( ^ω^)美味しいカレーのようです その2


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/ ,';,「あああああああああああああああああああああああああああ」

叫んだと時を同じに、彼の顎骨が完全に粉と化してしまい、下顎が地面へとぽとりと落ちてしまったのです。
これで老人には言葉が失われてしまいました。

無情にも粉の進行は続きます。
残った上顎から、鼻、目、額へと侵食していきます。
老人にはすでに立っている力も無いようで、白い床へと体を倒していました。

,';,';,',「……」

頭部を完全に粉末にしてしまった老人は、見紛うことなく事切れてしまっています。
それでも粉は止まりません。
肩へ、腕へ、胸へ、腹へ、腰へ、股間へ、足へ。

やがて粉が止まったとき、老人のいた場所には茶色い粉の山が出来上がっているだけでした。

(-@∀@)「まだまだ、これからが本番だぞ」

白衣の男は、惨劇が終わり、パニックに陥っている囚人達の映ったモニターを見ながら小さく笑いました。
そうです。
まだ実験は終わりではなく、始まったばかりなのです。

(;´・ω・`)「助けてくれ!」

太った囚人がどこにあるかもわからないカメラに向けて叫びます。
股間からは小水が滴り落ちています。

もともと彼はちょっとした悪ふざけで、ナイフとフォークを使ってカレーを食べただけのです。
それが原因でこのような異常な空間に入れられることに、彼は憤りとも絶望ともつかない感情を膨れ上がらせていました。

(;゚∋゚)「どうしてこんなことに」

筋肉質の男は、鶏冠のような髪を手でくしゃくしゃにかきながら呟きました。
体格の良い彼ですが、今ではとても小さく縮こまっています。

(;*゚ー゚)「……」

(;'A`)「……」

女の囚人と醜い囚人はひたすらに言葉を失っていました。
女囚人にいたっては、座り込んでしまって立ち上がることもできないようです。

もともと、死の危険は覚悟したうえで、彼らは薬を飲みました。
しかし、いざ目の前で実際に死人が出てしまえば、そんな覚悟など無かったようなものなのです。
まして、このような異様な死に方ならばなおさらでしょう。

しかし、囚人たちが飲んだ薬の効用はしっかりと、彼らの体内で進行しているのです。

(;'A`)「あ」

落ち着きを取り戻すことのできない囚人たちの耳に、小さく短い言葉が届きます。
それは無口な醜い囚人から発せられた言葉でした。

顔面にたくさんのでっぱりがあり、整わずにナメクジをはわせたような眉毛、一重の重そうな目蓋、つぶれた鼻に異様に分厚い唇。
そんな醜い囚人ですが、彼が初めてこの場において発言をしたのです。

一行の目が彼へと向けられます。
するとどうでしょう。
筋肉質の囚人は目をひん剥き、太った囚人はさらに股間を濡らし、女の囚人は声にならない悲鳴をあげました。

彼らが見たのは醜い囚人の顔です。
ただでさえ醜かった彼の顔が、どうでしょう。
細かいできものが顔中にあふれているではありませんか。

瞼のできものは彼の重い目をさらに潰し、鼻のできものは彼の潰れた鼻を不自然に高くし、
口のできものは唇を腫れあがらせて、いまや顔の三分の一ほどの大きさにまで成長させてしまっています。

(;´・ω・`)「なんでこんな……」

太った囚人が後ずさりながら、醜い囚人を指差して震えた声を漏らします。
どうやら当事者である醜い囚人よりも、太った囚人の方が気を動転させているようでした。
先程おきた老人の奇妙な死からそう時間は経っていないのに、次々と起こる奇怪な出来事に、平常心など微塵も残さず飛ばされてしまったようです。

筋肉質な囚人と女の囚人は、もう言葉さえ発することもできないようでした。

(;'A`)「……」

醜い囚人は鏡も無いこの空間で、自分の顔に生じた違和感にただ戸惑うばかりです。

彼は元来、顔は醜いものの心はとても優しい青年でした。
彼には病で床に伏した母がいます。
彼に醜い顔を与えただけあり、母の顔も当然醜いのです。

J( 'ー`)し「今日もすまないね」

('A`)「良いから、気にしないで」

そんな母に毎日三色、病人用に栄養管理されたカレーをしっかりと作ってあげるほど、彼は親思いな青年でした。
父は彼が幼いころに亡くなりました。

ある日のことです。

彼の母が、比較的体調の優れている日がありました。
せっかくのことと、彼は母を連れて近くのカレー店へ散歩し、できたての高級カレーを二人でたらふく食べたのです。
もちろん余ったカレーはタッパーに詰めて持ち帰りました。

