LionHeart~Mollte ar Wille~


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LionHeart~Mollte ar Wille~

出典:印玄作「LionHeartシリーズ」より

LionHeart~Mollte ar Wille~とは印玄が2008年8月から2009年12月25日にかけて、ホームページ「宇宙の獅子」で連載したSF戦記小説。通称「ライオンハート」

作品解説



本作は全四作(予定)編成のライオンハートシリーズ第一作にあたる。

作品全体の説明としては、地球と異なる銀河系を舞台に、そこに生きる人間達の戦いと人間ドラマを描いたSF戦記という作品である。
また、物語に登場する人々や歴史に地球との関わりは 一切ない というのが前提の世界観であることにも留意しておく必要がある。

つまり登場する人物たちは我々の銀河系に限りなく酷似している環境……いわゆる「別世界」で暮らしている。

また本作の特徴として舞台となる惑星「ウィレ・ティルヴィア(地球にあたる星)」と「モルト(月にあたる。衛星ではなく惑星)」での科学技術や文化は発達しており、地球で現在発達している技術を凌駕している。そのため近未来的要素もある物語となっている。

しかし近未来SF戦記というよりは、登場人物達のドラマ、国や組織同士のイデオロギー、人物像や歴史的事柄などを重視して執筆しているために純粋な戦記、もしくは歴史小説の文体に近い。


作品が始まる前のプロローグにいたっても、世界観の説明が行われている。
読者がすぐに読み始められるようにと言う印玄なりの配慮である。
(もっともホームページのWORLDトピックでも世界観の説明は行われている)

全42話構成でありClubA&Cにおいてもかなりの長編の部類に入る。



あらすじ


 今から数えるのも疎い程に太古の昔のこと。
未曾有の大爆発が突然発生し、それにより宇宙が誕生した。ビッグバンと呼ばれる爆発である。

我々の知らない宇宙の彼方では、小さな恒星が生まれ、それが熱と光を放ち、いつの間にかその星を中心として幾つかの惑星が一つの広大な空間に集まるようになった。その中にあった氷の星は恒星……フロイムの熱により氷が溶け、やがて海ができた。そして何万年も後に起きた地殻隆起により三つの大陸が発生し、陸と海、そしてそれらの中で物質が循環する事により大気の層が出来上がった。


我々の知る地球とは違う、水の星が宇宙の片隅に誕生したのである。

やがて、その星の中で生まれた生命が進化を繰り返し。そしてこの星の”ヒト”が誕生した。

何万年を経て進化を繰り返した人類は我々の知る人間よりも高い知能を持っていた。
その新人類は原人の時点で確立していた農耕、火の使用、言語、文章、絵画などの小文明を結集して新人類が生まれて間もない頃から一大文明を各地で築き上げた。

そして、彼らは自らが住まう水の星を、「ウィレ・ティルヴィア」~水の星~と呼んだ。
大きな月を衛星とし、「東大陸」「西大陸」「南大陸」三つの大陸を持つこの星で人々は長きに渡り平和な時代を謳歌していた。そんな人類に転機が訪れたのは2700年前。

平民でさえ高い知能を誇る人類の中に、一人の指導者が現れた。ユリウス・シュトラウスと呼ばれる
若い男である。この男は23年の月日を経て周辺の小国を政治により統治して東大陸に一大帝国を作り上げた。
シュトラウス帝国の誕生。そしてそれに伴う大陸暦の確立により時代は新時代を迎えることとなる。

やがて、対岸の西大陸にはモルト系民族と呼ばれる民族集団が独立国家を作り、そして南大陸にも
農耕種族が独立国家を作り上げ、ウィレ・ティルヴィアには18の大小国が出来上がる。

やがて歴史の中で、18の大小国はそれぞれが統一を計り、世界は五つの大国に分けられた。

そして5つの大国はそれぞれの国益や民族性を巡って激しい戦いを繰り広げ、やがてそれは全世界を巻き込んだ大戦争に発展した。それは戦争を仕掛けたモルト系民族の敗北と南大陸が大量破壊兵器により消失したことをもって、戦慄した各国の政治スタッフの手により終戦した。


この大戦、2年戦争を持ってウィレ・ティルヴィアは一つに統合された。二度とあのような大戦は繰り返すまいと。そのスローガンを持って各国は一つの政府を作り上げた。

ウィレ・ヴィーヴァ・レシュティ・ルシュール。(ウィレ・ティルヴィア総合立国政府)の誕生である。

ところが、時代が移り変わるにつれて自らの国土であった部分を迅速に回復したシュトラウス民族の政治家が政府内の実権を握った。
しかし人々は、それに気づかず、子を生み、育て、いつしか自らの存在を未来へと受け継ぐ事に盲目になっていた。
そして、人々の健気な営みの間にも、戦争の記憶の風化と旧態化する政府内の腐敗は進んでいった。


