霧切さんが妊娠したようです

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霧切さんが妊娠したようです」(2011/07/15 (金) 19:51:25) の最新版変更点

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霧切「苗木君…その…」 苗木「どうしたの?改まって」 霧切「……最近…来ないんだけど」 苗木「何が?」 霧切「だから、…生理、が」 苗木「」 霧切「…と、付き合っている男性に言って、自分を真剣に愛してくれているかを測る方法があるらしいわね」 苗木「う、え?」 霧切「ふふ…ちゃんと毎回付けてるし、大丈夫よ。あなたに迷惑はかけられないから」 苗木「あ、また僕のことからかったんだね?ひどいよ…!」 霧切(でも、あの反応…やっぱり、快くは思われないみたいね) ――数ヵ月後―― 霧切「ん…」 苗木「最近疲れてるの?元気ないし、酸っぱいもの欲しがるし…」 霧切「…そうね、ちょっと熱っぽいかも」 苗木「…今日は僕がご飯作るよ。霧切さんは休んでて」 霧切「そういうわけにもいかないわ…」 苗木「いいから。いつも霧切さん頑張ってるんだし、今日くらい休んでも罰は当たらないよ」 霧切「…それじゃあ、お言葉に甘えて」 霧切「…」 霧切「…家庭を持ったら、こんな感じなのかしら」 苗木「え、何?」 霧切「なんでもな……、っ」 霧切(急に、吐き気が…本当に体調を崩してしまったのかしら) 霧切(そういえば生理も遅れてるし…まさか、ね) ―――――――― 霧切「一応検査薬は買ってみたけれど…まあ、使い方を知っておくのも悪くないし」 霧切「えっと…こうすればいいのね…」 霧切「!!」 霧切「嘘…陽性、だなんて、そんな…だって、いつも付けているのに…」 霧切「これは、何かの間違いよ…ちゃんと病院で、検査を…」 ―――――――― 医師「ええ、おめでたですね」 霧切「……」 医師「まだ性別は分かりませんが…おそらく、双子でしょう」 霧切「そう、ですか…」 医師「どうかしましたか?」 霧切「いえ、……ありがとうございました」 ―――――――― 苗木「あ…お帰りなさい、霧切さん」 霧切「ええ…ただいま」 苗木「どこに行ってたの?」 霧切「……病院よ。体調が優れなかったから…点滴か薬でも、もらおうかと思って」 苗木「えっ…大丈夫、なの?」 霧切「ええ、問題ないわ。苗木君には負担のかからないように…」 苗木「そうじゃなくて。具合悪くなったらすぐに言ってね?」 霧切「ふふ…そんな、捨てられた犬みたいな顔して言わなくても、ホントに大丈夫よ」 苗木「い、犬って…僕は本気で心配して、」 霧切「ええ、わかってるわ。ありがとう、苗木君」 霧切「……」 霧切(…言えない) 霧切(苗木君には、言えない……) ―――――――― 霧切(どうしよう……) 霧切(中絶……、っ、ダメよ響子、安易に決断しては!…生まれてくる命に、罪はないわ) 霧切(苗木君との間に授かった命…嬉しくないと言えば嘘になるけれど) 霧切(産めば、確実に彼に負担をかける…探偵業は休まなければいけないし、費用も馬鹿にならない…) 霧切「……一人で、育てるしか…」 ―――――――― 霧切「苗木君、ちょっといいかしら?」 苗木「ん、何?」 霧切「…あなたに、話しておかなければならないことがあるから」 苗木「え…どうしたの、改まって」 霧切「…来月からしばらく、私は霧切の実家で暮らすことになったの」 苗木「へ?」 霧切「そうね、向こう6年くらいかしら…」 霧切「――だから、しばらく会えなくなるわ。私のことは忘れて、もっと…もっと、可愛げのある女の子と、」 苗木「ま、待ってよ…別れるってこと!?」 霧切「…」 苗木「…僕のことなんか、もう好きじゃないってこと…?」 霧切「っ……それは、違う。あなたのことは…ずっと、好きよ。愛している」 苗木「ぼ、僕だってそうだよ!」 霧切「…ありがとう。もし6年後までその気持ちが変わらなければ、もう一度出会った時に、同じ言葉を聞かせて、」 苗木「霧切さん!!」 霧切「っ…」 苗木「何が何だか分からないよ。ちゃんと説明して。どうして実家に帰るのか、どうして…別れなくちゃいけないのか」 霧切「そ、それは…」 苗木「言えないようなことなの?」 霧切「…、うっ!!」 苗木「霧切さん!?」 霧切「う、ぐふっ…お、ぇ…」 苗木「霧切さん、もしかして…そういえば前から、熱っぽかったり、酸っぱいもの欲しがったり…」 霧切「……」 苗木「……ホントに?」 霧切「っ…ゴメンなさい、苗木君…でも」 霧切「私はこの子たちを…産みたい。