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「ふぅ、今日も一日頑張った!」

窮屈なメイド服からスウェットに着替えて、大きな独り言と共にベッドに飛び移った。
今日は遅番だったから、お嬢様のドラマ鑑賞(千聖様はお気に入りのシーンを何度も巻き戻して見るのでなかなか終わらない)にお付き合いした後、やっと自室に戻ることができた。
就業時間中は開けないケータイに目をやると、舞美からメール。

“おつかれ☆お嬢様のことで、めぐの力を借りたいんだけど、こっち来れるかな?”

うーん・・・寮か。単独で行くのは少し勇気がいる。でもお嬢様がらみなら・・・

♪まっさらブルージーンズ!!

「おっと」

グジグジ悩んでいるうちに、メール作成画面は着信画面に切り替わっていた。

「もしもしー?めぐ?ごめんねー電話の方が早いかなあって思って。今いい?」
「うん、大丈夫。」
高校の宿題は、まあ明日でもいいかな。勉強も大事だけれどたまには友達と話す時間も大事大事、とかいってw

「お嬢様と舞が、喧嘩してるの知ってる?そのことでちょっと計画立ててて、できたらめぐにも協力してほしいの。寮に来てもらえない?」
「協力はいいけど・・・」
私は時計をチラッと見た。
「時間遅くない?」
「大丈夫、30分ぐらいだから!もう作戦は大体練ってあるの。」

舞美は何だかいつもより食い下がってくる。何となく断りづらくなって、私は「わかった。今行くね」と返事を返した。

「よかったー!!」
「ぎゃあ!?」

その瞬間、唐突に部屋のドアが開いた。ちょっと充血した目のカンナさんが立っている。

「もしもし、めぐ?どうしたの?栞菜と一緒にこっち来てって言おうとしたんだけど・・・」
「・・・了解。」
私は電話を切ると、勝手に部屋に入って腕を絡ませるカンナさんを引き剥がした。

「ちょ、ベタベタするなぁ!っていうかいつから部屋の前いたの?」
「お嬢様を寝かしつけてから来たの。舞美ちゃんに頼まれてたからね。めぐぅさんを連れてきてって。さ、行こう。」
「お嬢様は?添い寝しに来たんでしょ?起きた時いないと不機嫌になるよ」
「あぁ、大丈夫。さっきたんまりプロレスごっこして、疲れさせて寝かせたから。純白のベッドに沈むお嬢様の肢体。なんつって」

じゅるり。カンナさんは妖しく舌なめずりをした。

「・・・ちなみに今日はどんな技を?」
「えっとー、恥ずかし固m・・・」
「おまえ!」
「あ、うそうそ冗談!あれです、栞菜は関節技の達人なので腕ひしぎ十字固めとか!ケケケー」

怪しい。前からこの子はもしかしてそういうアレなんじゃないかと疑いを持っていたけれど、まさか私(達)の大事なお嬢様にそんなは、はずかしなんちゃらいういかがわしい技を!?

「もー、そんな顔しないでめぐぅさん!恥ずかし固めは冗談(ってことにたった今なった)ですって!私はノーマルっ子ですよ?」
「・・・・・よし、わかった。一応信じましょう。」
私はまた腕にまとわりついてきた栞菜さんの指を一本一本はがしながら立ち上がった。・・・今日から夜のお部屋巡回の回数増やさないと。

「おー、めぐ、やっと来た!」

寮の食堂に顔を出すと、舞美が手まねきして横に座るよう誘導してくれた。
舞美、カンナさん、アイリさん、エリカさんにサキさん。マイさん以外の全員が集合している。
「電気、つけないの?」
「舞に気づかれちゃうとやばいからね。」
まるで黒ミサだ。真ん中のぶっといロウソクが煌々と光って、テーブルを取り囲む寮生をぼんやりと照らしている。

「・・・こんなとこ見られたほうがヤバイよみぃたん」
「え?まあまあそんな細かいことはどうでもいいじゃないか!あははは!」
シーッ!

全員に指を立てて注意されて、舞美は慌てて自分の口を塞いだ。

「じゃあ、いいですか皆さん。今から、舞ちゃんと千聖お嬢様の仲直り大作戦の概要について説明いたします」

下からロウソクの光に照らされて、濃い顔がホラーになってるエリカさんが喋りだした。



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