355-361

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苗「霧切さん、あぶないっ!!」 霧「えっ…?」 バリン、じゅぅうううう 苗「っ、ぐあぁあああっ…」 朝「苗木!」 十「くそっ…今の奴、どっちに逃げた?」 葉「止めるベ、十神っち!追っても何の意味もないって!」 腐「こ、これ、投げられたの、薬瓶…?酷い匂い…」 朝「苗木、傷見せて!」 「っ…!」「うわ…」「ひっ…」「……」 腐「火傷みたく、た、ただれてる…あぁ、無理…」 霧(私が油断しなければ、こんなことには…) 朝「苗木、気絶しちゃった…」 十「…どうするんだ、これから」 葉「背負って病院まで行くに決まってるベ!」 腐「どこにあるのかも分からないのに?着いても、まともに機能していないかも…」 朝「そ、それでも行くしかないよ!見捨てられないもん!」 十「…まあ、異論はないな」 霧「…私が最初に背負うわ。こうなった原因は、そもそも私なのだから」  ~数時間後~ 葉「…だ、だいぶ歩いたベ…俺もう限界、誰か、交代…」  「…」「…」「…」 朝「あ、次はあたしが背負うよ!この中じゃ一番体力あるし」 腐「で、でもあんた、さっき交代したばかりじゃない…」 朝「平気平気、よいしょっ…あ、れ、おっかしーな……っ、ふんっ!…」 腐「ほ、ほら見なさいよ、立つことも出来ないじゃない…わ、私が代わりに…」 十「…お前は酸欠になるまで無理するからダメだ」 葉「みんな限界だべ…」 十「…やっぱり無理なんじゃないか、一人を担いで病院まで目指すのは」 霧(!?) 朝「…どういう意味?苗木を置いてくってこと…!?」 十「全員が共倒れになるより、遥かにマシだろう…」 朝「まだ共倒れになるかどうかなんて、わかんないじゃん!」 十「現に一番体力があると自負していたお前が、既にフラフラじゃないか!」 葉「お、落ち付くベ!二人とも…」 十「このまま身動きが取れなくなっているところを襲われたら、一環の終わりだ…」 朝「だからって見捨てるの!?酷いよ、冷たいよ!こいつのおかげで、私たちがどれだけ希望を…」 霧(…) 十「俺が好き好んで、こんなことを言っていると思うのか!?」 朝「っ…」 十「…完全に見捨てるわけじゃない、医者を見つけたら、またここに戻ればいい」 朝「それまで苗木が持つかわからないじゃん…それに、こんな危険な場所に置き去りにして、万が一のことがあれば…」 腐「し、仕方ないことなのよ…適応できない人間に合わせたら、みんな死んでいく…動けるメンバーで行くべきだわ…」 葉「でも…これじゃ、あいつが最後に学級裁判で俺らにさせたことと全く同じだべ…」 十「一人のために全員が地獄に落ちるか、一人を見捨てて全員で生き延びるか…くそっ」 苗「…っ、み、みんな…」 霧「苗木…君? 苗木君!?気がついた?」 苗「…朝日奈さん、気持ちは嬉しいよ…でも、十神君の言うとおりだ」 朝「っ…苗木ぃ…」 苗「僕のことは置いて行って。お願いだよ…」 葉「苗木っち…」 苗「なんの取り柄もない僕だけれど、みんなは優しく接してくれた…」 十「苗木…」 苗「だからこそ、せめて、みんなの足手まといにだけは、なりたくないんだよ…」 腐「な、苗木…」 苗「みんなの希望を奪うような真似、したくないんだ。だから…」 霧「…」 苗「ね、霧切さん…霧切さんも、そう思うでしょ?」 霧「…そうね」 朝「えっ!?」 霧「私は、二度と希望を失いたくないわ」 朝「ちょっと、霧切ちゃん!苗木は霧切ちゃんをかばっ…て……え?」 霧「だから…」 苗「霧切さん…?」 霧「ここからは、私があなたを背負う…安心して、絶対見捨てたりしないわ」 霧「っ…ぐ、ぅっ!」 十「無理はやめろ!これ以上、足に負担をかけて歩けるような体じゃないだろう!」 腐「あ、あんたが一番、苗木を背負ってたのに…」 葉「無茶だって!足が折れるべ!」 霧「苗木君…みんなの希望を奪いたくない、そう言ったわね…」 苗「あ…」 霧「忘れた、の?…っ、あなたが私たちに希望をくれた…あなたが私たちの、希望そのものなのよ」 苗「き、霧切さん…」 霧「希望は絶対に捨てないわ…捨てるもんかっ…!」 