帰り道、悲劇は起こります。

J( 'ー`)し「おいしかったね」

('A`)「うん」

彼ら親子の醜さは、近所では知れ渡っていたことでした。
その醜い親子が、二人揃って道を歩いている。
それだけで、彼らに対して敵意を向けるものもいたのです。

二人が歩いている道へ、十歳くらいの男の子が駆け寄ってきました。

('A`)「……?」

何かと見ていると、あろうことかその子供はニヤニヤ笑いながら、彼の母へ握っていた石を投げ、
運悪くそれが彼の母の目に当たり流血してしまったのです。

J(;'ー")し「きゃっ!」

(;'A`)「!!」

彼はショックで手に持っていたカレーを落としてしまいました。
その後に沸きあがってきたのは、言い表しようのない怒りでした。

(#'A`)「お前……!」

醜い彼はその少年の髪を掴み、地面に落ちたカレーへと叩きつけました。
何度も、何度でも。
少年を仕向けたであろう母らしき人物の悲鳴が響き渡ります。

そこからの記憶は、彼には特に残っていませんでした。
母や、かの少年の現状は、今の彼には知るよしもありません。

醜い囚人と、老年な囚人の症状の違いをあげるとするならば、それは進行の速度でしょう。
老人は症状が出たと同時に、止まることなく崩れていきました。
しかし、醜い囚人の症状は、できものがたくさん顔にあらわれただけで、そこから先は何も変化が起きませんでした。

それは他の囚人も気付いたようで、僅かに落ち着きを取り戻しつつあります。
その様子をモニターで見ていた白衣の男は、静かに呟きます。

(-@∀@)「今日はこれで終わりかな」

彼の言葉通り、そこから先は目立った変化などなく、焦燥しきった囚人たちはやがて、誰が言い出すでもなく寝袋に入ることを決めました。
彼らを襲う恐怖や驚きは、想像以上に彼らの体力を奪ったのでした。
誰一人言葉を発することなく、ただ呼吸の音と、時々混じる嗚咽の声だけが、静かな部屋に響くのでした。

時間もわからず、今が昼か夜かさえもわからないまま、大好物のカレーを口にすることも叶わずに、
ただ一週間という時がせめて自分だけは無事のまま過ぎ去ってくれるのを願うばかりでした。

(;´・ω・`)「「あぁ!」」(゚ー゚*;)

悲鳴と共に囚人たちの二日目は始まります。
太った囚人と女の囚人が互いに顔を見合わせて悲鳴をあげたのです。
その声に起こされた筋肉質の囚人は二人の姿を見て、驚きと共に彼に内在していたどこか冷静な心で考えます。

(;゚∋゚)(彼らにも変化が起きてしまった……)

太った囚人のやたら長い髪は、寝癖にしては不自然なほどに重力に逆らって天井へとぴんと立っていましたし、
女の囚人の顔は、不自然なほどに赤らんでいました。

('A`)「ん……?」

やがて顔中をでこぼこに埋め尽くされた醜い囚人も起き上がります。
昨日よりも寝ている間に症状が進んでしまったようで、顔の隆起は激しくなっていました。

(;'A`)「うわっ」

そんな彼でさえも、二人の変化には驚きを隠せなかったようで、ほとんど潰れてしまっていた瞼を精一杯に見開いていました。

太った囚人と女の囚人は、互いの反応から自らにも変化が起きはじめてしまったことに気が付きます。
太った囚人は全身から脂汗を滲ませ、女の囚人は金切り声をあげだします。

そして女の囚人は、ここに来る原因となった自分のヒステリーな性格を恨むのです。

(*゚ー゚)「ギコ君っ」

(,,゚Д゚)「なんだ、しぃ」

彼女には恋人がいました。
一流企業に勤め、背も高く精悍な顔つきの好青年でした。
彼女は彼に愛を誓い、一生を彼に捧げるつもりでした。

時には彼女のわがままから喧嘩にも発展することもありましたが、彼女にとっては全て順調に進んでいた恋でした。

(,,゚Д゚)「……終わりにしないか?」

(;*゚ー゚)「……え?」

しかし、前ぶりもなく彼女は恋人にふられてしまいます。
お洒落なカレーのバーでのことでした。
薄暗いバーの中、落ち着いたジャズミュージックと同時に入ってきた別れの言葉。

