('A`)「うわーこっちに帰ってくるなんて久々だな」
J( 'ー`)し「本当に久しぶりねぇ……」
('A`)「ごめんな。本当ならこっちで暮らしたいんだけど」
J( 'ー`)し「いいのよ、こんな田舎から通勤なんて大変でしょ」
('A`)「……ありがとう」
J( 'ー`)し「ふふ、こうして顔を見せにきてくれるだけでも嬉しいわ」
とある田舎での風景だ。
ドクオは連休を取ることができたので、田舎に帰ってきていた。
毎年帰ってくるようにしているとはいえ、やはり地元の空気は格別だ。
この辺りは自然も多く、家からも田んぼや森が見える。
('A`)「やっぱ地元の空気って美味しいよな」
J( 'ー`)し「この辺りにあるのは草木ばかりだからねぇ」
('A`)「そこがいいんじゃないか」
J( 'ー`)し「そうね。かあちゃんは都会では暮らせないわねぇ」
('A`)「オレが帰ってくるから、母さんはここでのんびりしててくれよ」
J( 'ー`)し「ふふ」
( ><)「あードクオさんなんです!」
(*‘ω‘ *)「久しぶりだっぽ!」
('A`)「おー元気だったか?」
こんな田舎なので、大抵の人とは顔見知りである。
縁側から顔を出したのは何処かで遊んできた帰りの子供達だ。
( ><)「元気なんです!」
(*‘ω‘ *)「昨日、田んぼで悪戯して起こられたっぽ」
('A`)「ははは、田んぼで悪戯しちゃダメだろー?」
( ><)「でも、退屈なんです」
('A`)「森で遊べばいいじゃないか」
(*‘ω‘ *)「ダメっぽ」
('A`)「どうかしたのか?」
やけに真剣な目が返ってきたことに驚く。
ドクオの記憶が正しければ、今まで帰ってきたときは森で楽しそうに遊んでいたはずだ。
('A`)(事件でもあったのか……?)
( ><)「ゆーれーがでるんです!」
('A`)「幽霊?」
思わず母の顔を見る。
J( 'ー`)し「最近、子供達の間で噂になってるのよ」
森へ入ると、女のすすり泣く声が聞こえる。
声の方へ行くと、とり殺されてしまうのだと言う。
('A`)(そんな噂が流れているのか)
時の流れは速い。
久々に帰郷してみると、思いもよらない話に遭遇することがある。
( ><)「とっても怖いんです!」
(*‘ω‘ *)「まだ死にたくないっぽ」
('A`)(まあ、この辺りは夜になると真っ暗になるしな)
幽霊話があってもおかしくはない。
むしろ、何故今までその系統の話を聞かなかったのだろうか。
('A`)「ま、気のせいさ」
( ><)「本当なんです!」
(*‘ω‘ *)「ビロードが声を聞いたっぽ」
('A`)「へー」
子供はよく、ありもしないことを本当のように話す。
いや、子供からしてみればそれは本当のことなのだろう。
大人はそんな子供の夢を壊してはいけない。
いずれ気がつく日がくるまでは、そっとしておいてあげよう。
('A`)「そりゃあ怖いな」
( ><)「ボク、あやうく死ぬところだったんです!」
(*‘ω‘ *)「絶対に森に行っちゃダメっぽ」
( ><)「わかっているんです」
:( ><):
(*‘ω‘ *)「ビロード……」
思い出すだけで震えてきたビロードと、その手をギュッと握るちんぽっぽ。
仲の良い二人を見て、ドクオはこっそりと微笑んだ。
リア充は爆発すればいいと思うが、仲睦まじい子供を見るのは心が癒される。
J( 'ー`)し「ああ、でも……」
('A`)「ん?」
J( 'ー`)し「たしか、あの森にはお屋敷があったはずよ」
('A`)「屋敷?」
( ><)「そんなのがあるんですか?」
(*‘ω‘ *)「見たことないっぽ」
子供のころの記憶を掘り起こしてみるが、そんなものは見当たらない。
ビロード達同様に、首を傾げる。
J( 'ー`)し「ちょっと奥の方にあるからねぇ……」
子供の足ではたどりつくのは難しいらしい。
J( 'ー`)し「昔はよく、ご家族そろって挨拶にくてくれていたんだけど、近頃はきてないみたい」
('A`)「もしかしたら、その屋敷にいる人が泣いてるのかもな」
