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「千聖。ちょお~っと後ろ向いてて。」
肩を掴んでくるりと反転させると、私はおもむろにワンピースを脱ぎ捨てた。

「これ、使って。」
後ろから手を回して、自分がつけていたブラを千聖の胸にあてがう。
「えっ!で、でも、これ・・・えりかさんの・・・」
「大丈夫。私は、えーっと、よく考えたらもう一枚持ってた!だから気にしないで、つけて?」
背中のホックを止めてあげる間、ちょっと下に首を傾けて大人しくしてくれる姿が可愛らしい。
もし本物の妹がいたら、こういうふわふわした子がいいな。
お嬢様の千聖はこちらが困ってしまうほど従順で柔らかくて素直で、何でもしてあげたくなってしまう。
ああ、こんなに可愛いならもっと早く新しい千聖と接しておけばよかった。
一人で悶々としてる時間は無駄だった。
私はどうも、考えすぎて二の足を踏んでしまう傾向があるみたいだ。
私だけはみんなと千聖を客観的に見守るだなんて単なる口実で、結局ヘタレえりかだから千聖から逃げていただけだったんじゃないか。
これからは、もっとこっちの千聖とも積極的に関わっていこう。可愛いし。

「んー・・・ちょっと、アンダーが、緩い?あんまり動かなければ平気かな。」
体格差がかなりあるから仕方ないけど、最近お菓子の食べすぎを自認している身としてはちょっとへこまされる。
胸の形を整えてあげて、洋服をかぶせると、見事なお椀が2つできあがった。
「おぉ~いいね!千聖、隠すよりこうした方が絶対いいよ。女らしくて綺麗。」
「そ、そうですか。あの、ありがとうございます。」
もともとブラに備わっているぬいつけパット的なもののせいで、立派なおっぱいがさらに立体的になっているのは仕方ない。(舞美のに比べたら偽装にもならない程度!)

「えりかさん、本当にいろいろご迷惑をかけてしまって。」
「いいって~キュートの仲間じゃないの。これからも何でも言ってよ。」
「はい。」

前の千聖も、今の千聖も、やっぱり笑顔が抜群に可愛い。
この顔を見せられると、つられてにっこりしてしまう。
皆がお嬢様千聖に甘くなってしまうのがなんとなくわかる気がした。

楽屋に戻るとすぐ、私はマネージャーの元へ急行した。
「ちょっと、お耳を拝借・・・・」




「・・・・というわけなんだよ、なっきぃ。いろいろ心配かけてごめんね。」

衣装合わせを終えた私は、なっきぃを誘って、隅っこの方で私と千聖の空白の数十分について説明をした。
目線の先には、胸元を押さえてうらめしそうにこちらを見るマネージャー(巨乳)。

「う~ん。それはいい話だねといいたいところなんだけど、1個言ってもいい?」
「はい。」

「別に、えりかちゃんが千聖にブラジャー貸す意味なくない?その行動ムダじゃない?えりかちゃんはそのまま自分のブラつけてればよかったんじゃない?」
「うっ」
「ていうか、すぐ近くにスーパーあるんだから買いに行けばよかったと思うんだけど。何もマネージャーから剥ぎ取らなくても。頼んでくれればなっきぃが行ったよぅ。」
「ぐっ」
「もーびっくりしたよ。えりかちゃんいきなりマネージャーに脱いで!とか言い出すんだもん。ちょっと冷静になればさぁ・・・ってえりかちゃん!そんなへこまないでよぅ。」

「1個じゃなくていっぱい言ったね・・・」

本当におっしゃるとおりすぎて、さっきまでの得意げな気分はしぼんでしまった。
要領がいい悪い以前に、判断がめちゃくちゃじゃないか、私。
いつもより心もとない胸元に、余計に風が吹きすさんだ。

「ごめんごめん。なっきぃつい言いすぎちゃうね。でも、千聖が嬉しそうだからこれで良かったんだと思うよ本当に。うん。それに、えりかちゃんが千聖のこと気にかけてたってわかってなっきぃも安心した。」
「・・・本当?」

なっきぃが指差す方向を見ると、ちょうど千聖がサイヤ人のような衣装を合わせているところだった。私となっきぃの姿を確認すると、軽く手を振ってきた。

「明るくなったよね、お嬢様。きっとえりかちゃんのおかげだよ。」
「なっきぃ・・・」
お姉ちゃんみたいな口調でなっきぃに励まされて、じんわり胸が熱くなった。

「あーでも、あの胸はちょっとヤバいね。えりかちゃんのパットのせいだ。キュフフ」
「・・・もうしわけありませんでした。」




数日後、私のプチ偽装ブラを気に入ってくれた千聖が、ライブトークの時にまでそれを装着して【ロケットおっぱい】【メロンπ】【( 三 ) 】などと話題をかっさらうことになったのはご愛嬌。



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