それは彼女の平常心を失わせるには充分すぎる言葉でした。

仕事が忙しくなったとか、彼女への関心が薄れたとか、その他多くの理由が彼の口から語られましたが、
彼女の耳にはすでに入っていません。
ただただ、彼女の中では悲しみと悔しさと怒りが折り重なり、混ざり合っていたのです。

(* ー )「なん、で……?」

今までの日々が思い返され、それが決して二度と掴むことのできないことなのだと彼女が理解したと同時、
彼女の手はカレーの入ったグラスを掴み、隣に座る元恋人へ投げつけていたのです。

(*;ー;)「なんでよっ!!」

さて、囚人たちへと話を戻します。

太った囚人と女の囚人は確かに相当取り乱しました。
しかし、老人や醜い男とは違い、二人はまったく症状に進行が見られません。
そのことから太った囚人と女の囚人は僅かに平常心を取り戻すことができました。

(;*゚ー゚)

(;´・ω・`)

(;゚∋゚)

(;'A`)

彼らは特に言葉も交わすことなく、静かに時は過ぎていきます。
一刻が過ぎるごとに絶え間なく襲いかかる死の恐怖が、彼らの精神を蝕み続けるのです。
そんな中、一人だけ沈み込んだ心に僅かな喜びを見出した人物がいました。

( ゚∋゚)「……」

筋肉質の囚人です。
最初に死んでいった老人はもちろんのこと、太った囚人、女の囚人、醜い囚人に異変が起きていく中、
彼だけが何もおきていなかったのです。

それどころか、すこぶる体調もよく、いつもよりも心なしか体が軽く感じていました。

筋肉質の囚人は考えます。

( ゚∋゚)

ほとんど死ぬと白衣の男が言っていたのだから、きっと俺だけが生き残り、俺以外のみんなが死んでくれるのだろうと。

( ゚∋゚)

そして、もし生きて帰れたのなら、もう決してビーフシチューをカレーと偽って売ったりはしないと、
心の中の神に誓うのでした。

それにしても、とにかく静かな部屋です。
誰が見ても退屈するであろう部屋です。

なんせ、あるのは机と寝袋と茶色い粉の山。
そして恐怖に怯える囚人が四人いるだけなのですから。
そんなつまらない部屋を、四六時中休むことなくモニターで監視する人がいます。

(-@∀@)「ふふ」

白衣の男です。

彼は昨夜に、数十分ほどの仮眠をとりましたが、
それ以外の時間は、ひたすらにモニターへと目を向けていました。
あの錠剤はこの白衣の男が開発したもので、この実験は彼が錠剤の効能を試す、いわば自分の子どもの発表会のようなものなのです。

(-@∀@)「ふふふ」

証拠に、白衣の男は寝不足から塞がろうとする瞼をこすりつつも、目は喜びでらんらんと輝いていました。
そして、その目が一層輝くときがくるのです。

(-@∀@)「おおっ!」

(;'A`)「うわっ!」

醜い男の悲鳴が響きます。
彼の顔に生じていた違和感が、一層大きくなったのです。
それは大変な痛みと共にやってきました。

彼の顔にできたでこぼこは、今までたいして痛むことなどありませんでしたが、唐突に痛み出したのです。

(;´・ω・`)「ひぃっ!」

(;*゚ー゚)「きゃっ」

(;゚∋゚)「う……」

他の三人が彼に目を向けると、三者三様の悲鳴をあげました。

それもそのはず。
彼の顔にあったできものから、たくさんの柔らかい産毛がはえ、さらには彼の皮膚を突き破り、深緑の新芽をもが顔を出していたのです。
醜い囚人は内側から強い力で皮膚を裂かれる痛みに顔をさらに醜くゆがませるのみ。

(;'A`)「あぁ……」

そして、彼の脳内には最初に死んだ老人が浮かびます。
老人の死に際と、今の自分の状況を重ね合わせ、なによりも先に絶望するのでした。

(;'A`)「かーちゃん……」

最後に見た、目から血を流す母の姿。
そんな母が、今では身よりもなく一人でどうしているのか。

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