ガープス > カルト

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信仰と神々

この世界には多くの神々が存在し、地上世界に様々な影響を及ぼしている。
地上を生きる定命の者たちは宇宙を構成する諸力に多かれ少なかれ敬意を払って生活している。
彼らの価値観であからさまに邪悪な神でも、不用意に侮辱すればどんな天罰があるかわからないからだ。
普通の人々はあえて超自然の存在の怒りを買いかねない行動を犯そうとはしないのである。
一部の者たちは特定の神を自分の守護神として祈りをささげ、神の示す正義の道を歩み、それを地上に広めようとする。
そういった者たちは《神官》と呼ばれ、神から《祝福》と呼ばれる特殊な力を授けられることがある。
以下に神々のリストと、主な祝福のリストを示す。
 
神々は大きく分けて3つの立場がある。《主神派》《魔王派》《独立派》である。
PCの神官は基本的に《魔王派》の神々を信仰することになる。
GMが認めた場合は《独立派》や一部の《主神派》の神々を信仰してもよいが、必ず許可を得ること。


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▼主神派

主神派の神々は、造物主にして万物の真の支配権の持ち主である主神の権威を認め、その意志に従い世界に正しき支配と繁栄を齎そうとする神々である。
彼らに取って魔王とは世界を狂わせた<バグ>であり、その思想は浄化されなければならない汚染である。
魔王派についた神々を世界に対する裏切り者、或いは洗脳された犠牲者と見なしており、須らく滅ぼされるか浄化されるべき存在として捉えている。
主神とその御使いである天使たち、主神に従う天の宮廷の神々、天より降り立ち地上を守護する英雄神などで構成されている。
かつては盟主である主神の意志を一糸乱れぬ足並みで遂行する強大な勢力であったが、主神が魔王との闘いで傷つき、最高天の彼方に隠れ眠りについてからは組織にも綻びが生まれている。
現在は天意代行と呼ばれる大天使たちの長が指揮を執っているが、眠れる主神も神託や分霊でその意志を地上に示すことがあり、命令系統に混乱が生まれているのである。
多くの強大な神々や天使は、主神の帰還に備えて天の王宮や自らの領域に戻り、力を蓄えながら地上の情勢を見つめている。


【”星の乙女”アルテミス】(PCは信仰不可能)

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):名誉
▼象徴(神格が二次的に司るもの):光、銀、戦い、戦争、星、誓い、純潔
▼信仰条件:純潔を保った女性であること。<弓><槍><剣><両手剣>技能のどれかが15レベル以上であること。
▼性質:無垢ならん。知らず、聞かず、疑わず。
▼信仰による特典:(《純潔の回復の儀式》を除く全ての祝福は、処女でなければ効果を発揮しない)

《純潔の回復の儀式》 10CP
これは処女でない女性信徒だけが執り行うことの出来る儀式である。これは儀式的に彼女を清め、性的な経験や記憶、肉体の変化を取り除き、処女としての地位を回復させる。
彼女が結婚している場合、この儀式の行使は配偶者との自動的な離婚を意味する。

《銀の光》25CP
あなたは望んだ時に、女神の星の輝きのヴェールに身を包むことが出来る。このヴェールは周囲を最も明るい星が晴れた天空に輝く夜に等しい明かりで満たす。
さらに、あなたとあなたに隣接するアルテミス信徒への攻撃の命中判定には通常のものに加えて更に‐5のペナルティが与えられる。

▼解説:
彼女は<太陽>の娘、星の女神として生まれた。その輝ける美しさから、数々の神より求愛を受けたが、彼女はその全てを拒絶し、束縛から自由であり続けた。
やがて神々の戦いが始まると、他の女神が安全な場所に隠れ戦士たちに守られていたのにも拘らず、彼女は<女は戦士たりえず>という一族の考え方を受け入れなかった。
彼女はそれまで手慰みと見なされていた武器の業を戦場で振るい、男の戦士たちと肩を並べて弱者を守るために戦った。
戦いの中で太陽が傷つき死を迎え、世界から輝きが失われた時も彼女は生き残り、闇の中で輝き続ける天空の火花の一つとして世界に残った。
彼女は闇の隆盛を終わらせ、いずれ蘇る太陽の帰還に備えるべく、戦士として闇の怪物が蠢く世界の中で戦い続けた。
戦いの中で彼女は自らの真の力を追い求め、崩壊した世界を探索した。彼女は<ユニコーンの父>と出会い、彼は彼女の乗騎にして強力な盟友になった。
長い探索行の中で、彼女は”星の炎を降り注がせる力”を手に入れ、それを<流星弓>と名付けた。以降、それは<ユニコーンの父>と共に彼女を象徴する武器となり
数多の暗黒の神々を焼き払う浄化の炎となった。
彼女は叙事詩的な戦いの中で<魔王>を滅ぼすべく炎の矢を浴びせかけたが、彼女は打ち倒され、何とか逃れはしたもののその力は弱められた。
この時、彼女を庇った<ユニコーンの父>は角を砕かれ、その力の一部を奪われた。このため、以降は魔物としての姿を持つユニコーンが生まれる様になったという。
死後、敬虔な信徒は「絶えざる光の間」へと導かれ、そこで安らぎを見出す。信仰心篤き信徒は、浄化の時を経て地上へと帰る。
”星の乙女”は、一般に槍か弓を携えた銀の鎧を身につけた女性として描かれ、大抵はユニコーンに騎乗している。外套には星がちりばめられているか、さもなければ唯一つの星を額に掲げている。

