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最近はもうずっと舞ちゃんのことで頭がいっぱいなんだ。
下校途中の今も、歩いてると脳内に妄想が広がってくる。

デートしたいなあ、ネズミの国に一緒に行ってみたい!とか、
そして2人で手をつないで歩くんだ!とか、
一緒に映画を見に行きたい!とか、
そのあと、大きな観覧車に乗って、頂上に行ったら(ry
あのかわいらしいほっぺたに(ry

歩きながら延々と妄想にひたっていたので、乱暴に右折してくるトラックに気付かなかった。

間一髪のところで何とかよけたんだけど、盛大にすっ転んだ。
停まりもしないで行ってしまったトラックに(何だよ、乱暴な運転しやがって)と思いつつ、転がってるカバンを拾い上げて立ち上がろうとしたら、不意に頭上から声をかけられたんだ。


「お怪我はありませんでしたか? はい、このアクセサリーはあなたのでしょう? 舞がつけてるのと同じキャラクターだわ」


そこに立っていたのは・・・・彼女だ。というか、あのお嬢様だ。舞ちゃんのお相手の。
やさしい笑顔でお嬢様がポッチャマを拾い上げてくれた。カバンにつけてたのが、ちぎれて飛んでしまったらしい。

「あ・・・ありがとう」

あの深い色の美しい瞳が僕を見ている。いざ目の前にして、その瞳を見ているとやはり吸い込まれそうになる。
そんな雰囲気に僕は完全にのまれてしまって満足な返事もできない。

動転してて気付かなかったが、そばに黒塗りの車が停まっていた。

「お嬢様、ここは車を停めておけませんので、すぐ発進させませんと」
「ええ、わかってるわ。それでは、ごきげんよう」

「あ・・・ど、どうも、失礼します」

にっこりと微笑んだお嬢様の笑顔、三日月のような瞳。なんて魅力的な笑顔なのだろう。
高貴な威厳と小動物のような愛くるしさが同居している本当に不思議なひとだ。

お嬢様が車に乗り込むと運転手さんが扉を丁寧に閉めた。
走り去っていく黒塗りの車の後ろ姿の窓越しにちょこんと見える丸い頭。
それをずっと見つめていつまでも立ちすくんでしまった。



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