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とにかく広い、お嬢様のお部屋。
おそらくこの盗さt(ryカメラは、ドアの上に設置されている者と思われる。入ってすぐの応接ソファははっきり写っているものの、奥のベッドまではだいぶ距離があるから。

「いないかんなー・・・お嬢様」

隅から隅まで、舐めまわすように室内をズームで追っていくかんちゃん。
しかし、おっしゃる通り、二人の姿はどこにもないのだ。


「んー、隠し部屋の方行っちゃったかな?あそこまではまだ監視できてないし」

サラッと恐ろしいことをのたまう舞様。何それ、怖い。閲覧制限を掛けてくれためぐぅ、心からグッジョブケロ!

「か、かんs・・・奥はバスルームとウォーキングクローゼットでしょうが!盗撮とか、ダメ、絶対!」
「まあ、これは階段編じゃないので二人っきりでも大丈夫だk」
「かんちゃんは黙るケロ!」

私たちがワイワイとお喋りしてるうちに、大方の予想通り、奥のクローゼット兼隠し部屋の扉が開かれた。

「あー、やっぱりね。・・・お?」

にこにこご機嫌なみぃたんと、顔を赤らめてるお嬢様の二人。

「階段(ry」
「黙(ry」

そう、この健全な世界観の中に、栞ちゃんが期待してることはもちろんなく、二人はサンタさんの衣装を着ていた。
ただし、みぃたんは人間イルミネーションのごとく、モサモサでピカピカなフリルのついた、異様なサンタ服。
対して、私のおじょじょ、お嬢様は・・・これも100%みぃたんの趣向だろう、胸元に毛糸の綿雪のついた、ミ、ミ、ミニスカサンタさんになっている。

“あ、あの、舞美さん・・・”
“すごいですねー!似合ってますよ、お嬢様!”

小柄なお嬢様には、既成の衣装は大きすぎるらしく、サンタ帽はお顔の半分までをすっぽり隠してしまって、キャミの肩紐もテロンと肩を滑り落ちてしまう。

――か、可愛い・・・。

モザイク必至の栞ちゃんの顔芸は言うまでもなく、さすがの舞様も萌えを隠しきれないご様子で、食い入るようにモニターを見ている。
少し肩を緊張させているのが、興奮している猫ちゃんみたいで大変愛らしかったり。…怒るから絶対言わないけど。

“これで衣装は決まりましたね!私たちの血と汗と涙の・・・とかいってw”
“な、涙?えと・・・”
“昔から言いますよね、泣いてなくても涙は出てる!そういう感じです”

「・・・なっちゃん、そろそろ舞美ちゃん止めてきて。命令でしゅ」
「はいはい、わかりましたよ」

どうせ、この役割のために、同席を許可されたというのはわかっている。
はりきりみぃたんを食い止められるのは、このアタシ、風紀委員長兼生徒会副会長の中島早貴だけ!(ケロキュフッ)

サンタ服はそのままでいいかんな!というゲスいご要望はスルーして、お嬢様のお部屋の重厚なドアを3回ノックする。

「あれー?」

ほどなくして、顔をのぞかせたのはみぃたん。
アーモンド型の目をカッと見開いて、ズイッと顔を近づけてくる。

「こーら、なっきぃ。生徒会のみんなは来ちゃだめって言ったでしょー?」

ギュフ!まるで、ワンちゃんを注意するような口調!注意しに来たのはこっちだというのに、この仕打ち・・・。

「み、みぃたん、。手出しはせめて、衣装までにしておいてほしいケロ」
「どうして?」

みぃたんの美形顔が、さらに迫ってくる。
その悪気のない、一点の曇りも感じられない真顔を見ていると、まるでこっちが言いがかりをつけているんじゃないか、なんて気分にさえなってくる。

「・・・あ、いやーだからね?み、みぃたんはクリスマス会に参加したいなって思ってるんだよね?」
「うんうん、参加したい!」
「じゃあさ、企画を知っちゃったらつまらないんじゃないかなあ!キュフフ」

――あ、あれ?私何か妙なこと言ってる??そもそも、みぃたんが参加するか否かは(ry

内なる声がそう告げようとも、みぃたんの無邪気なのキラキラアイの前に、もはやなすすべもない。

「当日の楽しみってことだね、なっきぃ!」
「お、おう。そうだケロキュフフ・・・」

私の返答を受けて、みぃたんは一度大きくうなずくと、くるりと室内に目を向けた。

「お嬢様!何か、なっきぃに止められたので、私は退出させていただきますね!」
「まあ、なっきぃ?」

すぐにお嬢様がパタパタと足音を立てて、みぃたんの横からひょこっと顔を出してきた。
私の姿を認めると、すぐに口を尖らせてご不満顔に代わっていく。

「なっきぃったら。千聖は皆さんのお手は借りないと言ったでしょう。どうしてここにいるの」
「いや・・・あのーですね、私はみぃたんを」

さらに首を伸ばしたお嬢様は、はぐれ(ryのスーパーハカーコーナーまで目ざとく発見し、そのお顔はますます不服そうになっていく。

「まあ、舞に栞菜まで!舞、廊下に書斎を作らないでちょうだい!スペースがほしければ、執事に部屋を用意させるわ」
「なんだよー、なっちゃんバレちゃったのー?しょうがないなあ」
「頼むかんなー」

キュフゥ・・・。毎度毎度のこととはいえ、なぜ私のせいに・・・。

「いいわね、もし用事があるのなら、め・・・村上さんを通してちょうだい。命令よ!千聖を見くびってもらっては困るわ!」

バタンと乱暴にドアを閉めて、キャミワンピのかわゆいお嬢様は、お立て籠りになってしまった。
純粋なお嬢様のことだ、盗さt・・・ゴニョゴニョなんて思いもよらないのだろう。みんなが自分を子ども扱いして、心配して待ち伏せていると勘違いなさってしまったようだ。


「邪魔しちゃ悪いからねー、ここは撤収だね、みんな!さあさあパソコンを片付けようか!」
「あーっ!お姉ちゃん!いきなりコンセント抜かないでよ!精密機器は(ry」
「だ、だめだかんな!主電源をいきなり押したら(ry」

豪快にスーパーハカー用具をぶったぎっていくみぃたん(いいぞもっとやれ)のたくましい背中を見つめながら、それでも私はまだ、お嬢様が気がかりだったり。こんなだから、過保護だなんて言われちゃうんだろうな・・・。



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