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私の制止で、舞美ちゃんと千聖の動きがピタッと止まった。

「どうしたの、舞?」
「・・・そーゆーの、しないでよ。愛し合ってるわけじゃないのに」
「愛・・・」

お姉ちゃんはふと思案顔になり、千聖の背中からズボッと手を抜いた。・・・どういう原理か、ブラも一緒にはぎとって。

「きゃんっ」
「ちしゃと、大丈夫だよ。こっちおいで」

心もとなくなった胸元を、恥ずかしそうに隠す姿が可愛らしい。
腕を引っ張ると、千聖はおとなしく私の隣に来てくれた。

ちょっと体の位置をずらして、ベッドの上でお互いに向き合う。
まだちょっと興奮しているのか、千聖は潤んだ瞳で私を見つめてきた。
見飽きるほどに見慣れたこの顔も、“中の人”が違うだけで、こんなにも艶っぽく見えるなんて不思議だ。
心臓が痛いぐらいに高鳴って、私らしくもなく、頭が真っ白になる。


「・・・舞さん、私」
「う、うん。わかってる。舞にまかせて」

下着で抑えてないから、いつも以上にくっきりしてるたゆんたゆんちゃん。
いつぞや触ったときよりも、またおっきくなってる気がする。
ちっさい体とアンバランスな感じで、なんだかエッチだ。

「お・・・おじゃまします」

ぎゅっと力を込めて握ると、千聖が悲鳴を噛み殺したのがわかった。

「あ、ごめん!」
「・・・いえ、大丈夫です。ウフフ、きもちいいです、私」

どうやら遠慮して言ってるわけではないみたいで、千聖は胸に添えられたままの私の手を、優しい顔でそっと撫でてくれた。
なんとなく、続きをねだられているのがわかった。


「えっと・・・ちしゃと、あの、初めてで緊張してるとは思いましゅが、舞という彼氏・・・?彼女・・・?まあ、だから、おちゅちゅいてね」

私のほうがよっぽどテンパッてるし、緊張もしてるのわかってるだろうに、千聖はニコニコ顔でうなずいて、話を聞いてくれる。

「こういうのは、恥ずかしいことじゃないでしゅから。
愛し合う2人が、その気持ちを確かめ合うためにぬくもりを云々」
「ええ、舞さん」

やっぱり、キザキャラみたいなののほうが、こっちの千聖にはあっているんだろう。
子猫みたいに、体を擦り付けてくる。熱い体温がじかに伝わってきて、私はたまらず、少々乱暴に千聖をシーツに押し付けた。

「ん・・・」
「いい?本当に。いやならやめるよ。約束したから、ばかちしゃとと」

まあ、こんな乱暴なことしといて、今更なんだけど。
“無理やりすんのはもう絶対やめて”そう言われている以上、約束は守らなくてはならない。
粗雑に扱ってるとはいえ、間違いなく私は愛しているのだ。あっちの千聖のことも。その意思を無視するようなことはしたくもない。

「・・・私は」

しばらくして、千聖は私の目を真っ直ぐ見たまま、口を開いた。

「私は、例えば自分の中で、元気な千聖とお話をしたり、そういうことはできないのだけれど」
「うん」
「でも、心はつながっていますから。私が望むことは、あの千聖が望むことでもあると思います」
「本当に?無理していない?」
「ええ、私がこんなに、舞さんをお慕いしているのですもの。
明るい千聖も、舞さんのことを・・・」


「そっか、それはよかった!!!」

――はい?


「℃-uteは全員両思いってことだ。うんうん、やじーは嬉しい!」

いきなり、後ろから現れた舞美ちゃんが、ガシッと私たちの肩を抱いた。
おっしゃっている意味がわからない。
大型犬のような純粋な瞳は、まっすぐすぎるからこそ、かえってその思考がどこへ向かっているのか見当がつかない。


「ねー、言ってる意味がわからないんだけど。てか、今ちしゃとと大事な話して・・・!?」

突然、さっきの相撲ごっこのごとく、私は舞美ちゃんに腕を引かれて吹っ飛んだ。

「えっ?え???」
「舞、ばんざい!」
「えっ?」

反射的に両手を挙げると、舞美ちゃんは私のルームウェアの裾を掴んでいた。
そのまま、ぐわっとひん剥かれる。
ぽいっと捨てられ、宙を舞う私のキャミ。・・・もう、お気に入りだったのに!


「・・・へ、へんたい!なにすんijotaepいおj34;」
「あはは、おとなしくしろ!貴様は完全に包囲されている!とかいってw」
つづいて、ショートパンツまで一気に・・・。なんなの、この人。追いはぎなの?どんだけ手際いいの?

