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「そうね、じゃあ遥ちゃんが風紀委員の方を呼んできてちょうだい。中島さんなら今は生徒会室にいるわ」
「詳しいな、さすがみずきちゃん。でも高等部の生徒会室なんて行きたくないしなー」
「じゃあ、どうしましょう。うふふふふ」

この状況でもゆったりとした喋り方を崩さない彼女が言葉を続ける。

「たぶん、生徒会室には中島さんとご一緒に千聖お嬢様もいらっしゃると思うけど・・・・」
「みずきちゃん! ちょっと生徒会室に行って呼んでくる!!」

みずきちゃんが言ったことに鋭く反応を示す遥ちゃんとやら。
そう言うやいなや、一気に駆け出して行ってしまった。

なんともまぁ、せわしない子だな。
でも何だろう、妙に興味を引かれる子だった。それは不思議なぐらい。
何か僕のことを完全に誤解しているみたいなのは気になるけど。

鉄砲玉のように走り去っていく彼女の後ろ姿を見送りながらみずきちゃんが呟く。

「うふふふ。遥ちゃん行っちゃったけど中島さんを呼んでくる気はあるのかしら?」


その時、たまたま通りがかった生徒さんが、みずきちゃんの言ったその言葉に反応したかのように立ち止まった。
そして彼女は、その言葉を発したみずきちゃんのことをじっと見つめた。

さっきの遥ちゃんという子と同じその制服姿。
ということは、この子も初等部の生徒さんだけど。みずきちゃんの知り合いなのかな?

同じ初等部の生徒でも、さっきのパワフルそうな遥ちゃんとは対照的に、やけに物静かな雰囲気の生徒さんだ。
大人しそうにも見える彼女がみずきちゃんのことを見つめているその上目遣いの視線。
そんな彼女の醸しだしているその雰囲気は、どことなく幸が薄そうにも見えて(ry
儚げな感じさえするその美少女の姿を認めたみずきちゃんが、ふんわりとした声を彼女にかけた。

「あら、さくらちゃん」

やっぱりみずきちゃんの知ってる子なのか。
しかし、本当に顔が広い人だよね、この譜久村さんという人は。
殆ど全ての学園生のことを知っているんじゃないだろうか。

そんなみずきちゃんに声を掛けられた彼女は黙ったままだった。
上目遣いのその視線のまま、みずきちゃんのことをじっと見つめて。

「これは珍しいわね。さくらちゃん、少しここで話さない?」
「私と、ですか?」
「そうよ」
「でも、私これからレッスンに・・・」
「うふふふ、熱心だこと。そうね、今が楽しいときですものね」

「でも、少しくらいなら大丈夫でしょう? せっかくの機会ですから。それに、もうすぐ中島さんたちが来るかもしれないのよ。うふふふ」

みずきちゃんのその言葉に、この子の表情が一瞬パァッと明るく変わる。
でも、すぐにまた俯いてしまった。そして慌てたようにみずきちゃんに言葉を返す。

「あ、あの・・・ 私、、こ、これで失礼します!」

それだけ言うと、さくらちゃんと呼ばれた彼女は足早に去って行ってしまった。


「さくらちゃんったら。本当に一途なのね。うふふふ。かわいい」


そう呟いて目を細めるみずきちゃん。
さくらちゃんと呼ばれた子の後ろ姿を見つめるその表情は、何とも形容しがたい複雑な表情だった。
あの栞菜ちゃんともまたちょっと違うけど、とてもねっとりとしたその視線からは同じ匂いが(ry

みずきちゃんの視線の意味の考察について、今はまぁ触れないことにしよう。
それよりも、いま僕にとって差し迫っていると思われる問題は、さっきの遥ちゃんが呼びに行ったというなかさきちゃんだ。
あのお堅い風紀委員長に来られたら、ややこしいことになりそうだな・・・なんて思っていたが、みずきちゃんが言ったことからはそうはならなさそうだった。

「そんなに心配しなくてもいいのかもしれませんよ」
「え? どういうことですか? ってか、まだ僕は何も言ってなi
「遥ちゃんのさっきの様子では、しばらく戻ってこないと思いますので」