▼カルトの生態:
このカルトは女戦士のためのカルトであり、一般的だが古風な男性上位の社会に飽き足らない彼女たちの憩いだまりでもある。
この女性だけの戦争カルトは、主神派の社会の中で聖なる戦士としての地位を占めているが、一般の庶民、知識の乏しい男たちは笑い話のタネ、価値無きものと見なされていることも少なくない。
信徒はこうした軽蔑に反感を抱いており、 彼女達は実際にそうであれ、そう感じただけであれ、自分たちの権利に対する侵害には声高に抗議し、しばしば暴力的になる。
彼女たちは自分たちの戦士としての技量を疑うものたちとは、それが誰であれ喜んで戦うか、決闘を挑む。
彼女たちは女性の権利を声高に主張するが、一方で一般的な主神派の社会の女性の様な、自分から男性に服従している女性をしばしば軽蔑している。
そうした社会での女性の仕事があまりに窮屈で抑圧されたものと感じる女たちがこのカルトに引き寄せられる。
カルトはその性質から、そして神々の戦争での遺恨から全ての魔物に対して敵意を抱いている。特に<ユニコーンとその系譜の魔物>は裏切者として憎悪されている。
名誉を持って戦う戦士のカルトには敬意を抱いており、個人の間には本物の友情が生まれる事がある。但し狂戦士の信徒は、その乱暴さ、残虐性から歓迎されることは殆どない。

▼アーティファクト:
《流星弓》15CP(30CP)
あなたは女神の持つ銀の弓の模造品を授けられる。これは衣装の一部として扱い、通常の手段で破壊されることはない。
この弓は構えると自動的に銀色の炎に包まれた矢が番えられた状態で出現し、準備行動を行う必要なく射撃が行える。更に、基本ダメージが魔物に対してのみ2点増加する。
余分に15CPを費やすと、放たれた矢は命中し防護点を貫いた場合、魔物に対してのみ神聖・熱属性の1d6点の追加ダメージを与える様になる。
自らの使用する妖術を矢として放つことも可能であり、その場合は上記の魔物への追加ダメージも適用される。 



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▼魔王派

魔王派の神々は、主神を討ち魔物のコトワリが支配する世界を生み出すことを究極の目標に掲げた魔王の旗下に集った神々である。
現在の魔王の誕生とともに生まれ拡大していった享楽的で退廃に満ちた世界を愛し、魔物を滅ぼそうとする《主神派》の神々を嫌っている。
彼らの多くは《魔王》や《堕落神》の力に触れ、堕落した神や精霊である。
決して一枚岩の勢力ではなく、その内部では方針(色事と誘惑を表に出すのか、武威を以て戦うのか、謀略を旨とするのか、など)や立場を巡って派閥に分かれ、常に主導権争いが繰り返されている。
かつては圧倒的な力を持った盟主である魔王によって纏まっていたが、魔王が主神との最後の戦争で傷つき、奈落の底で本体が眠りについてからは統一など望むべくもなく、分裂状態である。
現在、多くの力ある神々は、自らが直接地上で動いて痛手を負い、勢力を損なう愚を避けるため、自らの異界で力を蓄えながら時折分霊を送り込んで地上の動きに干渉するにとどまっている。


【”海の王”ポセイドン】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):水
▼象徴(神格が二次的に司るもの):海、流れ、変化、循環、航海
▼信仰条件:海に関わる技能を12レベル以上で習得していること。
▼性質:敵を害する前に、己の身を省みよ。相手を許すもまた強き者の印なり。
▼信仰による特典:

《海の王の祝福》 30CP 
あなたは水中でも陸上と変わらず呼吸を行う事が出来る。また、あなたは接触を行うことで他者に同じ祝福を一時的に授ける事が出来る。この効果は1日間持続する。
また、この効果を受けた者は望めば種族に関係なく《えら》の妖力を取得できる。PCである場合は必要な未使用CPを消費しなければならない。

《水の祝福》
ポセイドンは水の魔力の統括者でもあり、自らを崇拝する者にその魔力を惜しみなく分け与える。
あなたは水霊系に含まれる魔法を、他の前提条件を無視して習得することが出来る。また、水霊系魔法の技能レベルに+3のボーナスを得る。

▼解説:
水の神殿に属する神々を統べる大女神であり、水中に生きる動植物と深みの知識を統括する。
また、海流を司る事から循環するもの、生と死の流れと関連付けられることもある。 元々は”主神”の配下であり、海洋を統べ神罰としての災厄を司る存在であった。
しかし、”魔王”の思想に共感し、海洋の支配権を保持したまま天の神々の勢力から離反。
現在は”魔王”の盟友として海洋を支配しており、それ故にこの世界の外洋は水棲の魔物が支配する領域となっている。
彼女は緑色の髪に三又の矛を握り、水着を着た女性の姿で描かれる。マーメイドやシービショップは自らの種族に似せてその神像を形作る。

▼カルトの生態:
彼女を崇拝するのは主に海洋の魔物、知性ある海の動物たちであるが、船乗りや海兵、漁師など、海と関わる人間も彼女を崇拝している。
本来陸に住むものたちの崇拝対象ではないため、地上ではカルトはごく小規模なものにとどまり沿岸部を除けば神殿も殆ど見られない。
しかしシービショップやマーメイドの海洋都市では殆どの住人が何らかの形で彼女を崇めており、大規模な神殿も多数存在している。

▼下位カルト
以下はこの女神の別側面に対する信仰である。

【”深淵の恐怖”】
▼解説:
”海の王”は温和で忍耐強く、滅多に怒りを見せることは無いが、ひとたび激昂したならばだれにも止めることは出来ない。
その怒りは荒れ狂う津波の様に押し寄せ、家々や不敬なるものたちを飲み込み、押し流す。
この下位カルトは、彼女の海洋にまつわる災害と恐怖を統括する”深淵の恐怖”としての側面である。

