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「…盾子ちゃん」  震える声は、超高校級の軍人とは思えないほどに弱々しい。  ベッドの上で携帯電話を弄っていた妹は、自分から命令したくせに、微塵の興味もなさそうに瞳を向けてくる。 「い、言われたとおりに…してもらったよ」 「…あっそ」  そばかすの少女は、真っ赤になった顔を伏せて、ベッドの上の妹の元に歩み寄った。  顔に浮かぶのは未知への恐怖と、羞恥心。  そして、ほんの僅かな期待。 「あの…」 「脱いで」  妹――江ノ島盾子は、一瞥してから再び携帯に視線を落とした。 「え…」 「確認するから、脱いで。あ、パンツはいいや。それ以外全部」  姉――戦刃むくろの口が、そんな、と開く。  けれど、声は出ない。  自分の妹にはどうあっても逆らえないと、理性ではなく本能が理解している。  こちらをちらりとも見ない妹の背中で、姉は服に手をかけた。  しゅるり、と、部屋に響く衣擦れの音も、自身の鼓動でかき消されてしまう。  躊躇いがちにブラジャーのホックを取れば、慎ましやかな胸。  パンティ一枚のみを身につけ、再び姉は妹を求める。 「脱いだ…よ」  振り返り、そこでようやく。  妹は、狂気じみた笑みを自らの姉に向けた。  大きく膨らんだ、白い下着の前面。  本来彼女の体に着いているはずの無いソレが、硬く勃起して、自身の存在を主張していた。  ベッドから飛び上がり、姉の体に飛びつく。 「うわ、うわ、ホントに改造されてんだww」 「だ、だって盾子ちゃんがそうしろって…あっ」  姉の言葉などまるで耳に入っていないかのように、言葉の途中でパンティを下ろす。  ぶるん、と、怒張したそれが、眼前で揺れる。  盾子は触れるほどに近づき、匂いを嗅ぎ、目で舐めまわし、感嘆の声をあげる。 「うわぁ…グロっ! キモっ! つーか皮かぶってんじゃん!」 「だって…剥いてると、すっごい敏感なんだもん…」  本来はクリトリスのある位置から、枝が分かれるようにして、それは生えている。  無駄な肉を一切こそげ落としたとも言えるほどに、鍛えられたむくろの体。  その肉体美には不釣り合いな、滑稽な肉の棒。  盾子はむくろの手を取り、むくろ自身の肉棒を握らせる。 「ちゃんと剥かないと、イジめてあげないよ?」 「う、……」 「自分で剥く?…それとも、アタシが焦らしながらゆっくり剥いてあげようか?」  猫なで声が、ぞわりぞわりと背筋を震え上がらせる。  妹がいつも自分を弄ぶときの、特別に優しい声音。  怖い。  なのに、その声に弄ばれたい気持ちを抑えられない。 「んっ、あ…」  恐る恐る、自分自身の皮を剥いていく。  亀頭の露出した部分から外気に晒され、ヒリヒリと熱さに似た感覚が奔る。  皮をつっかえさせて、手を離す。  と、唐突に盾子がその剥き出しの亀頭に息を吹きかけた。 「…ふぅっ」 「ひぅっ…ん…!」  面白いように腰を跳ねさせた姉を見て、盾子はケタケタと笑う。 「出来たてホヤホヤの童貞チンポとはいえ、ちょっと敏感すぎじゃない?」  付け爪の先を、尿道を割る様に食いこませる。 「あぅっ…だ、だって…」 「お姉ちゃん、この部屋に来る前にオナニーしたでしょ」 「!!」 「あ、やっぱり。イったばかりだから、こんなに敏感なんだ」  体が硬直するのを見て、妹は確信する。  半ばカマかけだったが、やはり彼女は残念な姉だ。  ぐにぐに、と、力を込めて鈴口を引っ掻く。  強すぎる刺激に、直立していたむくろの膝がガクガクと震えだす。 「ひぎっ、やめ、あ゛っ!」 「正直に言わないと、もっと酷いことしちゃう、か、も…」 「し…しましたっ!」 「何を? 事細かにはっきりと言ってよね」 「お、オナニー…しちゃいました…盾子ちゃんに虐められると思うと、興奮して…それで…」  涙目になりながら告白するむくろとは対照的に、盾子は満足そうに頬を緩ませた。 「ド変態だね」 「っ…」 「妹に虐められるの想像してオナニーとか、真性だよね」 「う…」 「…で・も」  眼前でいきり立つむくろの肉棒に、ぺと、とくっつくように舌を這わせる。 「んひっ…」 「期待通りに、いじめてあげる…数日間はまともに歩けなくなるくらいに、徹底的に、絶望的に…ね」  笑う様は、まるで亡者の冷笑。  おそらくは、世界で一番恐ろしい笑顔。  その口の中に、ずるずると自分の淫棒が引きずり込まれていく。 「あ、はっ…ふぁああぁぁっ…!!」  目を細くして舌を突き出し、快楽に喘ぐ。  そんな姉の様子を見て、盾子は一度口を離し、冷笑をより深く刻んだ。 「咥えられただけでアヘるとか、お姉ちゃんってば残念すぎ…んむっ」 「あ、ダメぇ…咥えたまま、喋らな…っ、はぅ…」 「そんなんじゃ、アタシのフェラ耐えられないよ?」  言い終えると、盾子は喉の奥までむくろのソレを押し込んだ。  根元まで咥えて、上目遣いで姉を見上げながら、一気に吸引する。  じゅるる、ずぞぞぞ。  涎が跳ねるのと同時に、むくろの腰も跳ね上がった。 「うぁあぁあ!! すご、すごいよぉおおっ、盾子ちゃ、はあぁああっ…!!」  生温かい口内で、ざらついた舌が触手のように、敏感な亀頭を擦りあげる。  テクニックは、中途半端な娼婦よりも遥かに上。  ほんの数秒で腰砕けになったむくろは、なんとか崩れまいと手を伸ばす。  快感に耐えるようにして、盾子の頭を押さえつけようとするが、 「…ダメ」 「うぁ…!?」  その両手も、盾子自身の両手に阻まれてしまう。 「ちゃんと自分の足で立ってないと、気持ちよくしてあげない」 「そんな…、そんなぁっ…!」  腰は引き、膝は笑い。  自分の力ではまともに立つこともできないと、見るに明らかなのに。  宣言通り、盾子は先程のような激しいフェラを中断し、ちろちろと舌先で鈴口を撫で上げるだけ。  むくろから力を奪うには十分刺激的で、けれども絶頂には届かない絶妙さ。  姉が自分の力で直立しない限り、絶頂させてはもらえない。 「ふっ、ふひ、ぃいい…」  こどものような泣きべそをかきながら、なんとか足を踏ん張らせるむくろ。  その様子は、まるで子どもが親に叱られて泣く泣く言うことを聞いているような。  彼女の戦場では決して晒さなかった、無様な姿だった。

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