「私ね、わかったんだ、舞」
「なにが」

ブラにまで手を伸ばそうとしてくるのを必死で避けつつ、スリリングな攻防は続く。

「舞は、私がちっさーとスキンシップするのがいやなんだよね?」
「やだよ、当たり前でしょ」
「だったら、みんなで楽しめばいいんじゃないかなって」

全裸だけは断固拒否な私に業を煮やしたのか、舞美ちゃんは見本とばかりに着ていたモサフリタンクトップを脱ぎ捨てた。

「ほら、これで恥ずかしくないよ!」

夕日に染まる、バッキバキの腹筋・・・筋肉質な足。・・・かっこいい。
思わず心を奪われてしまうような、独特の存在感がある。まさに、彫刻のような美人。
そこらの男じゃかなわないような、細マッチョな超絶美人が、私を見下ろしてニッコリ笑う。


「・・・いや、待て。危うく流されるところだった。
おかしいでしょ、言ってる事。お姉ちゃん、舞の言ってること聞いてた?舞はね、こういうことは、愛し合っている間柄でしかやっちゃいけないって・・・」
「うん、だから、やじーは舞のことが好きだよ?じゃあ問題ないね!」

言うが早いか、舞美ちゃんは私のたゆんに手を伸ばしてきた。
そのまま、胸板をつぶすかのようにぐいぐい押し込まれる。


「ちょっと、痛いよ!ねえ!」
「あはは、ナマイキに育ってきたじゃないか!抜け駆けは許さないから、とかいってw」

さすが、たゆんたゆんの発育には容赦のないやじーさん。目が笑ってるけど、笑ってない・・・。
「せっかくみんなが仲良し同士のグループなんだもん、舞が言うように、スキンシップも大事大事!
ほら、見て。ちさあいちゃんも・・・」
「・・・ちょっと、愛理!!!」


グキッと顔を捻じ曲げられたその先で、俺の嫁と黒カッパが、お互いの髪を撫であっていた。


「ケッケッケ、いい匂いする、千聖の髪。くんかくんか」
「あら、愛理の御髪だって、やわらかくて絹のようだわ」

――イライラする。あんなに無関心そうにしてたくせに、愛理のやつ!ちゃっかり俺の嫁に!


「・・・だって、リーダー命令ですからぁ。従うのはメンバーの義務ですからぁ」

くそー、完全に楽しんでやがる。
これみよがしに、足の指を絡めてこしょこしょくすぐりあったりなんかして、何か・・・えっちだ。私じゃあんなプレイ(?)は思いつかない。
あの黒カッパ、無駄に研究熱心で負けず嫌いなんだから!

「よーし、やじーと舞もあれやろうか!こちょこちょー」
「ぎゃああ」

挟み込んだ私の足指を、ありえない方向に捻じ曲げる全力リーダー。激痛に軽く意識が吹っ飛ぶ。

「楽しいね、舞!ほれほれ」
「あばばば」

万力のような乳もみに、全力ほおずり。舞美ちゃんの気分で、うつぶせにされたりあおむけにされたり、目が回る。

ちさまいみのアレはじゃれあいの延長線上。さっき、黒カッパがそういってたことを思い出す。
だとしたら・・・普段、一体どんな前戯(!)で暖めてるというんだ、俺の嫁を!まるで格闘技じゃないか。
「楽しいね、舞!舞?」

全然楽しくない。なんで、こんなことに・・・。
本当なら私の腕枕で、愛しのちしゃとが眠りについてる頃だったはずなのに。
現実は私はこんなだし、ちしゃとは愛理と寝転がって、足指どころかふ、ふ、ふとももを互い違いに絡め合わせて体を密着させてるし・・・。


こうなったのも、あれだ。そもそもの元凶は、あいつだ!!!

「ナカジマー!!てめーちょっと」
「キュフフ、はあはあ」
「・・・あ、何かごめんなさい。やっぱいいです」

とんでもないブリッジみたいな格好で、愛理と千聖のそばににじりより、絶賛一人でお楽しみ中のご様子のギョカイさん。
お前はこんなに人がいても、それでもソロプレイなのか!そこは譲れないポインツなのか!
なんだか腹が立ってきた。舞がこんなに葛藤しているというのに、アホみたいな顔でキュフッてるだなんて。


「楽しい?舞、ちゃんと楽しんでる?エンジョイ?」
「あー、はいはい。だけどもうちょっとソフトにタッチしてくれると嬉しいですいててて」

舞美ちゃんは相変わらず張り切ってるし、なんというか、パパとテンションの合わない娘の気分だ。

「ちっさーと愛理もラブラブだねー。やっぱし℃-uteもみんなで裸の付き合いが(ry」

無邪気に傷をえぐられ、私の中の舞様が悪魔の尻尾をチョロリと出す。

「ねー、舞美ちゃん。みんなでっていうならさー、ナカジマのほうに行ってあげたほうがいいんじゃない」


「ん?なっきぃ?ああ、いたんだ」
「そう。ほら、一人で励んでるよ?舞のことは放っておいて・・・」
「そうだね、一緒に行こうか!あははは」
「えっちょ、だから私は」

人の話を最後まで聞かない全力リーダー、私の首ねっこを捕まえて、なっちゃんの横に放り投げる。
ぼーんとバウンドして、なっちゃんの上に圧し掛かる。・・嬉しくない!本当なら今頃こうして(ry

