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テレパシー、ね。

私は否定も肯定もせず、ニッと笑い返して、ケーキを口に運んだ。・・・だって、どうせ伝わってるだろうし。

「なんかねうちら、仲悪いことになってるんだって。・・・一部で」
「そうなんだ」
「いいけどね、別に。あんま普段喋らないからね」
「うん、まあ、いいんだけどね」

千聖のいう“一部”が、私の想像している辺りと合致しているのかはわからない。
でも、それはもはやどうでもいいことで。
私たちは良くも悪くも、日々たくさんの情報に揉まれながら活動しているし、それを受信する人達もまた、いろいろな解釈をするのは当たり前だと思うから。


「・・・まあね。わかる人にだけ、わかればいいんじゃない」
「だね。あいりんの言うとおりです」

私たちはそれきりだまって、目の前のホールケーキを崩す作業に没頭した。
わいわいやるだけが、親愛の示し方じゃないのにね。
こんな時、舞ちゃんと千聖だったら、舞ちゃんがものすごい勢いで喋り倒して、千聖も笑って応戦するのかな。
なっきぃと千聖だったら、2人にしかわからないような話題で、学校の友達みたいにまったり話したりするんだろう。
舞美ちゃんはと千聖は・・・どうかな。あんまりワーッて会話しなそうだけど、前見たときみたいに、後ろからそっと抱いて、ちっさー、また胸大き・・・


「・・・あいりん、エロいこと考えるの禁止ね」
「・・・やだなあ、岡さんたら。あれでしょ?こういうの」

「「テレパシー」」

いつだったか、千聖は雑誌の取材で、「愛理と私は、テレパシーで話せる」と言ったことがあった。
なるほど、と思った。
千聖はもともと、人の変化に気がつきやすいタイプだけれど、ただそれだけじゃなくて、正確に私の感情を読み取る。

例えば、℃-uteみんなで話し合いをしてるとき。
そこで出た結論が、私にはピンとこないものだったりすると、必ず千聖は後でこっそり意見を聞いてくれる。
逆もまたしかり。千聖が不機嫌未満普通以下ぐらいのテンションになってると、私のセンサーが反応して、思わず千聖にパスを投げたりしてしまう。
いつでも一緒じゃないけれど、いつでもお互いを意識している関係。
それを千聖の言葉で、「テレパシー」と言うのだろう。

理屈じゃない。とにかく、伝わってくるものが多すぎるから、いちいち会話する必要性があまりないのだ。
でも、それってすごく感覚的なことから、誰かに説明するのは難しい。


「そだ、プレゼントはもうちょっと待ってね。選びたいし」
「全然、いつでも。てか気にしないで。千聖とあいりんの仲じゃないかぁ」

そんな風に茶化して答える千聖。なんだかそわそわしている。・・・ああ、もう、出たいんだろうな。
私は残り3口分のケーキを半分にわって、1口では大きいそれを無理やり自分の口に押し込んだ。

「ひょろひょろ、でりゅ?」
「・・・もー、あいりんってさぁ!ちょいまって、ちしゃひょも!」

バッグを片手に、千聖もケーキの塊をほおばる。

「ごひひょうひゃま、ひゃいりん」
「どういひゃひまひへ、ヘッヘッヘ」

頬袋パンパンのリスみたいな、お互いの顔が面白くて、口を押さえたまま、レジまで早足で歩いた。



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