霧(足がきしむっ…けれど、けれど…!私を庇った苗木君は、もっと痛かったはず…!) 霧(裁判のときだって、彼が私の矛盾を追及しなかったから、彼は処刑に追い込まれた…) 霧(もうこれ以上、私のせいで傷つかないで、苗木君…!) 病院にて 医「…」 朝「先生、苗木は…?」 医「酸性の薬品をかけられたようですね、皮膚の火傷が激しい」 葉「っ、助から、ないんか…?」 医「…即座に適切な手術を施せば、命に別条はありません。しかし…」 十「金なら、いくらでも用意してみせる…」 医「いえ、金銭的な問題ではなく…この中に、A型の血液の方は?」 腐「け、血液…」 医「なにせこの時世で、輸血用の血がほとんど回ってこないのです…無ければ、手術はできない」 霧「だったら、お願いします…私、A型です」 医「ふむ…しかし、相当な量になる。一人では足りるかどうか…もう一名いませんか?」  「…」「…」「…」「…」 霧「私から二人分、抜き取って使ってください」 医「君は相当な運動をしてきたでしょう…極度の疲労状態で血を抜きすぎれば、命に関わるかも…」 霧「…構いません」 朝「ちょ、ちょっと、本気!?」 十「おい…苗木がそんなことを望むと思うか?」 霧「望まないでしょうね、彼は他人優先のお人好しだから」 朝「だったら…」 霧「苗木君に助けられた命よ…   苗木君のために使えないのなら、私はこんな命要らない…!」 葉「おい、やめろって!別の輸血が届くのを待つとかさ…!」 腐「…いいじゃない、やらせてあげれば」 朝「ちょ、ちょっとあんたまで…」 腐「わ、私、その気持ち、ちょっとわかるから」 霧「…ありがと、腐川さん」 医「…わかった。あなたから血を貰いましょう。   あなたも彼も、両方救ってみせる。最善を、尽くします」 霧「あ、ありがとうござ パンっ!! 朝「キャアッ!」 腐「な、殴った…」 医「…その代わり二度と、命が要らないなんて言うんじゃない…!」 霧「…」 医「彼が目覚めたとき、君がいなかったら?君のために命を落としたと知ったら?   その絶望を考えたことがあるかい?わからなければ、逆の立場で考えてみなさい。   君にとって彼が希望であるように、彼にとっても君は希望なんだ。覚えておくんだ。いいね」 霧「っ…」 手術中、待合室で 朝「殴られてた、ね」 十「医者の前で『命が要らない』、なんて言うからだ」 腐「存在全否定、だしね…」 葉「でもさ、気持ちはわかるべ。俺ももし霧切っちの立場なら、同じこと思うだろうし」 十「ふん、くだらん…」 葉「カーッ、このツンデレ野郎が!お前さんだって絶対同じこと思うべ!」 十「俺か?…そうだな、ここで借りを作っておいて、奴が生き延びた後にたっぷり返してもらう、というのも…」 腐「び、白夜様の高飛車ツンデレ…萌え」 葉「素直に仲間を助けたいって、言えばいいべ!」 朝(違うよ、葉隠…霧切ちゃんが切羽詰まってたのは、単に「仲間だから」って理由だけじゃないよ…) ((((どうか、無事に手術が終わりますように…)))) 苗「う…ん…」 朝「あ、苗木!気がついた?」 苗「あれ、えっと、僕…」 朝「ここ病院だよ、病院!あの後のこと、覚えてる?もー、大変だったんだから!」 苗「うん…迷惑かけてゴメン」 朝「あ、謝られるのは、なんかちょっと違うな…あ、ストップ!動いちゃダメ」 苗「へ?」 霧「すー…すー…」 朝「あんたをここまで運んで、たくさん輸血して、それでも自分のベッドに行かないで、   『彼が目を覚ますまで、ここにいる』とか言っちゃうんだから、ホント強情だよねっ。   いいなあ、愛されてて。んじゃ、邪魔者はそろそろ出てくから、後は頑張ってね!」 苗「頑張って、って言われても…」 霧「すー…すー…」 苗「うーん…」 苗(ひざの上で寝られると、身動きとれないから何も出来ないよ…) 霧「…ん」 苗「あ、霧切さん、おはよう」 霧「苗木、くん…?」 苗「よだれ、出てるよ」 霧「っ!!?」ゴシゴシ 霧「…コホン。人の気も知らないで、随分と陽気なものね」 苗「うん…霧切さんが、助けてくれたんだよね。ありがとう」 霧「…お礼されるほどのことはしてないわ」 苗「『捨てるもんかっ!』