 (´・ω・`)「私も演技には苦労しましたよ」 (´・ω・`)「茶礼でその話題が上がるたびに断りと他者の推薦を繰り返しましたからね」 / ,' 3「馬鹿な……」 / ,' 3「だが……諸梵和尚が優れた僧であったのは紛れもなき真実!」 / ,' 3「我ら僧たちの総意であった!」 (´・ω・`)「寺の頂点である管主が私の考えを認めれば、下々の僧もそれに倣うでしょう」 (´・ω・`)「優れているから広まったのではなく、優れていると広めたに過ぎません」 / ,' 3「おお……なんたることじゃ……」 / ,' 3「しかしそれでも……わしは、あなたの力量が、真であると信じておる…・…」 / ,' 3「すべてが虚実とは思えぬ……」 (´・ω・`)「ありがたき褒章にございます」 / ,' 3「……」 (´・ω・`)「とにかく……こうして寺は私の所有物となった」 (´・ω・`)「後はこちらの一人舞台」 (´・ω・`)「拙僧による寺院殿堂計画の開始です」 ('A`)「な、なんだそれは!?」 ('A`)「そのいかにも怪しげなネーミングセンスは!」 (´・ω・`)「毒念さん……あなたもまた鍵となっていたのですぞ」 ('A`)「俺もだって?」 (´・ω・`)「ええ」 (´・ω・`)「偶然の産物なのか、はたまた必然の理なのか……」 (´・ω・`)「いずれにせよ結果としてそうなったのです」 (´・ω・`)「ゆえに毒念さんも静聴しなさい」 ('A`)「……」 ('A`)(言い返せない……明らかに非は向こうにあるのに……) (´・ω・`)「まず必要だったのは……」 (´・ω・`)「追放……僧の入れ替えでした」 / ,' 3「……どういうことじゃ」 (´・ω・`)「還暦を迎えた者から金品を握らせ下山させたのです」 (´・ω・`)「年老いた仏僧ばかり密集するのは美しくない」 / ,' 3「なんたる暴挙……!」 (´・ω・`)「この乱れた世……寺院に駆け込む者は数多おります」 (´・ω・`)「その後留まり続けるか、窮して脱するかは知りませんが、ともあれ」 (´・ω・`)「入ってくる者どもには困りませんでした」 / ,' 3「ならば、なにゆえわしは残された!」 (´・ω・`)「あなたには理由があった」 (´・ω・`)「……それもまた後々解き明かしましょう」 (´・ω・`)「若返りには時間を要した」 (´・ω・`)「私の心身が朽ち果てるまでに遂行せねばならぬというのに……」 (´・ω・`)「大儀でしたよ」 ( ・∀・)「……」 (´・ω・`)「そして、三年前――でしたか」 (´・ω・`)「最後の六十歳過ぎの僧を追い出したのは」 (´<_` )「自分の前の典座か」 (´・ω・`)「そう。しかしこれは少々心苦しかった」 (´・ω・`)「かつて私と関係を持ったこともありましたからね」 ('A`)(椎伊を誘ったとかいう奴か!) (*゚ー゚)(……) (´・ω・`)「とにかく計画の序段階は完了した」 (,,゚Д゚)「ここまでで序の口か!」 (´・ω・`)「そう、あくまでも足掛かりでしかありません」 (´・ω・`)「計画は――今の六知事を置くことで本格的に始まりました」 ( ゚∀゚)「俺たちを……」 ( ´_ゝ`)「置くことで……だと?」 (´・ω・`)「左様」 (´・ω・`)「荒巻和尚、茂羅和尚、譲留和尚、擬古和尚、弟蛇和尚、兄蛇和尚」 (´・ω・`)「この者たちに権力が与えられた瞬間……」 (´・ω・`)「寺に六方陣が張られたのです」 ('A`)「……」 (´・ω・`)「……まずは、弟蛇和尚から説いていきましょうか」 (´<_` )「じ、自分からだと?」 (´・ω・`)「この男は性的倒錯者である」 (´<_` )「なっ、なにを!」 (´・ω・`)「いたいけな少年の姿に甚大な興奮を覚え」 (´・ω・`)「にもかかわらず自分自身への奉仕は望まないという」 (´・ω・`)「少々風変わりな性癖の持ち主なのです」 (´<_` )「いわれのない虚言はやめてもらいたい!」 (´・ω・`)「虚言などでは断じてありませぬ」 (´・ω・`)「あなたが子飼いにしておられるという少年僧……」 (´・ω・`)「あの子の蜜の味は私も知っていましてね」 (´・ω・`)「いろいろと楽しい談話を聞くことができました」 (´・ω・`)「自分が三人目だ、などと申しておりましたよ」 (´<_` )「ほ……本当か、おい、そこ!」 (´・ω・`)「やめなされ。震えておる」 (´・ω・`)「そもそも、私も前々から弟蛇和尚が衆道に耽っているという噂は聞いていましてね」 (´・ω・`)「ただ実証することが不可能でした」 (´・ω・`)「そこで、ちょうど空位になった典座の職を与えたのです」 (´・ω・`)「個室と給仕場という二つの閉鎖環境を自由にできる立場を」 (´<_` )「……」 (´・ω・`)「その二カ所に絞ればさすがに察せます」 (´・ω・`)「結果として誠に面白いことになりました」 (´・ω・`)「何分その特殊な性癖の詳細まで明らかになったのですよ」 (´・ω・`)「六知事のひとりに奇妙な趣味の僧が就いておられる!」 (´・ω・`)「まさしく望んだ結末です」 (´<_` )「……なんたることだ……」 (´・ω・`)「さて、弟蛇和尚はこの『閉じた』空間で『開こう』とした」 (´・ω・`)「女性と男性の在り方に新しい価値観を、自己の中で大成させたのです」 (´・ω・`)「――こうした性質の者が、一人」 (´・ω・`)「おお、それともうひとつ」 (´・ω・`)「和尚を典座に指名したのにはこれまた趣深い理由があるのですが」 (´・ω・`)「それは追々語るとしましょう」 (´・ω・`)「次は……そうですね、擬古和尚」 (,,゚Д゚)「拙僧か。生憎だが拙僧は大悟に至っておる!」 (,,゚Д゚)「何を告げられようと動じぬぞ!」 (,,゚Д゚)「拙僧に無明はあらぬ!」 (´・ω・`)「……和尚は少年僧を数名囲い」 (´・ω・`)「山の小さな廃屋にて同性愛に興じておられるようですが」 (,,゚Д゚)「それがどうした。既に周知の事実となっておる。今更のこと」 (´・ω・`)「そして伊陽さんにだけは格別の愛を注いでいる」 (,,゚Д゚)「いかにも!」 (,,゚Д゚)「あの雲水は拙僧の宝である」 (´・ω・`)「まだ数ヶ月ほどの関係と見受けられますが」 (´・ω・`)「なにせ伊陽さんは入山して一年程度の身」 (´・ω・`)「愛を育む期間としてはいささか短くありませんかな」 (,,゚Д゚)「時は長さではなく深さが肝要である」 (,,゚Д゚)「座禅と同じこと!」 (,,゚Д゚)「等しい時間であっても己の集中如何で成果は大いに変化する!」 ('A`)(時間より密度か……) ( ^ω^)(無駄にかっこいいお……) (´・ω・`)「成程……」 (´・ω・`)「分かりました。擬古和尚はやはり今も『閉じて』おられます」 (´・ω・`)「永久に『閉じた』者。こうした性質の者が、一人」 (,,゚Д゚)「どういう含意であるか! 只今の拙僧は開閉両方備えておる!」 (´・ω・`)「いいえ閉じておられますよ。あなたは盲目です」 (´・ω・`)「外を見ているつもりで、見えてはいないのですから」 (,,゚Д゚)「なにを……」 (´・ω・`)「すぐに分かります。譲留和尚の究明に移りましょう」 (´・ω・`)「譲留和尚、こちらに視線を集束させられますかな?」 ( ゚∀゚)「なんとか……」 (´・ω・`)「うむ」 (´・ω・`)「――皆も知っての通り、譲留和尚は他の寺から招かれた僧である」 (´・ω・`)「この方は実に深遠かつ、大胆な思想の保持者です」 (´・ω・`)「つまり、『開く』という概念を提唱する僧です」 (´・ω・`)「これが非常に面白かった」 (´・ω・`)「私はすぐさま改宗の手続きを踏ませました」 ( ゚∀゚)「十年以上前の話だ……」 (´・ω・`)「そうです。いや本当にあれは行幸であった」 (´・ω・`)「私の計画をよりよい形態にするのに最適でしたから」 / ,' 3「そんなことが……どう繋がるのじゃ?」 (´・ω・`)「『人』は変え易くとも、『風』は変え難し」 (´・ω・`)「旧来の禅僧の風習が残るこの寺の」 (´・ω・`)「ひどく淡白な空気を払うには一筋縄ではいきません」 (´・ω・`)「そこで、正反対の思想家を入れることで、捩じれを生じさせたのです」 (´・ω・`)「もっとも、美僧を手元に置いておきたいという欲望もあったのですが」 ( ^ω^)「譲留和尚とも寝たのかお!?」 (´・ω・`)「いえいえ、違います。