( ><)「そ、そうなんですか?」
J( 'ー`)し「うーん。ビロード君が行けるような場所からだと、お屋敷は見えないし、
お屋敷の声なんて聞こえないと思うけどねぇ……」
(*‘ω‘ *)「ビロードはチキンだっぽ」
('A`)「昔から怖がりだもんなぁ」
( ;><)「だ、だって森は暗いんです!」
(*‘ω‘ *)「やーいチキンっぽ」
:( ><):「ちんぽっぽちゃんはボクがゆーれーに連れて行かれてもいいんです……」
(;*‘ω‘ *)「そんなことないっぽ。だから泣くなっぽ」
:(。><):「ボクは男の子だから泣かないんです」
(*‘ω‘ *)「はいはい、ハンカチ貸してあげるっぽ」
( ><)「ありがとうなんです……」
('A`)(この二人はいつも仲がいいな)
J( 'ー`)し「ドクオと同じ年くらいの女の子は、この村にいないからねぇ」
(;'A`)「ちゃ、ちゃんといい人見つけるよ」
気がつけば幽霊話から、嫁探しの話に変わっている。
ドクオはこの手の話が苦手だ。
どうにか話をそらせないかと、思考を巡らせる。
( <●><●>) 「何をしているんですか?」
救世主は垣根の向こうに現れた。
('A`)「あ、ワカッテマスさん」
( <●><●>) 「ああ、ドクオさん。帰ってきていたんですね」
J( 'ー`)し「今、例の幽霊について話していたんですよ」
('A`)(え、オレの嫁話はなかったことになるの?)
( <●><●>) 「なるほど」
( ><)「お父さんも気をつけるんです」
( <●><●>) 「大人は幽霊よりも強いんですよ」
(*‘ω‘ *)「凄いっぽ!」
( ><)「じゃあドクオさんも?」
('A`)「ん? ああ、そうだぞ」
( *><)「じゃあ安心なんです!」
(*‘ω‘ *)「幽霊なんて怖くないっぽ」
( ><)「そういえば、お父さんは何しにきたんですか?」
( <●><●>) 「ああそうだ。そろそろ夕飯ができますよ」
(*‘ω‘ *)「じゃあ、ちんぽっぽも帰るっぽ」
J( 'ー`)し「あら、そう?」
( <●><●>) 「そちらもお忙しいでしょうにすみません」
J( 'ー`)し「いいえ。お構いなく」
( ><)「また遊びにくるんです!」
('A`)「オレは明日の夕方に帰るから、それまでなら遊んでやるよ」
(*‘ω‘ *)「約束っぽ!」
( ><)「楽しみなんです!」
('A`)「おう」
二人の子供はワカッテマスと手を繋ぎ、道を歩いて行く。
夕日によって長くなった影は、どことなく物寂しげだ。
実家で食べる夕飯は美味しかった。
ゆっくりお風呂につかり、敷かれていた布団にもぐりこむ。
こんな何気ないことが幸せに感じる。
J( 'ー`)し「もう寝るの?」
('A`)「んー」
J( 'ー`)し「ホットミルク飲む?」
('A`)「飲む」
寝る前にはホットミルク。幼いころはそれが大好きだった。
近頃は家に帰ると倒れるように眠るので、ホットミルクどころか寝る前に何かを飲んだ記憶がない。
J( 'ー`)し「お砂糖は?」
('A`)「いらない」
J( 'ー`)し「あら、大人になったのね」
('A`)「珈琲だってブラックで飲むよ」
J( 'ー`)し「あら、いつのまに」
('A`)「慣れると美味しいよ」
ホットミルクの効果か、その後再び布団にもぐりこんだドクオはすぐに眠りに落ちた。
車やバイクのエンジン音も聞こえず、夜の静けさだけがある空間は熟睡には抜群の場所だ。
(-A-)「……ん」
だが、ふと目が覚めた。
('A`)「……今、何時だ」
枕元に置いてあった携帯を開く。
光るディスプレイに、一瞬目を閉じてゆっくりと目蓋を上げる。
【2:30】
書かれていた時刻は真夜中だ。
窓の外も暗く、何も見えない。
('A`)(さて、どうしよう)
熟睡して脳が満足したのか、二度寝をする気分ではない。
適当な本でも読もうかとも思ったが、眠っているであろう母が起きては困る。
('A`)(…………)
することがない。
そんなときだ。ドクオは夕方のことを思い出した。
