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「知らなかったでしゅ、手術だなんて。そんな大変なことになってたんだ」
「もともと自分のしたことの結果だから。でも手術も無事終わったし、術後も順調だから安心して舞ちゃん」
「今までお世話できなかった分、今からでも舞が看病してあげたいな」
「ま、舞ちゃんが僕のことを!?」
「そう、今日からは退院まで舞が付いていてあげるから。うん、舞が看護婦さんになってあげるね」

ttp://chisamai.jp/img/cm_08976.jpg


「・・・・!!ま、舞ちゃん!!!」



・・・そこで目が覚めた。



ゆ、夢か・・・・


こうして今日もまた舞ちゃんの夢を見た。
もう毎日のように舞ちゃんの夢を見ている。
それにしても今の舞ちゃん、かわいかったなあ。

しかしその姿、いまの僕には・・・

って、やめよう。
そっちの方は考えちゃダメだ。
刺激的なことは極力避けなくては。

だって、僕は入院してからもう一週間も経つんだ。
痛めた膝以外は健康な男子高校生にとって、これは非常にキツい。

だから、いま見た夢はヤバかった。
忘れたくないけど、今は忘れよう。
とにかく入院中そういう気分にならないようにしなくてはいけないんだ。平常心、平常心。



それにしても、もう何日舞ちゃんの姿を見ていないのだろう。
あぁ、激しく舞ちゃん不足。会いたいな、舞ちゃんに。


入院してから、舞ちゃんは一回も見舞いには来てくれない。
まあ、それは当たり前のことなんだけど。

舞ちゃんに限らず、お嬢様もりーちゃんも、それに桃子さんだって見舞いに来てくれない。
分かってます。そんなの当たり前のことだってぐらいは。
うん、そんなの当たり前なんだけどさ・・・

でも、誰にも会えないのがこんなに寂しいことだなんて。
誰か来てくれないかな・・・
もうこうなったら栞菜ちゃんでもいいからさ。

来るのはこの人ばかり。
今日も彼女の大きな声が響き渡る。

「よし、今日も張り切ってリハビリしようか!さあ行くよー!」

看護婦さんたちからも、私たちが言うよりやってくれるから助かるわあ、とか言って笑われている。
そりゃ怖いですから。しっかりやるしかないですよ。


「回復具合が予想よりだいぶいいよ。リハビリの効果が思ったより出てるみたいだね」

先生のその説明を聞いて、なにか苦笑してしまった僕。

そりゃ、僕は頑張りましたからね。
本来のリハビリに加えて、熊井式スッペシャルスパルタメニューまで頑張った(頑張らされた?)んだから僕は。
それがそんな効果をちゃんと生み出しているとは、さすが熊井ちゃん、ってとこなのかな。
あの人のやることは、もはや医学をも超えているのかもしれない。


そんな感じで、リハビリを開始して経過も順調だったことで、僕は手術から一週間後には退院できることになった。(若いからキリッ)




そして、退院する当日。
いつものように熊井ちゃんとの特別リハビリを終えて、病室の片付けをしている時のこと。


今日で退院か。
ちょっと感慨深い想いで胸一杯になってくるな。
ここまでの間、それは本当にいろいろなことがあって。

「なに、しんみりしてるの?」
「いや、別に。・・・・・でも、さすがにちょっとね」

なんか、いま僕は感傷的になってるのかな。
急に心の内を語りだしたいような気持ちがこみあげてきた。

「あのね、熊井ちゃん・・・」
「ん?なぁに?」
「ありがとう、熊井ちゃん。いろいろと面倒みてくれたりして」
「ま、これも上に立つ者の務めだから。うちはリーダーだからね」

僕の言ったことに満更でもなさそうな、鼻高々といった風情の熊井ちゃん。
相変わらず彼女の頭の中は、僕からすると遥か斜め上を進まれているようで。
まぁ、そんなところもいかにも彼女らしいよ。

でも、僕は今回の件でまた熊井ちゃんのことを一層・・・

「でも、本当に熊井ちゃんのお陰なんだ。いつもいつも・・・支えてくれて・・・僕が、心が弱くなりそうになったときも・・・・」
「えっ?なに?聞こえないでしょ。もっとハッキリと喋りなさいよ!」


「これは誕生日のとき伝えたかったことなんだけど、こんなことになったりしてバタバタしちゃったから・・・」


「実はさ、僕、熊井ちゃんのこと・・・


僕がそう言いかけたそのとき、病室のドアがノックされた。

そして勢いよくドアが開いたとき、そこに立っている人を見た僕は、一瞬で固まってしまった。
だって、僕の目に入ってきたのは予想もしていない人の姿だったのだから。


そこに立っていたのは・・・



お、お姉ちゃん!?




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