《海魔召喚》10CP
ポセイドンは”怪物の母”でもあり、支配する深淵の領域には、悪夢の中にしか存在しないような無数のおぞましい怪物が蠢いている。
あなたはポセイドンの許可を得て、この深淵の恐怖の一つを呼び起こし、地上に解き放つことが出来る。悪魔召喚の魔法を他の前提条件を無視して習得できるようになる。
この加護により呼び出された存在は、常に本来の能力に加えて《水中行動》の能力を持っている。

▼アーティファクト
《海神の矛》 15CP
ポセイドンは武器として三又の矛を所持しており、これを振るう事で潮汐を操り渦潮を起こすといわれる。
敬虔な崇拝者はこの矛の複製品を授けられることがある。これは上質の三又矛(槍扱いとする)であり、衣装の一部として扱い通常の手段では破損しない。
矛先には常に水滴がついており、所持者が命じると4L/秒の速度を上限に、穂先から水を滴らせることが出来る。




【”愛をもたらすもの”】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):豊穣、無限
▼象徴(神格が二次的に司るもの):娼婦、一夜の恋、快楽、愛情、出産、繁栄、美
▼信仰条件:<性的魅力>技能12レベル以上
▼性質:受け入れよ。求めよ。汝はすでに私のもの。
▼信仰による特典:

《一夜の恋の祝福》 10CP
この女神は気まぐれな恋、一夜の慰めを求める移り気な恋人たちの守護者である。
あなたは自然の病にかかる事は決してなく、病のキャリアーになることもない。また、あなたは自らの意図に反して妊娠することはなくなる。(任意で妊娠できるわけではない)

▼解説:
彼女は美と愛情を司る神であり、恋人たちの守護神である。もっとも、末永く続く愛情よりも、ひと時の間に激しく燃え上がり消えていく恋の方の担当である。
女神たちの中でも特に優れた美貌と享楽的な性格で知られており、自ら多くの相手と浮名を流す傍ら、神々や人々の情欲を掻き立てて恋を齎した。
神々の戦いの時代において、彼女は早くに魔王側に付き、多くの神々や精霊を誘惑し、堕落させ、主神側の戦力に大きな打撃を与えた。
彼女は薄布を纏った妙齢の美女の姿で描かれる。時にその服装は踊り子を模した煽情的なものであったり、裸体であったりする。 

▼カルトの生態:
彼女のカルトは小規模なものだが何処にでも存在しうる。崇めるのは主に娼婦、恋人たちであるが、時には芸術家たちが美の守護者として崇拝することもある。
現在では彼女を崇める教団は主神派の国家では、魔王や堕落神に等しい邪教とされ弾圧されており表立って崇拝されてはいない。
魔物派の国々でも、同様の権能を持つ堕落神や魔王崇拝が主流であり、娼婦の一部が崇拝しているに過ぎない。

▼アーティファクト
《従者の呼び鈴》 25CP
女神は彼女に愛を捧げ永遠の忠誠を誓った無数の従者を神界の自らの領域に従えている。
彼女は時折、失敗(紅茶の味が良くなかった、とか、朝の目覚めが悪かったとか)の罰として、或いはお気に入りの地上の信徒への褒賞として、そうした従者の一人を貸し出すことがある。
この呼び鈴は、そうした従者を呼び出すための鍵である。持ち主が呼び出しを意識して呼び鈴を鳴らすと、1へクス以内の場所に一人の従者が現れる。(再度鳴らすと送還される)
呼び出された従者は、送還されるまで召喚者に忠実に仕えるが、地上での能力は女神によって制限されており、全ての能力値は9として扱い、戦闘は行えない。
但し、戦闘系以外の何らかの技能を一つ16レベルで習得しており、それを用いて奉仕を行う。
従者は死亡しても仮初の肉体はマナに還り、その霊は神界に戻る。翌日には再度召喚を行うことが出来る。



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▼独立派

独立派の神々は、主神と魔王の戦いに関心を持っておらず、特定の立ち位置を取ることなく独自の目的で行動する神々である。
これには世界の運行以外に興味を持たない大精霊たち、太古より独自の勢力を保持していた強大な魔物や神々、
魔王に堕落させられたものの魔王の思想と反りが合わなかった神々や魔神が含まれる
独立派、と一まとめにされているが、上の記述通り纏まった勢力ではなく、魔王派にも主神派にも恭順を示さない存在が便宜上まとめられているに過ぎない。
どっちつかずの存在として両方から攻撃を受けることも多かったが、2つの派閥の盟主が眠りについてからは彼らも余計な諍いを抱えることを避ける傾向にある。
そのため、現在は表立った迫害は行われなくなっている。


【”死の恐怖”】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):死
▼象徴(神格が二次的に司るもの):名誉、真実、戦、剣、武器、終わり
▼性質:死は安寧。限られし命の者の定めなり。それを拒むことこそ、悪なり
▼信仰条件:”死の恐怖”を崇拝することによる特典と制約を理解した上で、信仰の誓いを立てること
▼祝福:

《衰亡の加護》(25CP)
あなたの手にした剣(剣、両手剣、ナイフ、短剣に属する武器)は死の力を帯びた輝きを放つ様になる。これは”死の恐怖”の信徒にのみ知覚する事ができ、周囲10mを十分な明るさで照らし出す。
死の光を帯びた武器の攻撃は基本ダメージが《武器の技能レベルの五分の一(端数切捨て)》点増加し、実体のない相手にも通常通りの効果を与えることが出来る。

