('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです その16


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(´・ω・`)「ひとまず心を安寧にして聞いていただきたい」

/ ,' 3「痴れ者が……! さっさと話してみい!」

(´・ω・`)「この寺は古くから『閉じた』空間である」

(´・ω・`)「そこに譲留和尚という『開く』ための要因を導入した――」

(´・ω・`)「しかしながらそれだけでは不十分でした」

(´・ω・`)「積み上げられてきた歴史の重みは、そう簡単には覆りはしません」

(´・ω・`)「そこで私は……自らも新しい要素を持ち込んだのです」

(´・ω・`)「それが、六方陣」

/ ,' 3「だからそれはなんなのじゃ! いかにして作った!」

(´・ω・`)「自然界の万物は、陰と陽の二極から生ずる……」

(´・ω・`)「陰陽道の応用にて開発いたしました」

(´・ω・`)「『閉じた』者と、『開いた』者」

(´・ω・`)「それら六名を権力者の立場に配し、概念上の陣を形成したのです」

/ ,' 3「そんなものが効果あるはずないわい」

(´・ω・`)「承知しております、荒巻和尚」

(´・ω・`)「実際に効力を発揮するかはどうでもよいのです」

(´・ω・`)「これはあくまで、先刻語った『歪み』を作るための一手段なのございますよ」

/ ,' 3「な、なんじゃと」

(´・ω・`)「『歪み』が『歪み』を生み、『歪み』が『歪み』を増大させる」

(´・ω・`)「『歪み』は精神の不安定を煽る。秩序が欠落する。自我を忘却する」

(´・ω・`)「それを補填するのが愛と肉欲でございます」

(´・ω・`)「そこに至るべき環境を、私はここに完成させたのです」

(´・ω・`)「私が張った六方陣も、様々な『歪み』を生じさせました」

(´・ω・`)「擬古和尚と譲留和尚の確執」

(´・ω・`)「それに伴う派閥闘争」

(´・ω・`)「少年僧の争奪戦、少年僧への求愛」

(´・ω・`)「倒錯した性愛、倒錯した純愛」

(´・ω・`)「私が彼らを六知事に任命したことで、湧き起こりました」

/ ,' 3「わ、わしが残されたのは……」」

(´・ω・`)「私は愛欲に満ちた空間を望んだ」

(´・ω・`)「ですが、都寺まで堕落しては寺院自体が機能しなくなります。それはいけません」

(´・ω・`)「だから性欲が枯れ果てたあなたを都寺に置いたのですよ」

(´・ω・`)「その役目は一人で十分。だから候補者内で最も優秀だった、あなただけを残した」

/ ,' 3「おお……」

(´・ω・`)「……あなたは『開こう』とした」

(´・ω・`)「そして、座禅をやめたのですね?」

/ ,' 3「まさしく……」

(´・ω・`)「あなたは座禅を極めたのではなく、座禅の限界を悟ったのでしょう」

/ ,' 3「その通りじゃ。単に向かい続けることは自己の拡大を狭めるだけであった」

(´・ω・`)「譲留和尚とは違い、過程を踏んでの結果です。それは既に大悟と申してもよい」

(´・ω・`)「老師の域にまで肉薄する禅僧は、しかし現れなかった」

(´・ω・`)「あろうことか、閉じ続けた擬古和尚が、大悟に最も近い僧などと称賛された」

(´・ω・`)「複雑な気分だったでしょう」

/ ,' 3「そう。だから……」

/ ,' 3「開けた世界の自然だけが……愛おしかった」

(´・ω・`)「『閉じ』に『閉じ』て、そして『開いた』」

(´・ω・`)「けれど開いた先には誰もいなかった。孤独の世界に閉じこめられた」

(´・ω・`)「それでもまだ……自己を外に開いていた」

(´・ω・`)「――こうした性質の者が、一人」

('A`)(残る柱は、あと一本……)

('A`)(茂羅さんか……ここまでの話から推理すると、あの人は閉じている)

('A`)(一体何を……)

(´・ω・`)「茂羅和尚」

( ・∀・)「……」

(´・ω・`)「あなたを最後にしたのには多大な理由があるのです」

(´・ω・`)「いや、あなたが最後でなくてはならなかった」

(´・ω・`)「なぜならば、あなたの性質だけが、転換することができるからです」

('A`)(へ……?)

