('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです その7


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('A`)「……ふう。この辺にまでくれば安全だな」

('A`)「給仕場からも本堂からも遠い」

(*゚ー゚)「そう、ですね……」プルプル

('A`)「一体どうしたんだよ。そんなに震えて」

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「……毒念様」

('A`)「なんだ?」

('A`)「姿勢まで改めて……」

(*゚ー゚)「毒念様になら、明かしても支障ないと、信じております」

(*゚ー゚)「どうして私が、一人で御不浄に向かうことを恐れているか――」

(*゚ー゚)「――分かりますか?」

('A`)「いや……見当は……なんとなくつくけど」

('A`)「詳しくは分からない……」

(*゚ー゚)「御不浄に向かうまでの道には、給仕場と、典座の室があります」

(*゚ー゚)「その前を通らないと用を足しに行けない……」

(*゚ー゚)「……昔、一人で御不浄に向かった際、この廊下で私は衆道文化に勧誘されました」

('A`)「弟蛇さんにか!?」

(*゚ー゚)「いえ……私が誘われたのは……まだ九つの頃」

(*゚ー゚)「弟蛇和尚の先代の典座にです」

('A`)「そいつは、まだこの寺にいるのか?」

(*゚ー゚)「いえ、その方は既に山を下りました」

('A`)「そうか……」

('A`)「だが……弟蛇さんも同じだった」

('A`)「一番親しみやすい坊さんだなと感じてたんだが……」

(*゚ー゚)「はい……私も夢にも思いませんでした」

(*゚ー゚)「素直に尊敬しておりました」

(*゚ー゚)「だから……余計に衝撃で……」

(*゚ー゚)「昔のことが……不意に呼び覚まされて……ううっ」

('A`)「おっ、おい、泣くなって」

(*゚ー゚)「……お見苦しいところをお見せしてすみません……」ゴシゴシ

('A`)「いや……気にすんな……辛かったんだな」

('A`)「でもさ、拒否したんだろ?」

(*゚ー゚)「拒みました……しかし、おぞましい記憶は残っています」

('A`)「まあそうか……」

('A`)(ガキの頃に大人の汚い部分をモロに目にしちゃったんだもんな……)

(*゚ー゚)「毒念様……あの、このことはなにとぞ内密に……」

('A`)「言われずとも分かってるよ……」

(*゚ー゚)「心遣い感謝します」

(*゚ー゚)「……戻りましょう。消灯時刻から随分と経ってしまいました」

('A`)「そうだな、うん、そうしよう」

(*゚ー゚)「では、参りましょうか……」

('A`)(椎伊の奴……そんなトラウマがあったのか……)

('A`)(普段明るいから気づけなかった……)

