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「みぃたん、そんなに落ち込まないでよ。そういうみぃたんのお気楽なところとか、天然に救われることだっていっぱいあるんだから、ね?」

なっきぃが必死でフォローしてくれたけれど、何だか褒められてるのかけなされてるのかわからない。

もうちょっと人の変化に気づけるようにならないと・・・
さすがに反省しながらレッスン室に戻ると、もうすっかりお通夜ムードになってしまっていた。

愛理と舞ちゃんはキュートの中では泣かない側の二人だ。
こういう時なっきぃみたいに感情を爆発させない分、複雑な思いを自分の中に溜め込んでしまうんだろう。

「・・・あ、舞美ちゃん。今日はとりあえず解散でいいって。もうえりかちゃんと栞菜は1階に下りたよ。明日はお休みだから、今後の予定についてはマネージャーさんから改めて連絡があるって。」
ちっさーの荷物をまとめながら、愛理が丁寧に報告してくれた。

「そか、じゃあ私ちょっとマネージャーのとこ行ってくるから、4人で先に帰ってて。千聖のこと、お願いしていいかな。」

険しい顔の舞ちゃんが、無言でうなずいた。
まるで自分以外の全てからちっさーを遠ざけるかのように、ちっさーの顔を自分の胸に押し付けている。

・・・舞ちゃん、怖い。
大丈夫だよね?愛理となっきぃもいるし。

その後私はマネージャーに今回の出来事について聞かれ(と言っても本当に何にも知らないんだけど)、リーダーなんだから周りを見てやれと注意を受け、ついでにちっさーのあのキャラはどうにかできないのかとまで言われた。

私は年長者だしリーダーだから、いろいろ指摘を受けるのはしょうがないんだけど、
ちっさーのことまで言われるのはどうしても納得がいかなかった。

「あれはちっさーのせいじゃないんです!」
「わざとああいうキャラにしてるんじゃありません!」

言い返すことなんてめったにない私が声を張ったから、マネージャーは目をパチクリさせてびっくりしていた(私も自分でびっくりした)。

マネージャーも機嫌が良くない日だったのかもしれない。ちっさーの状況はわかってるはずなのに、わざわざこのタイミングで言ってくるなんて。

もちろん口論にはならなかったけれど、なんとも気まずい感じで部屋をあとにした。


人に大きい声出すなんて、あんまり気持ちのいいものじゃない。
「はい、ドンマーイ・・・・へぇそうかーい・・・ハァ」

元気が出るかと思って呟いてみたけれど、逆にむなしくなってしまった。

こんな日はさっさと帰るに限る。
ストレス解消に一人ファッションショーでもやろうかな。
愛犬たちと夜のお散歩に行くのもいいかもしれない。

なるべく楽しいことを考えながら荷物を取りにロッカールームのドアを開けると、暗い部屋の隅っこに人影が。

「うわっ!!」

あわてて電気をつける。
体育座りでうつむいていたのは、舞ちゃんたちと帰ったはずのちっさーだった。
小柄でショートカットの風貌は、一瞬座敷わらしかなんかの妖怪に見えた。

「な・・・なんだ、ちっさーか。どうしたの?みんなは?」

ちっさーは無言で首を振る。

「ちっさー?」

顔を覗き込んでも、ちっさーは何にも言ってくれない。

困ったな。

私はあんまり勘のいいほうじゃないから、こういう場合、無言の相手から何かを察してあげるというのができない。
「とりあえず、出ようか。」

ちっちゃい子を抱っこするみたいによっこいしょとちっさーを持ち上げた瞬間、かばんに入れっぱなしのケータイが鳴った。

「あ、ごめんちょっと待って。」

愛理からメールが届いていた。


【千聖が「どうしても舞美ちゃんを待ちたい、来るまで一人にしてほしい」と言うので、私たち3人は玄関の前まで移動しました。このまま舞美ちゃんと千聖が来るの待ったほうがいいかな?返事まってます。 舞ちゃんが怖いよー!】



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