( ><)「ゆーれーがでるんです!」
ビロードがそんなことを言っていた気がする。
('A`)(幽霊、ね)
生まれてこのかた、そんなものは一度も見たことがない。
女性の裸と同じくらい遭遇確率が低いものだ。
('A`)(一度くらい見ておくのもいいかもしれん)
携帯の明かりを頼りに玄関まで歩く。
靴を履き、外へ出る。鍵は持っていないが、こんな田舎に泥棒なんていない。
('A`)「よし。森に行ってみるか」
('A`)(肝だめしなんていつぶりだ……。あ、そんなことする友人いなかったわ。
小学校の同級生0的な意味で)
暗い夜道を黙々と歩く。
森に近づくにつれ、心臓が早く動く。
暗闇の中でも、深い森は圧倒的な存在感を持っていた。
('A`)「幽霊が出る。何て聞いたら余計に存在感あるよな」
携帯をライト代わりにして、森の奥へ足を進める。
小枝の折れる音と、草が揺れる音がドクオの耳に入る。
('∀`)「へへ、懐かしいなぁ」
森の中を散策するのはいつぶりだろうか。
流石に、このような時間にきたことはなかったが、子供のころを思い出す。
('∀`)「屋敷見つけたら、写メにでもとって見せてやるか」
驚く子供達の顔を想像するだけで、笑いが止まらない。
浮き足立ちながらも前へと進んでいく。
心臓は相変わらず早く動いてたが、それすらも気にならない。
('A`)「とは言うものの……あんまり奥に行くと不味いよな」
樹海ではないが、道に迷って捜索隊に救出されるのはゴメンだ。
適当な頃合を見て元来た道を戻らなければならない。
('A`)「行きは良い良い、帰りは怖いってか」
道中は楽しさがあったが、帰りのことを考えると憂鬱になる。
この暗闇の中で、森の奥に背中を向ける。そのことを考えるだけで冷汗が出そうだ。
ヒック……
(;'A`)?!
何かが聞こえた。
物音をたてないように、その場で止まる。
(;'A`)(ああ、心臓うるせええええ)
ドッドッドッド
ヒック……
(;'A`)(泣き声? マジで?)
ゴメンナサイ……
(;'A`)(うわあ、マジだ。これマジだ。幻聴とかじゃないっぽい!)
ユルシテ……
(;'A`)(オレで良ければ許します! だから泣かないでください!)
アア、ドウシテ……
(;'A`)(事情はわかりませんが、何かあったんですね)
スキダッタノニ……
(;'A`)(リア充さんでしたか)
( 川 ヒック……
('A`)(え……?)
無意識だった。
知らぬうちに、ドクオは足を進めていた。
目の前には大きなお屋敷。
ここは裏庭なのか、玄関は見えない。
( 川 ゴメンナサイ……
もう一つ、女の後ろ姿が見えた。
表情は見えないが、泣いているのだろう。
顔を下に向け、両手で覆っている。
川 ; -;) アイシテタノニ……
両手が顔から離れた。
屋敷を見上げるように上げられた顔は、涙で濡れていた。
('A`)(……何があったのかな)
母が、近頃は屋敷の人が挨拶にきていないと言っていた。
何らかの事件があり、ここには寄り付かなくなったのだろう。
('A`)(帰るか)
すべてをなかったことにしようとした。
きびすを返そうとしたとき、視界の端に何かが映った。
('A`)(……ま、さか)
深い闇の中で、何故それがはっきりと見えたのか疑問に思うことはなかった。
(;'A`)(まさか、まさか、まさかまさか!)
| )
(;'A`)(死体? 白骨死体?)
足が自然に動く。
幽霊に怯えていたはずなのに、自らそこへ足を進めていく。
(;'A`)(うわあ、本物っぽい……)
川 ; -;) ドウシテ? ネエ……
どうやら、彼女の目にドクオは映っていないようだ。
それに気づけば、幽霊という存在が恐ろしくなくなってきた。
('A`)(警察……に通報するべきか)
('A`)(でも、気になる)
禍々しく建っている屋敷を見る。
('A`)「何があったんだろう」
この場所にあった悲劇や恨み辛みに思いを馳せる。
((( 'A`)(そう、例えば遺産相続とか)
((( 'A`)(他には……やっぱり恋愛のもつれ?)
