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「何か残念だよぅ。」
そんなに楽しみにしていたつもりはなかったんだけど、いざ行けそうにないとなると、それはそれで結構悲しい。

「うーん。」
「みぃたん?」

みぃたんは千聖の頭を腿に乗っけて、犬にするみたいにわしゃわしゃと髪を撫で回しながら、何事か考えている。
ついつられて、私も可愛いわんこ仕様の千聖をなでなでしてみた。

「どうしようかーちさわんわん。」
「ちさ犬はどうしたい?」

気持ちよさそうに体を撫でられていた千聖は、急に矛先を向けられて少し困った顔をした。
「私・・・私は、皆さんと同じように」
「あーっそういう答え方はだめだって!ずるいわんこにはお仕置きだとかいってw」
「あんっ・・・あぅっ・・・」
「みぃたんそのマッサージはあかん!」


「わ、わ、わかりました。では、こういうのはどうでしょうか。」


数分後。
私たち3人組は、みぃたん邸のリビングの前に身を潜めていた。


「じゃ、行くよ。せーの!」

バタンッ!!!


「「「いらっしゃいませ、ご主人様!」」」


お先に夕食を食べているみぃたんの家族に、3人同時にぴょこんと頭を下げてみせる。
まあ、うちらが後で入ってきたんだから、いらっしゃいませも何もないんだけどね。

「えっ誰・・・・えっ舞美?えっ、ちょっ、え??」
みぃたんママのスプーンから、オムライスが落下した。

「さあさあ、リクラッ!リラックスなさってお母様。飲み物はいらっしゃる?舞美が持ってきてくださりますわ。」
微妙に間違った敬語で、みぃたんが接客を始めた。


「え、えと、お、おにいたんたち!ちさとと遊んでほしいわん!」
緊張でカミカミになりながら、お膝をついた千聖がはにかんでいる。
おにいたんたちは固まっている。


“もう、いっそ私たちがメイドさんになるっていうのはどうでしょうか”

千聖の提案に満場一致、3人で話し合って配役を決めた。
みぃたんはドジッ娘ぶりぶりロリメイド、千聖は甘えんぼうなわんこ妹メイド、そして・・・

「ちょっとぉ~?おじさまったらぁ、なっきぃが来てあげてるんだからぁ、何とか言いなさいよね!」
「は、あ、どうも」
「キュフフ♪オムライスにケチャップかけてあーげる!」

私はS風味のツンデレっこメイドを引き受けることになった。


最初はあっけにとられていたけれど、さすがみぃたんの家族だ。
徐々に私たちのノリに合わせてくれるようになった。


「さーいしょーはキュート、ジャンケンポン!舞美の勝ちだにゃん!くらえっ萌え萌えグーパンチ!」
「ぐわっ」


「ちさわんちゃん、お手!」
「わんっ」
「いい子だねー。nkskもお手!」
「はあ?」
「あ、すみません。」

あちこちで奇妙な光景が繰り広げられている。


ご飯の後はみぃたんの家族にせがまれて、メイドオンステージになった。


「ウリャヲイ!ウリャヲイ!」
「っちさとー!」
「ラミラミラミラミ」

おもにみぃたん兄×2が狂ったように歓声をあげてくれたおかげで、私たちはキュートからベリーズ、ボーノまで満身創痍になるまで歌って踊り続けた。

「ちょー楽しいね!明日みんなに写真見せて自慢してやろーとかいってw」
すでにみぃたんは汗でロリメイクが崩れまくってひどいことになっている。
千聖も踊ってるうちに犬耳が邪魔になったのか、むしりとって客席(4名+犬)に投げ込む大サービスをしていた。

「はーい、それじゃあ、ラストはもちろんこの曲!盛り上がってまいりましょう!江戸の手鞠唄Ⅱ!」
何だそのセットリストは。

「早貴さん、楽しかったですね。」
みぃたんがヘーイ!と声を張り上げている隙に、千聖がコソッと話しかけてきた。
「そだね。来てよかった。」
顔を見合わせて笑っていると、
「なっきぃ!ソロパート!」
「あっこっ恋の執念~」

こんなことをやってるうちに、もう結構な時間になっていた。
今日はこのままみぃたんちにお泊りコースになりそうだ。
シャワーを借りて、取りまくったデジカメのデータを整理して、みんなでおしゃべりして。
まだまだ夜は長い。

ラストのポーズを満面の笑みでバッチリ決めて、私たち3人は妙な一体感に包まれてひしと抱き合った。


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