《死の瞳》(2CP/LV)
あなたは死にまつわる超自然の存在に対して鋭い感覚を持つ。あなたから(LV)m以内の範囲に不死者や霊魂が入り込んだ場合、それが魔術的に感知から守られていない限り自動的に気が付く。

《暗殺者感知》(4CP/LV)
あなたは不意打ちや敵意に対して鋭い感覚を持っている。あなたから(LV)m以内の範囲に敵意を持つ存在がいる、もしくはそうした存在が入り込んだ場合、
それが魔術的に感知から守られていない限り自動的にその程度や大まかな数を知る事が出来る。但し正確な場所や相手は特定できない。
この祝福を得る場合、決して不意打ちを行わないという誓いを立てねばならない。破れば即座にこの祝福は失われ、神に何らかの償いをするまで取り戻すことは出来ない(GM判断)。

《神の剣》(20CP)
あなたの手にした刃は、剣の神の祝福を受け恐ろしい切れ味を発揮する。あなたはフリーアクションで3点までのエネルギーを消費し、加護を願う事が出来る。
そうした場合、1分の間、あなたが手にしている刃を持つ武器(切り、刺しのタイプの攻撃)は消費したエネルギーと同じだけ基本ダメージが上昇する。

(制約)(自動CP)
あなたは自然の方法では決して子を為す事は出来ない。また、貴方は死の眷属ではあるが不死者ではない。その為、生命を感知する魔法やアンデッドを感知する魔法は貴方に一切の影響を及ぼさない。
あなたはいかなる手段でも蘇生することは出来ず、アンデッドとして復活する事もない。
この神の信徒を辞めることは出来ない。棄教した場合でも有利な特典は失われるが、不利な部分はそのまま残り、他の神を信仰する事も出来ないままである。

▼解説:
死と真実、そして名誉を司る戦神。彼女は死という世界法則を世界に齎した女神であり、そして、その剣により「切り裂く者」「分離する者」でもある。
彼女は生者と死者とを分け、死のありようを定め、死後の世界を形作った。彼女は信徒に対し無思慮な死の力の濫用を戒め、尊厳ある死の為に、誠実で誇り高き生を求める。
故に真実と名誉を司る神でもあり、破られてはならない誓いに力を与える神でもある。この神を崇めるのは「死」を振るうことを生業とするもの、即ち戦士、兵士、職業軍人である。
彼女は地上の”言葉ある種族”に定命の宿命を与えた神であり、戦うこと、死を恐れないこと、自己に厳しく生きる路を教える。
その神像は全身鎧を着た騎士、或いは中性的な風貌の軽装の剣士として表現される。時には大地に刺さった巨大な剣の姿で描かれる事もある。

▼カルトの生態:
このカルトを構成するのは主として専門の戦士や兵士、軍人、武芸者といった、人生を戦いに捧げる道を選んだ者たちである。
彼らは決闘、闘い、強敵を好み、逆に嘘、裏切りを嫌う。それゆえ信徒は信頼されるが、愛されることは少ない。
死の体現たるこの女神の重要性にもかかわらず、カルトはほとんど政治的影響力をもたない。
兵士たちは軍隊を構成するが、しかし究極的な決定は他の者…貴族や王によってなされるのである。
信徒は中立を旨とし、基本的には特定の勢力に加担すると言う事はない。
例外は過てる「死」の形であるアンデッドである。この神の哲学では、肉体は精神から切り離しては維持できないと信じられている。
ゾンビやスケルトン、その他のアンデットの様な創造物を生み出すことは呪われた事である。
通常、親魔物国で崇拝されている宗派では、自我のあるアンデッド(魔物娘)は<そういう形の生き物>と見做され、不死狩りの対象とはならない。
逆に反魔物国の宗派では、あらゆるアンデッドは須らく滅ぼされるべき対象と見做されている。

▼下位カルト
以下はこの女神の別側面に対する信仰である

【”冥府の王”ハーデス】 
▼解説:
この女神は”死”という世界法則を齎し、世界を生者と死者に切り分けた。その際に、死者の魂は自分の信仰する神の元へと向かう事が定められたが、
神に従う道を知らず自らの道を見出すことも出来ない小さき者たちは、冥界で行き場のない迷い子となった。
彼女はそれらの魂を憐れみ、正しき輪廻の道へと向かうための道を示し、冥界に彼らの居場所を与えた。
それが”冥府”であり、新たな生命の輪廻を歩むまで死者が待機する場所である。
其処には罪深き者たちが罰を受け、定められた時が訪れるまで幽閉するおぞましき場所も含まれている。彼女はそれらを支配し、守護している。
この時の彼女は緩くウェーブの掛かった黒い長髪の、女王然とした雰囲気の妙齢の美女として描かれる。
彼女のこの側面を崇めるものの多くは、強い宗教的な情熱で死者を弔う道を歩もうとするものである。時として葬儀屋や墓守が信仰していることもある。以下の祝福を獲得できる。

《埋葬の儀式》10CP
正しい儀式的な埋葬を行い、死者を”冥府の王”の保護下に送ることが出来る。この祝福の持ち主が埋葬の儀式を行った場合、その死体は自然にアンデッドになる事はなく
魔法でスケルトンやゾンビ、マミーにする事も出来ない。但し、アンデッド系の魔物娘による”感染”を始めとした強制的なアンデッド化には効果が無い。

《黄泉語り》20CP
あなたは死霊系に含まれる魔法を、他の前提条件を無視して習得することが出来る。また、死霊系魔法の技能レベルに+3のボーナスを得る。
但し、神託によって特別に許可を得た場合を除き、決してアンデッドを創造してはならない。この禁を破った場合、即座に全ての祝福を失う。使用していたCPは単に失われる。