( ・∀・)「……やめてくれ……」

(´・ω・`)「あなたの秘密は、私と共有している」

( ・∀・)「黙れ、悪魔め……!」

(´・ω・`)「閉じた茂羅和尚の開放が可能なのは、当人と私しかおりませぬ」

(´・ω・`)「裏を返せば、私ならば茂羅和尚を開くことができる」

( ・∀・)「黙れと言っているんだ」

(´・ω・`)「往々に古老先徳、あるいは西天に往還し、あるいは人天を化導する」

(´・ω・`)「漢より宋朝に至るまで、稲麻竹葦の如くなる!」

( ・∀・)「やめろっ!!」

シィン……

( ・∀・)「はあ……はあ……」

(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「どうなされますか」

( ・∀・)「……あんたの口からは言わなくていい」

( ・∀・)「僕が自分で開く! 口出しは無用!」

( ・∀・)「あんたに無理やりに暴かれるぐらいなら、そっちのほうがマシだ!」

('A`)「も、茂羅さん」

( ・∀・)「みんな聞け! 僕はな――」

( ・∀・)「諸梵和尚の寵児だったんだ!」

( ^ω^)「茂羅さんまで……かお!?」

('A`)「もうだめだ……俺に安心は永遠に来ないわこれ……」

( ・∀・)「僕は十五歳でこの寺に来た。そして」

( ・∀・)「入山して一ヶ月も経たぬうちに諸梵和尚の部屋に呼ばれたんだよ」

(´・ω・`)「私がこれまでに目にしてきた僧の中で……」

(´・ω・`)「茂羅和尚は群を抜いて美しかった」

(´・ω・`)「濡れた瞳、艶のある唇、ほのかに紅がさした頬」

(´・ω・`)「そして肌は滑らかでいて、それでいて張りがある……」

(´・ω・`)「造形美を極めておりました」

( ・∀・)「黙れ、気色が悪い!」

( ・∀・)「僕は昔からずっと、お前のことが大嫌いだった! お前は悪魔だ!」

(´・ω・`)「分かっておりましたよ」

(´・ω・`)「しかしそれもまた、私を燃え上がらせるひとつまみの山椒でした」

('A`)(ど、どこまでもホモだ……)

(´・ω・`)「私は茂羅和尚を心より愛しました」

(´・ω・`)「けれども、成人を迎えると同時に関係を断ちました。そうですね、茂羅和尚」

( ・∀・)「ふん! どうせ飽きたんだろう!」

( ・∀・)「二十歳になった男には興味なしか、この真性め!」

(´・ω・`)「私は五歳から五十歳まで男性機能を働かせることができる……」

(´・ω・`)「そのような情熱が甚だ欠けた因果ではございませぬ」

( ・∀・)「じゃあ何だっていうんだ!」

(´・ω・`)「――あなたという存在を閉じこめるためにですよ」

( ・∀・)「閉じこめる、だって?」

(´・ω・`)「封印、という呼称が最も適切でしょうか」

(´・ω・`)「私は新しい快楽の形を追求するのが趣味なのです」

('A`)(下衆すぎて笑えてきた)

