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「っ・・・ちょっとー!!!!何なのこれ、友理奈ちゃん!!!」


叫ぶ私にひらひらと手を振って、友理奈ちゃんは部屋を出て行ってしまった。私は唯一自由になる足で、床をバンバン踏み鳴らす。


どうしてこうなった・・・・


オフだし一緒に遊ぼうよ!という珍しいお誘いを受けて、私は友理奈ちゃんと渋谷でお買い物を楽しんでいた。某狼界隈では相性極悪コンビとしてテッパンの私たちだけれど、服を見たりお茶したり、結構楽しかった。・・・はずなのに。


夕食のちょっと前ぐらいの時間に「ちょっと行きたいところがあるんだ」と友理奈ちゃんに連れて行かれたのは、ドラマとかなら悪い人たちがたむろしているような、いかにも怪しげな路地裏。

「ちょっとぉ~・・なに、ここ。」
「まあまあ、いいからいいから。」


背中を押されて降りた地下階段の奥には、重そうな黒い扉。うながされるままに中に入ると、10畳ぐらいの部屋の真ん中でロッキングチェアが1つ、ぽつんと揺れているだけで、他には何もなかった。


「なかさきちゃん、そこ座って?」


振り返ると、ちょうど友理奈ちゃんが、ドアを閉めたところだった。鍵のかかる音が、妙に大きく響く。


「座って?」

友理奈ちゃんはいつものほえっとした笑顔を封じ込めて、ふいに真顔になった。ちょっとドキッとする。
背が高くて、地顔は結構キリッとしている友理奈ちゃんは、こう見ると美人、というよりイケメンだ。思わず言われるがままに、その怪しい椅子に腰を下ろしてしまった。

「目、閉じて?なかさ・・・・早貴。」
「あぅ」
「可愛いね、早貴。やっと2人になれた。」

耳元でそうささやかれ、腰が砕ける。激しく攻められるのもたまらないけど、これはこれで・・・


「友理奈ちゃん・・・」
「早貴・・・」


ガシッ


「えっ」

目を開けると、友理奈ちゃんは私の両手首をつかんで、バンザイさせていた。

「な・・・」

文句を言う間もなく、ガチャッと嫌な音がして、私の手はそのまま動かなくなった。

「な・・・なに、これ・・・」


なんと、その椅子の両縁には、手枷がついていた。あわてて体をよじると、ぐにゃーっと視界が歪む。

「いぃーっ!なんなのこれ!」
「暴れないほうがいいよ。その椅子、ゆりかごみたいになってるから、安定性がないの。私もさっきひっくり返っちゃったよ。あはは」
「もうっふざけないでよ!これ外して。」
「ダメドゥエース。ハズサナイヨウニッテイワレテマース。」
「は?誰に!」


「じゃ、準備があるから後でね、なかさきちゃん。」
「ちょっと、準備って!?」

わめく私にかまわず、友理奈ちゃんはどこかへ歩いていってしまった。どうやら、奥に隠し扉があったらしい。


「もう、友理・・・熊井―!!!!」

そして、冒頭に至る。



もう、本当に意味がわからない。あのラブラブデートはいったいなんだったんだろう。おまけに、こんなコンクリート打ちっぱなしの寒々しい部屋に放置されて・・・・


「うっ・・・うっ」

涙が出てきた。でもそれを拭くことすらできない。私はいたぶられるのは好きだけど、放置プレイは好きじゃないんだってば!



「ごっ・・・ごめんなさぁいっ・・!早貴が悪かったなら、謝るからぁ・・・!一人にしないで!」


静寂に耐え切れず、そう叫ぶ。すると、友理奈ちゃんが消えていった隠し扉の方向からコツ、コツと小さな音が聞こえてきた。そして、静かにドアが開く。



「なんっ・・・」


文句のひとつも言ってやろうかと口を開いた私は、そのまま絶句した。


部屋に入ってきたのは、友理奈ちゃん・・だけじゃなかった。


「いやー、なっきぃがそう言ってくれるのを、ウチはずっと待ってたよ。」

まるで某3年B組担任教師のような口調で満足げにうなずく・・・えりかちゃん。


「あはは、なっきぃすごい体勢だねー。これって揺り椅子?揺らしちゃえーオラオラnksk!とかいってw」
「ギュフー!」

心底楽しそうに、大きな手で椅子をガコガコ揺らす舞美ちゃん。そして、それを見て、超爆笑している友理奈ちゃん。


「Bello・・・」


それは、Buono!に対抗するかのように作られた謎の即席(?)ユニットだった。いや、それはこのさいどうでもいい。なぜ、この場所にみぃたんやえりかちゃんがいるの?わけがわからない。

「な・・・なに、その格好。」
「うっふん」


ハーフカットのレザージャケットの下に、エナメル地のボンテージ風キャミソール。長い脚を強調するかのような、超ミニ半透けペチコート。
元々ハードテイストなBello!の衣装をさらに卑猥に魔改造した、どこからどう見ても超ハードな女王様ファッションだ。