▼アーティファクト
《死の剣》 ?CP
女神が振るう”死”を複製したものが現存する武器の起源であり、理論的にはありとあらゆる武器はこの女神の神器の複製品といえる。
特に注目に値する功績を挙げ、選ばれた使徒は自らの武器に宿る精霊…すなわち、女神の分霊を覚醒させる事が出来る。
武器に宿る精霊は、最初は話し相手程度にしかならないが、共に戦いを経験し、驚異的な体験をすることで新たな力を得ていくだろう。
尤も、その詳細は現在には伝わっておらず、このような神器を授けられた使徒は伝説の彼方でしか知られていない。


【”低き火”ヴェストカルテン】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):創造と破壊
▼象徴(神格が二次的に司るもの):鍛冶、金属、炎、大地、火山、鍛錬、武具、道具、粉砕、情熱、執念、技巧、ひらめき
▼信仰条件:製作系技能一つが12レベル以上。もしくは芸術系技能一つが12レベル以上
▼性質:試すことを恐れてはいけない。未知の世界にのみ存在するものもある。
▼祝福:

《十鉱の秘儀》(15CP)
あなたは創造や芸術の分野の一つに霊感を得る。製作技能もしくは芸術系技能を一つ選択する。その判定に常に+1のボーナスを受ける。
また、あなたは武器や防具を含むあらゆる道具について理解を深め、巧みに使いこなせる様になる。
武器を装備した際に、その技能に+1のボーナスを得る。防具を装備した際、防護点に+1のボーナスを得る(魔物でもこの追加の1点だけは有効。生命力による限界も無視する)

▼解説:
鍛冶、静まらぬ大地、炎の神。知性ある生物の魂を満たす熱とエネルギーの創造力を統べ、創造と破壊の循環を司る神である。
彼は定命の者にさらなる表現力があると感じ、常に彼らの想像の壁を押し広げようとしている。
故に芸術家、鍛冶、武具職人といった、何かを生み出すことを生業とするもの全てに敬意を払われている。
彼女は融けかけた金属の鎧を纏い、金属の槌を手にしたドワーフの女性として描かれる。

▼カルトの生態:
彼女を崇拝するのは主に鍛冶職人、芸術家、戦場で武具に命を預ける戦士たちである。
カルトは職人を束ねるギルドとしての性質を持ち、往々にして都市で影響力を持つ。
農村でも道具を作り出せる職人は貴重な存在であり、農耕神ほどではないが崇拝が捧げられている。
低き火……溶岩を統べる神でもあり、大地の怒りを象徴する神である彼女は時に祟り神として恐れられ、崇拝されない地域でも一定の敬意と恐怖を以って遇される。

▼下位カルト
以下はこの女神の別側面に対する信仰である
【”竈の守り手”ヘスティア】

▼解説:
彼女は焔のあらゆる扱い方を人に授けた女神であり、日常生活の中で用いられる《制御された炎》も支配する。
これはそのような守護者としての彼女の側面を信仰するカルトである。
この顕現は、豊満な肢体を薄布に包み、優しい笑みを浮かべた黒髪の乙女の姿を取る。

《焔を支配する》 20CP
あなたは火霊系に含まれる魔法を、他の前提条件を無視して習得することが出来る。また、火霊系魔法の技能レベルに+3のボーナスを得る。

▼アーティファクト
《》


【”嵐の王”】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):風
▼象徴(神格が二次的に司るもの):天候、雷、嵐、自由、解放、変化、交流、挑戦、冒険
▼信仰条件:狭量の特徴を持たないこと
▼性質:同じことが良いこととは限らない。自由こそよし。
▼信仰による特典:

《七つの風の加護:最後の一息の風》 25CP
瀕死になる様なダメージを負った際に、瀕死になる直前の<最後の行動>として本来の行動順番を無視し、1回だけ自分のターンが回ってきたものとして行動を行うことが出来る。
その行動が終了すると即座に瀕死になる。この時、自分にHPを回復させる様な能力を使用しても無効となる。 
この祝福は1日に1回しか効果を発揮しない。

《七つの風の加護:囁く風》 5CP
貴方は1週間先までの魔法や妖術の影響を受けない場合の天候を判定無しに正確に予測することが出来る。
この祝福は、他の《下位カルト》を信仰していても獲得することが出来る。

▼解説:
中空を統べる神々の王であり、風の精霊王でもある。雨風や雷といった天候を支配し、また吹き抜ける風は人と人をつなぐ言葉を運ぶため、交流や縁をも司る。
また、古きしがらみからの解放、未知への挑戦といった事柄を守護し、信徒には常に固定観念に捕らわれず、新たな挑戦を恐れない生き方を教える。
彼女は風の神々の王であり支配者の神でもあるが、その支配権は実力と美徳によって担保され評価されるべきものであり、血統による支配を否定している。
そのため、彼女は都市部では主に天候の神として、或いは縁結びの神、吟遊詩人の神、戦士と冒険者の神として信仰されている。彼女を主に信仰するのは辺境の蛮族である。
現れたのは神話の時代の後半であり比較的若い世代ではあるが、強大な魔神であり上古の時代には主神や天空を支配していた太陽神と支配領域について激しく争った。
幾度もの戦いの末に<天空>と<大地>の繋がりを引き裂いてその間に自らの領域である<中空>を生み出し、己とその眷属の支配領域としたという。
現在は自らの領域に隠遁しており、滅多に顕現することはない。しかし、強い嘆願が送られれば、重い腰を上げて地上世界への干渉を始めるだろう。
彼女は薄布を纏い超然とした雰囲気を持った細身の女性の姿で描かれる。  

