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「お待たせ。・・・あら、愛理?怖い顔してどうしたの?」
えりかちゃんにからかわれてムスッとしてたら、いつの間にか千聖が撮影を終えて戻ってきていた。プレゼント用のポラロイド写真を何枚か手に持っている。

「千聖ぉ。ううん、大丈夫。次私の番だよね?ちょっと行ってきまっす!」
これが終わったら、2人でお出かけなんだ。気を取り直して行こう。
「行ってらっしゃい。」
「千聖!早く!舞と一緒にメッセージ書くんでしょ?」
舞ちゃんにひきずられながらも、千聖は手を振って見送ってくれた。

「おっ。今日は手鞠の前列トリオか。」
廊下を歩いていると、後ろから舞美ちゃんとなっきぃがパタパタ走ってきた。三人一緒に撮影するらしい。
「こりゃ何だか珍しい組み合わせで、えーと、空いた時間などにいろいろな話ができそうだよね!なっきぃ!」
「そうだね!最近興味のあることとか、うーん例えば最近話題のショッピングスポットの話とかね!キュフフ!」

・・・・?

「え、愛理どうしたの?」
「ハハ・・・」
何だろう。あきらかに不自然な会話だけど、意図がわからなくて突っ込めない。
2人とも、怖いぐらいにさわやかな笑顔だ。
えりかちゃんといい、今日はせっかくの千聖とのお出かけなのに、なにやら不穏な空気が立ち込めているような気がしなくもない。


「はーい。じゃあ次三人もっと近くに寄って。」
「はい!」

何枚目かのショットで、なっきぃと舞美ちゃんが私の背後に回った。
「「ミ・ル・ク・ジェ・ラート」」
「はっ!?」

「鈴木動かない!」
「あ、すみません。」

「キュフフ。愛理知ってる?こないだ横浜にできたショッピングモールにね、すーごくおいしいジェラートのお店があるんだって。」
なっきぃが小さな声で囁いてきた。

「そうかぁ!そこのミルクジェラートがおいしいってわけだねなっきぃ!」
「矢島!」
舞美ちゃんは声が大きい。

「愛理の大好きなミルクジェラートを食べながら」
「のんびりお買い物とかできるんだろうね。」
「甘くて柔らかいミルクジェラァートゥ」
「とろんとろんな口どけに2人の仲もとろけちゃう、とか言ってw」
「それが食べれるのはぁ、あのショッピングモールだけ!」


・・・何なんだこの人たち。ジェラート屋さんのサクラ?わざとらしすぎる。
でもずっと耳元でジェラートジェラート言われていたら、だんだん食べたくなってきた。
3時のおやつに、千聖とジェラートなんていいかもしれない。

「はい、OKです!ポラにメッセージ書いて、後は解散でいいよ。次、梅田と有原ね。」
「ありがとうございまーす!」

「あ、あの舞美ちゃん。さっき言ってたショッピングモールって、横浜のどこにあるの?」
なぜか超ご機嫌でLALALAとか歌ってる背中に、思い切って声をかけてみる。
「おっ!行くの!?」

「うん、今度行ってみようかな。」
「へー今度ねえ。うん、場所はね・・・」
やった。行きたい場所が決まった。

「おかえりなさい。」
楽屋に戻ったら、千聖がパタパタ走り寄ってきた。
「あのね、今日のお買い物なんだけれど、さっきえりかさんに教えてもらった場所で、横浜に・・・」
「ジェラート!」
「えっ」
しまった。洗脳が。

「愛理?」
「ん、ごめん。」
「あのね、横浜にショッピングモールがあるんですって。可愛いアクセサリーやお洋服のお店がたくさん入ってるみたい。そこはどうかしら?」
「あー・・・うん、ちょ、待ってて。」

えりかちゃんが鏡越しに、ニヤニヤ笑いながらこっちを見ていた。
千聖をその場に残して小声で詰め寄りにいく。
「もしかして、舞美ちゃんたちとグルなの?」
「えー?何のことだか梅さんわかんないよ。」
「尾けたりしないでよ。」
「いやいや、私そんな暇じゃないもん。今日はデートなんだよ♪」
・・・本当かなあ。
「舞美たちがどうとかってなんのことか知らないけど、今日はなっきぃも舞美も学校の用があって急いでるって言ってたよ?」
うーん。
確かに、2人ともわき目をふらずにポラにサインを書きなぐっているみたいだ。
先に書き始めていた舞ちゃんもびっくりしてその様子を凝視している。

「わかった。せっかく千聖も行きたいって言ってるんだし、そこにする。ジェラート、おいしかったら次はみんなで行こうね。」
「そだね。じゃあ、栞菜待ってるし撮影行って来るね。」
「うん。・・・ありがとう。」

その時の私は、後ろを向いた私の背後で三人がピースサインを出し合っていたなんて知るよしもなかった。



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