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もう、舞ったら反抗期なんだから!お姉ちゃんは悲しいぞ!

私もちっさーの下着を一緒に選んであげようと思ったのに、舞に「お姉ちゃんはいいです」って敬語で断られてしまった。

「どうせおそろいの下着とか買おうと思ってるんでしょ?ないわー」だって。
「大丈夫、舞と3人でおそろいにするから!」って言ったら、そういうことじゃないって怒られちゃった。乙女心は複雑ですな、とか言ってw

結局、ホテルに荷物を置いた後、キュート全員連れ立って買い物に出ることになった。
舞はちっさーの隣をガッチリキープ。なっきぃが仲間に入ろうとすると、手を引っ張って逃げたりする。
この3人のやりとりは最近ますます面白くなっていて、ファンの人にもかなり好評みたいだ。
私と愛理も、ケラケラ笑いながらその光景を見守っている。


「パンパンパン、パンッティー♪」
「舞ちゃんやめるケロ!」

店内のBGMにあわせてはしゃぐ舞。

「ちっさーのために何かしてあげられるのが、よっぽど嬉しいんだねぇ」

私も何か幸せな気持ちになってそう言うと、なぜか愛理は「んー?・・・ケッケッケ」と笑って、ちっさーたちとは反対側の通路に足を踏み出した。


「お菓子見てくるね。舞美ちゃんの練り梅、買っておくよー」
「え?なら私も一緒に」
「まあまあ、いいから。ちっさーたちの方、よろしくー」

いつもどおりふにゃふにゃ笑いながら、愛理は食料品売り場の方に消えていってしまった。

「・・・もう、逃げたな、愛理の奴ぅ」

舞に追い返されちゃったのか、いつの間にかなっきぃが隣に来ていた。

「逃げるって?」
「このまま舞ちゃんと千聖についてったら、確実に面倒なことに巻き込まれるから」
「面倒って?」

我ながら物分りが悪いな・・・と思いつつ、ポンポンと答えをくれるなっきぃには、こんな風にいつも頼り切ってしまう。


「だって、舞ちゃん千聖に・・・まぁ、ほら、下着見繕ってあげるんでしょ?」
「うん、そう言ってたね」
「だから、避難したんじゃないかなあ」
「え?みんなでちっさーの選んであげればよくない?私そのつもりだったんだけど。舞は一人で選んであげたいのかな」
「・・・だからねそもそも衣類をプレゼントするというのは・・・つまり舞ちゃんは千聖のこと・・・もー、みぃたん鈍っ!」
「えぇ~、なっきぃ?」

もー、また鈍いって言われちゃった!
舞がちっさーを好きだっていうのはわかるんだけど、私だってメンバーみんなのことを好きだと思う(それとこれとは違うって怒られちゃいそうだけど・・・)
一緒に下着選んだりするのって、何か面白そうだし、ぜひ参加させて欲しいんだけどな。


なっきぃはなんだかんだ言いながらも、二人の後をこっそりつけて行ってる。
私もその後に続いて行くと、そのうち可愛らしいピンク系の装飾の売り場にたどり着いていた。


「へー、バニーガールの衣装とか売ってるんだ!なっきぃ、見てこれ!」
「いやいや、そんな場合じゃ・・あ、本当だ。すっごいねー!」
「なっきぃ足長いから、似合うんじゃない?私はこのナース服がいいなあ!ピンクで可愛いっ」


その売り場はコスプレコーナーらしく、メイドさんの服とか、チャイナとか、姫系の服がたくさん並んでいた。
かわいいもの好きとしてはもっとじっくり見たいところだけれど、ちさまいを見失うわけには行かない。
2人の(というか、舞の)はしゃいだ声を頼りに奥へと足を進めていく。


「千聖、これはどう?」

変な下着を選ぶかもしれない、なんてなっきぃは警戒していたけど、舞は案外普通に可愛らしいのを千聖に見せてあげているみたいだった。
ライトブルーのドット柄、ピンクのフリル、谷間のとこに大きめのリボンを結ぶタイプ。

ちっさーが好みそうなデザインのブラを、舞は全然ためらわずにピックアップして見せていく。

「可愛いわ。お値段も手ごろで・・・。こちらの、サイズの違うタイプのものはあるのかしら?」
「え、うっそ、合わない?確か舞の調査だと・・・てかまた進化したわけ?いっそ憎らしいんだけど」

「ね、どういうこと?進化って?」
「はっ!」

おかしなところに穴の開いたパンツに見入っているなっきぃに声をかけると、ロボットみたいな動きで振り返った。


「それ、買うの?」
「ちちちげーし!買うわけねーし!!」


私がテレビ番組で共演させていただいてる、某お笑い芸人さんのような口調で真っ赤になるなっきぃ。
慌てて否定するところがかえって怪しいですぞ、とかいってw

「・・・さっき、舞ちゃんがこれさりげなく取ってたんだよね。あとこっちのスケスケおパンテーも。なななんていやらしい!ギュヒー!」

ブラを選ぶ舞の手元を見てみたら、確かに後ろ手にパンツを何枚かキープしているみたいだった。

「もう、ブラとバラバラに買わない方がいいと思うんだけどぉ。私の友達の友達がインターネッツで調べたところ、男性的には、下着の種類は上下揃えた方がいいっていうアンケート結果がどうたらこうたら」
「でもこんな変わったパンツを候補にしてるなら、ブラも面白機能がついてるの選びそうじゃない?とかいってw」
「舞ちゃぁん・・・」

