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「きっと学園のみんなも喜ぶと思いますよ、お嬢様が部活動の見学にいらっしゃったら」

数十分後。
制服に着替え、学校へ向かうわれわれ一行の先頭には、なぜか舞美ちゃんが陣取っていた。

「今日、大学が休講でよかった。お嬢様に一日お付き合いしますからね」

モサフリピンクジャージが、歩くたびにシャカシャカと衣擦れする音がなんだか懐かしい。
お嬢様の授業の間どうするとか、先生たちへの説明をどうするとか、全然考えてないんだろうな。
それでも、この一行に、舞美ちゃんが戻ってきてくれてるこの状況、うまく言えないけれどすごくウキウキしている。
お嬢様も同じように感じているのか、しきりに話しかける舞美ちゃんをじっと見ながら、何度も目を三角にしてはうんうんとうなずいている。


「舞ちゃん、お嬢様取られちゃってるよ?ケッケッケ」
「・・・イジワル言うなよ、もー」

舞ちゃんの声がいつもよりとげとげしくないのも、かなわないからってだけじゃなくて、やっぱりどこか懐かしくうれしく感じているのだろう。
生徒会の代替えだって終わっているのに、まだまだ私たちは修行が足りないみたいだ。ま、たまにはそういうのもいいでしょう。

「ねえ栞菜、最近は新しくできた部活動ってあるの?全然顔出せてないからさー、変わったこととかある?」
「んー、そうだなあ。我が文芸部が、漫研と合同になったり…。初等部に女子レスリング部ができたとかできないとか?
あと、りーちゃんがアイドル研究会を作ったみたいだかんな。まあ、部室は熊井ちゃんの“抹茶詳しい奴ちょっと来い”と一緒みたいだけど」
「スレタイかよ」
「あら、まんけんというのは、何かしら?」

熊井ちゃんの怪しい部活はサラッとスルーし、お嬢様が関心をお示しになったのは、意外なところだった。

「漫画研究会ですよ、お嬢様。読んだものの考察をしたり、自分で描いたりする人もいるみたい」
「漫画・・・」

お嬢様の目が、キラッと光った。

「お?お?興味あります?来ちゃうかんな???我が部のたゆたゆマスコットになるかんな?」
「絶対ダメ。かんちゃんが携わってる部なんて、可憐でおしとやかなお嬢様の情操教育に悪すぎるケロ!」

――元漫研・現文学&漫画研究会の皆さん、とばっちりご愁傷様です。

「でも、なっきぃ。この前、つばさに内緒で漫画雑誌を貸してもらったのよ。
お母様は活字の本にしなさいと言っていたけれど、千聖は漫画も素敵な書物だと思うわ。
漫画を研究なさっている方のお話、ぜひ伺ってみたいわ」

ああ、たしかに。最近のお嬢様は。私と二人で中庭で和んでいるとき、たまに少年漫画を持ってきている。
色々なジャンルのお話が読めるのよ、と嬉しそうにしてたっけ。

「キュフゥ…」
「まあまあ、いいじゃないかなっきぃ!私が一緒についていくから、ね?栞菜の有害図書は見せないようにするし」
「オゥフwww信用ゼロだかんなw」
「当然舞もついてくよ。マンガとか、子供っぽいの興味ないけど。ちしゃとは舞がいたほうが安心するだろうしね」
「・・・まあ、みぃたんがそう言うなら」

どうやら、今日の部活動見学先は決まったようで。
わくわくと目を輝かせているお嬢様。。いい部活動に巡り合えるといいですね。
そんなことを考えつつ、昇降口でみんなとバイバイして、同学年のお嬢様を二人きりになる。

「うふふ、千聖のわがままに付き合ってくださって、本当にうれしいわ」
「そうですねえ、みんなも楽しそうで。特に舞美ちゃん、すごいはりきってる。ケッケッケ」
「何か、私も取り柄が得られるような部活動を探せたらいいのだけれど」

そう言って、お嬢様はふいに足を止めた。

「どうかされました?」
「・・・ウフフ、なんでもないわ。愛理、放課後、よろしくね」

肩をすくめた、かわいらしい三日月笑顔。
だけど私は、お嬢様の意に反する、少々残念なお知らせをしなければならなかった。

「ごめんなさい、お嬢様。
今日は私、部活がありまして」
「ええ、知っているわ」
「お?」

その笑顔が、いたずらっぽい上目使いに変わっていく。

「なにも、1つしか見学しないわけじゃないのよ」
「お嬢様・・・」


ぽつぽつと、お嬢様が前にお話しになっていたことが頭をよぎる。


“歌うのが好きだけれど、愛理のように、上手に歌えないから”
“千聖が中庭で歌っていたこと、みんなには秘密にしてほしいの。きっと笑われてしまうわ”
“一緒に歌ってくださる?愛理の声と重なったら、私なんかの歌でも、美しく響くかもしれないわ”


「・・・合唱部、見学してもいいかしら?」


お嬢様のほっぺたが、心なしか紅潮している。
言葉では表せないような感情が、体中を駆け巡っていくのがわかった。

自分の顔も熱くなっているのを感じながら、私は何度も大きくうなずいた。




州´・v・)<・・・
黒´・v・)<栞菜が文芸&漫研でやらかしますように。お嬢様が1秒でも早く合唱部に来てくれますように。
(o・ⅴ|
(o・ⅴ・)<共感できる部分はあるものの、それを認めてしまうと、自分の大切な何かを失う気がする。それが黒愛理ちゃんでしゅ
黒´・v・)<千聖お嬢様と流浪の民を合唱できますように。その際、ソロパートをなっきぃに振ってちょっとしたハプニングが楽しめますように。もしくは熊井ちゃんが乱入してきて、間奏で魂のラップを(ry



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