『私はこんな命いらない!』『目を覚ますまで、ここにいる』だっけ?」 霧「そっ、それは………な、なんで知ってるのよ…」 苗「朝日奈さんから教えてもらったんだよ」 霧「…私をからかう元気はあるみたいね。思ったより重症じゃなくて、安心したわ」 苗「うん…でも、ね」 霧「…」 苗「両手の皮膚は、一生元に戻らないって、言われたんだ」 霧「…そう」 苗「…ね、霧切さん」 苗「さっき朝日奈さんが持ってきてくれたんだ、手を隠すための手袋。   コレ、おそろいなんだよ。ほら、両手」 霧「っ!!」 苗「あ…ゴメン、僕なんかとおそろいじゃ、嫌、かな…ハハ」 霧「…どうして、笑っていられるの」 霧「なんで、笑いかけられるの、私なんかに…」 苗「霧切さん…?」 霧「私のせいじゃない…!」 苗「霧切さん…」 霧「私を庇わなければ、あなたはそんな怪我はしなかった…!あの学級裁判でもそうよ!   自分が処刑を受けるかもしれないのに、私のこと庇ったりなんかするから…   ねえ、これが初めてじゃないのよ?私のせいで、あなたが傷つくこと…っ!   どうして責めないの?どうして笑いかけてくれるの…?   軽蔑してよ、罵倒してよ!殴りかかってきても構わないからっ…!」  (その方が、どれだけ気が楽か…) 苗「うーん、どうしてって、言われてもなあ」 霧「……」 苗「自分よりも、霧切さんの方が、大切だって思ったんだ」 苗「それにほら、なんていうか、僕がピンチになってもさ、   霧切さんが助けてくれるんじゃないか、って、なんとなく期待してるんだ。   アハハ、迷惑…だよね?」 霧「……馬鹿っ…」 苗「うん、自覚してる」 霧「底抜けの大馬鹿よ…ホント、無鉄砲のお人好しなんだから…」 苗「それは、霧切さんには言われたくないな」 霧「…生意気よ、苗木君のくせに」 苗「ゴメンゴメ…じゃないや…そっか、なるほど」 霧「…何一人で納得してるの?」 苗「いや、こう言う時はゴメンじゃないな、って思ってさ」 苗「ありがとう、霧切さん」 霧「…どういたしまして」 霧(…ありがとう、苗木君) ----
苗「霧切さん、あぶないっ!!」 霧「えっ…?」 バリン、じゅぅうううう 苗「っ、ぐあぁあああっ…」 朝「苗木!」 十「くそっ…今の奴、どっちに逃げた?」 葉「止めるベ、十神っち!追っても何の意味もないって!」 腐「こ、これ、投げられたの、薬瓶…?酷い匂い…」 朝「苗木、傷見せて!」 「っ…!」「うわ…」「ひっ…」「……」 腐「火傷みたく、た、ただれてる…あぁ、無理…」 霧(私が油断しなければ、こんなことには…) 朝「苗木、気絶しちゃった…」 十「…どうするんだ、これから」 葉「背負って病院まで行くに決まってるベ!」 腐「どこにあるのかも分からないのに?着いても、まともに機能していないかも…」 朝「そ、それでも行くしかないよ!見捨てられないもん!」 十「…まあ、異論はないな」 霧「…私が最初に背負うわ。こうなった原因は、そもそも私なのだから」  ~数時間後~ 葉「…だ、だいぶ歩いたベ…俺もう限界、誰か、交代…」  「…」「…」「…」 朝「あ、次はあたしが背負うよ!この中じゃ一番体力あるし」 腐「で、でもあんた、さっき交代したばかりじゃない…」 朝「平気平気、よいしょっ…あ、れ、おっかしーな……っ、ふんっ!…」 腐「ほ、ほら見なさいよ、立つことも出来ないじゃない…わ、私が代わりに…」 十「…お前は酸欠になるまで無理するからダメだ」 葉「みんな限界だべ…」 十「…やっぱり無理なんじゃないか、一人を担いで病院まで目指すのは」 霧(!?) 朝「…どういう意味?苗木を置いてくってこと…!?」 十「全員が共倒れになるより、遥かにマシだろう…」 朝「まだ共倒れになるかどうかなんて、わかんないじゃん!」 十「現に一番体力があると自負していたお前が、既にフラフラじゃないか!」 葉「お、落ち付くベ!二人とも…」 十「このまま身動きが取れなくなっているところを襲われたら、一環の終わりだ…」 朝「だからって見捨てるの!?酷いよ、冷たいよ!こいつのおかげで、私たちがどれだけ希望を…」 霧(…) 十「俺が好き好んで、こんなことを言っていると思うのか!?」 