彼女の言ってることの意味が分からず固まっている僕に、落ち着いた口調で更に語りかけてくる。

「遥ちゃんは、千聖お嬢様の魔法でしばらく夢の世界でしょうから。うふふふ」

僕は彼女の言った言葉の意味が分からず首を傾げてしまう。
お願いですから、僕にも分かる言葉で話していただけるとありがたいんですが。


そんなみずきちゃんだったが、僕がいま手にしているものが目に留まったようだ。

「あら、その写真、萩原さんですね?」
「え? あ、いや、その、こ、これは・・・・」
「うふふふ。美しいものを見れば写真を撮りたくなりますよね。分かりますw」
「ち、違うんです。この写真は僕が撮ったんじゃなくて、その・・・・有原さんから・・・」

しどろもどろになってしまった僕だったが、みずきちゃんはそのことに突っ込んでくるでもなく、落ち着いた声で話しを続けた。

「あぁ。有原さんでしたか」
「えぇ。有原さんから譲ってもらったものd
「萩原さんの写真なら私もありますけど・・・ もし良かったら」

そう言うと、カバンから一冊のファイルを取り出す。
表紙をめくってくれたその中には、何と!舞ちゃんの写真がずらりとファイリングされていたのだ!
僕の意識は一瞬にしてそのみずきちゃんが僕に手渡してくれたファイルに釘付けになる。

なんて素晴らしい!! 
でも、何でこんなタイミングよく舞ちゃんの写真ファイルを? (いつも持ち歩いてるのかな・・・)
いや、そんなことは僕が関与することじゃない。それよりも何よりもこの舞ちゃんの写真だ!!

舞ちゃんの写真を前に一気に興奮した僕の事を、みずきちゃんは楽しそうに眺めている。

手渡された写真は、それはそれは素晴らしいものだった。
いま僕の目の前で微笑んでいる彼女が撮ったというのか、この写真を!?
そう思わされるほど、このファイルに収められている写真はどれも本当によく撮れていた。
しかもこの高画質、これはそれなりに高級機のカメラで撮影したんだろうな。


興奮を抑えきれない思いでそれらの写真を眺めていると、僕はあることに気付いたのだ。


さっき僕が栞菜ちゃんから購入した写真は、その殆どが舞ちゃんのスナップショットといった写真だった。
それらは、たぶん寮とか学校で栞菜ちゃんが舞ちゃんと一緒の時に撮った写真の数々なんだろう。

それに対して、このみずきちゃんの見せてくれた写真は、ちょっと違っていたんだ。
これ、写っている舞ちゃんは撮られていることに全く気付いていないといった感じの様子なのだ。
その写真の写り、背景のボケとその圧縮感。これは相当の望遠レンズで撮影したものというのが一目で分かった。
どうやら遠目から撮影したと思われるそれらの写真。

この写真、要するに盗さt・・・

写真から視線をあげて、目の前にいるみずきちゃんを改めて見つめると、彼女はお嬢様然としたその落ち着いた微笑みで僕を見ていた。

「うふふふふ」

なにかとてつもない緊張感を感じて固まってしまった。

でも、この写真。
写っている舞ちゃんの、その意識していない自然な表情を見てしまうと・・・

舞ちゃんの素の表情が写っているその写真。

これ、ほ、欲しい!!


「よろしければ、どうでしょう?」
「えっ!? いただけるんですか!? ありがとうございます!! あの、、、失礼ですけど、これおいくらに、、、?」
「あら、お金をいただくだなんて。そんなつもりではなかったんですけど」
「でも、ただ貰ったりするなんて申し訳なくて。有原さんにもそうしてもらったし、むしろそうしてもらえた方がありがたいです」

「そうですか。では・・・有原さんは一枚の単価をどのように設定されていたんでしょう?」
「普通のサイズで1枚150円でした」

それを聞いたみずきちゃん、「あら、有原さんは結構強気の価格設定をされたんですね」なんて言っている。

「私の方は、8枚セットで1000円ですわ。もしよろしければ是非」
「あ、有原さんの写真よりも安いんですね。じゃ、じゃあ、あの、、、このセットを、これ全部ください!!」

そう言いながら、僕は財布を取り出していたんだ。





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川* ^_〉^)<お金の使い過ぎには気をつけて下さーい (>>254
というまーちゃんのセリフは今回の話しまでにかかってるんですけど、書き上げるまでこんなに時間がかかるとは思わなかったw