(´・ω・`)「私が茂羅和尚と最後の契りを交わした夜……」

(´・ω・`)「なんと申したか、覚えておられますかな?」

( ・∀・)「忘れるわけがない……稲麻竹葦だ」

(´・ω・`)「その通り!」

(´・ω・`)「私はその言葉をもって、あなたに鍵をかけた」

(´・ω・`)「心の傷が消えぬよう……完璧にあなたの胸に閉じこめたのだ」

(*゚ー゚)「ちょ、ちょっと待ってください!」

(*゚ー゚)「先程から申されている、稲麻竹葦とは……どういう意味なのでしょうか?」

(´・ω・`)「茂羅和尚、真意はつかめていますかね」

( ・∀・)「当たり前だ」

( ・∀・)「稲麻竹葦とはな、稲と麻と竹と葦がたくさんあるってことだ」

('A`)「そのまんまじゃないですか」

( ・∀・)「そこから転じて、欲しい物がたくさんあって嬉しいという意味が生まれた」

('A`)「えっ、じゃあいい意味の言葉なんじゃ……」

( ・∀・)「それだけじゃない! 裏の意味もある!」

( ・∀・)「要らない物が大量に溢れていて、息苦しい――これがもうひとつの解釈だ」

(´・ω・`)「いかにも」

('A`)「そ、そういうことなのか……」

( ・∀・)「ある側面からは喜ばしい物事であっても」

( ・∀・)「別の側面からは忌むべき対象になるってことだよ」

(´・ω・`)「そう。善悪・巧拙・優劣は表裏一体」

(´・ω・`)「捉え方によって容貌は異なる」

(´・ω・`)「そこで変わるのは見ている物ではない。見る私たちの目線だ」

('A`)「それじゃ、この場面では」

(´・ω・`)「衆道に狂った僧が充満したこの寺院は」

(´・ω・`)「私のような道に則った者には天国であっても……」

( ・∀・)「僕にとっては地獄、ということさ」

(´・ω・`)「この言葉を用いて茂羅に施錠をしたのです」

(´・ω・`)「私の他にも衆道に深入りしておる人間がいるぞ――と」

(´・ω・`)「そのことを忘れてはならないように」

(´・ω・`)「そして心の傷を誰にも知られぬよう、閉じこめることに成功しました」

(´・ω・`)「この状況下で口外などできるはずがありませんからね」

(´・ω・`)「それでも自己の中では、過去の記憶が反芻する。大層苦しかったでしょう」

( ・∀・)「こいつは救いようのないクズだ……」

( ・∀・)「お前のせいで、僕がどれだけ恐怖に怯える日々を送ってきたと思っている!」

(´・ω・`)「それがたまらなかった」

( ・∀・)「何を言うんだ!」

(´・ω・`)「震えるあなたを遠目に眺めていることが……強烈な興奮を呼び覚ました」

('A`)(狂ってる……)

( ^ω^)(薄ら寒くて仕方がないお……)

( ・∀・)「……糞虫め!」

( ・∀・)「閉じるしかなかった僕を、弄んでいたのか! 変態狸!」

(´・ω・`)「罵声を浴びせなさっても、私には被虐的な悦びにしかなりませぬぞ」

(´・ω・`)「ただ逃げるという手段を残しておりましたので」

(´・ω・`)「監寺の位を与え寺に縛りつけました」

( ・∀・)「やっぱりか。ふん、想像通りだ」

('A`)(ああ、そんなことも言っていたな……)

('A`)(だけどその時、俺の前で稲麻竹葦の言葉を漏らしていたし……)

('A`)(茂羅さんなりに……開こうともしてたのかな……)

(´・ω・`)「『閉じる』運命を背負わされた」

(´・ω・`)「こうした性質の者が、一人」

(´・ω・`)「……もっとも、今しがた開いてしまいましたが」

( ・∀・)「……」

(´・ω・`)「最後に……毒念さん」

('A`)「なっ、なんだよ」

(´・ω・`)「見方によっては、あなたが最大の功労者である」

('A`)「は? 俺が?」

(´・ω・`)「うむ。あなたが持ち運んできた『歪み』……」

(´・ω・`)「いや、あなたがここで誕生させた大いなる『歪み』」

(´・ω・`)「これが最大の決め手となったのです」

('A`)「俺が『歪み』の種だって?」

('A`)「ふざけんなよ。俺なんて何もしてねーよ」

(´・ω・`)「毒念さんは偶然の事象でした」

(´・ω・`)「本来、計画に関与するような人材ではございませぬ」

(´・ω・`)「いいや、そもそも全部が……運によって成り立ったのかも知れませんが……」

('A`)「早く言えよ、気になるだろ!」

(´・ω・`)「そう焦る必要もありません。誠に明快な話なのですから」

(´・ω・`)「あなたの隣に、椎伊が座っておるでしょう」

('A`)「それがどうしたんだよ。いっつもいるぞ」

(´・ω・`)「まさにそれである。それこそが『歪み』」

(´・ω・`)「毒念さまによってもたらされた事件なのです」

(´・ω・`)「椎伊が一人の男性にすり寄ることなど」

(´・ω・`)「これまでに一度たりともなかったことでございます」

(*゚ー゚)「……」

(´・ω・`)「それもそのはずで、椎伊には過去の傷があるのですよ」

(´・ω・`)「ゆえに心根から気を許さない」

('A`)「なっ、お前……椎伊のことをなぜ知っている!」

(´・ω・`)「弟蛇和尚の前の典座と、私はかつて性的関係を結んでおりました」

(´・ω・`)「話しましたよね」

(´・ω・`)「互いに歳を重ねたある晩、その雲水が私の元に参上しなさった」

(´・ω・`)「久々にどうだ、と」

(´・ω・`)「無論還暦寸前の仏僧など興味がないので断りましたが」

(´・ω・`)「なぜ唐突にと聞くと、椎伊に拒まれたからだ、と答えたのですよ」

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