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“あんあん、そこはだめよ”
“ぐへへへ、口では嫌がっていても××はすっかり××だぜ”


深夜1時。

私は毛布を頭からかぶって、自室のテレビをひたすらジーッと見つめていた。

画面に映るのは、舞ちゃんの運命を変えてしまったあのエッチDVD。高校のクラスメートの誰かが、いたずらで私の机にしのばせたやつだ。

部屋の前には、トランクやミニテーブルでバリケードを作った。万が一でも家族に知られるわけには行かない。こんなDVDを持っているだけでも問題ありまくりなのに、ましてやそれを見ているだなんて知られたら・・・・



“へっへっへ、お前の××、×××ぜ”
“あーん、イクー”



アホか。そんなんでイクーってなるわけないじゃない。
本当に、なんて内容だ。男の身勝手な妄想をぐちゃぐちゃに捏ね繰り回して凝縮させて、女の子の気持ちなんて全然考えないで、物みたいに扱ってる。信じられない。こんなのまともに見ていたら、恋愛観とかおかしくなっちゃいそう。

現に、舞ちゃんはこのビデオに感化されて、千聖に無理やりエッチなことをしたらしい。
もう仲直りはしたらしいけど、だからといって、このエッチビデオを一緒に見ようと舞ちゃんに持ちかけた私の罪が消えるわけじゃない。
私はドーンと凹んで、落ち込んで、どうしようもない状態になっていた。
といっても、仕事中は何とか平静を保つことができた。別人になりきる、お芝居という仕事だったのがラッキーだったのかもしれない。


だけど、本番が終わって、反省会が終わって、帰り支度をする頃には、また落ち込んだ気持ちが心を侵食していっていた。


一体、舞ちゃんは千聖に何をしたんだろう。


本人はもちろん、千聖にだってそんなことは絶対に聞けない。千聖は最近、いきなり明るい方の千聖に戻ったり、心が不安定になっているような気がする。
今更仲違いの原因を穿り返せば、辛かった気持ちを思い出させてしまうだけだ。


だから、私は舞ちゃんの行動のヒントを求めて、また夜な夜なこのDVDを再生しているわけだけれど・・・



「舞ちゃぁん・・・これ犯罪だよぅ」

わかりきったことだけれど、私は間抜けな独り言を漏らした。


最初に見たときは、衝撃が強すぎて、ほとんど内容は頭に入ってなかった。ただ、無性に息が荒くなっていたのは覚えている。
逆に、舞ちゃんは冷静だったと思う。もともと、年齢のわりにかなり大人っぽいところがあるから、冷めた目で見ていたのかと思っていたんだけれど・・・
むしろ、心の深い部分を刺激されてしまっていたのかもしれない。


舞ちゃんは千聖のことが大好きで、大好きすぎていじめることが昔からよくあった。
お嬢様の千聖にはあんまりそういうことはしないけれど、喜怒哀楽の激しい明るい方の千聖のダイレクトな反応は、舞ちゃんのツボだったんだろう。
どっちかっていうとドエームな私には、よくわからない感覚だけど・・・やりすぎだと感じれば、止めに入ることもあった(その時の舞ちゃんのブリザートスマイルといったら!)。

多分、私の予想だと、千聖はそれほどMではないと思う(えりかちゃんが“ベッドの中では(ry)と言っていた。殴った)。Sでもなさそうだけど。
だから、戯れ方を間違えれば、いくら相棒の舞ちゃんだって許してもらえないこともあるんだろう。ましてこんなビデオを参考にしたんじゃ・・・


“へへへ、次は××を××してやるぜ”


相変わらず、画面ではキモイ系の男の人が、ニタニタ笑いながら女の人を辱めている。
舞ちゃん、一体何をしたの?「へへへ、次はちしゃとの××を××してやるでしゅ」って?


「あぁあ~・・・」


私は頭を抱えた。舞ちゃん本人が言うように、“遅かれ早かれ千聖にそういうことをしていた”のかもしれない。だけど、私がこんなものを見せなければ、回避できたことだったはず。
どうしよう、もういっそ私から千聖に謝って・・・いや、そんなことをしたらいろんな経緯が明るみに出て、余計に千聖を傷つけることになるか。



“ひっひっひ、××が××で××××”



「あー、うるさい!!」


人がまじめに考えているっていうのに、痴漢男の不愉快な声が邪魔をする。私は一旦DVDを消した。ベッドには戻らず、毛布を体に巻きつけて丸くなる。
そうして改めてその内容を頭に思い浮かべると、ゾッと鳥肌が立つ。
やだやだ、好きでもない人に、あんなことされるなんて絶対ありえない。あんな・・・



“ちしゃと、××が××でしゅよ。××な子でしゅね。舞が××してあげましゅ”



舞ちゃんの短く切りそろえられた爪が、千聖の小麦色の肌を優しく引っかく。真っ赤になって悶える千聖。やがて、その指は千聖の豊かな胸に


「ああああ!違うって!もう!」


一人絶叫していると、うるさい!とばかりに隣の部屋のお姉ちゃんが壁をドンと蹴った。・・・やばい、こんなところで自爆するわけにはいかない。

どうしよう、こんなこと考えちゃだめだってわかってるけど、妄想が止まらなくなってきた。頭の中で、“かまわん、続けろ”となぞの声が指令を出す。

私は毛布を頭からかぶった。外の音も全部遮断されて、完全に自分だけの世界。もう一度あのDVDの内容を思い起こしてみる。・・・今度は、痴漢の顔を舞ちゃんに、女の人を千聖に置き換えて。


「はぁ・・・」


あ、さっきより全然いいかも。使える。最近は妄想の中でみぃたんにお世話になる(・・・)ことが多かったから、これは新鮮だ。


―私、自省のためにエッチビデオ見てたはずなのに、何でこんなことやってるんだろう。そう思っても、ピンクのもやもやに占拠された頭と、そっとソコをなぞる指が止まらない。


「うー・・・」


でもこれ、一体何目線なんだろう。寝取られ目線?痴漢目撃者目線?そもそも舞ニー?それともちさニー?いっそちさまいニー?・・・もう何でもいいや。とりあえず、始めてしまったから終わるまで楽しもうっと。明日から顔を合わせるのが、ちょっと気まずいけれど。




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