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「だから!おっとりして上品になっただけで、基本的な性格はそんなに変わってないんだってば!」
「それじゃよくわかんないってばー。じゃあさ、好きな食べ物とか変わったの?あと何だろう好きな・・・好きな・・・Tシャツ?」
「ええ!?」
「熊井ちゃん、それどうでもよくない?」
「本当だよ!思いつかないなら無理矢理質問しないでよ!」
「なんだーなかさきちゃんのケチ!」
「意味わかんないよ!」
「なっきぃ、それはまあいいとして、この事って他に誰が知ってるの?キュートのマネージャーさんは?スタッフさんは?ていうか、千聖の家族は?」
「あと犬!千聖んちの犬は知ってるの?パインと・・・リップスティックだっけ。リップスティックってすごくない?名前。面白いよねーあはははは」
「熊井ちゃん犬は今いいから。でさ!なっきぃ」
「もう!また顔近い近い!大きい二人で責めないでよぅ!」
ドアを少し開けてすぐに聞こえたのは、なっきーのキャンキャン小型犬ボイスだった。
そこに熊井ちゃんのくまくまボイスと、茉麻の突っ込みが重なる。もはやトリオ漫才だ。

「ていうかね舞美、よくわからないんだけど。そもそも千聖は、どうしてお嬢様キャラになったの?記憶は?前とは別人?」
「えっえっ・・・・ちょまって。ごめんなんか私混乱して・・・別人、じゃないと思うけど」
「やっばいウケるんだけど。千聖お嬢様ー☆とか呼んだ方がいいのかな。ていうかやっぱり私のこと千奈美さんって言ってきたりすんの?千聖が!あの!千聖が!超ー面白くない?桃も桃子さんって言われたんでしょ?マジウケるわー」
「・・・徳さんテンション高すぎ。」
どうやら千奈美だけはこの状況を楽しんでいるみたいだ。何をそんなにはしゃいでいるのかわからないけれど、困った顔で固まっている舞美ちゃんを放って、今日は険悪状態だったはずのももちゃんにまで話しかけている。




「あー・・・それでね、別に接し方は前と同じで大丈夫だよ。ウチも最初どうしようかと思ったけど。」
「了解ー。でもびっくりだね。そんなこと本当にあるんだ。大丈夫かな、上手く接していけるか心配かも。」
「わからないことは、千聖本人にも聞いてみるね。ベリーズが何でも協力するから。」
えりかちゃんにみやにキャプテン。こちらは比較的落ち着いて、しっかり話をしている。
愛理と栞菜はまだク゛スク゛ス泣いている梨沙子を励ましているみたいだし、どうやらえりかちゃんたちのグループが一番頼りになりそうだった。

個人的にまだ気まずさが残っていることもあって、まずはこの3人に話しかけてみようと思った。
でも

「えりか・・・」
「あーーー来たー!ちょっとー遅いよー!」

部屋に踏み込んだ瞬間、千奈美が飛びついてきた。

「みんな心配したんだよー舞ちゃん。ほら、入って!お・嬢・様も!」
「・・・ごめんね。」

テンションMAXに見えても、やっぱり千奈美は年上なだけあって、ちゃんと私のことまで気遣ってくれた。

「おかえり、舞。ちっさー。」
「よかったー!舞ちゃん千聖と会えたんだね。」

私が戻ってきたことで皆が凍りついたらどうしようかと思ったけど、千奈美が勢いをつけてくれたおかげで、ごく自然に輪の中に加わることができた。

「愛理。」
私は千聖と小指をつなげたまま、愛理のところまで歩いていった。
まずやらなければいけないこと、それは

「さっきは、ごめん。」

拒んでしまった愛理の手を、私からつなぎに行くことだった。

「舞ちゃん・・・ううん、こっちこそ。」
愛理は私の手を強く握り返してくれた。どこからともなく湧き上がる拍手。
ちょっと、いやかなり照れくさくて、2人で顔を見合わせて笑ってしまった。

愛理は千聖のことが大好きで、私も千聖が大好き。私は愛理のことが大好きで、愛理もきっと私のことを。
それさえわかっていれば、もう余計なことは何も言わなくても十分だった。


「あ・・・それ黄色い糸だね、千聖。舞ちゃんと千聖の糸でしょ。」
ちょっと赤い目のまま梨沙子がはにかんだ。

「ええ。梨沙子さんが教えてくれた魔法で、復活した糸なのよ。」
「えへへ・・・魔法かあ。へへっ。」

本当に、千聖は人を喜ばせるのが上手だ。
魔女ッ子志願の梨沙子には、とても嬉しい言葉のようだった。



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