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「もういいわッ! 舞の馬鹿ッ!!」

そう言って踵を返した千聖は振り返る事なく自分の部屋へと向かった。
その後をなっちゃんが慌てて追って行く。「大丈夫」と目だけで舞に伝えて。
その場に残された舞はと言うと……元気付けようとする愛理の寒いギャグを聞かされてい
た。

* * *

「……舞が悪いのかなぁ。やっぱり」
「で、でもさ、舞ちゃん。本当の事を言っちゃうと」
「……それは分かってる。分かってるけど」

頭を抱え込んで深い溜息を吐く。
千聖は自分の事を内弁慶と言っていた事があった。でもそれは舞にも言える事。
千聖だから。寮の皆だから。学校とは違って我侭も言えるし甘える事も出来る。

「……私との約束無しにする?」
「いや。それは愛理にも悪いし千聖に対しても悪いと思う」

そもそもの始まりは千聖がキッチンにお菓子を取りに行っている間の事。
なっちゃんと愛理と舞で千聖の勉強方法(優秀組だから)について話している時に「そう
言えば」となっちゃんが話題を変えた。

「前に舞ちゃんが欲しいって言ってたあれ。再入荷されたみたいだよ」
「本当ッ? あれすっごい欲しくてさ~。なっちゃん今度の土曜日に一緒に行こうよ」
「ごめんッ! 土曜日はその……友理奈ちゃんと(ボソッ)」
「なっきぃって熊井先輩と仲悪いんじゃないの? 梨沙子と「相性悪いよね~」っていっ
つも話すんだけど」
「あ、愛理は知らないのか。なっちゃんと熊井さん、幼馴染なんだって」
「え~~ッ!? 驚き桃の木山椒の木~ッ!! なんちゃって」
「「寒いッ! それと古いッ!」」
「ハモらなくてもいいじゃん。へ~意外だね~」
「だから私は無理なんだ。あ、愛理は? そのお店愛理好みの雑貨扱い店だよ」
「そうなの? ん? それなのに舞ちゃん欲しいのがあるの?」
「いや。舞と言うか……その……」
「OK.OK. いや~甘酸っぱいね~。と言うか微笑ましいねぇ~」
「「今度は親父かッ!」」
「私でいいならいいよ。ケッケッケッ。喜んでくれるといいね」
「あら? 何のお話?」

トレーを持って戻って来た千聖。タイミングがいいと言うかなんと言うか。

「今度の土曜日に私と舞ちゃんが買い物に行くってお話です」
「そうなの? ねぇ、舞。私もご一緒したいのだけど」
「だ、ダメッ!! 千聖はダメッ!!」
「あら? 何で? 何で愛理は良くて私はいけないのかしら?」

……うぅぅぅ。舞が買っている間は愛理が千聖の相手をするっていう手もあるんだけど出
来れば買ったお店は知られたくないんだよね。
何にも知らない千聖に舞が気紛れ(をあくまで装う)であげて喜ぶ顔が好きだから。

「と、とにかく千聖はダメッ!! 愛理とだけがいいのッ!!」
「な、何よッ!! 舞は最近千聖と一緒に遊んだ下さらないのに愛理とは遊ぶのね」
「ち、千聖だって最近舞と遊ばないくせになっちゃんとは遊んでるじゃんッ!!」
「舞が遊んで下さらないからでしょッ!!」

心の中でなっちゃんの名前を出した事を謝りながら千聖との小競り合いは続き最後に千聖
の「舞の馬鹿ッ!!」で終了。今に至ってる訳なんだけど。

「……舞。今回は立ち直れないかも」
「らしくないよ、舞ちゃんッ! 大丈夫!! 千聖に付いて行ったのはなっきぃだもん」
「……その判断は正しいんだけどさ」


多分……千聖となっちゃんの関係に少なからず嫉妬してたんだと思う。だからなっちゃん
の名前が咄嗟に出ちゃったんだ。
なっちゃんは舞と違って自分の気持ちを素直に千聖に伝える事が出来るから。そうする事
が千聖にとっていい事だって知ってるから。
って舞、またなっちゃんに嫉妬してるじゃん。

「……舞」
「ち、千聖ッ!?」

俯きながらでもしっかりとした声で舞の名前を呼んだ千聖。その後ろには小さくピースサ
インを出しているなっちゃんがいる。『説得成功ッ!』って意味。

「ごめんなさい、舞。私ったらつい舞に「遊んでやる」
「えっ!?」
「土曜日は無理だけど日曜日だったら遊んでやるッ! ってか遊べッ!!」

嬉しさの照れ隠しに命令口調になってしまったけどそんな舞の言葉に千聖は「フフフッ」と笑
ってくれた。なっちゃんも愛理も微笑ましそうに舞達の事を見てるし。
……って恥ずかしいってばッ!! そう思っても舞はこの空気が嫌いじゃなかったりする
んだけどね。




リ*・一・リ<なら遊んで頂くわ。私の気が済むまで
(o・v・)<あぁ、遊んでやる。舞に二言は無いッ!!
ノソ*^ o゚)<キュフフ。ほんと二人は似た者同士だね~
州´・ v・)<巻き込まれるこっちの身にもなってほしいねぇ~



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