('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです その9


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(*゚ー゚)「一応、というわけではないですが、禅堂のほうも覗いてみましょう」

( ^ω^)「擬古和尚の妨げにならないようすり足で歩くお」

('A`)「消える足音、増える不穏」

(*゚ー゚)「禅堂です。この時間帯にもなりますと一層静かですね」

(*゚ー゚)「陰から覗きこむようにして……」


(,,-Д-)「……」


('A`)「凄まじい集中力だな……微動だにしない」

(*゚ー゚)「これこそ座禅の最大公約数、究極の形なのでしょうね」

( ^ω^)「二人とも静かに! 向こうから誰か来るお!」

('A`)「えっ、マジで?」

( ^ω^)「あれは……間違いないお! 譲留和尚だお!」

('A`)「譲留さんだと!?」

('A`)「なんか修羅場の予感がぷんぷんするんですけど」

(*゚ー゚)「かっ、隠れましょう!」

('A`)「どこにだよ?」

( ^ω^)「とりあえず廊下を曲がった先に身を隠すお!」

('A`)「もしこっちに来たら?」

( ^ω^)「そん時は観念するお」

('A`)「いやあああああ」

( ゚∀゚)ガララ

( ゚∀゚)「擬古殿――おられるようだな」

(,,゚Д゚)パチッ

(,,゚Д゚)「……如何用か、譲留和尚」

(,,゚Д゚)「生憎拙僧は座禅で忙しいのだが」

( ゚∀゚)「いや、少し話があるんだよ。そのぐらいは許可してくれるだろう、維那さん?」

(,,゚Д゚)「……手短にな」


(*゚ー゚)「なんとか……隠れることには成功したみたいです……」

('A`)「声だけが聴こえる……間違いなく禅堂に入ったのは譲留さんだ……」

( ^ω^)「何が始まるんだお……」

( ゚∀゚)「久々だな……禅堂に足を踏み入れるのは」

(,,゚Д゚)「何年ぶりだ」

( ゚∀゚)「いつが最後だったかも思い出せない。それ以上に新しい体験が勝っていてね」

(,,゚Д゚)「……左様か」

(,,゚Д゚)「とにかく座せ。立ち話は見苦しい」

( ゚∀゚)「そうさせてもらうぜ。今日も歩きに歩いたからな」

( ゚∀゚)「足が痛くてたまらん」

(,,゚Д゚)「名誉の証ではない。ただの無益な痛覚に過ぎぬ」

( ゚∀゚)「相変わらず手厳しいな、むしろ安心するぐらいだ」

(,,゚Д゚)「それよりも話とはなんだ」

( ゚∀゚)「そう急かすな。俺は逃げ出したりやしない」

( ゚∀゚)「少し雑談をしようじゃないか」

( ゚∀゚)「擬古殿」

(,,゚Д゚)「なんだ」

( ゚∀゚)「今一度、汝の禅に対する考え方を聞かせてくれないか」

(,,゚Д゚)「それが本題か」

( ゚∀゚)「いやあ違う。雑談の棚を一段開けただけだ」

(,,゚Д゚)「そうか――しかし」

(,,゚Д゚)「今更語ることもあるまい。何度譲留和尚に主張したか定かではないというのに」

(,,゚Д゚)「そもそも聞く耳を持たぬではないか」

( ゚∀゚)「一対一の状況なら、また違う側面から見ることができるかも知れんだろう?」

(,,゚Д゚)「成程……」

(,,゚Д゚)「……やけに譲歩するな、どうした」


( ゚∀゚)「そういう気分なのさ」

(,,゚Д゚)「ふん、まあよい」

(,,゚Д゚)「拙僧の禅というものに対する思想……平易に言えば『閉じる』ということだ」

( ゚∀゚)「俺の思想とは正反対、のな」

(,,゚Д゚)「まさしく」

(,,゚Д゚)「自己の中に自己を封じ、自己の中で自己を見つめ直す」

(,,゚Д゚)「己の魂は己にしか宿らぬ。閉鎖空間で脈打つ魂の鼓動に耳を傾け――」

(,,゚Д゚)「そして大悟する」

( ゚∀゚)「自己を既製品として捉えているわけだな」

(,,゚Д゚)「いかにも!」

(,,゚Д゚)「禅とは己が裡に真理を求める宗派である」

(*゚ー゚)「……なんか、割と穏やかな雰囲気じゃないですか?」

( ^ω^)「会話を盗み聞きしてる限りでは険悪さは感じられないお」

('A`)「もしや両者の和解という歴史的瞬間では」


(,,゚Д゚)「……譲留和尚、この期に及んで拙僧の考えなど聞き出してどうする?」

