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このところ毎日学校のあとは図書館に行って勉強をしている。もうすぐ期末テスト。今はテスト前だし、一応進学を考えているので、それなりに勉強しなければ。
ちょっと前に学校の校外学習で、ある有名製薬会社の工場見学に行ったとき、そこで研究開発をしている部署を見学して話しを聞いたりして、その仕事にとても興味を持ったのだ。
その時から、将来そういう仕事に就けたらいいなあと思っていて、そのために勉強もしっかりしておこうと思っているのです。
それに、テストが終われば、もうすぐあの学園の学園祭。楽しみにしているんだ。

それで今日も、いつものように学校帰りに図書館に寄ったのだ。
いつか舞ちゃんと一緒に勉強とかもしたいな。中学校の科目なら、いろいろ教えてあげられるだろうし。
「この問題がわからないの? いい、舞ちゃん? ここはこの公式を代入してね・・・」みたいなw
女の子と一緒に勉強するのって、ちょっと憧れですしね。

図書館の自習室は結構混んでいたけれど席を確保できた。
勉強の前に、カウンターから持ってきた今日の新聞を読む。「今日の世界情勢は、っと・・・」
その新聞の一面にあるトピックスの見出し、それが思わず目に留まった。「ん?」
その見出しにあった写真は、この間テレビでまっちゃんにアホと言われてたアイドルの子だったから。
紙面を繰ってその記事を読んでみる。おー、大きな写真付きの囲み記事じゃないですか。

「踊ってみた(本人)」だって。へー!今ユーチューブでそんなのが話題になっていたのか。知らなかった。
視聴数が300万!? それはすごいんじゃないか。帰ったら見てみようかな。

>デビューは同期の子に先を越されるなど下積みも長く「悔しい思いもした」

くうぅ!演歌だ。日本人のご多分に漏れず、僕はこういうのにとても弱い。逆境を乗り越えてきたこの子の努力を思うと感情移入してしまった。この子の気持ちも心の琴線にすごく響いてくる。

>「人がやらないことをするのが好き」152センチの体いっぱいに夢をふくらませる。

最近このアイドルの子けっこう気になってきたかも。すごくかわいいしw
しかしこの子、まだ若いのに努力と向上心がすごく感じられて大したもんだなあ、同世代として僕ももっと頑張らなくちゃと思った。
とりあえず、今は勉強しようっと。

そう思って新聞をたたむと、いつのまにか僕が座った机の対面には制服姿の女の子が座っていた。

あれ? この子、舞ちゃんの友達のあの子じゃないか。学園の制服、青いチェックだから高等部の生徒さんなんだな。この間クラスの子に教えてもらったのだ。あの学園の制服は、チェックの色が赤なら中等部で青なら高等部なんだそうだ。

彼女は何か調べ物をしているみたいだ。熱心に本を読んだり本から書き出したりしている。
ときどき楽しそうな笑顔を浮かべたり、かと思えば急に深刻そうに難しい顔をしてみたり。
表情の豊かな子だなあ。見てて面白い。
勉強を始めるのも忘れて彼女に見入ってしまった。

彼女の机の上には、資料なのかいろいろな本が山積みになっている。
「ライトノベルの楽しい書き方」 その本はハウツー本ではないからね、老婆心ながら。
「ジャンヌダルク」「中世ヨーロッパの拷問道具」 何を調べてるんですかそれは。
「私が天使だった頃 セレンの回想録」 天使のお話しかな? 読んでみたい。
「異星人による地球侵略のプロセス」 !?なんだその本、そんな本までこの図書館にはあるのか。

すさまじくバラエティーに富む題名の本。さっきの表情の豊かさもそうなんだけど、なんかこの子、奥が深くて面白そうな子だ。彼女も舞ちゃんと特に仲がよさそうなんだし、ちょっとこの子にも興味わいてきた。

その後はしばらく勉強に集中していた。黙々とみんな勉強をしているこの雰囲気の中だから集中して勉強ができる。
この辺でちょっと休憩するか。
席を立ち上がって、ずっと熱心に書き物をしている彼女の横を通るとき、机の上に置いてある彼女のノートが目に入った。kanna? 有原栞菜、と書いてある。かんなちゃんか。かわいらしい名前だ。



文芸部の会報の資料集めために図書館にやってきた。
そこで私の座った机の向かい側にいる公立高の制服を着た男子。どこかで見たことあったような気がする。
しばらく思いだそうとしていたんだけど、なかなか思い出せない。

その子ずっと勉強していたみたいだけど、一休みするのかな。立ち上がって部屋から外へ出て行った。

あ! 思い出した・・・あれだ。ケイタイを取り出して、メールの受信フォルダを引っ張り出す。
やっぱり・・・・
この間、中学の頃の友達から久し振りにメールが来た。
その子とメールのやりとりをしていた時、
『ちなみに(o・ⅴ・)ちゃんのこと聞いてるのはコイツだからね~ワラ』
というメール。そこに添付されていた画像を確認してみる。

間違いない。この男の子、あのメールで舞ちゃんのこと聞いてきた男子だ。

あっ、戻ってきた。席に着いたその男の子、その子のことをチラッと見たら目が合ってしまった。
向こうも私のこと友達に聞いて知ってるのかなやっぱり。
実は私と舞ちゃんが友達だってこと、気付かれちゃったらどうしよう・・・
どうすればいいんだろう。
えりかちゃんに相談してみようかな・・・



席に戻ってふと顔をあげると、対面に座っている彼女と目が合った。
何か引きつった顔で見られているように見える。眉を寄せたその表情、どことなく警戒されている感じが浮かんでいるのは何故なんだろう。
彼女のノートに書いてある名前とか覗き込んでたのがバレちゃったのかな。それはいけない。
だから、彼女のこと全く意識してませんよという振りを装うために、勉強に集中することにした。
テストを頑張れば、学園祭はもうすぐだ。



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