▼カルトの生態:
この神は、現在では主に天候を支配する風と雷の神として、或いは新たなことに挑戦する冒険者、挑戦者、戦士の神として信仰されている。
カルトは個々の神殿で独立している事が大半であり、社会的な影響力は殆どない。

▼下位カルト
以下はこの女神の別側面に対する信仰である。

【”陽炎に舞う乙女”】
▼解説:
穏やかな季節の中を吹き抜ける陽気な風であり、人と人を繋ぐ言葉を運ぶ吟遊詩人の神、交流と縁の神としての側面。
この顕現は、薄布を重ね装飾を帯びた煽情的な衣装を身にまとう踊り子の姿で描かれる。時にその手には楽器が奏でられていることもある。以下の祝福を獲得できる。

 《七つの風の加護:縁結びの風》10CP
1日に1回、反応判定の結果、若しくは≪吟遊詩人≫技能による判定の結果を振りなおすことが出来る。

【”征服の風”ユピテル】
▼解説:
彼女は神々の戦いの時代には世界中を吹き抜け、あらゆる場所で戦い、破壊と征服の証を示して回った。
その恐るべき風の戦神としての側面は現在でも知られている。彼女が吹かせる戦の風は、闇を吹き散らし、炎を消し飛ばし、波を抑え込み大地を削り取る。
この顕現は、手に雷霆を武器の如く握りしめ、武装した女戦士の姿で描かれる。以下の祝福を獲得できる。

《七つの風の加護:戦の風》15CP
貴方が電気属性もしくは風属性の攻撃を行った場合、発生するダメージは常に+1される。

【”雷鳴轟かす者”】
▼解説:
これは大気のあらゆる働きを統べる中空の神としての側面、天候神としての彼女を崇める下位カルトである。以下の祝福を獲得できる

《七つの風の加護:高き風》 20CP
あなたは風霊系に含まれる魔法を、他の前提条件を無視して習得することが出来る。また、風霊系魔法の技能レベルに+3のボーナスを得る。

▼アーティファクト
《稲妻童子》 40CP
この神は、一つ目の鍛冶神にして巨人、サイクロプスによって鍛えられ、嵐の王に献上された武器である。
分霊が時に剣や槍のカタチをした器に宿り、地上の信徒に与えられる。
この上質の剣や槍は衣装の一部として扱い、本来の持ち主の行動とは別に先端から強烈な電撃を放つ力を持つ。
もし似た形状を取る武器の手の能力を持っている場合、この槍を焦点に発動させてもいい。
その場合、本来の武器の手のデータに加えダメージに+1のボーナスを得て、フリーアクションで先端から電撃を放つことが出来る。
電撃は放つ際に6点までのエネルギーを使用者が消費し、消費エネルギーに等しいへクスまで届き、その間にいる全てのキャラクターに自動的に命中する。
相手が回避に失敗した場合、消費エネルギー1につき1d6点の電気属性ダメージを与える。鉄の体や金属鎧の防護点は無視される。



【”野の姫”エレノーラ】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):大地
▼象徴(神格が二次的に司るもの):無垢なる自然、狩り、動物、植物、生命、森
▼信仰条件:<弓>技能が15レベル以上であること。或いは<動植物知識><生存:どれか3つ以上>を12レベル以上で持っていること
▼性質:言葉よりも行動がすべてを示す。たとえ多少遅れても現実は力強い。
▼信仰による特典:

《原野の祝福》5CP
あなたは自然界の掟と禁忌、精霊たちについて深い知識を持っている。あなたは知力判定に成功すると、それらについての知識を記憶から引き出し、
原野の掟が試される場所、踏み込んではならない場所、精霊たちに対する正しい作法などを示すことが出来る。

《原初の大地の力》 30CP
”野の姫”は原初の大地、人の手に穢されていない無垢なる自然の具現化であり、信徒の祈祷に応じてその力を地上に降ろす。
あなたは地霊系、植物系、動物系に含まれる魔法を他の前提条件を無視して習得することが出来る。また、それらの魔法の技能レベルに+3のボーナスを得る。

▼解説:
彼女は原初の自然を象徴する女神であり、全ての野生を司る姫君であり、自然の掟が支配する場所の守護者である。人間社会では、彼女は森の守護者として知られている。
自然界の諸力に強い影響力を持ち、崇拝者からは<神の中の神>として称えられる事もある。
彼女に取っては、魔物も人間も自然界から切り離された穢れた存在という点は変わらない。その視点は神よりも精霊に近い。
現在の世界の変化を生命のあるべき流れとして複雑な思いで受け入れているが、領分を大きく超えた不敬者には激しい神罰を以て応える。

▼カルトの生態:
全ての森の住人は何らかのカタチで彼女に敬意を払っている。信徒の多くはドライアドやエルフ、若しくは森に隣接した場所に住む人間であるが、
文明社会からはぐれた一匹狼や追放者、原野での生活を望んだ人間が彼女を崇拝することもある。
カルトはドライアドやエルフの間では大きな影響力を持つが、人間社会ではごく小規模で影響力も限定的なものである。
彼女は魔物や魔力汚染に対しては人間社会の拡大に対してよりは寛容な態度を示すが、大規模な変化に対しては神罰を以て報いる。
魔物による崇拝や自らの領域での居住は許可するが、周辺の魔界化を試みた場合は(それが意図したものであろうとなかろうと)即座に破門される。
場合によっては、彼女自身からの報復を受けるだろう。