('A`)「あ、れ……?」
目の前にあるのは屋敷の扉。
気がつけば、ドクオはその扉に手をかけていた。
(;'A`)「何でオレ」
体が自分のものじゃないようだった。
手はかってに屋敷の扉を開ける。
鍵がかかっていなかったのか、扉はあさりとドクオを迎え入れる。
('A`)
恐る恐る足を踏み入れる。
二、三歩中に進んでから、後ろを振り返る。
扉は変わらず、外と中を繋いでいる。
('A`)(ホラー映画とかなら、ここで扉がバタンッ! だろうな)
何度か扉を振り返ってみるが、その様子は全くない。
外も中も変わらぬ暗闇ではあるが、外の世界と繋がっているという安心感がある。
('A`)(もう少し、後少しだけ)
足を踏み入れていく。
('A`)「ん?」
一箇所だけ、ぼんやりと光って見えた。
目を細め、光を見ようとする。
( ) ヤア
('A`)「……ん?」
( ) ミエテルンダロ?
(;'A`)
( ´_ゝ`) ハナシキイテクレヨ
(;'A`)「は、話かけっ……」
( ´_ゝ`) ダメナノカ?
(;'A`)「ダメっていうか……いや、その……」
後ずさりをしていく。
開かれた扉に向かって走り出したい。
( ´_ゝ`) ナア、ドウシテオレハ ココカラ ハナレラレナインダ?
('A`)「え? さ、さあ……」
( ´_ゝ`) ドウシテ
('A`)「……」
男に近づいてみる。
やはり白骨死体があった。
( ´_ゝ`) タノミガアル
('A`)(これはホラーじゃない。おつかいゲーだ。そうなんだ)
現実逃避の何が悪いというのだろうか。
この状況下で、現実を見ろという方が難しい。
( ´_ゝ`) オレノヘヤカラ ニッキヲ サガシテキテホシイ
('A`)「日記?」
( ´_ゝ`) ソウ
('A`)「…………」
( ´_ゝ`) ズットカイテタ ソンナキガスル
('A`)「自分で見に行ってください」
( ´_ゝ`) ココカラ ウゴケナイ
('A`)「オレは……」
( ´_ゝ`) ……イヤ ナノカ
(;'A`)「え」
途端に、空気が悪くなる。
重いようで、冷たい空気にドクオはきびすを返した。
('A`;)(よし、逃げよう! 帰ろう!)
( ´_ゝ`) イヤナノカ!
('A`;)「あっ!」
ドクオが手を伸ばす。
手の向こう側にあった風景は、沈黙していたはずの扉によって消された。
('A`;)「……う、そ」
( _ゝ ) イヤナノカ シカタナイ シカタナイナ
(;'A`)「あ、あのー」
( ;*_ゝ#) シカタナイ
(;'A`)そ
男の顔が赤く染まりだす。
距離を取っているはずなのに、その赤さは目に届く。
(;'A`)「日記! 日記ですね! 取ってきます!」
( _ゝ ) イヤ ナンダロウ?
(;'A`)「とんでもない! 困ったときはお互い様! ちゃちゃっと行ってきます!」
( ´_ゝ`) ソウカ…… ワルイナ
('A`)(本当にねー)
( ´_ゝ`) オレノヘヤハ、ニカイ
('A`)「の、どこですか?」
( ´_ゝ`) ?
('A`)「二階のどの部屋ですか」
( ´_ゝ`) サア
(;'A`)(しらみつぶしのパターンか)
('A`)「あ、じゃあちょっと探してきますね」
( ´_ゝ`) アリガトウ
二階への階段はすぐ目についた。
暗闇にすっかり慣れてしまっている目で、階段を登っていく。
('A`)「どの部屋かな」
中央に大きく開けたスペースがある。
右に扉が二つ。左にも扉が二つ。計四つの扉が見える。
('A`)「奥から探すか? いや、手前から……」
ぶつぶつと呟きながら、扉を見比べる。
('A`)「よし、決めた」
右側の一番奥の扉へと向かう。
扉にはプレートがつけられていたが、何と書いてあるのかまではわからなかった。
('A`)(見えたとしても、あの人の名前知らないしなー)
躊躇いもなく、扉のノブを回す。
帰るためだ。一々怯えてはいられない。
(;'A`)「うっ……」
開けた途端に広がる嫌な匂い。
ドクオは思わず一歩後ずさる。
(;'A`)(腐った匂い……?)
