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ダンス部の公演があるという体育館にやってきた。
前の方はすでに席も大体埋まっていて、そこまで行くのもおっくうだったから、出入り口近くのすいている最後部の席に座る。
そんなヒマつぶし程度の気持ちでやってきたのだが、始まってみて驚いた。本格的にレベルの高いダンスパフォーマンスだったから。
特に興味があって来たわけでもない僕でも、このステージのパフォーマンスには引き付けられた。
でも、この席じゃあ、ちょっと遠くて見づらいな。これならもっと前に行ってしっかり見れば良かった。

始まってからしばらくたった頃、ひとりの生徒さんが入ってきた。走ってきたのか息が切れている。
その生徒さんは直近にいた僕にあわただしく話しかけてきた。

「すみません、隣の席空いてますか?」

おおお!お姉ちゃんだ!!

「はい!空いてるみたいですのでどうぞ」
「ありがとうございます。開演には間に合わなかったかー」

あれ? お姉ちゃんは僕のことを憶えていないみたいだ。
それでも僕に対して親しげに話しかけてきてくれるお姉ちゃん。

「よその学校の方ですよね。ウチのダンス部はレベル高いでしょう」

えっへんと、誇らしげなお姉ちゃん。

「センターで踊ってる子がダンス部のエースなんですよ。激しく動いているのに、体の芯が全くぶれていないのがわかりますか。手や足の先の細かいところまで気を使って踊っているところも見て欲しいですね」
「今、後ろから前に出てきたのが、次期エースと言われてる子。柔らかい踊りしているでしょう。でも本人は自分のダンスを動きが固いって言って悩んでるんですけど、高いレベルならではの悩みがあるんでしょうね。最近は表情の作り方も上手くなってきて(ry」

ダンスについて僕は詳しくないが、親切なお姉ちゃんが何故かひとつひとつわかりやすく解説してくれる。
なんか、すごく幸せな時間です。前の方の席に行かなくて本当に良かった。
それに、後ろの席だからこそフォーメーションとか全体的な動きも見渡せるし。
なんといっても、お姉ちゃんがわかりやすく解説してくれるのだ。なんか、すごく幸せな時間です。
とても嬉しかったので、二度言いました。

お姉ちゃんの解説でダンス部のパフォーマンスを堪能していたら、突然お姉ちゃんに背後から抱きついてくる人がいた。うわ、びっくりした!痴漢!?



あー、早く明日にならないかなー。
明日お嬢様とデートする約束を取り付けたのだから。
2人っきりでデート、お 嬢 様 と 2 人 っ き り 。
しかも、舞ちゃんには決して私達の邪魔をしないっていう言質もとってあるのだフヒヒ
お嬢様のハートを独占する絶好の機会到来、ここで一気に舞様と差をつけてやるんだかんな!
有原栞菜大勝利の予感!!

もうテンションはMAX状態だった。
通りかかった体育館、ちょうどダンス部のイベをやっている時間だ。
なっきぃ達が出てるんだよね、ちょっと見ていくかんなと会場に足を踏み入れる。

あっ、舞美ちゃん発見!
テンションMAX状態だった私は、嬉しくてつい舞美ちゃんに思いっきり飛びついてしまった。
舞美ちゃんに抱きつくのは久し振りだかんなー!



もちろんそれは痴漢などではなかった。お姉ちゃんにぴったり張り付いているのは、なんと栞菜ちゃんだった。
噂には聞くが、さすが女子校のスキンシップはすごいんだな。女の子同士のこんなベッタリとした抱擁は共学ではさすがに見たことが無い。

背後からお姉ちゃんに抱きついた栞菜ちゃん。
その時、僕は目撃してしまったのだ。
栞菜ちゃんが、抱きついたどさくさに紛れて、お姉ちゃんの、そのー、む、胸を触ってますよねそれ・・・
最初は見間違えたのかと思った。でも見間違いなどでは無かった。現に今もまた栞菜ちゃんはお姉ちゃんの胸を揉(ry
あ、鼻血が出てきた。男子高校生には今目撃した光景は刺激が強すぎます・・・