「ふふふ、似合う?なっきぃ、こういうの好きでしょ」

ハーフカップのキャミから半乳がこぼれ落ちているえりかちゃんが、つつっと私の顎を撫でた。


「べ・・・別に私はそんな趣味ないし」


はい、嘘です。こういう素敵なおねいさま、じゃなくて女王様は大好物です。あぁ、傍らで笑うみぃたんの白いふとももがまぶしい・・・


「こ、こんなところに連れてきて、どういうつもり?早くこれ、外してくれないかな。」


とはいえ、やられっぱなしも癪だから、私はHG風のサングラスで「フォー」とかいってはしゃいでる友理奈ちゃんを睨んだ。


「ん?だって、なかさきちゃんはUmelyのにくどれいなんでしょ?そのはってんとじょうのにくたいはUmelyにもてあそばれるためにそんざいしてるんでしょ?」
「うっ・・梅田ぁ!」

思わずいつものノリで突っ込むと、えりかちゃんは私の顎に添えた手に少し力を入れた。

「痛っ・・・」
「Umelyだってば。」


何だ、その指摘は。

「だってなっきぃ、約束したでしょ?私の玩具になるって。あの後、千聖が来てなしくずしみたいになっちゃったけど、ちゃあんと覚えてるよ。千聖の身代わりになる、だったっけ?だったら、こういうこともちゃんとこなさないとね。」

えりかちゃんは、数日前に私(と途中から千聖)に対して行ったあの気持ちい・・・じゃなくて、おぞましい行為を反芻するように、うっとりと目を閉じた。

「何勝手なこと言ってんの!大体、千聖の身代わりでこういう・・・・・・え?ちょ、それって、まさかえりこちゃん、千聖にこんなことまで」

あまりにも聞き捨てならないその言葉に、さらに追及を深めようとしたところで、自分の意思とは関係なく、いきなり体がぐわっとのけぞった。


「はーい、おしゃべり終わり!!なっきぃ、Yajimyとも遊んでくれなきゃ寂しい!とかいってw」
「ギュフ!」
「あはは、なっきぃすごい顔!とかいってw」


Yajimy、ことみぃたんが後ろから思いっきり椅子を引いたらしい。えりかちゃんの方を向いていたはずの私の視線は、強制的に上を向かされてしまった。
もちろん、ロッキングチェアーだから、完全にひっくり返るということはないけれど・・・ジェットコースター類がほとんど苦手な私にとっては、これだけでも相当な恐怖だ。


「み、みぃたん、やめ・・・ひいいい!怖い怖い!」


それなのに、Yajimyさんときたら、「あっはっは!」なんて笑いながら、ガクンガクンと椅子を揺らしてきた。視界がぐらつく。


「ギュフゥ・・・」


弱りきった私に満足したのか、「なっきぃ。」と逆さ向きのみぃたんの顔が近づいてきた。顔にかかる髪の先がくすぐったい。やだやだ、こそばゆいのは趣味じゃないケロ!
YajimyさんとLilyさんはUmelyさんと同じ衣装なのに、どうして半乳Bello!ーンしてないの?すっかすかですやん!とか言ってみたら、いつかの柿の種のようにガーッとしてくれるだろうか?あの窒息感は忘れられないケロ・・・

などとちょっと頭の可哀想な妄想に浸っていると、今度は頭上から「あはーんうふーん」と大変なまめかしい声が響いてきた。


「ちょ、それっ・・・!」

天井から降りてきたスクリーンに映し出されているそれは・・・不本意ながら、最近耳になじんでしまっている、件のDVD「超特急痴漢電車ナントカカントカ」だった。

“ぐへへ、××が×××で××だぜ”

「消して!今すぐ!」

みぃたんが椅子の頭を引いたままだから、逆さづりでちょっと息苦しいけれど、私の視界にはおなじみ痴漢男とちょっと無理のある女子高生の半裸が映っていた。


「そうはいかないよ、なっきぃ」
「何でよ!」


薄ら笑いのえりかちゃんが無言で指差すその場所では、友理奈ちゃんが画面に食い入るように見入ったまま、一心不乱にメモを取っていた。


「友理奈ちゃん!」
「だって、ちゃんと勉強しておかないと、なかさきちゃんの大切な初めてをいただくんだからげろげろーおえっぷきもちわるー何だこの男は。」
「え、それはお気遣いいただきまして・・・じゃなくて!だよねーそいつキモイよねー・・・じゃなくて!なに言ってんの!そんなDVD、テキストにふさわしくな・・・じゃなくて!友理奈ちゃんは女の子なんだから、私の初体験がどうとかっておかしいでしょ!」
「おかしくないよ。」


もはやどこから突っ込んでいいのかわからない私を、妙に冷静な顔のみぃたんがじっと見ていた。

「うん、おかしくないよ。」
「・・・・どういう、意味。」


三人は無言でうなずき合うと、そろって私の横に移動した。みぃたんが椅子の縁を手放したから、、視界が正面に戻る。



「な、何。怖いんだけど」
「「「せぇーのっ」」」

いっせいに、その短すぎるペチコートがペロリとめくられる。



「ちょっと!何でノーパ・・・ぎいえええええええ!!!!」



自分の絶叫で、鼓膜が破れるかと思った。いや、それどころじゃない。私は今、信じられないものを目の当たりにしている。


「そんな声出さなくてもー。ウチ傷ついちゃう。」
「なっきぃうるさーい!とかいってw」
「あれ?なかさきちゃん知らなかったんだっけ?」
「ひ・・・ひぇえ・・!」

アゴが外れたみたいに、がくがくしてまともに声がでない。


・・・何で。どうして。おかしい。ありえない。



ボンテージ姿の、三人の長身美少女の、すらりと伸びたおみ足の付け根には、女の子にあるはずのない、“アレ”がにょきにょきチャンピョンしていたのだった。



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