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執事さんが去ってしまうと、僕の隣りにはこの人だけとなった。

愛理ちゃんが僕の隣りに・・・


また得意の妄想で変なことでも考えてるんじゃないかって?
とんでもない!!!
この状況、すっげーキツいんですよ。 僕にはただただプレッシャーしか感じられない。
眩しすぎて、僕は愛理ちゃんのことを直視することさえできないのだ。

僕は愛理ちゃんとは、一緒にいたいとかそういう願望は不思議なほど出てこないんだ。これ本当に。
むしろ、愛理ちゃんと2人っきりになることなんて、なるべく避けたいとさえ思っている。
僕ごときがそんなの恐れ多すぎる!滅相も無い!!って。

Buono!のライブ、ステージの上でまばゆいばかりの輝きを放っている愛理ちゃん。
あの姿を一度でも見てしまうと。神々しいまでのあの姿を。
(あぁ、そういえば桃子さんもいましたっけね。そのステージには)

彼女の持っているそのオーラを、僕なんかが一緒にいたりすることで何か悪い影響を与えちゃうんじゃないかと、そればかり気になって。
愛理ちゃんのそばにいるってことは、そのような凄い罪悪感に苛まれることを覚悟しなければいけないんだから。


それでも、やっぱりついチラッと横を見てみたりする。
その視線を彼女も感じたのか、こちらをやはり横目で見てきた彼女と目が合った。

ちょっと目尻の下がったその大きな瞳。

その瞬間、僕は意識が飛んだ。
その目で見られて落ちない男なんていないだろうな、なんて思ったのだけ憶えている。
そして、そのあと数分間の記憶が僕には全く無いのだ。

ロボットのようにぎこちない動きになっているのを自覚しつつしばらく歩を進めると、ようやく他の人の姿が目に入ってきた。
現れたのは、これまた美しい・・・・ なんだ、このお屋敷!本当にここは現実空間なのか!!

その人の美しいたたずまい。完璧な立ち姿。

お姉ちゃんだ!!
彼女も僕の姿に気付いたようだ。

「あ!!」


すると、お姉ちゃんはポンと手をたたき、明るい声をあげた。

「なるほど! プールでリハビリをされに来たんですね!!」

僕に声をかけるよりも早く、御自分で回答を見出した舞美さん。
いや、僕はそんなつもりでプールに来たわけじゃないんですけどね。


「その後の経過はいかがですか?」
「えぇ、おかげさまで。とても順調です」
「それは良かった。本当に!」

ホッとした様子が表情からも伺えるお姉ちゃん。
僕のことを心配していてくださったとは! 本当に光栄です。
お姉ちゃんを安心させてあげられたなら、ここで会えて本当に良かったな。

「今日は熊井ちゃんが一緒じゃないんですね!」
「いや、別に僕は熊井ちゃんといつも一緒って訳ではなくt
「あ!なるほど! 愛理が付き添って一緒にプールでリハビリをするってことか!」
「え?いや、愛理ちゃんとはさっきそこで偶然会っただけd

「えー、でも、愛理と一緒って、それ、いいのかな?」

その言葉に僕が訂正を入れる暇も与えられず、お姉ちゃんのお話はどんどん進んでいく。

「だって、そんなの熊井ちゃんに怒られちゃうんじゃない? とかいってw」


誤解された設定はまだそのままのようだ。
今日もまたそんな誤まった認識で盛り上がってる様子の舞美さん。
お姉ちゃんって本当に相当思い込みの激しい人なんだな。


ここまで舞美さんの言う誤ったことを黙って聞いていた愛理ちゃん、
お姉ちゃん、僕の言うことなんか聞いてくれなさそうだし、これはひとつ愛理ちゃんの方から訂正してくれないかな。
なーんて思って、彼女をチラッと見た僕の目に入ってきたのは、意味ありげな微笑を浮かべている愛理ちゃんだった。
さっきもちょっと見たその微笑。どういう意味なんだろう・・・・

「ケッケッケッ」

でも愛理ちゃん、そこはハッキリと否定してくれないと。
笑ってる場合ではないんですよ。

それから彼女は目を細めて僕のことを見てきたのだが、まるで僕の反応を伺ってるようにも見えたのは僕の考えすぎ?
愛理ちゃんのそんな表情で見られて、また心が乱されてしまう僕。
そんな僕を見たあと、愛理ちゃんは、ようやくお姉ちゃんの言ったことに言及してくれた。

「舞美ちゃん、それ違うよぅ。わたしはそこで会っただけ」

そう。それでいいと思います。
うん、そうです。愛理ちゃんの言うとおりなんです。分かってもらえましたか?舞美さん。
やっとお姉ちゃんの間違った認識を、ちゃんと正しい方向に導いてくれた。さすが愛理ちゃん。

と思ったのだが、続けて愛理ちゃんの言ったことは・・・

「私たち寮生も気を使うよねー。もしここで何かあったら熊井ちゃんに怒られちゃうから。ホント緊張するw ケッケッケッ」
「そうだよね! うん、やっぱりそうだったのか!! さすが熊井ちゃんだ。すごいね!!」

あれ?
何かまた話しがこんがらがってきているような・・・
話しの流れが僕には全く分からないが、でも確かに何かがおかしいような気がする(なにが「凄いね!」なんだろう・・・)。
妙に楽しそうな愛理ちゃんと、妙に納得顔のお姉ちゃん。
そんな最強ツートップを前にして、その2人のやりとりに僕ごときがもはや口を差し挟める訳も無かった。




と こ ろ で 、

現れたお姉ちゃんのその姿は愛理ちゃんと同じだった。
どうやらお姉ちゃんも水着姿で、その上からパーカーを羽織っているようなんだ。
それで、あの、そのですね、何といいますか、えーとですね、お胸のところのそのとても立派な隆起。