▼下位カルト
以下はこの女神の別側面に対する信仰である。

【”深淵の狩人”】
▼解説:
”野の姫”は原野におけるあらゆる知識を備えた狩りの達人であった。 彼女は生きるために生き物を狩る手段を人々に教えた。
この側面は、彼女の狩人の守護者としての側面である。”深淵の狩人”に属する者たちは、通常の共同体での生活よりも原野での活動を好む。
普通の狩人は人里近くで猟をするが、このカルトの構成員は一季節以上を深い森や山で過ごし、普通の狩人が見たこともないような大きな獣を狩って村に帰還してくる。

《熊の力》30CP
あなたは望むときに巨大な熊の姿を取ることが出来る。この変身には3ターンかかり、その間は能動防御を含むいかなる行動もとることは出来ない。
変身中は身に着けていた服や鎧、装身具は消え、人の姿に戻ると再び出現する。手に持っていたものはその場に落ちるだけである。
変身中は体力は2倍(ただし、追加体力の場合は最大で+疲労点まで)、敏捷力は13、生命力は+2となり、毛皮による受動防御を1点、防護点を4点得る。
熊の牙は体力に応じた突き/切りダメージを、爪は突き/叩きダメージを与え、原始的なバイタリティは生命力を本来の自然治癒に加えて12時間に1点回復させる。
また、摂食・消化能力も熊に応じたものとなり、通常の森の中では生存判定に成功しなくても十分な食料や水を確保することが出来る。



【”松明を掲げる者”ヘルメス】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):意思疎通、移動、調和
▼象徴(神格が二次的に司るもの):交易、旅、運送、取引、道、言語、交流
▼信仰条件:<商人><交渉><外交>技能のどれかが12レベル以上
▼性質:言葉とは、それのみにて生きるものなり。すべての最初に言葉あり。
▼信仰による特典:

《統一言語》 40CP
あなたは原初の時代に使われていた秘密の言語、コモンの原型をヘルメスから授けられている。あなたの言葉は何らかの言語技能を持っている相手にはその言語で語り掛けられている様に聞こえる。
但し、声以外の要素が必要な言葉は適切な器官や代替部位を用意できなければ不完全なコミュニケーションとなる。
逆に、あなたはどんな言語で話しかけられてもその意味を理解できる。この言語の秘密は、同じ祝福を受けた者以外にはたとえ説明しても理解できず教えることは出来ない。 

《道の守り手》20CP
ヘルメスは旅や交易、コミュニケーションに置いて様々な危険がある事を熟知しており、その対策を崇拝者に教えている。
あなたは防御・警戒系に含まれる魔法を他の前提条件を無視して習得することが出来る。また、それらの魔法の技能レベルに+3のボーナスを得る。
また、この祝福を持つ者が《番犬》の呪文を使用した場合、境界線だけではなく範囲内部にも効果を持つ。
付け加えると、店内で盗みを働こうとするのは<敵意>である。

▼解説:
彼女は原初の時代、まだ全てが平穏で全きものであった時代に生まれた。彼女は世界中を旅して回り、その機転と放浪癖と雄弁さで知られていた。
神々の戦いの時代には、彼女はある時は調停者として、ある時は伝令として、ある時は傍観者として変わりゆく世界の中を歩き続けていた。
戦乱が集結し、宇宙の廃墟の中で、彼女は遺された民を元気づけるために、人と人を結び付ける意思疎通の光を求めて新たな世界を旅して回った。
現在、彼女は言葉でコミュニケーションを行う全ての民に一定の敬意を払われており、交易と旅の守護者として崇拝されている。
また彼女はコモンの発明者でもある。現在全ての知的生物に広がっているこの言語は元々は彼女の神聖語であった。
彼女は旅装をした若い好奇心にあふれた女性の姿で描かれる。時にその手には権威を現わす杖を持っていることもある。

▼カルトの生態:
彼女は言語と意思疎通の神である。通行と運送、旅と取引と道の神であり、道を守るものである。
信徒たちは遠く離れた場所を旅し、通商ネットワークを形成して間接的に世界中を結び付けている。
商人、行商人、隊商、使者、旅人、店主が彼女を信仰している。
彼らには直接の公的な力は無いが、個々の商人が地域の重要な人物となり広範な影響力を持つことは珍しくない。



【”戦の紡ぎ手”】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):闘争
▼象徴(神格が二次的に司るもの):戦争、名誉、情熱
▼信仰条件:戦闘系技能一つが12レベル以上。もしくは運動系技能一つが12レベル以上
▼性質:生きざまは一枚の絵画なり。美しく滅ぶもまたよし
▼信仰による特典:

《熱狂の叫び》 0CP
戦意高揚の叫び声をあげ、バーサーク状態へと移行する。フリーアクションで任意のタイミングでバーサークすることが出来る。但し、離脱は通常のルールに従う。

《血の渇き》 25CP(50CP)
あなたはバーサーク中、”戦の紡ぎ手”の加護によりその激情を力に変える事が出来る。
バーサーク中はあなたの体力は2倍になる。ただし、追加体力を持っている場合、最大で<追加疲労点を含まない本来の疲労点上限>点しか上昇しない。
余分に25CP(合計50CP)消費すると、あなたはバーサーク中に1回の追加攻撃回数を得る。これは、同じ部位で行っても構わない。

