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私はどうしようもなく切ない気持ちになって、そっと愛理を抱きしめた。

「ごめんね、愛理。梨沙子こういう時、何て言ったらいいのかわかんないよ。愛理の力にもなりたいし、千聖のことも助けてあげたいのに。」
ギュってした愛理の体は何だか骨っぽくて、私は何だか悲しくなった。

「また痩せちゃった?ちゃんと食べなきゃだめだよ。」
「うん、ありがとう。」


愛理が力を抜いて私にもたれかかってきた。
背中をポンポンしてあげながらふと顔を上げると、横になったまま千聖がこっちを見ていた。

「あ・・・」

私が声を出す前に、千聖はひとさし指を唇に当てて「シーッ」のポーズをした。


“なんで”

口パクで聞いてみたけれど、千聖は辛そうな顔で首を振るだけだった。


おかしい。

こんなのおかしい。絶対おかしい。

「絶対間違ってる!」
自分でもびっくりするぐらい、大きな声が出た。


「えっ」


愛理は私の目線を追って、そのまま千聖と目があったみたいだ。

「あ・・・・起きてたの?」
「ええ・・・」
2人は気まずそうに黙っている。よくわかんないけど、多分千聖はさっきの愛理の告白を聞いていたんだと思う。それで、こんな悲しそうな顔をしてるんだ。

「・・・・どうして、2人はお互いに思っていることを言わないの?私は愛理のことも千聖のことも大好きだから、梨沙子にできることがあるなら何だってするよ。話だって聞く。
でも、愛理は今の話、本当は私じゃなくて千聖にしたかったんだよね?」

全部私の勝手な決めつけかもしれないけど、心に湧き出てくる思いがどんどん口からあふれ出してくる。

「きっとね、こういう時ね、ベリーズだったら遠慮しないでお互いに言いたいこと全部言うもん。
それでケンカになったって、みんなでフォローしあってちゃんと仲直りもできるし、気持ちを伝えることができるんだよ。
そりゃあキュートの方がみんな仲良くて家族っぽいのかもしれないけど、ベリーズだってね

・・・・・・



ごめん、なんの話してるかわからなくなっちゃった。」

「・・・・・うん」

恥ずかしい。愛理と千聖が目を丸くして私を見てるのがわかる。
カーッと顔が真っ赤になっていく。もう、逃げちゃいたい。


「梨沙子さん。・・・ありがとう。」
自分のアホさが恥ずかしすぎて下を向いていたら、急に後ろから柔らかい感触に包まれた。

「わっわっ!」

「梨沙子さんの言うとおりね。私も愛理も、変な遠慮でちゃんと気持ちを伝え合うのを避けていたのかもしれないわ。さっき愛理が梨沙子さんに言ってたことが、私への本心だったのね。」
もう千聖は、私に対しても前のキャラで振舞うのをやめてくれたみたいだ。
明るくて元気でちょっと子供っぽかった千聖の外見のまま、とても大人っぽいことを喋る姿は、何だかちょっと不思議な感じだった。

「千聖ぉ。ごめんね。私、仲良くしてたくせに肝心なことは言えなくて」
「いいえ。私こそ、優しくしてくれる愛理に甘えていたのよ。梨沙子さん、私たちに大切なことを教えてくれてありがとう。」

お嬢様千聖はストレートに人を褒めすぎる。私はさっきのことの照れもあって、軽くあばばば状態に陥ってしまった。

「え、や、えと、ま、まあまあ。とにかく、これからも助け合って行こうよ。あのさ、だって私たち、中2トリオでしょ?」
「うん。そうだね。」
「ええ。」

くっさいドラマみたいな会話に、3人同時で吹き出した。
知らないうちに、もうお腹のチクチクは消えていた。
千聖もすっかり元気になっているみたいで、愛理と目を合わせて楽しそうに笑っている。


2人と同じ学年に生まれて、中2トリオといえる仲になれてよかった。グループは違うけれど、私と愛理と千聖はこうやって、特別な絆で結ばれているんだって思えた。



恥ずかしいからそこまでは絶対に言わないけど、私の心は暖かい気持ちに満ち溢れていた。



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