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舞さんが笑う。
それだけで、私の世界に光が満ちる。
舞さんが涙を零す。
その滴が、私の心に染み込んで強く痛む。
意地っ張りで、気が強くて、本当はとても優しい、私の舞さん。
私だけの、舞さん。


「ちさと・・・」
「ウフフ、大丈夫よ、舞さん。千聖に全部任せて」

舞さんの戸惑ったような舌ったらずな声が、私の耳をくすぐる。
意思の強さを反映した力強い瞳も、今は不安げに揺らいでいる。


「あっ」

舞さんの、豊かな膨らみに手を這わせる。
私の二の腕に添えられた手に緊張が走って、初々しさに心が甘くざわめいた。


「今だけは、私の舞さんね」

耳をくすぐるように、小さな声でささやくと、舞さんは小さく首を振った。


「・・・違うよ、ちさと。今だけじゃなくて、ずっと、舞はちさとの舞なんだよ」
「まあ・・」

ほんのり顔を赤らめた舞さんは、それを隠すように、私の肩に手を回した。
少し乾いた、舞さんの小さな唇が私の唇を包む。
舞さんの、ミルクのような甘い香りが漂う。


「いいの?舞さん・・・」
「そんなの、聞かなくてもわかってよ。どっちのちさとも鈍感だね」

平静を装ったその声も、微かに震えて私の耳を甘く溶かしていく。


「舞さん」
「舞って呼んで」
「・・・まい」

華奢なウエストに手を回すと、舞さん・・・舞は、肩を竦めて上目づかいに私を見た。

「くすぐったいよぉ」
「あら、これからもっとくすぐったいことをするのよ」
「えぇ~・・・?」

舞は大きな目を瞬かせた後、懐き始めの子猫のように、体を摺り寄せてきた。
可愛い。
愛しいような、なぜか切ないような気持ちが湧き上がって、私はゆっくりと、舞と自分の体をベッドに横たえた。


「あはは・・・」

絡めた手指はどちらも汗ばんでいて、2人同時に苦笑が漏れる。


「・・・まい・・・いいの、ね?」
「うん。舞の・・・ちさとにあげるね」


私に全てをゆだねるように、舞は眼を閉じて息を吐いた。
舞が欲しい。そんな感情が体を通り抜け、私はその細い腿に手を這


「省略されました・・・全てを読むには君の●法の血迷ったあの台詞を3回絶叫してくだ」
「・・・無理ですっ!」

うるせえ、黙って飯食え。
そんな言葉を必死に飲み込んで、私はバタッとテーブルに倒れこんだ。


「ちぇー。まだまだこれからが本番だったのに。なっちゃんてマジ根性ないよねー」

私のリアクションを目にした舞様は、心底つまらなそうに、お皿の上のパスタを弄んだ。

「なっちゃんが食傷気味だと悪いと思って、今日はちしゃとが舞を攻める的なストーリーにしたのに。ちなみにタイトルは、●ッ●スライフ~生まれてきてよかった~」
「何そのパロディAVみたいなタイトル」
「えへへ」


楽屋でのお昼の休憩中。
うっかり隣に座った私をガッチリ捕まえた舞様は、冒頭のハーレクインロマンスを囁き続けてくださった。
――油断していたケロ。最近はこのアイタタタな物語も第72章ぐらいでストップしていたから、もう飽きたものだと思っていた。
ちきしょうめ、私が顔を歪めて無理やり耳を傾けているのをわかってやがるな。この℃S。何て嬉しそうな顔!


「で?今日の感想は?」
「・・・舞さんの、豊かな膨らみに手を這わせる。」
「か・ん・そ・う・は!?」
「・・・舞さんの、豊かな膨らみに手を這わせる。」
「そこ別に重要じゃないから!もっとあるじゃん!普段は小悪魔な舞ちゃんが、心の中を見抜いてほしいとばかりにちしゃとを誘惑する場面が良かったです、とか」
「・・・舞さんの、豊」
「黙れヘタレ!あーそー。そういう態度取るなら別にいいよ。ねーみんな、ここでちょっと中島早貴終了のお知らせがあるんだけど・・・なっきぃって実はエロ」

「ぎゃひー勘弁してください!調子乗りましたすみません!!」

何々?と好奇心いっぱいのまなざしを私たちに向けてくるちさまいみあいりんに背を向けて、私は「・・・続きを、お話しください」と粛々と頭を下げさせていただいた。


「はぁ?舞言ったでしょ。続きを聞きたかったらぁ・・・」

舞様の目が猛禽類のようにキラリと光る。

「くっ・・・!は、ハンバーグ!?んー、やっぱ中華!!」
「もっと大きな声で!」
「うひゃひゃひゃ!ねー舞なにやってんの?なっきぃウケるんだけどー!」
「んははは、おいで、ちしゃと!」

ああ・・・℃Sが2人になってもーた。せっかく羞恥プレイを受け入れてやったというのに!辱められ損だケロ!


「・・・続きは後でたっぷり話してあげるからね。今度はなっちゃんも仲間に引き入れてあげようかなー・・」
「あフん」

耳に息を吹きかけながら、舞様がニヤリと笑う。

「ちょっとヘタレ!千聖の舞にちょっかい出すなよっ」
「千聖ちゃぁ~ん、言葉づかい~」
「でへへ、もーあいりん聞いてよーなっきぃがぁ~」
「なっきぃ、かわゆい千聖お嬢様をいじめちゃだめだぞ、とか言ってw」

楽屋はいつもの喧騒を取り戻し、どうやら私はひとまず解放されたようだった。寂しいような、安心したような・・・。
べ、別に、続きの物語に期待なんてしてないからね!ほんのちょっとちさまいなっきぃ展開に心揺れたりしてないから!そんな目で私をみないで、舞様!


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