そういえば、チンプイさんが言ってたっけ、栞菜ちゃんは℃変態だって。
こういうことを言ってたのかな。なるほど、よく分かりました。
本当おもしろい子だなあ。
栞菜ちゃん、ぜひお友達になりたい。

しかし、僕も年頃の健康な男子ですから(キリッ)、このような光景を目にすると何か変な気分に・・・

そんな淫靡な空気に包まれる寸前、お姉ちゃんの爽快さがそんなものを一掃する。
背後から抱きつかれたお姉ちゃんはすぐさま反撃に移ったのだ。

「何するんだよー、栞菜! そういう奴はこうしてやるー!!」

すっごく楽しそうに栞菜ちゃんに飛びかかるお姉ちゃん。まるで、獲物を見つけたジャックラッセルテリアだ。
動くものを見つけると全力でそれと遊び倒そうとする本能を持つ抜群の運動能力を誇る犬種。

制服姿でプロレスごっこを始めた美女二人を僕は呆然とみつめる。
しかし、それを眼前で眺められる僕は凄い幸運なのではないかということにも勿論すぐに気づいた。
だから、一瞬も見逃さないように真剣に拝見させていただきました。本当にありがとうございました。

あっという間に形勢が逆転し、最高の笑顔で栞菜ちゃんに関節技を決めるお姉ちゃん。

「ギブ、ギブ!ギブだかんなぁっぁ!!」

「シーーッ!!」

周りの人に諌められてしまった二人はそこでようやく静かになった。
再び席に着いたお姉ちゃんと、並んで栞菜ちゃんも隣りに座る。

「怒られちゃったじゃないか。わたし生徒会長なのに・・・栞菜のせいだよ、もう」
「えーっ・・・私のせいなのー?」

その時になってようやく栞菜ちゃんは僕の存在に気付いたらしい。その瞬間、彼女の動きが止まってしまった。

「ちょ・・おまくぁwせdrftgyふじこlp;@!!」
「栞菜?」

「ダンスを見ているのに、邪魔をしちゃってすみません」

お姉ちゃんが僕に向き直って、頭を下げてきた。なんて恐れ多い!そんな、やめてくだされ。

「いえ、とんでもない! むしろいいものを見れたというか・・・って、それより、あの、僕のこと、憶えていませんか・・・」
「へっ?? えーと、アハハハ・・・」

憶えてないんですね・・・

「この間は突然話しかけたりして失礼しました。どうしてもプレゼントが渡したかったので」
「あっ、あの時の!」

思い出してくれましたか!

「プレゼントありがとうございました。舞に渡したらすごく喜んでました、あっ!」
「そうですか! 喜んでもらえましたか。それは嬉しいです」

僕とお姉ちゃんのやり取りの間ずっと、栞菜ちゃんは固まったまま僕たちのことを見ていたが、お姉ちゃんにこう告げると慌しく席を立って出て行ってしまった。

「ごめん、ちょっと用事を思い出しちゃったから先に帰るね。じゃあ、また後でだかんな」



この男の子、な、なんでここに!?
っていうか、なんで舞美ちゃんと一緒にいるの?
舞美ちゃんと親しげに話しているけど、どういうこと?
プレゼントありがとうって、舞美ちゃんに誕生日プレゼントくれた学園外部の人ってこの人なの?
この人、舞ちゃんのことが好きだって聞いたのにどういうつもり?

5つの疑問文に対して私の明晰な頭脳が演算処理を完了した。そして導き出された答え。

この子、舞ちゃんの他に、舞美ちゃんにも手を出している!!

ふたまた!?
まさかそんな・・・・・な、なんということを!
そんなの矢島舞美ちゃんファンクラブの人たちに知れたら、生きて学園を出られなくなるってこの男子わかってるのかなあ。
第一この私が許さないかんな!
これは大変だ。えりかちゃんに至急報告!



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