眺めているだけで十分でした」 (´・ω・`)「私が触れるとせっかくの高雅が壊れてしまう」 ( ゚∀゚)「……」 (´・ω・`)「さておき、続けましょうか」 (´・ω・`)「そうして案の定と言うべきか、譲留和尚は」 (´・ω・`)「古くからの禅思想の顕著な例ともいえる擬古和尚と反目し合った」 (´・ω・`)「これによりますます亀裂は広がった」 (´・ω・`)「寺に『歪み』が発生した」 ( ゚∀゚)「……それも……計算の上か……?」 (´・ω・`)「全ては天運時運地運人運のなすがままにございます」 (´・ω・`)「この徐々に肥大化する『歪み』を、更に大きくするため」 (´・ω・`)「私は二人を六知事に置きました」 (´・ω・`)「擬古和尚に維那を、譲留和尚に副寺を」 (´・ω・`)「力があれば、従属する者も出てくる――派閥が組成される」 (´・ω・`)「違う箇所からも『歪み』が生じるようになります」 (,,゚Д゚)「拙僧は……利用されていたのか!」 (´・ω・`)「ところで、理由はお気づきか?」 (´・ω・`)「譲留和尚の位を一段上にしているのは、なぜか」 ( ゚∀゚)「知る由もない……少なくとも俺は考えたことがない……」 (´・ω・`)「単純なことです。擬古和尚の嫉妬心を煽るためですよ」 [[前へ>http://www43.atwiki.jp/boonshousetsu/pages/63.html]]  [[戻る>http://www43.atwiki.jp/boonshousetsu/pages/51.html]] #comment(nsize=40,vsize=10,size=40)
/ ,' 3「なっ……」 (´・ω・`)「先代が心を痛めていたのは、後任探しの気疲れではありません」 (´・ω・`)「周囲の目との戦いでございます」 (´・ω・`)「私の思想と肉体は甚く先代に気に入られていまして」 (´・ω・`)「早い段階で後任に私を選ぶ予定だったそうです」 (´・ω・`)「ですが、年齢で序列は決まらぬとはいえ、私は若すぎた」 (´・ω・`)「大衆の目がある……悩んでおられました」 (´・ω・`)「そこで私が御言葉添えをした。迷いなされ、と」 (´・ω・`)「迷いに迷った末の決断であると、皆の眼前で訴えなされ、と」 (´・ω・`)「私も演技には苦労しましたよ」 (´・ω・`)「茶礼でその話題が上がるたびに断りと他者の推薦を繰り返しましたからね」 / ,' 3「馬鹿な……」 / ,' 3「だが……諸梵和尚が優れた僧であったのは紛れもなき真実!」 / ,' 3「我ら僧たちの総意であった!」 (´・ω・`)「寺の頂点である管主が私の考えを認めれば、下々の僧もそれに倣うでしょう」 (´・ω・`)「優れているから広まったのではなく、優れていると広めたに過ぎません」 / ,' 3「おお……なんたることじゃ……」 / ,' 3「しかしそれでも……わしは、あなたの力量が、真であると信じておる…・…」 / ,' 3「すべてが虚実とは思えぬ……」 (´・ω・`)「ありがたき褒章にございます」 / ,' 3「……」 (´・ω・`)「とにかく……こうして寺は私の所有物となった」 (´・ω・`)「後はこちらの一人舞台」 (´・ω・`)「拙僧による寺院殿堂計画の開始です」 ('A`)「な、なんだそれは!?」 ('A`)「そのいかにも怪しげなネーミングセンスは!」 (´・ω・`)「毒念さん……あなたもまた鍵となっていたのですぞ」 ('A`)「俺もだって?」 (´・ω・`)「ええ」 (´・ω・`)「偶然の産物なのか、はたまた必然の理なのか……」 (´・ω・`)「いずれにせよ結果としてそうなったのです」 (´・ω・`)「ゆえに毒念さんも静聴しなさい」 ('A`)「……」 ('A`)(言い返せない……明らかに非は向こうにあるのに……) (´・ω・`)「まず必要だったのは……」 (´・ω・`)「追放……僧の入れ替えでした」 / ,' 3「……どういうことじゃ」 (´・ω・`)「還暦を迎えた者から金品を握らせ下山させたのです」 (´・ω・`)「年老いた仏僧ばかり密集するのは美しくない」 / ,' 3「なんたる暴挙……!」 (´・ω・`)「この乱れた世……寺院に駆け込む者は数多おります」 (´・ω・`)「その後留まり続けるか、窮して脱するかは知りませんが、ともあれ」 (´・ω・`)「入ってくる者どもには困りませんでした」 / ,' 3「ならば、なにゆえわしは残された!」 (´・ω・`)「あなたには理由があった」 (´・ω・`)「……それもまた後々解き明かしましょう」 (´・ω・`)「若返りには時間を要した」 (´・ω・`)「私の心身が朽ち果てるまでに遂行せねばならぬというのに……」 (´・ω・`)「大儀でしたよ」 ( ・∀・)「……」 (´・ω・`)「そして、三年前――でしたか」 (´・ω・`)「最後の六十歳過ぎの僧を追い出したのは」 (´<_` )「自分の前の典座か」 (´・ω・`)「そう。しかしこれは少々心苦しかった」 (´・ω・`)「かつて私と関係を持ったこともありましたからね」 ('A`)(椎伊を誘ったとかいう奴か!) (*゚ー゚)(……) (´・ω・`)「とにかく計画の序段階は完了した」 (,,゚Д゚)「ここまでで序の口か!」 (´・ω・`)「そう、あくまでも足掛かりでしかありません」 (´・ω・`)「計画は――今の六知事を置くことで本格的に始まりました」 ( ゚∀゚)「俺たちを……」 ( ´_ゝ`)「置くことで……だと?」 (´・ω・`)「左様」 (´・ω・`)「荒巻和尚、茂羅和尚、譲留和尚、擬古和尚、弟蛇和尚、兄蛇和尚」 (´・ω・`)「この者たちに権力が与えられた瞬間……」 (´・ω・`)「寺に六方陣が張られたのです」 ('A`)「……」 (´・ω・`)「……まずは、弟蛇和尚から説いていきましょうか」 (´<_` )「じ、自分からだと?」 (´・ω・`)「この男は性的倒錯者である」 (´<_` )「なっ、なにを!」 (´・ω・`)「いたいけな少年の姿に甚大な興奮を覚え」 (´・ω・`)「にもかかわらず自分自身への奉仕は望まないという」 (´・ω・`)「少々風変わりな性癖の持ち主なのです」 (´<_` )「いわれのない虚言はやめてもらいたい!」 (´・ω・`)「虚言などでは断じてありませぬ」 (´・ω・`)「あなたが子飼いにしておられるという少年僧……」 (´・ω・`)「あの子の蜜の味は私も知っていましてね」 (´・ω・`)「いろいろと楽しい談話を聞くことができました」 (´・ω・`)「自分が三人目だ、などと申しておりましたよ」 (´<_` )「ほ……本当か、おい、そこ!」 (´・ω・`)「やめなされ。震えておる」 (´・ω・`)「そもそも、私も前々から弟蛇和尚が衆道に耽っているという噂は聞いていましてね」 (´・ω・`)「ただ実証することが不可能でした」 (´・ω・`)「そこで、ちょうど空位になった典座の職を与えたのです」 (´・ω・`)「個室と給仕場という二つの閉鎖環境を自由にできる立場を」 (´<_` )「……」 (´・ω・`)「その二カ所に絞ればさすがに察せます」 (´・ω・`)「結果として誠に面白いことになりました」 (´・ω・`)「何分その特殊な性癖の詳細まで明らかになったのですよ」 (´・ω・`)「六知事のひとりに奇妙な趣味の僧が就いておられる!」 (´・ω・`)「まさしく望んだ結末です」 (´<_` )「……なんたることだ……」 (´・ω・`)「さて、弟蛇和尚はこの『閉じた』空間で『開こう』とした」 (´・ω・`)「女性と男性の在り方に新しい価値観を、自己の中で大成させたのです」 (´・ω・`)「――こうした性質の者が、一人」 (´・ω・`)「おお、それともうひとつ」 (´・ω・`)「和尚を典座に指名したのにはこれまた趣深い理由があるのですが」 (´・ω・`)「それは追々語るとしましょう」 (´・ω・`)「次は……そうですね、擬古和尚」 (,,゚Д゚)「拙僧か。生憎だが拙僧は大悟に至っておる!」 (,,゚Д゚)「何を告げられようと動じぬぞ!」 (,,゚Д゚)「拙僧に無明はあらぬ!」 (´・ω・`)「……和尚は少年僧を数名囲い」 (´・ω・`)「山の小さな廃屋にて同性愛に興じておられるようですが」 (,,゚Д゚)「それがどうした。既に周知の事実となっておる。今更のこと」 (´・ω・`)「そして伊陽さんにだけは格別の愛を注いでいる」 (,,゚Д゚)「いかにも!」 (,,゚Д゚)「あの雲水は拙僧の宝である」 (´・ω・`)「まだ数ヶ月ほどの関係と見受けられますが」 (´・ω・`)「なにせ伊陽さんは入山して一年程度の身」 (´・ω・`)「愛を育む期間としてはいささか短くありませんかな」 (,,゚Д゚)「時は長さではなく深さが肝要である」 (,,゚Д゚)「座禅と同じこと!」 (,,゚Д゚)「等しい時間であっても己の集中如何で成果は大いに変化する!」 ('A`)(時間より密度か……) ( ^ω^)(無駄にかっこいいお……) (´・ω・`)「成程……」 (´・ω・`)「分かりました。擬古和尚はやはり今も『閉じて』おられます」 (´・ω・`)「永久に『閉じた』者。こうした性質の者が、一人」 (,,゚Д゚)「どういう含意であるか! 只今の拙僧は開閉両方備えておる!」 (´・ω・`)「いいえ閉じておられますよ。あなたは盲目です」 (´・ω・`)「外を見ているつもりで、見えてはいないのですから」 (,,゚Д゚)「なにを……」 (´・ω・`)「すぐに分かります。譲留和尚の究明に移りましょう」 (´・ω・`)「譲留和尚、こちらに視線を集束させられますかな?」 ( ゚∀゚)「なんとか……」 (´・ω・`)「うむ」 (´・ω・`)「――皆も知っての通り、譲留和尚は他の寺から招かれた僧である」 (´・ω・`)「この方は実に深遠かつ、大胆な思想の保持者です」 (´・ω・`)「つまり、『開く』という概念を提唱する僧です」 (´・ω・`)「これが非常に面白かった」 (´・ω・`)「私はすぐさま改宗の手続きを踏ませました」 ( ゚∀゚)「十年以上前の話だ……」 (´・ω・`)「そうです。いや本当にあれは行幸であった」 (´・ω・`)「私の計画をよりよい形態にするのに最適でしたから」 / ,' 3「そんなことが……どう繋がるのじゃ?」 (´・ω・`)「『人』は変え易くとも、『風』は変え難し」 (´・ω・`)「旧来の禅僧の風習が残るこの寺の」 (´・ω・`)「ひどく淡白な空気を払うには一筋縄ではいきません」 (´・ω・`)「そこで、正反対の思想家を入れることで、捩じれを生じさせたのです」 (´・ω・`)「もっとも、美僧を手元に置いておきたいという欲望もあったのですが」 ( ^ω^)「譲留和尚とも寝たのかお!?」 (´・ω・`)「いえいえ、違います。眺めているだけで十分でした」 (´・ω・`)「私が触れるとせっかくの高雅が壊れてしまう」 ( ゚∀゚)「……」 (´・ω・`)「さておき、続けましょうか」 (´・ω・`)「そうして案の定と言うべきか、譲留和尚は」 (´・ω・`)「古くからの禅思想の顕著な例ともいえる擬古和尚と反目し合った」 (´・ω・`)「これによりますます亀裂は広がった」 (´・ω・`)「寺に『歪み』が発生した」 ( ゚∀゚)「……それも……計算の上か……?」 (´・ω・`)「全ては天運時運地運人運のなすがままにございます」 (´・ω・`)「この徐々に肥大化する『歪み』を、更に大きくするため」 (´・ω・`)「私は二人を六知事に置きました」 (´・ω・`)「擬古和尚に維那を、譲留和尚に副寺を」 (´・ω・`)「力があれば、従属する者も出てくる――派閥が組成される」 (´・ω・`)「違う箇所からも『歪み』が生じるようになります」 (,,゚Д゚)「拙僧は……利用されていたのか!」 (´・ω・`)「ところで、理由はお気づきか?」 (´・ω・`)「譲留和尚の位を一段上にしているのは、なぜか」 ( ゚∀゚)「知る由もない……少なくとも俺は考えたことがない……」 (´・ω・`)「単純なことです。擬古和尚の嫉妬心を煽るためですよ」 [[前へ>http://www43.atwiki.jp/boonshousetsu/pages/63.html]]  [[戻る>http://www43.atwiki.jp/boonshousetsu/pages/51.html]]  [[次へ>http://www43.atwiki.jp/boonshousetsu/pages/65.html]] #comment(nsize=40,vsize=10,size=40)

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