「ケロキュフフ・・・ぎゃふん!もー、なんだよ舞、千聖はあっちだよ。アタシは今ちょっと忙しくてぇ」
「・・・うるせっ、この!」

腹立ち紛れに、なっちゃんのほっぺたをイーッとつまんでやる。

「ギュフーッ」
「あはは、けんかはだめだよー」

だけど、すぐに大きな手で引き離されて、下着姿のまま、私となっちゃんは壁際に追い込まれた。


「2人まとめてかかってこいやでしかし、まいみぃがせいばいしちゃるけん!とかいってw」

どこの方言だ、それ。
そんなテンションの高い舞美ちゃんとは対照的に、ソロステージをエンジョイしていたはずのなっきぃが青ざめていく。

「待って待って待って!やじー違うのあのね、なっきぃ的にはこういうのはナシなわけ!だってね違うの一人でする分にはグループ内の風紀が乱れる事はないけどこんな乱痴気パーティーみたいなのは」
「え?でもなっきぃが一番こういうの大好きだよね?あはは、みんなに見られて大興奮!みたいな。私ならはずかしいけど、なっきぃは恥ずかしくないんだよね?すごーい!」
「キュフゥ・・・しょんな、だってだって」

――お、お姉ちゃんたら、優しい顔してすごいこと言う。だがギョカイ、オメーは嬉しそうな顔すんな!

「よーし、わかった!もう舞がそこまで言うなら仕方ないね!」
「舞何にも言ってないし」
「愛理、ちっさー!ちょっと集まって」
ねっとりメロディーズプレイを楽しんでいた、愛理と千聖がよろよろした感じでこちらへやってきた。

「ちしゃとはこっち!」

即座に奪い返してやると、愛理がケッケッケと笑った。
やっと取り返した俺の嫁なのに、体に愛理のコロンの匂いが移っていて、猛烈に腹が立ってきた。
それもこれもギョカイ(ry


「な、なんで睨むケロ!」
「はい、じゃあみんな聞いてね!やじーから提案があります」

今日の舞美ちゃんは、なぜかとんでもなく張り切っている。
この“はだかのつきあい”をきっかけに、ハワイという地で、より強い結束力を生み出そうとでも考えているんだろう。別に、やらしい意味じゃなく。純粋に、リーダーとしての思いで。

でも、気合を入れる方向がおかしすぎる。
全員下着姿で、仁王立ちのリーダーの前に正座するアイドルグループ・・・なんだこれは。
もはや、ハワイでオトナになる計画は頭のどこかへ消えていってしまった。今は、全力リーダーがどんなとんでもないことを言い出すのか。そのほうがよっぽど気になるというもの。

「さて、踊ろうか!」
「は?」

唐突な提案。
思わず千聖と顔を見合わせるも、舞美ちゃんはニコニコ顔のまま、私たちを促すばかり。

「はい、立って立って!そうだなぁ、まっさらブルージーンズがいいかな!」
「えー、踊るの?このまま?ケッケッケ、すごいなぁ」

音楽プレーヤーを楽しそうにセットしながら、舞美ちゃんは鼻歌まで歌ってご機嫌な様子。

「私たち、今までも何かあると、ダンスで結束を強くしてきたもんね。こうして、裸の付き合いも大事にしてきたし。
うんうん、この機会に感謝して、今日という日を大切に(ry」

うん、言うまでもないけれど、今までダンスによって絆が深まったという事例も、下着で踊り狂うという経験もないわけです、℃-uteには。
でも、リーダーがそういうのならそうなんでしょう。・・・あ、なんか笑えてきた。ある意味、舞もオトナになったということでしょうか。


「舞さん、舞さん」

イントロに併せてタラタラと踊っていたら、こっそりとちしゃとが耳打ちしてきた。おお、不安定なベッドのおかげで、ご立派なたゆんたゆんがたゆんたゆんと・・・。


「どしたの?」


「・・・エロいことばっか考えてっから、こうなるんだよ、ざまあべろべろー」
「えっ」

千聖はウフフもといグフフと笑うと、元気にベッドの上で飛び跳ね出した。
もはや、色気もそっけもない。

・・・一体、いつからだ。
いつから、ばかちしゃとに戻っていたっていうんだ。

「ねー、あのさ」
「はい、集中だよ舞!ラミラミラミラミ」


ったく、羞恥心とかないのか、ばかちしゃとは。
バランスを崩してなっちゃんとベッドに倒れこんで、ゲラゲラ笑ってる姿を見て、ため息が出た。
「お、ちっさーがちっさーに戻った!元気?」
「なんっ、舞美ちゃんそれー、意味わかんないから!」


――何かもう、絶対ちしゃとには敵わない気がする・・・。


どーせ、ウソつきのばかちしゃとのことだ、いつから人格変わってたかなんて、絶対白状しないだろう。
この状態の千聖が、愛理と足を絡ませあってたなんて、想像するだけで頭抱えそうになるけれど、真相はやぶの中。
私は一人、悶々とし続けるしかないのだ。

それが、岡井千聖という人間を愛するという現実なのだから。


「まーい、もういっちょいくよー!」
「はいはい」


リーダーの元気な掛け声が響き渡って、予想外のハワイの夕暮れは過ぎていくのだった。



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