朝「っ…」 十「…完全に見捨てるわけじゃない、医者を見つけたら、またここに戻ればいい」 朝「それまで苗木が持つかわからないじゃん…それに、こんな危険な場所に置き去りにして、万が一のことがあれば…」 腐「し、仕方ないことなのよ…適応できない人間に合わせたら、みんな死んでいく…動けるメンバーで行くべきだわ…」 葉「でも…これじゃ、あいつが最後に学級裁判で俺らにさせたことと全く同じだべ…」 十「一人のために全員が地獄に落ちるか、一人を見捨てて全員で生き延びるか…くそっ」 苗「…っ、み、みんな…」 霧「苗木…君? 苗木君!?気がついた?」 苗「…朝日奈さん、気持ちは嬉しいよ…でも、十神君の言うとおりだ」 朝「っ…苗木ぃ…」 苗「僕のことは置いて行って。お願いだよ…」 葉「苗木っち…」 苗「なんの取り柄もない僕だけれど、みんなは優しく接してくれた…」 十「苗木…」 苗「だからこそ、せめて、みんなの足手まといにだけは、なりたくないんだよ…」 腐「な、苗木…」 苗「みんなの希望を奪うような真似、したくないんだ。だから…」 霧「…」 苗「ね、霧切さん…霧切さんも、そう思うでしょ?」 霧「…そうね」 朝「えっ!?」 霧「私は、二度と希望を失いたくないわ」 朝「ちょっと、霧切ちゃん!苗木は霧切ちゃんをかばっ…て……え?」 霧「だから…」 苗「霧切さん…?」 霧「ここからは、私があなたを背負う…安心して、絶対見捨てたりしないわ」 霧「っ…ぐ、ぅっ!」 十「無理はやめろ!これ以上、足に負担をかけて歩けるような体じゃないだろう!」 腐「あ、あんたが一番、苗木を背負ってたのに…」 葉「無茶だって!足が折れるべ!」 霧「苗木君…みんなの希望を奪いたくない、そう言ったわね…」 苗「あ…」 霧「忘れた、の?…っ、あなたが私たちに希望をくれた…あなたが私たちの、希望そのものなのよ」 苗「き、霧切さん…」 霧「希望は絶対に捨てないわ…捨てるもんかっ…!」 霧(足がきしむっ…けれど、けれど…!私を庇った苗木君は、もっと痛かったはず…!) 霧(裁判のときだって、彼が私の矛盾を追及しなかったから、彼は処刑に追い込まれた…) 霧(もうこれ以上、私のせいで傷つかないで、苗木君…!) 病院にて 医「…」 朝「先生、苗木は…?」 医「酸性の薬品をかけられたようですね、皮膚の火傷が激しい」 葉「っ、助から、ないんか…?」 医「…即座に適切な手術を施せば、命に別条はありません。しかし…」 十「金なら、いくらでも用意してみせる…」 医「いえ、金銭的な問題ではなく…この中に、A型の血液の方は?」 腐「け、血液…」 医「なにせこの時世で、輸血用の血がほとんど回ってこないのです…無ければ、手術はできない」 霧「だったら、お願いします…私、A型です」 医「ふむ…しかし、相当な量になる。一人では足りるかどうか…もう一名いませんか?」  「…」「…」「…」「…」 霧「私から二人分、抜き取って使ってください」 医「君は相当な運動をしてきたでしょう…極度の疲労状態で血を抜きすぎれば、命に関わるかも…」 霧「…構いません」 朝「ちょ、ちょっと、本気!?」 十「おい…苗木がそんなことを望むと思うか?」 霧「望まないでしょうね、彼は他人優先のお人好しだから」 朝「だったら…」 霧「苗木君に助けられた命よ…   苗木君のために使えないのなら、私はこんな命要らない…!」 葉「おい、やめろって!別の輸血が届くのを待つとかさ…!」 腐「…いいじゃない、やらせてあげれば」 朝「ちょ、ちょっとあんたまで…」 腐「わ、私、その気持ち、ちょっとわかるから」 霧「…ありがと、腐川さん」 医「…わかった。あなたから血を貰いましょう。   あなたも彼も、両方救ってみせる。最善を、尽くします」 霧「あ、ありがとうござ パンっ!! 朝「キャアッ!」 腐「な、殴った…」 医「…その代わり二度と、命が要らないなんて言うんじゃない…!」 霧「…」 医「彼が目覚めたとき、君がいなかったら?君のために命を落としたと知ったら?   その絶望を考えたことがあるかい?わからなければ、逆の立場で考えてみなさい。   君にとって彼が希望であるように、彼にとっても君は希望なんだ。