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聞こえてきたのは、耳に心地いいふわふわとした上品な声。

愛理ちゃんだ!

お嬢様とお話ししているところに、愛理ちゃんまで!
この予想外の出来事に、嬉しさも2倍に増量されました。
お嬢様と2人っきりでも嬉しいのに、そこに更なる付加価値が加わったと言えるでしょ、愛理ちゃんなら!

てっきり熊ryかと思って下がったテンションが再び急上昇する。
(人によって態度を変えるのは良くないよ少年)

「お話しをしていらっしゃるところすみません。お嬢様捜索願がめぐから寮生に出されたので」
「あら、愛理。それはどういうことかしら? 舞美さんと一緒に散歩に出かけることはめぐも知ってるはずなのに」
「それが、舞美ちゃんもうお屋敷に戻ってきてるんです。舞美ちゃんがパインちゃん達と一緒に中庭を走ってるのをめぐが見かけたんで

すね。そうしたらめぐが大噴火しちゃって。ケッケッケッ」
「まあ!もう戻られたなんて舞美さんそんなに早く公園を一周してしまったの?リップとパインは大丈夫なのかしら」

僕に対して会釈をしてくれたあと、愛理ちゃんがお嬢様に話しかける。
話しに割り込んでしまうような格好になったことを、ちょっと気にしてるみたい。
ほんと品のいい子だよなあ。
そんなの、気にしなくてもいいですよ、愛理ちゃん。

「お屋敷ではそれでちょっとした騒ぎになっているんです。めぐが舞美ちゃんに怒っちゃって。ケッケッケッ」
「もう、めぐったら。ここなら親子連れで散歩している方も多いし、お屋敷も近いのだから一人でも大丈夫だって、めぐにはいつも言ってるのに」
「でもやっぱりお一人というのは・・・それにめぐの立場ではそうもいかないでしょう。それでですね、めぐが怒ってるのに舞美ちゃん全然こたえてなくて。ニコニコして“大丈夫だよー、めぐ!”とか言うんですね」

マイミさん?の真似をした愛理ちゃんに、お嬢様はクフフと小さく笑う。
また知らない名前が出てきてる。めぐ・・・この名前も憶えておこうっと。

「それで、収まらないめぐの怒りの矛先は若い執事さんに向けられちゃって。めぐにさんざん言われてて若い執事さん何か大変そうでしたよ。見てたらちょっとかわいそうになっちゃいました」
「ウフフフ、舞美さんらしいわ。でも、めぐには後で言っておくわね。寮生の皆さんの前でそんなに怒ったりするなんて」

聞こえてくる2人の会話は、その、何というか、喋ってる内容が僕には半分ぐらいしか理解できなかった。
理解できない、というか、聞き取れなかった、と表現する方が正しいのかもしれない。

お嬢様と愛理ちゃんはお互いの言葉を理解できてるんだろうか?
と、軽く疑問に思ったが、2人のお嬢様はお互いの言葉に頷きあいながら楽しそうに会話を続けている。うん、大丈夫みたい。

木々の緑のあいだからは、やわらかな明るい日差しがふりそそいでいる。小鳥のさえずりも聞こえてくるようだ。
そして、そこでお話しをしているのは上品な笑みをたたえている2人のお嬢様。

現実感の感じられない光景だ。
その光景に、僕は今ちょっと意識が飛んでしまいそうになった。

思い出したように、お嬢様が僕に視線を戻してくれる。

「千聖のサッカーの話しにお付き合いして頂いてたの。とても詳しいのよ」

僕のことを愛理ちゃんに!
お嬢様のその言葉を聞いた愛理ちゃん、彼女も僕に視線を移してくれた。

愛理ちゃんが僕を見ている。あの愛理ちゃんが。

あのライブを見て以来、彼女の印象ってステージの上で輝いているアイドルのそれであって。
だから愛理ちゃんを見かけても、なんか恐れ多くてその姿を満足に直視することすらできなかったんだ。
ましてや、話しかけることなんか全く無理無理、そんなの絶対に出来ない。

そんな感じなので、愛理ちゃんとはあまり話しをしたこともないけれど、これをきっかけにして、
これからはちょっと親密な関係になっちゃったりなんかしちゃったりするのかも!・・・とかいって

「あら、愛理に見とれていらっしゃるの?」
「な、な、何をおっしゃってるんですか、お嬢様。あははは」

半分は当たりですけど。そして、残りの半分はお嬢様に見とれてました。

千聖お嬢様は持ち前の社交術でいつも僕に気さくに話しかけて下さるのだ。穏やかな微笑みとともに。
お嬢様のような立場の方ともなると、そういったコミュニケーション能力は色々な人と人脈を形成していく上で必要とされるのだろう。
ありがたいことです。そうでなければ僕なんかがこんなお嬢様とお話しなどできるはずもないのだから。

愛理ちゃんもまた持ち前の性格からなのか、僕のことにドン引きするでもなく、僕に話しかけてくれた千聖お嬢様と同じ様に、にこやかに微笑んでくれている。

2人のお嬢様がそろって僕に微笑んでくれている・・・

今日ここにサッカーしに来て本当に良かった。サッカーの神様ありがとう。

ただ、そのような微笑みを向けられるとですね・・・・
そうすると、男子というのは自分に都合のいいように解釈する生き物なんですよ、お嬢様方。

お嬢様が僕に優しくしてくれてるのは、もはや単なる社交辞令なんかじゃないなこれは(キリッ とか、
愛理ちゃんも、実は僕にけっこう好意を持っていてくれているのではないだろうか! なんつってね。

楽しそうに話しをされているお嬢様と愛理ちゃん。

その現実感のない光景を見ていると、今の話しの流れもあって次第に僕の脳内はだんだん妄想の世界へといざなわれていく。
そして無駄にテンションが高くなってる精神状態も相まって、妄想を始めてしまうとすぐにそれは加速していくのだった。

お嬢様のきれいな瞳。
そして、それは魔法の瞳なのだ。僕を捉えて決して離さない。

「お嬢様!?」
「ウフフ、大丈夫よ。今なら舞はいないわ」
「でも、あの、お嬢様・・・愛理ちゃんが見ています」
「あぁ、そうね、愛理もいるのよね。ちょうどいいわ。3人で楽しみましょう」

楽しむって!! 楽しむって、、何をですかお嬢様!?

「千聖が蹴るからゴールキーパーをして下さる?愛理はマネージャーさん役ね。お水を持ってきていただいたりするわ」

よし、その設定で。
設定を決めると、妄想もいよいよ全開だ。

お嬢様のシュートを受け止める、それすなわちお嬢様の愛を受け止めること。
全力で蹴ってくださいね、お嬢様。その情熱しっかりと受け止めてみせます。僕のここ(ハート)で。

そして全力をぶつけ合った2人の心は通じ合うのだった。お嬢様のその気持ち確かに受け取りました。
そして、そんな僕たちを祝福するまなざしの愛理ちゃん。
ありがとう。愛理ちゃんに見守ってもらえたから、僕は勇気を持ってお嬢様の愛を受け止めることが出来ました。
お嬢様の深い色の瞳が僕を捉えている。そんな上目遣いで見つめられたら、もう何も考えられなくなる。心を奪われてしまう。
でもいけませんお嬢様、僕には舞ちゃんが。あら、舞のことはお忘れになって今だけは(ry
そんな、ダメです、お嬢様・・・・いけません、あっ(ry



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