('A`)「……椎伊」ポン

(*゚ー゚)「はっ、はい!?」

('A`)「忘れろ、忘れちまえ」

('A`)「今日のことも……過去のこともだ」

(*゚ー゚)「忘れる――ですか」

('A`)「まだお前は子どもなんだ。嫌な思い出なんかいくらでも上書きできる」

('A`)「だから忘れろ」ポンポンッ

(*゚ー゚)「あっ……はい……」

(*゚ー゚)「頭を撫でられたのは……七つの時以来です」

('A`)「そうか……」

~翌日、寺院内農耕地~


( ^ω^)「そりゃ舌先のエッチなトレーニングだお」

('A`)「なんだそれは」

( ^ω^)「お椀の底にわずかに溜まった水を舌だけで舐め取るってのは」

( ^ω^)「女性を悦ばせる練習法の一種だお」

('A`)「ああ僕には無縁なアレのことね」

( ^ω^)「僕にだって無縁だお」

('A`)「でもそれがなにかしら関係あるのか?」

('A`)「相手も自分も男なんだぜ?」

('A`)「女のイカせ方なんか練習させたところで意味がないだろ」

( ^ω^)「女がいないからそういうことをさせてるんじゃないかお」

('A`)「ますます意味不明になったんだが」

( ^ω^)「察するに弟蛇和尚は……少年が女性に奉仕する姿に興奮を覚えるんじゃないかと」

('A`)「あの碗が女性器の代用ってことか」

( ^ω^)「おそらく」

('A`)「……なあ、それって同性愛と呼べるのか?」

( ^ω^)「さあ……そこまで予測するのは僕の頭じゃ無理だお」

( ^ω^)「ただ脱がせてたってことは、少年の姿に性的興奮を覚えてるのは明白だお」

('A`)「なんじゃそりゃ……どこまで倒錯してるんだ」

( ^ω^)「ねじれにねじれて訳分かんなくなっちゃってるんだお、きっと」

('A`)「深い世界観だわ」

('A`)「とにかくこれで警戒すべきリストに一人名前が載った」

('A`)「だがそれが、よもや弟蛇さんだとは」

( ^ω^)「僕もびっくりだお」

('A`)「なんせ六知事の一人だからな……権力には逆らえなかったんだろうか」

( ^ω^)「弟蛇さんは……僕たちの食事の管理をしている……」

('A`)「やめろ」

/ ,' 3「おーい、畑仕事サボらんでくれよー」

('A`)「あっ、すみません、すぐに戻ります」

('A`)「……会話聞かれてねぇかな、荒巻さんに。あの人実質的なトップなんだろ?」

( ^ω^)「荒巻和尚は七十目前だお。その手の話には疎いから聞かれてたとしても大丈夫だお」

('A`)「密告されたら俺たちも弟蛇さんにゆすられるのかな……」

('A`)「さあ茶礼の時間だ」

( ^ω^)「今日はゼリーだお」

('A`)「なんかあまり坊主っぽくない菓子だな」

( ^ω^)「梨のゼリーは当寺では一番の人気メニューだお」

(*゚ー゚)「諸梵和尚は遊山に出かけておられます」

(*゚ー゚)「ですので音頭はなしですね。ゆっくりと羽を伸ばせます」

('A`)「あの人仮にも住職なのに自由だな……」

('A`)「それより椎伊。もう気分は切り替わったのか」

(*゚ー゚)「はて? なんのことでしょうか」

(*゚ー゚)「それよりゼリーを頂きましょう。冷えているうちに食べたほうがおいしいですよ」

('A`)「お、おう」

('A`)(ああ……そうか、すっかり忘れようとしてるんだな……)

( ・∀・)「毒念さん」

('A`)「これはこれは、茂羅和尚」

( ・∀・)「少し頼みたいことがあるんだけど」

( ・∀・)「いやなに、碗を空にした後でいいから、庭先で待っておくよ」

('A`)「はあ、授受しました」

( ・∀・)「それじゃあ」スタタ

( ^ω^)「……ドクオ、急いだほうがいいお。さっさと飲み干せお」

('A`)「えーもうちょっと緑茶飲んでたい……」

( ^ω^)「茂羅和尚は監寺……待たせるのは無礼千万だお」

(*゚ー゚)「蓬莱和尚の言うとおりです。なるべく早く参上したほうが吉でしょう」

('A`)「わ、わかったよ……」

('A`)「茂羅和尚、ただいま参上しました」

( ・∀・)「早かったね。期待値以上だよ」

('A`)「あの、自分に用事というのは……」

( ・∀・)「ああ、それなんだけどね」

( ・∀・)「大したことじゃあないんだよ」

('A`)「と言いますと?」

( ・∀・)「少し、一緒に歩かないかって、誘ってみただけさ」

('A`)「へっ?」

( ・∀・)「ついてきなよ。山の中を散歩しよう」

('A`)「ちょっ、ちょっと待ってください!」

('A`)(本格的な仏僧は歩くのが早すぎる……)

( ・∀・)「山中を散策するのは初めてかい?」

('A`)「初日に少しだけ」

('A`)「でも起伏にふくらはぎをやられてすぐやめちゃいました」

( ・∀・)「そうか。でもこうして心を落ち着けて眺めてみると、いい林だろう?」

('A`)「ですね。夏にもなればもっとよさそうです」

( ・∀・)「そうそう。青葉に囲まれてさ」

( ・∀・)「……叢林、といってね、樹木が群生する林のことをそう称するんだけど」

( ・∀・)「そこから転じて雲水が集団で暮らす禅寺のことも叢林と呼ぶようになったんだ」

('A`)「へー」

( ・∀・)「禅林という言葉はそこから更に転じて生まれたのさ」

('A`)(意外にもためになる話だな)