覚えておくんだ。いいね」 霧「っ…」 手術中、待合室で 朝「殴られてた、ね」 十「医者の前で『命が要らない』、なんて言うからだ」 腐「存在全否定、だしね…」 葉「でもさ、気持ちはわかるべ。俺ももし霧切っちの立場なら、同じこと思うだろうし」 十「ふん、くだらん…」 葉「カーッ、このツンデレ野郎が!お前さんだって絶対同じこと思うべ!」 十「俺か?…そうだな、ここで借りを作っておいて、奴が生き延びた後にたっぷり返してもらう、というのも…」 腐「び、白夜様の高飛車ツンデレ…萌え」 葉「素直に仲間を助けたいって、言えばいいべ!」 朝(違うよ、葉隠…霧切ちゃんが切羽詰まってたのは、単に「仲間だから」って理由だけじゃないよ…) ((((どうか、無事に手術が終わりますように…)))) 苗「う…ん…」 朝「あ、苗木!気がついた?」 苗「あれ、えっと、僕…」 朝「ここ病院だよ、病院!あの後のこと、覚えてる?もー、大変だったんだから!」 苗「うん…迷惑かけてゴメン」 朝「あ、謝られるのは、なんかちょっと違うな…あ、ストップ!動いちゃダメ」 苗「へ?」 霧「すー…すー…」 朝「あんたをここまで運んで、たくさん輸血して、それでも自分のベッドに行かないで、   『彼が目を覚ますまで、ここにいる』とか言っちゃうんだから、ホント強情だよねっ。   いいなあ、愛されてて。んじゃ、邪魔者はそろそろ出てくから、後は頑張ってね!」 苗「頑張って、って言われても…」 霧「すー…すー…」 苗「うーん…」 苗(ひざの上で寝られると、身動きとれないから何も出来ないよ…) 霧「…ん」 苗「あ、霧切さん、おはよう」 霧「苗木、くん…?」 苗「よだれ、出てるよ」 霧「っ!!?」ゴシゴシ 霧「…コホン。人の気も知らないで、随分と陽気なものね」 苗「うん…霧切さんが、助けてくれたんだよね。ありがとう」 霧「…お礼されるほどのことはしてないわ」 苗「『捨てるもんかっ!』『私はこんな命いらない!』『目を覚ますまで、ここにいる』だっけ?」 霧「そっ、それは………な、なんで知ってるのよ…」 苗「朝日奈さんから教えてもらったんだよ」 霧「…私をからかう元気はあるみたいね。思ったより重症じゃなくて、安心したわ」 苗「うん…でも、ね」 霧「…」 苗「両手の皮膚は、一生元に戻らないって、言われたんだ」 霧「…そう」 苗「…ね、霧切さん」 苗「さっき朝日奈さんが持ってきてくれたんだ、手を隠すための手袋。   コレ、おそろいなんだよ。ほら、両手」 霧「っ!!」 苗「あ…ゴメン、僕なんかとおそろいじゃ、嫌、かな…ハハ」 霧「…どうして、笑っていられるの」 霧「なんで、笑いかけられるの、私なんかに…」 苗「霧切さん…?」 霧「私のせいじゃない…!」 苗「霧切さん…」 霧「私を庇わなければ、あなたはそんな怪我はしなかった…!あの学級裁判でもそうよ!   自分が処刑を受けるかもしれないのに、私のこと庇ったりなんかするから…   ねえ、これが初めてじゃないのよ?私のせいで、あなたが傷つくこと…っ!   どうして責めないの?どうして笑いかけてくれるの…?   軽蔑してよ、罵倒してよ!殴りかかってきても構わないからっ…!」  (その方が、どれだけ気が楽か…) 苗「うーん、どうしてって、言われてもなあ」 霧「……」 苗「自分よりも、霧切さんの方が、大切だって思ったんだ」 苗「それにほら、なんていうか、僕がピンチになってもさ、   霧切さんが助けてくれるんじゃないか、って、なんとなく期待してるんだ。   アハハ、迷惑…だよね?」 霧「……馬鹿っ…」 苗「うん、自覚してる」 霧「底抜けの大馬鹿よ…ホント、無鉄砲のお人好しなんだから…」 苗「それは、霧切さんには言われたくないな」 霧「…生意気よ、苗木君のくせに」 苗「ゴメンゴメ…じゃないや…そっか、なるほど」 霧「…何一人で納得してるの?」 苗「いや、こう言う時はゴメンじゃないな、って思ってさ」 苗「ありがとう、霧切さん」 霧「…どういたしまして」 霧(…ありがとう、苗木君) ----

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