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「雪合戦、しましょう♪」

ウフフッと微笑まれながら言われるも皆は広間から動こうとしない。
『お嬢様?LOVE』である親衛隊の三人も運動大好き舞美ちゃんも動こうとしない。
え? えりかちゃん? えりかちゃんは論外でしょ(ワラ)

「あら? 雪合戦は嫌いなのかしら?」
「いえ。そうではなくてですね」

皆は知っているのだ。お嬢様の強肩さを。
以前、種目は違いながらもワールドカップの熱気に触発されたお嬢様がお屋敷の若い執事
さん達を尽く制圧したのを覚えているだろうか。それからというもの執事長さんとメイド
長のお二人から厳しいお達しが出ているのだ。

「………分かったわ」
「「「「「「お嬢様?」」」」」」
「命令よ! 私と雪合戦しなさい!!」
「「「「「「それ、すご~く卑怯です!」」」」」」

……賢くなったなぁ、お嬢様。それ言われたら従わざるを得ないじゃん。


◇ ◇ ◇


チーム分けは無し。要は手当たり次第。
開始の合図がお嬢様されたと同時に私は脱兎の如くその場を離れた。……だってさ、狙い
やすさ度100%でしょ? 私。
案の定、もう一人の狙いやすさ度100%のえりかちゃんはタイミングを逃して総攻撃され
ている。……うんっ、ドンマイ♪

「愛理~~。ヒドイよ~~」
「えっ? 何が?」

戦線離脱したえりかちゃんが私の隣にやってくる。
お嬢様と親衛隊の三人は雪合戦に熱中してるし舞美ちゃんは…うん、論外♪お嬢様だろう
が親衛隊の三人だろうがお構い無し!

「あ~あ。めぐに怒られるよ、あれ」
「あっ! 親衛隊の三人がお嬢様攻撃に転じた!」

どうも三人は体力の限界が近付いてきたらしくお嬢様を潰す作戦に出たらしい。それに舞
美ちゃんも便乗して四対一の一方的な雪合戦に……と思われたのだが?!

「フフフッ。やっちゃいなさい♪」
「ちょっと千聖ッ!! それな…わっ!?」
「ひ、卑怯ナリよ! お嬢さ…きゃっ!?」
「に、逃げるが勝…うぎゃっ!?」
「あははっ。三人とも弱…っ!?」

お嬢様が持ち出したのは雪だるま型雪玉ン。
あ、あれね。ロ●6のコマーシャルに出てくる雪玉を飛ばす機械。

「……お金の使い方、激しく間違ってるよね」
「……私達が言える立場じゃないけどね。でも間違ってるよね」

形勢逆転になったお嬢様は嬉々として雪玉を四人に飛ばしまくった。「フフフッ?」と笑うそ
の笑顔がいつもは天使に感じるのに今は子悪魔に感じられる。

「ま、こっちに被害が来なけりゃい…わっ!?」
「え、えりかちゃ…きゃ!?」
「フフフッ。高みの見物なんて許さないわよ、二人共♪」

結局は私達二人も雪だるま型雪玉ンの餌食になりお嬢様の「フフフッ」笑いはこの惨劇(?)
に気付いためぐが雪玉を投げてお嬢様を鎮められるまで続いたのでした。



『教訓:子悪魔に勝つのは魔王だけ』

リ|+‘ヮ‘)|<誰が魔王だーーッ!!
リl|;´∀`l|从;・ゥ・从ノソ;^ o゚)州;´・ v・)リ;・一・リ(;・v・)ノk|;‘-‘)<(貴女です)




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最終更新:2011年10月06日 21:36