( ・∀・)「僕はね、この林の中をうろうろ当てもなく歩くのが好きなんだ」

('A`)「迷ったりとかしないんですか?」

('A`)「自分なんかもうこの時点で帰り道を見失いそうなんですけど……」

( ・∀・)「ははは、もう道順を足が覚えてしまったよ」

( ・∀・)「……毒念さん」

('A`)「な、なんでしょ」

( ・∀・)「正式に仏門をくぐったわけじゃない君にだから告白できることだけど」

( ・∀・)「僕はあの寺の中にいるのが厭なんだ」

('A`)「え……?」

( ・∀・)「あそこは空気が澱んでいる。できることなら長居したくない」

( ・∀・)「僕がやる作務といえば農作業や庭弄りに執心して」

( ・∀・)「暇さえあれば林に赴く」

( ・∀・)「寺から少しでも離れていたいから」

('A`)「けど……茂羅和尚は監寺という重要なポジションに就いているじゃないですか」

( ・∀・)「縛られているだけだよ」

( ・∀・)「位っていうのはね、権威の笠なんかじゃなく重責の枷なんだ」

('A`)「……」

( ・∀・)「それでも僕は、この寺からいずれ出ていこうと思ってるよ」

('A`)「どうして……自分なんかに……」

( ・∀・)「君は僧侶じゃあないからね」

( ・∀・)「あ、そうだ、毒念さん」

('A`)「なん……でしょうか」

( ・∀・)「ついさっきまでの続きだ。禅寺を林に例える話はしたね?」

('A`)「拝聴しました」

( ・∀・)「その中でも学問を奨励している寺を栴檀林と呼んでね」

( ・∀・)「特に菩薩心に篤い方がいると大々的に栴檀林を名乗れるんだ」

('A`)「学問ですか……」

( ・∀・)「うちの寺にも学問を修めて出家した人物はちらほらといる」

( ・∀・)「管主殿や副寺殿をはじめね」

('A`)「じゃあ条件的には当てはまってませんか?」

( ・∀・)「はいそうです、とはいかない」
( ・∀・)「毘譜寺に勉学はある。だけど毘譜寺は栴檀林じゃない」

('A`)「それは、どういう……」

( ・∀・)「栴檀林に雑樹なし……」

( ・∀・)「難しく考える必要なんかないんだよ。禅問答とかでもない」

( ・∀・)「だけど考えれば考えるほどに解答は遠くそして徐々に自ずから寄ってくる」

('A`)「ややこしいです」

( ・∀・)「はは、だろうね、いや少し偏屈な物言いになってしまった」

('A`)「さいですか……」

( ・∀・)「――稲麻竹葦」

('A`)「はい?」

( ・∀・)「君にはそう言っておく。あまり気にする必要もないけどさ」

( ・∀・)「……さっ、帰ろうか。寺院に到着するころには昏鐘が鳴るだろう」

~薬石の場~


(´・ω・`)「皆の者、束の間耳を貸してほしい」

シン……

(´・ω・`)「私は明日よりしばらく寺を空けることになる」

( ^ω^)(なんか他宗の代表で集まって会合があるらしいお)

('A`)(初耳だな)

(´・ω・`)「全権を都寺である荒巻和尚に委ねるがゆえ」

(´・ω・`)「なにか困り事があったら老師を頼りなさい」

(´・ω・`)「……よろしいですかな? 荒巻和尚」

/ ,' 3「心得ております」

(´・ω・`)「うむ」

(´・ω・`)「雲水全員で協力して、迷いながらで構わぬから大悟に至る道を歩むのだぞ」

(´・ω・`)「それでは今宵の薬石をいただくとしよう。ひとつ――」

( ^ω^)「管主の諸梵和尚が出張かお……はあ」

('A`)「どうした、ため息なんか吐いて」

(*゚ー゚)「そういえば毒念様が寺に入門してからは初めてでしたね」

('A`)「待て待て。気になるじゃないか。どういう事態になるんだよ?」

( ^ω^)「絶対的権力者の諸梵和尚の千里眼が及ばなくなる、それはすなわち」

(*゚ー゚)「譲留和尚と擬古和尚の確執が表面化する……ということです」

( ^ω^)「ああ、明日から修羅場の連続だお……」

('A`)「そんなピンチなのかよ……」


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