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再びクローゼットの前に戻ったちっさーは、また何枚か手に持って、私の隣に腰掛けた。
「舞美さん、こちらはどうでしょう。」
「おぉーこれね、これか・・・」
ちっさーのイチオシは、淡いピンクにパールホワイトのフリルが散りばめられた甘ロリ系のワンピースドレスだった。

「これ、可愛いから私も好きなんだけどね、家族はキモいっていうんだよねー。」
前にこれを着てリビングに下りていったら、家族大爆笑犬は恐怖でおもらしという惨状になった。

「ほら私デカいしさ、ガサツだからあんまり似合わないんだ。」
「そんなことないですよ。ここを、こうして、こんな風にしたら」
「お?お?何かいいかも!ちょっと着てみる!」

ちっさーに手伝ってもらって、ロリータドレスを着こんで鏡を覗き込んだ。

「おーいいかもー。舞美イケてるーとかいってw」
トップについていた大きいリボンを外して、右胸とサイドアップにした髪にワインレッドのバラのコサージュを付ける。アクセサリーも全部同じ色に揃えたら、ちょっと大人っぽい使用になった。
ちっさーは色彩の感覚がいい。

甘甘な中に深い赤がアクセントになって、ロリっぽさは中和された気がする。

「いい!これならきっと家族も・・・ん、ちっさー?似合ってないかな?」
ちっさーはちょっと唇を尖らせて、私の顔を見つめている。

「あ、いえ、そういうわけではないのですが・・・・なんかもう少しずつ、私も舞美さんも足りてないような」
「そうかな?」

ちっさー、意外とこだわりやさんだ。

2人で大きな鏡の前に移動してポーズをとっていると、突然ちっさーが「わかったわ」と声をあげた。

「メイクです。メイクをしたほうが、もっといい気がします。」
「おお~なるほどね。でもさ、ちっさー・・・・」
私とちっさーは、キュートの中でもメイク技術がまったくない2人だった。
基本的にメンバーかメイクさんにおまかせだから、いきなりゴスロリメイクをするというのは無謀な挑戦だった。


「ふは、ちっさーのつけまつげやばーい!うははははは」
「舞美さんこそ、そのチークはウフフフ」
「あっはっはっは」

お互いの顔にメイクを施してみたけれど、ふざけているとしか思えない仕様になってしまった。
ちっさーはもともと長くて濃いまつげにつけまつげを補強したせいで妖怪みたいな顔になって、私は色白なのに赤いチークをたっぷり乗せてもはやおてもやんだ。
ひとしきりヒーヒー笑った後、なんとなくむなしくなってため息をついた。


「何とかならないかしら。」
「そうだねえ。ここまできたら、完璧を目指したいよね。でもうちらだけの力じゃちょっと・・・・・あっそうだ!ちょっと待ってて!」

私はケータイを取り出して、一番新しい着信履歴に残っているその名前に電話をつないだ。
そう、私のお願いごとに一番弱いあの子に。


「もしもしーなっきぃ?出張メイクの依頼なんですけどー」



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