だが、その中で新しい技術も多々生まれた。電子技術の発達により電子機器の縮小化が実現し、宇宙航海技術も完成した。
人類は遂に宇宙へと居場所を求める技術、宇宙移民技術を手に入れたのである。

2年戦争から100年の間に人口は爆発し政府は人口対策としてウィレ内の人民を他の星へ移民させる政策を実行する。

その対象となったのは、過去の二年戦争に負けたモルト系民族であった。100年越しの戦後措置としてウィレの双子星である月……モルトへの移民を実行した。皮肉な事に月の名(モルト)を冠する民族は月(モルト)へと移民されてしまった。

過去の身内の過ちとはいえ、モルト民族は故郷であるウィレを追われ、人工の月面都市を第二の故郷とした。
ウィレに留まる者に対しての報復の念をモルト系民族の代表者たちが捨てる事はなかった。

やがて、時は流れ一世紀が経とうとしていた時。ウィレ政府軍のグローフス・ブロンヴィッツ元帥はウィレ政府の宇宙移民政策に反発し、クーデターを起こし、自らが指導者となり月にモルト・アースヴィッツを建国した。数少ない元政府の理解者、そして新しい指導者を国民は支持して新たな時代が幕を開けたのである。

軍事国家化したモルト・アースヴィッツと一時は対等外交を行ったウィレ政府であったが、最終的に不平等な外交政策や貿易に走り、二国間の友好関係は徐々に冷えていった。そして、モルト・アースヴィッツは依然行い続ける軍備拡大に伴い、新兵器を開発した。

局地、宇宙空間、水中などあらゆる地形に対応した新型人型兵器。モルト・ヴェルフ・グラスレーヴェン(モルト国軍人型機動兵器)である。これらの軍備拡大を警戒した政府とウィレ政府の政策を糾弾するモルト・アースヴィッツの国交は断絶。

そして事件が起こった。ウィレ・ティルヴィアより帰国中のモルト国の宇宙船がウィレ政府軍の軌道上艦隊に拿捕され、撃沈されたのだ。これをきっかけとしてモルト・アースヴィッツは一年間の外交の後に政府側の交渉を突如一蹴して戦争を仕掛けた。

そして戦争から一ヶ月。電撃戦を仕掛けたモルト・アースヴィッツ軍、そして人型機動兵器の活躍もあり
ウィレ・ティルヴィアの西大陸は制圧されていた。

モルト・アースヴィッツが目指すのは、政府の中枢である東大陸中央部。これを陥落せんとする機動部隊の中に、この時代を生きた一人の青年もいた。

この物語は、これから始まる激動の10年間を戦い抜き、如何なる時も己の信じる道を曲げずに突き進んだ者達の黙示録である。
(プロローグより一部抜粋)


各話サブタイトル



プロローグ「終わりなど無き始まりに」】

【第一話「ウィレとモルト」】

【第二話「モルトシティ攻防戦」】

【第三話「顛末」】

【第四話「月の人」】

【第五話「水星の人」】

【第六話「旧友」】

【第七話「作戦発令」】

【第八話「出撃直前」】

【第九話「出港」】

【第十話「海中の兵達」】

【第十一話「ウォーレ血戦」】

【第十二話「炎焼」】

【第十三話「胎動」】

【第十四話「束の間の再会」】

【第十五話「咲く睡蓮」】

【第十六話「散る戦華」】

【第十七話「転落の炎街」】

【第十八話「撃墜、虜将、敗北」】

【第十九話「撤退戦と逃亡戦」】

【第二十話「国家総力戦」】

【第二十一話「奇襲」】

【第二十二話「銀の獅子」】

【第二十三話「任命」】

【第二十四話「零作戦」】

【第二十五話「対峙」】

【第二十六話「此処より先へ」】

【第二十七話「戦場は何処へ」】

【第二十八話「宇宙への帰還」】

【第二十九話「月の神殿にて」】

【第三十話「東の終焉」】

【第三十一話「暁の閃光」】

【第三十二話「前夜」】

【第三十三話「モルトへの回廊」】

【第三十四話「軌道回廊の激戦」】

【第三十五話「空蝉」】

【第三十六話「宇宙の獅子」】

【第三十七話「ゼーモルト防衛戦」】

【第三十八話「終結への終結」】

【第三十九話「最終決戦前夜」】

【第四十話「運命の日」】

【第四十一話「最後の灯火」】

【第四十二話「ディア・ファーツランツ」】

【最終話「願い」】

【エピローグ】


2009年12月25日完結。