鼻を抑えて部屋の中へ入る。
(;'A`)(そうか、外とか一階と違って、ここは密室。
腐敗臭が残ってるのか)
中へ入っていく。やはり白骨があった。
('A`)(あれ)
(´<_` ) ドコダ
(;'A`)そ「うわっ!」
(´<_` ) ドコニ イッタンダ
(;'A`)「ししし知らないです! 知らないです!」
(´<_` ) ドコダ
('A`)「え」
ふらふらと彷徨っている男は、ドクオのことなど見ていない。
視線をウロウロさせ、何かを探している。
('A`)「見えてないのか」
外にいた女と同じ類なのだろう。
('A`)「あ、似てる」
(´<_` )
彷徨っている男は、一階にいた男とよく似ていた。
(´<_` ) ナア、ドコナンダヨ
('A`)「不安そうだな……」
そう思ったが、助けてやりたいとまでは思わない。
今は他人のことを思いやる余裕などないのだ。
('A`)「日記……あるか?」
ざっと部屋を見渡す。
あるのはベッドやテーブル。ワインのビンにグラス。
('A`)「机も本棚もないな」
すっかりボロボロになっているが、カーテンやベッドのシーツを見る限り、
ここは女性の部屋のようだ。
(´<_` ) オマエガイレバ ソレデイインダ……
('A`)(……女?)
ドクオは思い出したかのように、白骨を見た。
この部屋には二つの白骨があったのだ。
('A`)(もう一人の方の部屋なのかな)
けれど、目視できる幽霊は男一人だ。
('A`)「ま、いないならいないでおk、おk」
パシッ
('A`)「じゃあ次は隣の部屋でも見ようか」
ピシッ
('A`)「……」
パシッ
ピシッ
('A`)「オレ知ってるぜー。こういうのを」
('A`)「ラップ現象っていうんだろ」
カタカタカタカタカタカタ
('A`)「よし、逃げよう」
从# ∀从 アアアアアアアアアアアアアア
('A`;)「何か聞こえるけど無視だ!」
从#゚∀从 アノ クソオンナアアアアアアア
(´<_` ) ドコダ……
('A`;)(あいつら、お互いが見えてないのか?!)
从#゚∀从 ヨクモアタシヲ コロシヤガッタナアアアアアア
从#゚Д从 コロスコロスコロスコロスウウウウウウ
('A`;)(オレじゃないです。オレじゃないです。オレは男です)
从#゚Д从 クウウウウウウウウウウ
('A`;)(こえええええええ)
何とか部屋の外に出て、扉を勢いよく閉める。
('A`)「…………」
ピシッ バシッ アアアアアアアアアアアアアア チャントコロシタノニ ガタガタガタ
('A`)「…………」
('A`)「収まった……?」
しばらくは、中から音が聞こえていたが、ようやく収まったようだ。
恐怖のあまりか、ドクオは音が聞こえている間動くこともできなかった。
('A`)「……ふう」
その場に座り込む。
今まで見た幽霊の中で、あの女の幽霊が一番怖かった。
('A`)「憎しみ、か」
あれほどの憎しみをどこから生み出しているのだろうか。
('A`)「触らぬ女に祟りなし。よし、忘れよう」
震える足で何とか立ち上がり、隣の部屋へ向かう。
('A`)「……」
次は少し躊躇した。
また、あのような幽霊がいるかもしれない。
それでも、進まねばならない。
進まなければここで死んでいくだけなのだから。
('A`)「行くぞ。行くんだ」
自己暗示を駆け、手に力を入れる。
ゆっくりとノブを回す。あまりにゆっくりすぎて、そのまま夜が明けてしまうのではと思うほどだった。
('A`)「……ふ、つう?」
先ほどのような匂いはしない。
それどころか、清々しいような気もする。
中に入ってみると、窓が開いていた。
('A`)「二階くらいなら飛びおりれるんじゃないか!」
期待に胸を膨らませ、窓へ近づく。
窓から見た地上は、思った以上に遠い。
川 - ) ドウシテ
('A`)「あ……」
地上にはあの女がいた。
('A`)「飛び降りたのかな」
そう考えると、ここから逃げるのは得策ではないだろう。
見ればここも女の部屋のようだ。
先ほどと違うのは、机や本棚があるというところだろう。
('A`)「念のため、見てみるか」
本棚に近づき、目を凝らす。
('A`)「見えん……」
('A`)「あ、そうだ」
ポケットを探り、携帯を出す。
折りたたみ式の携帯を開けると、周りが薄っすらと明るくなった。
('A`)「えっと」
『愛の観察日記 その1』
('A`)
最終更新:2011年02月24日 23:24