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「千聖、久しぶり。いろいろ大変だったみたいだねー。」
「ごきげんよう、佐紀さん、雅さん。」
「ごっ・・・・」

続いて向かったのは、キャプテンとみやとえりかちゃんのところ。

「現場被る時はベリーズも協力するからさ、遠慮しないでね?」
「はい、ありがとうございます。」
「・・・何か本当雰囲気変わったね。可愛い!」

個性派ぞろいのベリーズをまとめてるだけあって、キャプテンは新しい千聖にもそれほどとまどわないで自然に接している。
そんな2人の様子を、大きな目をらんらんとさせながらみやが見つめていた。

「ほら、みやも何かしゃべったら?」
「えっ!えー・・・と」

派手っぽい外見と裏腹に、みやは結構人見知りでシャイなところがある。
まったく別人の千聖に、どう対応していいのかわからないみたいだった。

「大丈夫だよ、みや。千聖は千聖だよ。キュートが保証する。ねっ舞ちゃん?」
「うん。お嬢様だけど千聖だよ。」

私とえりかちゃんの助言で、みやは恐る恐る千聖に話しかけた。
「な、何か、なんて言ったらいいかわかんないけど・・・これからも、よろしく。」
ぎこちなく手を差し出して、2人は握手を交わす。

「あら、雅さんの爪とっても綺麗。貝殻みたいだわ。」
「あ、これ?これはね、ジェルネイルっていって・・・・」

お嬢様の社交術はすごい。
会話の糸口を即座に見つけて相手の懐にすんなり入っていってしまう。
私はきっと、そんな千聖の前と変わらない人懐っこさが逆に怖かったのかもしれない。
いつか前の千聖を忘れて、自然に今の千聖に馴染んでしまうことを恐れていたんだ。
でも、今は本当に穏やかな気持ちで千聖を見守ることできるようになった。

「成長したね、舞ちゃん。」
「・・・えりかちゃん、心読むのやめてくれる。」

えりかちゃんは不敵に笑うと、黙って私の手にハイタッチをしてきた。


舞美ちゃんとは全然違う方向性だけど、えりかちゃんもまたずっと私たちを見守ってくれていた。
どちらの味方につくでもなくいつも公平で、積極的ではないけれど求められれば応じるような、さりげなくて細やかなえりかちゃんらしい優しさだった。


「おー・・・やっぱりキュートは団結してるね。うちらも見習わないとなあ。基本自由すぎるから、ベリーズ。」
「まあ、家族みたいなユニットなんだよね。でもベリーズみたいにシャッキリやれないところがどうも・・・」

年長者同士、ちょっぴり高度な話が始まった。
私や千聖も高校生になったら、中学生組の梨沙子や熊井ちゃんたちとこんな風に深い話もできるようになるのかな。

「いや、できなそう。ふふふ。りーちゃんたちじゃなあ。」


「あっ・・・・舞さん、ちょっと私、愛理たちの所へ行ってきます。」

一人妄想にふけっていると、ちょっとそわそわした感じで千聖が話しかけてきた。
みやとのオシャレ談義も一息ついたらしい。
すでに目線は、中2トリオの2人と栞菜が固まっている場所に向けられている。

「わかった、またあとでね。」
名残惜しい気持ちがないとは言わないけれど、私は2人の絆を、千聖の心を信じられるから、もう何も怖くない。

小走りで去っていく後ろ姿に、そっと小指を差し出してみる。
さっきの黄色いリボンが、まだ私たちを結んでいるのが見えた気がした。



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