( ^ω^)ブーンが2月14日に訪問するようです その2

(*;ー;)「・・・何なんですか?・・・あなた誰ですか?・・・なんでこんなことするんですか?」

( ^ω^)「ん~?」

 のそのそとこちらに寄ってきて、顔を近づけて言った

( ^ω^)「僕はブーンだお、知ってるでしょ?」

 至近距離で口を開いたので口臭を覚悟していたけど、

 漂ってきたのは甘い香りだった

(*;ー;)「え・・・?」

(*;ー;)「ねえ何したの?・・・あんた何食べてるの!?」

(*;ー;)「ねえ!!!!!」

( ^ω^)「良い出来だったお~」

( ^ω^)「ヒッヒッヒッヒッヒィー」

 気持ち悪い 気持ち悪い笑い方 気持ち悪い臭い 気持ち悪い顔

(*;ー;)「・・・・・・」

(*;ー;)「せっかく作ったのに・・・」

( ^ω^)「ちゃんと食べてるお、もったいないことないお?」

(*;ー;)「あんたの為に作ったんじゃないのよ!!!」

( ^ω^)「はぁ?」

(*;ー;)「・・・もういいでしょ?・・・」

( ^ω^)「なにが」

(*;ー;)「バレンタインのプレゼントを勝手に食べたんだからもう満足でしょ!?」

(*;ー;)「・・・消えてよ」

( ^ω^)「は」

( ^ω^)「言ってる事が分からんお」

( ^ω^)「ちゃんと僕の話を聞いてたか?」

( ^ω^)「バレンタインのプレゼントを頂きに来たって言ってるんだお」

( ^ω^)「しぃちゃんから渡されるプレゼントを貰うって意味だお、分かってる?」

(*;ー;)「あんたの為のプレゼントなんてないわよ!!このキ●ガイ!!」

( ^ω^)「そりゃあ困るお」

(*;ー;)「困るじゃない!出て行け!死ね!消えろ!」

( ^ω^)「しぃちゃんに渡す気がないとなると、こりゃあちょっと強引な手段に出るしかないお」

(*;ー;)「・・・何をいってるの・・・?」

( ^ω^)「ちょっと待ってろお」

 ブーンと名乗る男は、洗面所とキッチンを何度か行き来して、

 タオルと麺棒を持って戻ってきた

( ^ω^)「強引に奪って、血が沢山出るのも困るお」

(*;ー;)「奪う・・・?血って・・・」

 おぞましい予感 そして今の自分の体勢を再確認して全身の毛が逆立つ

 手足を括られて、実に無防備だ

 胸を触られたとしても、払いのける事も出来ない

( ^ω^)「痛くないようにがんばるお」

 またしても不愉快な笑い方をする

 ブーンはどこか見当外れな所を見つめながら笑い続けている

(*;ー;)「残念でした」

( ^ω^)「ん?」

(*;ー;)「血なんか出ないわよ」

( ^ω^)「出るお」

(*;ー;)「出ないのよ!あんたに奪えるものなんて何もないの!」

( ^ω^)「出るお 僕が下手うてばそりゃあもうたくさん」

(*;ー;)「馬鹿じゃないの?それとも悔し紛れ?」

( ^ω^)「話がかみ合わなくなってきたお」

(*;ー;)「よ、寄るな!」

( ^ω^)「子は親を選べないとは良く言ったものだお」

( ^ω^)「いや、関係ないか?」

 さらにブーンが近寄る

 思わず目を瞑った

(*>ー<)「っ・・・・・・」

 あの不細工な指が触れてくるのかと思うと体が強張った

 しかし、ブーンが手を出したのは想像していたところと違うところだった

 ブーンは、私の右腕の袖をまくり、肩の辺りから先を露出させた

 ずっと腕を上げた状態を保っていたせいか感覚が鈍っていて、

 ブーンが何をしているのかよく分からなかった

 恐る恐る目を開いて、右腕を見る

 ブーンは持ってきたタオルで、二の腕辺りに輪を作っていた

(*;ー;)「・・・何する気?」

 最早返事は帰って来なかった

 ブーンは無言で作業を進めていた

 ブーンはタオルで作った輪と腕の隙間に麺棒を突っ込み、

 麺棒を回し始めた

 捻じれたタオルが腕に食い込む

(*;ー;)「な、何してるの!?」

 尋常でない力で腕が締め付けられている

(*;ー;)「い、痛っ・・・」

 実際には痺れで痛みは殆ど感じられなかったが、

 痺れがなければ今頃は大声を上げているかもしれない

( ^ω^)「んんんぎぎぎ」

 万力のような力がか細い腕を圧迫している

 そう予想する

 外れてはいないだろうと思う

