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───“なんということでしょう。。。”

ビ●ォーア●ターでお馴染みのあのナレーションが脳内再生されてしまった。
それもその筈、屋敷外へのちょっとした用事に使っている私物のママチャリ自転車が、屋敷内での御勤めをしていた今日のうちに痛チャリと化してしまっていたのだから。。。

今朝有原さんに『この前のプールの件のお礼にとても良い事してやるかんな』と言われていたけど、まさか自転車を弄られるとは。

茫然とその場に立ち尽くしていると背後に迫る二つの気配を感じた。

「オメー感謝しろよなー。」
「まったくでしゅ。」
「美少女二人がしがない執事のために日曜大工で一生懸命作ってやったんだかんな。」
「ちしゃとのこと以外でこんなに頑張ったのは初めてでしゅよ。」

「はぁ…ありがとうございます。」

最近はその姿を見かけただけで条件反射で胃痛が発症してしまう二人がいた。
勿論今も軽く痛んできているのは口を裂けても言えない。

「ところで全部見た?この素晴らしい出来映え」
「いえ、今目の当たりにしたばかりなのでまだじっくりとは…」

そう言うとお二方は「これぞ匠の技が……」などとご丁寧にも手を加えた所を細部まで説明してくれた。
前カゴ、後荷台、前輪・後輪、ハンドル、フレーム、フレームカバー部分・・・至る所に段ボールで覆われた上にそれぞれ違った水着やレオタード、学園の制服、私服のワンピースを御召しになった鈴木さんがプリントされていた。

「あの、ベル?がやたらでかいんですが」
「ああ、それはこのボタンを押すと…」

“ケッケッケッ。”

「録音されたきゃわゆい愛理の笑い声が流れてくんの!凄くない!?」
「す、すごいです」
「これでいつでも愛理の笑い声が聞けるね!よ、幸福者ー!」
「あ、でも水濡れ厳禁でしゅよ。防水対策もしてないし少しでも濡れたら壊れましゅから。」

───それ、雨の時は使えませんよね。。。

「あーあ、もっと製作時間や必要な物があったらもっともっと痛デコチャリにできたんでしゅけど」
「今のウチらにはこれが精一杯だかんな」

なんというか、本当に凄いです。
そういえばこの二人、以前中島さんが病に倒れられた時にお見舞いに行きたいお嬢様の為に特製マスクを作ったこともあったような。。あの時よりも技術上がってますよね、確実に。

「ペダルとサドルだけは弄ってないんですね。」

ついポロッと出た一言に二人から笑顔が消えてキッとこちらを睨んできた。

「ペダルに愛理?…つまり愛理を踏みたい…だと?」
「あ、いえ、決してそういう、わけでは」
「サドルに愛理?…愛理の上に乗りたい??……けっ!これだから男の変態は最低だかんな。」

余計な一言を言ってしまった。とりあえず否定して誤解を解こうとしたが変わらぬ二人の睨みつける視線に胃がキリキリ痛む。

「まっ…それはそうとして℃変態ヘタレ℃M執事にお嬢様より命令です。」
「ちしゃとのママや海夕音ちゃん、舞波さん、さゆみさんへのお手紙を書いたからそれを投函してほしいとのことでしゅ。はいこれ。」
「かしこまりました。ではお屋敷のすぐ近くにあるポストに投函してきま
「ちょっと待った!今日のポストの収集時間はもう過ぎたかんな。」
「急ぎの手紙もあるみたいでしゅし…」
「「オメー、このチャリで駅前の郵便局行って速達で出してこい!!」」

・・・・・・

「工エエェェ(;°Д°;)ェェエエ工」

「いやいやいや、無理ですって!駅前郵便局ってここから2~3kmありますし、この自転車でお屋敷の外など…」
「あーれー?いーのかな?そんなこと言って…」

そう言うと有原さんは見覚えのあるモノを取り出し…

“グヒョヒョ”
“・・・みんなの水着姿、見たいでしょ?”
“み、見たいれす”

まだ消してなかったのか!?プールの件が落着したからもう消去したものだと思い込んでいた。しまった…油断していた。
初めてそれを耳にした萩原さんは明らかにドン引きだ。僕を視るその視線もまるで汚物を見下すような…。不本意ながらもゾクッとしてしまった。

「…で、どーすんの?」
「コノジテンシャデイカセテイタダキマス。」

¥$¢£%#&*@§

もうどーにでもなーれっ。
二人のクスクス笑い声をBGMに自転車を漕いで出発。自分もなんか笑えてきた。

半笑い状態で郵便局へと急ぐ自分。周りの通行人の視線が痛い。でもそれを気にしたらアカン。無になれ自分。

♪─プライドとか棄てたらまた良いことあるかな─

・・・自棄っぱちに大声で口ずさむ。もう羞恥心なんかは棄ててしまったようだった。。。




───────────


リl|;´∀`l|<痛チャリに乗った燕尾服姿の執事さんとママチャリに乗ったドレス姿のさゆみさんが激走してたんだよ。。。カルーアミルクを盛大に噴射しちゃった;



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