すごい・・・

お姉ちゃんって、着痩せするタイプだったんだ。
その胸の大きな膨らみ、さすが女子大生、って感じ・・・
こんなきょにゅうの人、僕の周りにはちょっといないから思わずそこに視線が吸い込まれゲフンゲフン。
あ、待てよ。そういえば、千聖おじょ(殺気を感じたので以下略


そのお姉ちゃんのフォトジェニックな立ち姿。まるでグラビアアイドルのようだ。
男子高校生には刺激が強すぎる・・・・
これは是非そのパーカーを脱いだところを見てみたいな・・・とか思ったりしてゴホンゴホン

そんな僕の心の内なんか全く関知していない様子のお姉ちゃん。
とことん明るい彼女は、更に僕を喜ばせてくれるようなことを言ってくるのだった。


「プールサイドにお嬢様がいらっしゃると思いますから、そちらに行ってみましょう!」

!!!!
ようやくお嬢様のもとにたどり着ける!?

しかも、お姉ちゃんも一緒にプールサイドへ行っていただけるんですね!
お姉ちゃんがこんなに僕に親切にしてくれてるんだ。それだけでも僕は幸せなのに、その上これから一緒にプールサイドに!
プールサイド。そこに着けばお姉ちゃんと愛理ちゃんもきっと水着姿に・・・・ そしてそこにいるお嬢様も・・・・

歓喜した僕の頭の中はすでにお花畑となり、雲の上を歩いているかのようにフワフワとした気持ちになっていた。
記憶が飛び飛びになりながらも足を進めていき、そして建物の角を曲がったとき、プールが目に入ってきたのだ。



ついにお屋敷のプールへとやってくることが出来た。

あの日を思い出す。
熊井ちゃんと門の前まで来たのに、ここまでたどり着けず病院送りになってしまったあの日。
あの日からの毎日、それはいろいろなことがあった。
でも、ついにここまでたどり着くことが出来た。
長かった。
ここまでの道程はひたすら長かったよ。

特設らしいそのプール。
すごいなあ。敷地内にこんなものがあるなんて。さすがお嬢様のお屋敷だ。
でも何が凄いって、プールを作ってしまうというそんな発想をした人が一番凄いと思う。


「こちらがプールになります!」


何故か得意気な顔のお姉ちゃん。
にこやかな笑顔。とてもご機嫌な様子だ。
そんなご機嫌なお姉ちゃんが振り向きざま口にしたのは、僕にとって予想外の人の名前だった。


「ねぇ、なっきぃ! 彼ね無事に退院できたんだって! すごいね!!」


プールサイドのなかさきちゃん、まさかお屋敷に闖入者(あろうことか男子)が来るなんて夢にも思ってなかったのだろう。当然のことだ。
お姉ちゃんの言葉に振り向くと、その大きな目を一杯に見開いた。(その黒目の、大きくてまん丸なことといったら!)
そして、そこにいた僕を見て、それはそれは盛大なリアクションを取ってくれた。



彼女の叫び声が庭園中に響いた。



「ギュフーーーーーーーーーーーッ!!!!11」


* * * *

舞美さんのその言葉が向けられた先を見るとそこには、なかさきちゃんがいた。
デッキチェアにうつぶせになりながら頬杖をついているなかさきちゃん。
けだるそうな表情とともに、アンニュイなふいんきを醸しだしている。

そしてもちろんというか何というか、彼女は、水着姿だった。

しかもその水着、彼女が身に着けていたのは、ビ、ビキニだったんだ。
あの風紀委員長さんが・・・ 

僕にはとても厳しいなかさきちゃん。
その彼女のそんな姿を見て、僕は逆に緊張を覚えてしまい、だからいま妙に冷静になりその光景を見つめてしまった。

へー、なかさきちゃん、意外とスタイルいいんだな、なんて思ったりして。(プリケツ・・・)


女子校の子の方がかえって、大胆な水着に抵抗ないのかなー?どうなんだろう。
でも、ビキニ姿なんてものを見せられてしまうと・・・・・
僕は男子だから、いや、その、やっぱり、こういうとき真っ先に目がいくところがあるのだ。

なかさきちゃん、意外とあるんだな。
何がって・・・その・・・おpp

予想外に立派な、彼女のその胸の谷間なんてものを見てしまい、これにはさすがにドキドキする。
そして視線はすっかりそこに釘付けに。


そんな僕となかさきちゃんの視線が重なった・・・・

まぁそんなわけで、先程のなかさきちゃんの絶叫となったんだ。

僕の姿を認めて悲鳴をあげたあと、ひっくり返っちゃってるなかさきちゃん。
あ、彼女のおヘソの斜め下。そんなところにホクロがあるんですねグヒョヒョ。


でも、大丈夫なのかな、これ。
メイドさんとかを呼んだ方がいい状況なんじゃないだろうか。

そんな、なかさきちゃんが白目を剥いているような様子なのにも関わらず、そのことは全くスルーしている様子の舞美さん。
愛理ちゃんも相変わらずにこやかな微笑みを浮かべている。
こんな状況なのに、お姉ちゃんも愛理ちゃんも別にそれを変だとは全然思っていないのんびりとした感じ。


なんなんだ、何かがおかしくないか?

お2人のこの緊張感の無さはなんなんだ。
お姉ちゃんに愛理ちゃんという方々に僕がこんなこというのもアレですけど、この人たちの取っている反応は何か変じゃないか?
なかさきちゃんのその状況、そんなの別に珍しくもなんとも無いといわんばかりじゃないですか・・・

そんな混乱した気持ちを僕が抱いていると、舞美さんが首を傾げてこう言った。


「あれ、お嬢様は? ここにいないの?」



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