十ニ日目。


トンッ。

目の前に置かれた夕食を見て、私は夕食を置いた張本人を見る事なく溜め息を吐きました。
中華スープとれんげが置かれた時点でもう分かり切っているもの……。

「……………」
「……………」
「め…村上さん」
「何でしょうか? 千聖お嬢様」
「今日はどちらの名産品なの?」
「今日は『千葉のチャーハン』です。お下げしますか?」
「……いいえ、食べるわ。味付けに使用した調味料はご存知?」
「塩、胡椒、コンソメ、あとは……。これは言わないでもいいでしょうか」
「何かしら? 気になるわ」
「あとは~愛情をた~~っぷり入れたんですよ~♪ ……だそうです」

め…村上さんの対応を軽く流しながら私は『千葉のチャーハン』を頂く事にしました。
何だか寒気がするのは気のせいかしら?

(何故かしら? 一瞬、出来ないフライパン返しを懸命にする桃子さんの顔が浮かんだ様な気が……)




ル* ’ー’リ<違うんです~♪ 本当は出来るんですよ~♪




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最終更新:2011年02月11日 09:02