作者:◆Ymtt.Y6YOc氏
0、0、5。
0、0、5。
誰もが知ってる知らないコール。
0、0、5。
0、0、5。
誰もが知ってる知らないコール。
0、0、5。
0、0、5。
さあ、呼び出そう。
('A`)005005のようです
その番号を僕が知ったのは、ほんの偶然。
たまたま、何気なく、意図せずして。
それを知ったのであった。
('A`)「何の番号だ、これ」
六つの数字が規則的に並ぶ。
電話番号にしては短い、よく分からない羅列。
('A`)「005、005。か」
ぽんと、口に出してみても何も起きない。
意味の無いもの。
この時は、少なくともそう思っていた。
('A`)「ん、まあいいか」
特に気にも留めずに、ただ何と無くぼんやりと。
意識の表層の片隅に、置いておく。
('A`)「さて、これからどうするかねえ」
言い忘れていたが、俺は今。
絶賛家出中なのであった。
('A`)「今日も公園で寝泊りかねえ」
理由なんて無くて、ただ漠然と。
ちょっと家出してみよう、と。
今時の小学生も思いつかないような理由で。
2週間程、家出中なのだ。
2週間、家には戻っていない。
けれど、未だに。
捜索願いが出された雰囲気は無い。
怠惰な警察官は、薄汚れた学生なんか興味が無い顔をして。
どうでもいい視線を、こちらにやりながら通り過ぎてゆく。
('A`)「そんなもんなのかな」
かーちゃんは、いない。
父ちゃんは、滅多に帰ってこない。
('A`)「そもそも、気付いてないのか」
自嘲的な笑みがこぼれる。
向かいの幼女が悲鳴を上げて、逃げた。
('A`)「ウツダ」
死のう、まではいかない、適当な呟き。
('A`)「はあ・・・」
何をするのもだるい。
動きたくない。
呼吸すらも。
けれど。
('A`)「苦しいなあ」
流石に、息を意図的に長時間止めるのは難しい。
体が、死に向かうことを拒否している。
('A`)「なんで・・・」
生きたいのに、死にたい。
死にたいのに、生きたい。
逝きたいのに、死ねない。
死にたいのに、逝けない。
('A`)「・・・0」
無意識に、言葉が漏れた。
いつの日か知った、あの番号。
('A`)「・・・0」
最後まで、言い切れるだろうか。
何もかも、やる気の無い、この状態で。
('A`)「・・・5」
何の意味もないはずの番号。
('A`)「0・・・」
言ったら、何が変わるのか。
何も変わらないだろう。
('A`)「0・・・」
けれど。
何かが変わる気がして。
気のせいかも知れない。
これで、変わらなければ、確実に。
僕は折れる。
僕の何かが、折れる。
だけど。
この番号を言わなくても、そのうち。
僕は折れる。
なら、早いか遅いか。
それだけじゃないか。
なら、言ってしまおう。
('A`)「5・・・っ」
('A`)「・・・」
言っても何も変わらない
わかっていたさ0、0、5。
そろそろ死のうと思ったら
幼女が傍によってきた。
(*゚ー゚)「おじちゃん何をしてるの?」
('A`)「・・・」
見つめ合うこと約三秒。
家出なんては言えないよ。
(*゚ー゚)「何をしてるの?おじちゃん」
('A`)「・・・黄昏てたのさお嬢ちゃん
君は一体何してる?」
(*゚ー゚)「待ってるんだ」
ああ、僕だって待っている。
二週間も待っている。
探しに来ないよお父さん。
そして彼女は何を待つ?
それは聞いてもいいのかな?
(*゚ー゚)「待ってるんだ」
困るんだ、困るんだ。
そんな瞳で見られても
('A`)「・・・何を待っているんだい」
(*゚ー゚)「お母さん」
0、0、5。0、0、5。
('A`)「・・・」
そんな呟きから始まった。
また、公園の横を警察が走り抜ける。
今度は怪訝な目で見てる。
人生はそんなものなのだろう。
('A`)「・・・いつから待ってるの?」
親身になって聞いてあげた、答えは意外なものだった。
(*゚ー゚)グ~
('A`)「お腹すいてるの?」
(*゚ー゚)コクン
('A`)「ちょっと待ってな、今なんか食い物買ってきてやる」
なんでこんなことをしてるんだろう。
助ける余裕はないはずだ。
むしろ誰か助けてよ。
それでも放置はできなくて、セブンで肉まん買ったのさ
('A`)「はいよ」
(*゚ー゚)「ありがとう」
微笑む彼女は可愛くて
なぜだか僕まで救われた。
('A`)「早くお母さん帰ってくるといいね」
そんな言葉を幼女に残し、足早に立ち去ったのさ。
('A`)「さて、これからどうするかねえ」
犯罪者になるのが怖くて幼女から逃げたものの、
特にすることがないのが現状だ。
('A`)「寝るところ探すか」
寝るとこなんて見つからない。
行くあてなんて見つからない。
僕を探す人はいない。
0、0、5。0、0、5。
( ^ω^)「ドクオ?ドクオじゃないかお?」
('A`)「ブーン?」
( ^ω^)「だおだお、突然休むから心配したお」
ありがとうありがとう。
お前は心配してくれたのか。
(*'A`)「ごめんごめん」
( ^ω^)「で、何してたんだお?」
('A`)「自分探しの旅、かな」
旅といっても地元をだけど
本当は自分探しじゃなくて、
見つけたいのは探してくれる人だけど
( ^ω^)「え?」
('A`)「いや、自分探しの旅に」
( ^ω^ )
その反応は何なんだ。
いつもは怒るとこだけど
今日は全く怒らない
ありがとうありがとう
心配してくれたのはブーンだけ
('A`)「じゃあ、そろそろ行くわ」
( ^ω^)「お?まだ続けるのかお?」
続けるさ、続けるさ。
あの人が探しに来てくれるまで
いつまでだって続けるさ。
きっと見つけてくれないけれど
それでもずっと続けるさ
('A`)「またな」
( ^ω^ )「おいすー」
あれからまたまた一週間。
一人の旅は続いてる。
そろそろ心が折れそうだ。
そんな時には言ってみよう
('A`)「0、0、5。0、0、5。」
ξ゚⊿゚)ξ「あら?ドクオじゃない」
(;'A`)「げ」
ξ#゚⊿゚)ξ「はぁ?げっとは何よ?」
(;'A`)「いや、あまりにも予想外で」
まさかまさかの展開だ。
言わなきゃ良かった0、0、5。
ξ#゚⊿゚)ξ「は?ってか臭いんですけど」
(;'A`)「いや、実は……」
そういやこいつもしたっけな
家出を最近したっけな
ξ#゚⊿゚)ξ「……」
事情を言ってもツンさんの
怒った顔は変わらない。
ξ#゚⊿゚)ξ「……アホらし、帰るわよ」
やっぱりこいつにゃわからない。
俺の気持ちなんてわからない。
ツンを拒否する片隅に
そろそろ終わりにしようかと
思いがちょっぴり浮かんだよ
('A`)「0、0、5。0、0、5。」
気づけばツンの目の色は
ちょっぴり赤くなっていて
ξ#゚⊿゚)ξ「早く帰るよ」
気づけば平日お昼時
ツンさん学校どうしたの?
無理矢理家まで連れられて
ノックもせずに帰ったら
爪'ー`)y‐「遅かったな」
親父が笑顔で待っていた。
('A`)「0、0、5。0、0、5。」
おしまい。
最終更新:2011年02月15日 19:03