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絶妙にパンチラを防いだ改造ミニスカートに、フリルたっぷりのニーソ。
そでに指先まで隠れるように計算された大きめブレザー、ネクタイは絶対しない。私は千聖と同じでリボン派だ(といっても動機は全然違うけど。リボンの方が可愛いからなんだけど。)

私って、勉強できなかったら超問題児なんだろうな・・・・。

今日は千聖とランチする約束だったんだけども、なかさきちゃんというあの風紀委員長に呼び出されたらしい。先に食べていてと言われて、私はとりあえず屋上で音楽を聴きながらボーッとしていた。

今更すぎるけれど、この学校の寛容さには本当に驚かされる。屋上なんて、普通は危険だから基本立ち入り禁止になるものなんじゃないかな。
それでも、私を含め、特に危険行為に及んでいる生徒はいない。みんなそれぞれ、のんびりと思い思いの時間を過ごしている。

一年前は、もうちょっと居心地の悪い学校だったように思う。好き放題やる人たちのせいで、真面目に生活している生徒がいじめられたり、居心地が悪かったり。
そういや私も何か、いじめみたいなのやられたな。すぐやりかえしたけど。
変わったのは・・・そうだ、舞美が生徒会長になって、役員も総入れ替えで、今の生徒会の基盤が出来てからだったかもしれない。
舞美はくだらない規律を撤廃させる代わりに、生徒にもそれなりの義務を背負わせた。上手いやり方だ。
今年はあの寮のメンバーを主軸に、頭のいい佐紀ちゃんや人気者の茉麻も関わっている生徒会、そりゃあうまくいかないわけがない。

「千聖ももっと何かやればいいのに。」
帰宅部で委員会無所属の自分を棚に上げて、私はそんな独り言を呟いた。
確か、放送委員に入ったと言っていたっけ。所属した直後は、すごく嬉しそうに私に報告してきたのに、みるみるうちにその笑顔はしぼんでいってしまった。
どうやら、たいした仕事を与えてもらえなかったらしい。
理由はわかっている。みんな、千聖を・・・というか、千聖の権力を怖がっているんだ。下手に何かやらせて失敗させてしまうぐらいなら、お姫様みたいにお世話を焼いて優遇する方がリスクが少ないということなんだろう。

バカだなあ。そういうの、本人が一番嫌がっているのがわからないのかな。みんな千聖の後ろにある見えざる力ばかりを気にして、千聖本人のことは全く見ようともしていない。
あんなに明るくて、やんちゃで、可愛い笑顔をいっぱい見せてくれる子なのに、本当にもったいない。このまま、桃・・・とあの寮の人たちが千聖の笑顔を独占しちゃっていいのかしら。
まあ、桃的にはそれで全然構わないんだけど。

「お待たせ、桃ちゃん。」
屋上のちょっと重いドアを開けて、千聖がこちらへ走ってきた。周りの生徒たちがピタッと動きを止めて、千聖におじぎをする。千聖は居心地悪そうに会釈を返しながら、私の横に腰を下ろした。

「おーそーいー。もぉおなか減ったー!」
「ごめんなさいね。召し上がらないで、待っててくださったの?ありがとう」
おや、何か元気ないなあ。風紀委員長に怒られた?いやいや、千聖は特別素行に問題はないはず。

「・・・なーきっ、ヲイ、なーきっ、ヲイ・・・・・ハァ。」
「はあ?何それ」
無言でサンドイッチを食べていた千聖が、ふいにおかしなコールを始めた。

「じつはね、さっき生徒会室に呼ばれて・・・」

千聖はお昼休み前半にあった出来事を話してくれた。

「でね、私は生徒会のお仕事を手伝おうと思ってたの。でも、あの雰囲気になじめるか心配で。」
「そんなの大丈夫だよ。千聖にとっては舞美とか梅田さんとか、馴染みのあるメンバーなんでしょ?」
「でも・・・私が入ったら、楽しい空気が壊れてしまうかもしれない。いつもそうだもの。みんなで私に気を使うの。クラスでも、委員会でも、そうなってしまうの。私のせいで、みんなが楽しくなくなってしまう。」

ああ、せめて千聖がもっとワガママな子だったら良かったのに。みんなが自分に従うのが当たり前で、自分は選ばれた人間だって威張り散らせるような子だったなら、こんなに苦しまないでいられるだろうに。

「もう、そんなの絶対大丈夫だから。ていうか、役員じゃなくてお手伝いなんでしょ?ちょっとやって、嫌なら辞めちゃえばいいんだよ。そんなに難しく考えなくていいんだって。」
「・・・桃ちゃんは、難しく考えなさすぎだわ。」
「何だとーっ千聖ぉ」
私は千聖のランチボックスに残っていた、フルーツサンドを取り上げた。
「あっ!嫌よ、それは楽しみに取っておいたのに!」
「はいダメー!もう桃がかじっちゃったから、これ桃のぉ」
「食べかけでもいいわ、返して頂戴!今日のは上手く出来たって、えりかさんがぁ」

ふざけて逃げる私の前に、急に人影が立ちふさがった。

「うわっ!」
顔を上げると、バッチリギャルメイクの美形が私を睨んでいた。
「あれ、みや?お、久し振り」

私の挨拶を無視して、みやはフルーツサンド私から取り返した。
ムスッとした顔のまま、無言でお嬢様の胸元にそれを突きつけた。
「あ・・・ありがとう、ございま、す」
みやはそれにも特に返答せず、ペコリと一礼して去っていった。

「何だよーみやのやつぅ。・・・千聖、みやと知り合いなの?」
「え・・・、ええ、今の方は、その、いつも面倒を見てくださって」
「ええ!?嘘、みやって、千聖の取り巻きなの?さっきホームルームの時いた?桃、気づかなかったんだけど!」



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