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遠ざかるちっさーの背中を見送るなっきぃは、また落ち込んだ表情に戻ってしまった。

「何かごめんね。茉麻ちゃんも、友理奈ちゃんも。」
「あ、ううん全然。」

沈黙が訪れた。
なっきぃが涙目になってしまっていることに気がついて、私も熊井ちゃんも声をかけようがなくなってしまったのだった。

「私、千聖のために何にもできない。悔しい。」

なっきぃはキュートのまとめ役みたいなところがあるから、すごく責任を感じてしまっているみたいだ。

「なっきぃ、・・・千聖のこと、どうしてもうちらには話せないかな?」
思い切ってそう切り出してみると、なっきぃは明らかに動揺した表情で、瞳を揺らした。

「千聖のことも心配だけど、何だかまぁはなっきぃのことも心配だよ。
話して楽になるなら、そうしたほうがいいと思う。
ベリーズじゃ、力になれない?」
「そうだよ、なかさきちゃんが元気なくなるとつまんないよ。」

私たちはグループこそ違うけれど、同じキッズ出身の仲間で。
その大切な仲間達が何か抱え込んでいるなら、一緒に悩んで解決したいと思うのは自然なことだった。

しばらく考え込んだ後、なっきぃは険しい表情のまま、私と熊井ちゃんの顔を見比べた。
「ありがとう。・・・・・・・・・みぃたんに相談してみる。一緒に来てくれる?」

「みぃたん。」

みんながいる部屋に着くと、なっきぃはちぃと喋っていた舞美ちゃんを端っこに連れ出して、ぼそぼそと話しを始めた。

ところどころで舞美ちゃんが「えぇっ!何で」とか「でも・・・待って」とか結構な大きさの声で叫ぶから、だんだんとみんなの視線は2人の方へと集まっていった。

「茉麻、なっきぃと舞美ちゃん誰の話してるかわかる?」

私がなっきぃと一緒に帰ってきたからだろう、舞ちゃんがとても強張った顔をして、おそるおそる話しかけてきた。
誰の、と言っている時点で大方話の予想はついているのかな。
それでも私は千聖のために、今は知らないふりをしておくことにした。

「わかんない。ちょっと深刻そうな顔してるね。」


「ねぇ~まぁ。千聖どこにいったか知らない?」
今度は梨沙子と愛理だ。

「戻ってこないの。ケータイはおきっぱなしだし、ももと一緒にいるのかな?もものも電源入ってないんだ。」
あんまり不安そうな顔をするから、私はそれで、梨沙子がすでに千聖の件について何か知ってるということを悟ってしまった。

「千聖はもものところだよー。大丈夫だよ梨沙子。」
熊井ちゃんがそう答えると、梨沙子はほっとした顔になった。

「そっか、ももならいいんだよね、愛理?もう知ってるし」
「ちょっと梨沙子!シーッ」
「あばばばば」

普段はおっとりマイペースなくせに、熊井ちゃんはこういうのは聞き逃さない。

「なーに?ももと梨沙子は千聖のあの変な喋り方のこと知ってるの?」
「えっ・・・!」
「熊井ちゃん待って、その話は」

あわてて止めたけど、少し遅かったみたいだ。
依然話し合いを続けるなっきぃと舞美ちゃん以外の、キュートメンバー全員の視線がこっちに向けられた。

何も言わない。
どう切り出したらいいのかわからないんだろう、みんな黙って私と熊井ちゃんを見ている。





「・・・・・ねー!!!もう!!!なんなの今日!!!みんな内緒ばっかり!」




その時、空気が不穏になってきていた楽屋に、思いっきりテーブルを叩く音が響き渡った。


今日の不機嫌MVP、千奈美の爆弾が落ちた。



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