▼解説:
闘争と情熱の神。ミネルヴァと同じく戦争の神でもあるが、彼女が戦争の知略、作戦、勝利といった理性的な部分を司るのに対して、彼女は戦いの熱情と怒り、高揚といった感情的な側面を支配する。
また、運動や競技、競争といった感情がぶつかり合う場では彼女に祈りが捧げられる。
本人も策謀を好まず、正面からの対等な条件でのぶつかり合いこそが名誉ある戦いであると考えており、信徒たちにもそうした戦いを求める。
ミネルヴァとは戦いに対して求めるものの違いから、神話の時代より幾度もぶつかり合い互いの力を競い合っていた。
修業時代、ミネルヴァが技と作戦を以て戦いに臨んだのに対して、彼女は力と激情と以て戦った。
神々の戦いが始まると、彼女は戦いを求めて世界を歩き回り、あらゆる戦場にその名誉ある破壊を示して回った。
良くも悪くも刹那的な性質であり、自らの感情に忠実なため、現在でも求められるあらゆる勢力にその加護を与えている。
彼女は狼の毛皮を纏い、巨大な武器を手にした長身の女戦士の姿で描かれる。

▼カルトの生態:
この神は古くから戦士の守護神として崇められ、彼らによってカルトが形成されてきた。
歴史時代の初め、いまだ蛮族が世界にはびこっていた頃には彼女は広く崇拝され、祈りが捧げられていた。
しかし、歴史が下り文明が花開いていくにつれ、彼女の人気は凋落気味であり、より洗練された戦いのカルトに人気を奪われ続けている。
彼女の加護を受けた者は戦場で大きな戦果を挙げるが、生きて帰って来る者は少ないのである。
それでも彼女は都市部を離れた村々や荒野で暮らす蛮族にとっては未だに第一の戦神であり、特にリザードマンに篤く崇拝されている。



【”戦争と勝利の娘”ミネルヴァ】

+ 解説
▼原理(神格の本質、能力、象徴を現すキーワード):文明
▼象徴(神格が二次的に司るもの):知略、戦争、勝利、都市、文化
▼信仰条件:戦闘系技能を12レベル以上で習得していること、若しくは《指揮》《戦略:任意》《戦術》技能のどれかを12レベル以上で習得していること。
▼性質:知恵を見逃すな。生き急ぐことは、必ず破滅に通じる。
▼信仰による特典:

《将の心》 25CP
ミネルヴァは戦争と軍略を重視する戦神であり、崇拝者に戦略上の優位を得るための様々な秘密を教えてくれる。
あなたは知識系、情報伝達系に含まれる魔法を他の前提条件を無視して習得することが出来る。また、それらの魔法の技能レベルに+3のボーナスを得る。

《戦争と勝利の加護》 10CP
ミネルヴァは兵士には規律に従い指揮官の命令に忠実に動くことを求める。そうすることで彼らは個々の戦士の集まりから、軍隊という恐るべき一つの怪物へと生まれ変わるのである。
あなたは指揮官の命令に従っている限り(冒険者パーティの様な小規模戦闘の場合、指揮官は指揮判定を毎ターン行う必要がある。)、武器技能と近接攻撃のダメージに+1のボーナスを得る。

▼解説:
戦争と知略と勝利の神。”戦の紡ぎ手”とは同じ戦争を司る神格同士であるが、戦いに見出す名誉の在り方の違いで対立している。
彼女は戦争の理性的な側面…戦略、指揮、勝利、支配、といった部分を司り、都市の守護神でもある。
この女神が重視するのは知恵と戦略であり、正面からぶつかり合うのは愚行であり、退くべき時は退き罠や地形を利用した分断といった、”戦の紡ぎ手”が臆病さ、卑怯さの表れとして嫌う行為を厭わない。
寧ろ、そうした知性をも動員した戦いこそが本来の全力でのぶつかり合い、名誉ある戦いであり、行わないのは戦場に対する侮辱だとすら考えているのである。
神々の戦いの時代においては、彼女は現在の世界の在り方に疑念を抱いていたものの、反逆という手段は認めず主神に味方し、多くの戦場で神々の軍勢を指揮した。
未だにまとまることを知らなかった魔物の群れは、個々がどれほどの力を持とうとも、統率された天使と勇者の軍勢の前では砂上の楼閣の様に薙ぎ払われ蹴散らされるのみだった。
神々の戦いが集結し、主神と魔王が姿を消すと、彼女は世界の情勢を見守りながら魔物と人々の双方に加護を与え、真に正しい道を見出そうと自らの領域で思索を続けている。

▼カルトの生態:
彼女は戦争と軍略の女神であり、そのカルトは文明化された軍隊の指揮官とその兵士たちで構成されている。
社会の発達と共に勢力を伸ばしてきた比較的歴史の若いカルトであるが、崇拝者の性質から、軍に広範な影響力を持っている。
とはいえ、やはり社会における究極的な決定は貴族や王の仕事であり、人口に占める軍人の割合も考えればその影響力は限定されたものであるのは間違いない。
このカルトは、主神派、魔王派を問わず神に敬意を払い戦場に名誉を持って携わる者であればだれでも受け入れる。

▼アーティファクト

《不破の盾アイギス》 10CP
女神が手にしている盾。ありとあらゆる攻撃を防ぎ止めると言われる不破の盾であると同時に、メドゥーサの祖の首が埋め込まれており見た者全てを石化させる恐るべき武器でもあるとされる。
敬虔な信徒に授けられる模造品は、ミディアムシールドとして扱い、更に構えている間、持ち主の受動防御を+1してくれる。

《勝利の杖ニケ》 ?CP
女神が持つ杖。これを手にした者はあらゆる戦場での勝利が約束されると言われる。
具体的な力は知られていないが、女神が戦場でこの杖を手にしていて敗北を喫したという記録は神話上存在していない。


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最終更新:2017年05月01日 21:02