なっきぃはトホホ・・・って感じの顔になってるけど、私には舞が結構真面目に選んであげているように見える。
やっぱり、ちっさーのことを一番わかってるのは舞ちゃんなんだろうなって思うんだけど、それを言うとなぜかみんなビミョーな顔になってしまう。

「あ、2人ともレジ向かうみたい!結局どれにしたんだろう」

――数分後、紙袋を手にニッコニコで入り口に戻ってくる舞。
ちっさーはほんのりほっぺたを赤くして、舞に肩を抱かれてはにかんでいる。・・・本当、最近は岡井少年と舞ちゃんじゃなくて萩原少年と千聖ちゃんみたいだ。身長差もいい感じで、可愛いカップルって感じ。

何を選んだのか聞こうとしたら、愛理に練り梅を放り込まれた。


「安全なとこから見てるのが一番楽しいよぅ」
「モグモグ・・そういうものなの?」

でも私は、今夜ちっさーがお召しになるであろうその下着のことが、とても気になってたまらなくなってしまった。
自分でも悪い癖だと思うけど、私は一度気になる事ができると、そこから頭が離れなくなってしまうタイプだ。

その日の公演中もふとちっさーの下着のことを考えてしまい、舞台裏で、新幹線の舞よろしく「ちっさーのパンツ・・・」と呟いてなっきぃを慌てさせてしまった。

そういえば、昔えりが「千聖はいつも、結構可愛い下着つけてるんだよ」なんて言ってたことを思い出した。(何でそんなの知ってたんだろう?)
そりゃあ着替えの時とかには見えちゃうこともあるけど、さすがにそんなにまじまじと見たことはない。
どちらかっていうと下着より、その大きなお胸にちょっかいを出したりするほうが多いし・・・とかいってw


そんなわけで、コンサート終了後も、私はちっさーと目が合うたびに思いっきり挙動不審になってしまっていた。


「はー、いい汗かいたねぇ」
「本当、もうびっちょびちょだよ。シャワー浴びて、着替えなきゃ。・・・千聖、行くよ」

耳に飛び込んでくる会話に振り向くと、ちっさーが丁度舞に腕を引かれているところだった。

「あ、待って!私も・・」

ついていこうとしたら、「ここからはちさまいタイム!」と遮られてしまった。

「もー、舞のいじわるー!お姉ちゃんをいじめるなんて、ヒドい妹じゃないか!」
「はいはい、後で遊んであげるから。今はちしゃとの着替えを手伝わなきゃグヒョヒョヒョ」
「ま~い~」

粘ってはみたものの、舞はちっさーのこととなると全然私の言う事を聞き入れてくれない。
そのうち私はスタッフさんに呼ばれて、戻ってみたらもう二人はどこかに消えていた。


「ちぇー、ちっさーの下着見たかったのに」
「みぃたん、そそそんなに下着が見たいならなっきぃのを」
「え、別になっきぃのはいいよ」
「しどい!みぃたんたら乙女COCOROがわかってないんだから!」


先にホテルに戻ってる、って言うなっきぃ愛理と別れて、もう少しだけ2人を探す事にした。

ロッカー室、いない。
お化粧室、いない。
楽屋に戻ってもいない。


「でもなぁ・・・あんまり構うと、また舞に怒られちゃうか」

仕方なく荷物の整理を始めていると、いつも携帯しているドリンクボトルをステージ袖においてきてしまったことに気がついた。

「んー、今日中に洗いたいしなぁ」

もうスタッフさんたちは撤収していたけど、鍵は開いているみたいだったから、こっそりセット裏に回りこんだ。
無事ボトルを見つけて、入り口に向かおうとした時、背後から“クスクス”と笑い声が聞こえた気がした。

「ん?」

振り向いても誰もいない。
気のせいかなとも思ったけど、妙に気になって、抜き足差し足で周囲を歩き回ってみた。



――いた。


緞帳の横の、オペラ式のカーテン。

そこにくるまるようにして、座り込んでいたのは、私のお目当てのかわゆい妹分2人だった。
何か喋ってるみたいだけど、よく聞こえない。

2人は私の存在には気づいていないみたいだったから、もうちょっと近くによってみることにした。


――静かに。声は出さないように。


そっと陰から、2人の方を改めてのぞきこんだ。


両手を後ろについて、三角座りの足を若干開いたちっさー。表情はここからじゃ見えない。
そのちっさーの足元で、時折クスクス笑いながら、手を動かしている舞。


「ほら、千聖。力抜いて」
「あ・・あの、舞さん、私自分で・・・」
「だめ、舞がやってあげるから。千聖は不器用なんだもん、舞がいないとできないでしょ?」


そういいながら顔を上げた舞は、私のよく知らない顔をしていた。
大きな目をトロンと半開きにして、赤い舌が唇をペロッと舐める。
そんな表情のまま、舞はちっさーのことをじっと見つめている。

