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「だいたい、お前らなんか、一人じゃ何にもできないくせして」

わーわー、ぎゃーぎゃー。


うふふふ、遥ちゃんったら、興奮しちゃって。
あまりにやにやしすぎないよう、気をつけながら、私は遥ちゃんの険しい横顔をじっと見つめた。・・・やっぱ可愛い。軍用チワワの通り名はダテじゃないのね。


今、私と遥ちゃん、そして初等部の宮本佳林ちゃんは、中・高等部の生徒会室にお邪魔している。あ、小もぉ軍団の子たちも一緒ね。

さっき中庭で遥ちゃんと話していたら、千聖お嬢様と佳林ちゃんが、礼拝堂に入っていくのが見えた。
お嬢様のこととなると、どうも落ち着きがなくなる遥ちゃんを言い包めて、こっそり侵入したその場所。
厳かな空気が漂う礼拝堂で、2人はなにやら、深刻な話をしていた。

佳林ちゃんのことは、結構前から知っていた。
一見おとなしそうにも見えるけれど、彼女は小もぉ軍団を名乗る子たちと行動をともにしていたので、目立つ存在だった。・・・まあ、だけどあの子たち。全然嗣永さんのことを理解していないんだから。そもそもあの方の理念というのは

――閑話休題。

それで、久しぶりにお顔を見た佳林ちゃんには、もう小もぉ軍団の面影は残っていなかった。
加えて、誰かに嫌がらせを受けているような口ぶり。
状況証拠で申し訳ないけれど、犯人さん(たち)は、きっと、おそらく、佳林ちゃんをグループから弾いた子たち、ということなのだろう。横の遥ちゃんの形相も、鬼みたいに変化していく。

そして、疑惑の小もぉちゃんたちが姿を現した瞬間、遥ちゃんの怒りが爆発した。

暴力沙汰だけは避けようと、後ろから遥ちゃんの秘孔をついたのが幸いしたのか、なんとか器物損壊や暴力行為には発展しなかったけれど、こんな荘厳な空間でご無礼を・・・。
どうしたものかと千聖お嬢様を見ると、なぜかにっこりと笑いかけてくださった。
そして、柔らかそうな小さな手を、校舎側に向けてこうおっしゃった。

“ここでは神様に申し訳ないから、生徒会室にいらっしゃい”と。


* * * * *


「おい、だまってねーでなんとかいえよ!」

生徒会室にお邪魔してからも、遥ちゃんの勢いは止まらない。
萎縮する小もぉ軍団を睨みつけ、鋭い口調で責め立てる。



ただし、その声は全部裏声。


「かりんを苛める奴はあたしが許さねえからな!(裏声)」
「うふふふふ」
「みずきちゃんも笑ってねーでなんとかいえよな!(裏声)」


どうして、この怖い者知らずさんが、このようなおかしな行動に出ているのか・・・それはこのあたりをご参照いただければなんてうふふふふふ

「・・・まあまあ、落ち着いて。工藤さん、だっけ?」

そんな戦闘モードの軍用チワワにも動じないのは、たまたま居合わせた生徒会長の須藤さん。

「ほらほら、お茶でも飲んで」
「・・・ッス」

“あなたのママより、ママになりたい!!”

須藤先輩が生徒会長を引き継いだときの、学校新聞の見出しがふと頭をよぎる。
遥ちゃんは、どうやらこの手のタイプには毒を抜かれてしまうようだな、なんて思った。



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