( ゚∀゚)「いや……なに……」

(,,゚Д゚)「どうした、何を顔を伏せているのだ」

( ゚∀゚)「自分の意志とは無関係にこうしちまうんだよ……」

( ゚∀゚)「笑いを堪えるのに精一杯でな」

(,,゚Д゚)「なんだと!」

( ゚∀゚)「ふふふ……ははーはっは! 本当に戯けた男だ、お前は!」

(,,゚Д゚)「貴様っ……!」

( ゚∀゚)「そうさ、俺はお前の思想を聞いて、改めて馬鹿にするつもりだったのさ!」

(,,゚Д゚)「外道めがっ! 貴様はまた拙僧を愚弄するか! 貴様如きが!」

( ゚∀゚)「自己は出来上がったものだと? 傑作だ! 滑稽滑稽!」

( ゚∀゚)「自己は『作られる』ものではなく『作っていく』ものだ!」

( ゚∀゚)「そこに必要なのは『開く』こと!」

(,,゚Д゚)「違う! 誇大解釈が過ぎるぞ譲留和尚!」

(,,゚Д゚)「それによって作られるのは『自己』ではなく『自身』に過ぎない!」

(,,゚Д゚)「人間と、人間の真理は似て異なることだ!」

( ゚∀゚)「自己は日々変化していく」

( ゚∀゚)「五感はなんのためにある? 外に溢れる光を吸収するためだ!」

( ゚∀゚)「感覚は窓だ! それを閉ざしていては先がない! 光明が自己を組み上げる!」

(,,゚Д゚)「愚かなり! 己の中で熟成を重ねることで悟りの一端が見えてくるのだ!」

('A`)「な、なにやらとんでもないことに……」

( ^ω^)「背筋の震えが止まらんお……」

('A`)「これがガチの戦争か……」


(,,゚Д゚)「第一にして密語を知らぬのか!」

( ゚∀゚)「当然存じているに決まっている」

( ゚∀゚)「釈迦牟尼世尊が弟子に告げたとされる言葉だろう」

(,,゚Д゚)「そうだ」

( ゚∀゚)「他に理解できる者は存在しなかったとされる」

(,,゚Д゚)「当人同士でしか通じぬ言語を用いて釈尊の教えは伝えられた……」

(,,゚Д゚)「これぞまさに『閉じた』世界ではないか!」

(,,゚Д゚)「禅の開祖道元禅師も密の道理を仰られておる!」

(,,゚Д゚)「大凡世尊に密語あり、密行あり、密證あり」

(,,゚Д゚)「然あるを、愚人思わく、密は他人の知らず自らは知り、知れる人あり、知らざる人あり」

( ゚∀゚)「ほう」

(,,゚Д゚)「自己は千差万別、人によりて様々である」

(,,゚Д゚)「しかし己のことは己しか知らぬ」

(,,゚Д゚)「――無間断也、蓋仏祖也、蓋汝也、蓋自也、蓋行也、蓋代也、蓋功也」

(,,゚Д゚)「蓋密也!」

( ゚∀゚)「……ふふ、ふはは! それが決め台詞のつもりか、擬古殿!」

(,,゚Д゚)「まだ拙僧を嘲笑する気か!」


( ゚∀゚)「お前は大いなる勘違いをしている!」

(,,゚Д゚)「勘違い……だと?」

(,,゚Д゚)「拙僧に錯誤などありえぬ!」

( ゚∀゚)「いやあるんだ、お前の口述で理解できた」

( ゚∀゚)「お前は――道元禅師の解釈を取り違えている」

(,,゚Д゚)「……どういう……ことだ……?」

( ゚∀゚)「禅僧が正法眼蔵も碌に理解できぬとは大笑いだ!」

( ゚∀゚)「廣聞のともがらは密あるべからざるか」

( ゚∀゚)「況や天眼天耳、法眼法耳、佛眼佛耳等を具せん時は、凡て密語密意あるべからずと言うべし」

(,,゚Д゚)「それがどうした、すべて拙僧の思想に続くではないか!」

( ゚∀゚)「――佛法の密語、密意、密行等は、この道理にあらず」

( ゚∀゚)「人に会う時節、まさに密語を聞き、密語を説く。己を知る時、密行を知る也」

(,,゚Д゚)「なんら記憶と相違ない。貴様が述べた言葉は拙僧が読み干した通りだ」

(,,゚Д゚)「ゆえに持論は覆らぬ」

( ゚∀゚)「違う。お前はこの『密』の意義を理解していないんだ」

(,,゚Д゚)「なにっ?」

( ゚∀゚)「自分の都合のように解釈してしまってるんだよ」

( ゚∀゚)「閉じてしまってるから」

( ゚∀゚)「だからその先の道元禅師の言葉が頭に入ってこなかったんだ」

(,,゚Д゚)「その先……とは」

( ゚∀゚)「――いわゆる密は親密の道理也」

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