( ^ω^)「んん~ぎぃ~~」

 ブーンが全力で麺棒を回しているのか、

 私の体にも震えが伝わってくる

 今までの物と性質の異なる恐怖がやや遅れて襲ってきた

(*;ー;)「何してるの?・・・う、腕が・・・」

 ブーンは一切口を開かない

 麺棒をガムテープで固定した後は無言でどこかへ行ってしまった

(*;ー;)「ま、待って!取って・・・これ取ってよ!!」

 返事はなかった

 ブーンが居なくなってから、数十分が経った

 大声を出してみても、誰かが来る事はなかった

 右腕の感覚はなくなっていて、

 色を見ることすら怖くて出来ない

(*;ー;)「お願いですから許してください!!」

 何度も繰り返したが、やはり返事はない

 力なく項垂れる

 このままの状態が続けばどうなるのだろう

 腕は・・・

 考えているうちにまた泣いてしまった

(*;ー;)「・・・助けて・・・」

( ^ω^)

 いつの間にかブーンは私の右隣りに立っていた

(*;ー;)「えっ!あ、た、助けてください!お願いします!」

(*;ー;)「許してっ!プレゼントならあげるからっ!」

 ブーンは私の右腕を解放してくれる気になったようで、

 ごそごそと何やらやり始めた

(*;ー;)「取ってくれるの?あ、ありがとう!ね、早く取ってよ、お願い」

 ブーンは口を開かず、私が声を出すのを止めると、

 ゴリゴリという妙な音だけが耳元で響く

 そのうちバチ、バチ、という音に変わり、

 最後にバン、バン、という壁を叩くような音が数回して、

 それきり静かになった

(*;ー;)「取ってくれたの・・・?」

 右肩まで痺れていて、腕を下ろそうとしてもなかなかうまく動かない

 ゆっくりと肩を動かしてみると、

 もう右手は括られていないのか、自由に動ける事が分かった

(*;ー;)「ありがとう・・・ありがとうね・・・」

 ふらりと腕を下ろす

 タオルと麺棒は未だに腕に付いていた

 その先は見当たらない

(*゚ー゚)「・・・・・・」

( ^ω^)「これから1か月」

(*゚ー゚)「・・・・・・」

( ^ω^)「蜜月を存分に味あわせていただきますお」

( ^ω^)「ヒッヒッヒッヒッヒィー」

( ^ω^)「あ、スリスリと」

 タオルの辺りで終わる腕

 その続きはブーンの醜い顔を撫でている

(*;ー;)「~~~~~!!!!!!」

 自分の頭が真っ白になるほどの絶叫を上げ、

 ようやく辺りに血生臭いにおいが立ちこめているのに気が付いた

( ^ω^)「3月14日には倍返ししてあげるから、お楽しみに、だお」

 ブーンはそれをしゃぶりながらヒィヒィと笑った

( ^ω^)「さーて何からしようか、しぃちゃん」

 それに向かって話しかけながら、ブーンは家を出て行った

(*;ー;)「・・・・・・」

(*;ー;)「ギコくん・・・・・・ごめんね・・・」

(*;ー;)「ふふふふふふふ・・・」

 ――――

('A`;)「何これ・・・」ペラッ

( ^ω^)「机の中に入ってたお」

( ^ω^)「チョコかと思ったら、えらいものが入ってたお」

( ^ω^)「一体誰だお、こんな酔狂なものを僕の机に入れたのは」

ξ゚⊿゚)ξ「私よ」

( ^ω^)('A`;)「お前かよッ」

ξ゚⊿゚)ξ「気に入ってくれたかしら」

( ^ω^)「ねーお リア充死ねもここまで行ったら病気だお」

( ^ω^)「なあドクオ」

('A`;)「お、おう」

( ^ω^)「お前、何で前かがみなんだお?」

('A`;)「し、仕方ねえだろ!」

(;^ω^)「・・・・・・」

(;^ω^)「ツン、一言ないのかお?」





ξ゚⊿゚)ξ「しょうがないわね、一応謝ってあげるわよ ごめんなさいね はいこれでいいでしょ」



ξ;⊿;)ξ(14日に一日中こんなことしてた人間だってね、被害者なのよ!それを分かれっつーの!)

ξ゚⊿゚)ξm9「ついでに、インターホンは確認しとけよ」

 終

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最終更新:2011年02月15日 16:52
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