何でだかわからないけど、胸がモヤモヤしてしまう。
罪悪感?ううん、そうじゃない。何だか、「開けてはいけません」って書いてある扉を開けてしまったような・・・後悔と好奇心が入り混じったような感情。


「可愛いよ、千聖」

舞が微笑んで、ちっさーの眼前に何かを差し出した。

薄い水色で、シフォン風のフリルが入っている・・・

「ふぉっ!」

変な鼻息が出て、思わず口と鼻を押さえる。


――あれは、たぶんちっさーがさっきまで履いてた・・・


「えへへ。舞が脱がせたんだから、舞が新しいの履かせてあげないとね」

いつもどおり、無邪気で可愛い口調のまま、舞はとんでもないことを言い出した。


「これ、舞とおそろいだよ。何かエッチだね」
「あっ、舞さん・・・あの、本当に、私・・・」

面積の異様に少ない、黒い小さな下着。サイドに細い紐がついていて、たっぷりのリボンとフリルが可愛らしいな、なんて場違いなことが頭に浮かんだ。

「腰で紐を結ぶんだよ。舞もこういうのつけるの初めて。」
「そちらのタイプの下着は、前にえりかさんがお召しに」
「・・・今はえりかちゃんの話やめてくれる」

舞はなぜか、ちっさーがえりの話をすると不機嫌になる。
今も眉間に皺を寄せて、ちっさーに圧し掛かるような体勢で詰め寄っているみたいだ。


「ひゃんっ!」

ちっさーの甲高い声。

舞が、ちっさーの服のすそに手を入れて、胸の上までめくり上げてしまっていた。

「だめ、舞さん」
「下がダメなら先に上取り替えてあげる。ねえ、千聖・・・舞本当に千聖のこと・・・・・だから、いいでしょ?」


「よ、よくない!!!」


さすがにこれ以上見守ってるわけにもいかないと思い、私はドレープカーテンをめくり上げて、二人の前に姿を現した。


「きゃっ、まい、舞美さん?」

びっくりしちゃったワンちゃんみたいに目を潤ませて、私を見るちっさー。
それとは正反対に、舞は唇を尖らせて、「あー、やっぱりね」なんてつぶやいた。


「何か、お姉ちゃんがいる気がしたんだよね。・・・で、ちょっと今取り込んでるんだけどぉ」
「あ?そうなの?それはとんだお邪魔を・・・じゃなくて、ダメだよ2人とも!」

叱るとか、注意するってあんまり得意じゃないんだけど。私は汗をかきかき、二人のおでこをポンポン叩いた。
ちっさーはごめんなさいってうなずいてくれたけど、舞ったらとっても不満そうなお顔!


「・・・舞まだお姉ちゃんと千聖の関係を信用してるわけじゃないんだからね」
「えっ!私とちっさーは仲良しだよ?心配しないで、舞!」
「だから、そうじゃなくて・・・ああ、もーいいや!お姉ちゃんの天然!」

もー、舞の言ってることは難しくてよくわからない。
だって私とちっさーは・・・


「・・・こんなところを人に見られたら、大変な事になっちゃうよ?続きは部屋に戻ってゆっくりね」
「はぁい」

今度は素直に言う事を聞いてくれたから、嬉しくなって舞の頭をぐりぐりと撫でた。

「もー、子ども扱いしないでよ」
「下着は大人だけどな!とかいってwそれおそろいなんでしょ?何かかわいいじゃないか!ちさまいだけの秘密って感じで」
「・・・本当?ちさまいって可愛い?」


さっきのギラギラした舞じゃなくなったのに安心して、私の口からはぽんぽんと言葉が飛び出していく。


「イタズラ好きの可愛いコンビって感じだよ!2人はキュートの元気の源だからね」
「ウフフ、嬉しいです舞美さん」
「んま、ちさキングとまいキングなんだから当然ですけどぉ」
「ほんとほんと。・・・あ、でも下着間違えちゃったら大変だね!パンツはともかく、ブラ・・・」

――やばい、調子に乗った。
そこまで言って、さすがの私も自分の言動のまずさに気がついた。
今日の舞はアシュラマンだ。さっきから次々に表情が変わって、今はまるで地獄の門番の様。


「お、うおお・・・おねえちゃんの、アホー!!どーせ舞はペタンコだよ!舞美ちゃんの妹だもんねっ」
「舞さん、そんなことを言ったら舞美さんに失礼だわ」
「失礼って、どういう意味だーちっさー!こんなたゆんたゆん、たゆんたゆんしてやる!」
「あっあっ、そんな、舞美さん・・っ」
「くっそー、こうなったら舞の舞を千聖の千聖にっ」



数十分後、鬼の形相のなっきぃと、アハハーと笑う愛理コンビに発見され、半裸のまま正座で説教を受けるまで、私たちは大人のプロレス(とかいってw)に興じることとなった・・・。


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