あなたとの間に授かった命を、大切に育てたい」 霧切「勝手を許して。あなたには迷惑はかけないわ…仕事を続けながら、実家で子育てをするから」 霧切「お願いよ、苗木君…他には何も望まないから、だからあなたとの子を…!」 苗木「霧切さん」 苗木「――そのお願いは、聞けないよ」 霧切「そ、んな……」 苗木「……」 霧切「…そうよね、分かってた。私が子供を産むことを、あなたが望んでいないことくらい」 霧切「…だけど」 霧切「中絶はしないわ。養育費も自分で稼ぐし、子育てと仕事を両立させてみせる」 苗木「…そんな簡単な事じゃないよ」 霧切「分かってる。それでも、私が自分で好きにやる分には、あなたも口出しを出来ないはずよ。私一人で――」 苗木「…ダメだ」 霧切「っ……私一人で、育ててみせる…!」 苗木「ダメだよ、だって」 苗木「僕の子供でも、あるんだから」 霧切「――え?」 苗木「独り占めなんかさせないよ。だから、霧切さんは子育てに専念して。養育費は、僕が稼いでみせる」 苗木「生まれた赤ちゃんをこの手で抱きあげたいから、実家にも帰してあげないし」 苗木「お腹の中の子供に負担がかからないように、家事はこれから僕がやるからね」 霧切「な、えぎ…」 苗木「どうしてあんなこと言ったの?実家に帰って、一人で育てるだなんて」 霧切「そんな、だって……嫌じゃないの?私が身ごもったこと…」 苗木「何で?嬉しいに決まっているじゃないか!そりゃ、最初は驚いたけれど…だって、僕と霧切さんの子どもなんだよ?」 霧切「……ええ、そうね」 苗木「霧切さんは?」 霧切「あなたの言う通りよ。最初は驚いたけれど、私も嬉しいわ」 霧切(…何より、あなたが喜んでくれたことが、一番――) 苗木「うん…ありがとう、霧切さん」 霧切「こちらこそ…苗木君。素敵な子供に育てましょう」 ――十数年後――― 「ねえ、知ってる?『超高校級の双子』」 「ああ、来月うちの学校に転入してくる奴らだろ?でも、どこが超高校級なんだ?」 「うーん、今まとめスレ見てるんだけどね」 「どれ…双子って言っても、全然似てないな。男の方は白髪で色白だし、女の方はチビでぱっとしないし」 「でも、ほら…これ。両親が、うちのOBとOGらしいね」 「えーと、なになに…『親の七光という幸運に溺れることなく、母親を見習って海外に進出、ボランティア活動に従事…』」 「『一見して能力は平凡だが、互いをカバーして困難を乗り越えていく姿は、周囲に希望を与える』か。うーん」 「なんかパッとしない奴らだな…っておい、OBの父親って、ここの」 「うん、学園長だよ」 「マジかよ…そういうのって、いいのか?ずるくない?」 「いや、それがさ。学園長はこの二人を入学させるつもりはなかったみたいなんだけどね。  なんと、毎年ランダムで一人選ばれる、あの『超高校級の幸運』の特別枠に、なぜかこの双子が選ばれたらしいんだよ」 「ふーん、奇妙な事もあるもんだな…」 「ちょっと運命感じちゃうよね。ね、学園長って確か」 「ああ、出来ちゃった結婚だろ。奥さんの方の実家にまで乗りこんで、親御さんを説得して、ってやつ」 「すごいよね、『超高校級の幸運』で偶然編入した凡人が、学園長の娘と恋に落ちて…くぅー、ドラマチック~!」 「っていうか、今は『超高校級の幸運』じゃないだろ」 「え?…あ、そっか。今の学園長が就任してから、呼び方が変わったんだよね、確か――」 「『超高校級の希望』」 ----
霧切「苗木君…その…」 苗木「どうしたの?改まって」 霧切「……最近…来ないんだけど」 苗木「何が?」 霧切「だから、…生理、が」 苗木「」 霧切「…と、付き合っている男性に言って、自分を真剣に愛してくれているかを測る方法があるらしいわね」 苗木「う、え?」 霧切「ふふ…ちゃんと毎回付けてるし、大丈夫よ。あなたに迷惑はかけられないから」 苗木「あ、また僕のことからかったんだね?ひどいよ…!」 霧切(でも、あの反応…やっぱり、快くは思われないみたいね) ――数ヵ月後―― 霧切「ん…」 苗木「最近疲れてるの?元気ないし、酸っぱいもの欲しがるし…」 霧切「…そうね、ちょっと熱っぽいかも」 苗木「…今日は僕がご飯作るよ。霧切さんは休んでて」 霧切「そういうわけにもいかないわ…」 苗木「いいから。いつも霧切さん頑張ってるんだし、今日くらい休んでも罰は当たらないよ」 霧切「…それじゃあ、お言葉に甘えて」 霧切「…」 霧切「…家庭を持ったら、こんな感じなのかしら」 苗木「え、何?」 霧切「なんでもな……、っ」 霧切(急に、吐き気が…本当に体調を崩してしまったのかしら) 霧切(そういえば生理も遅れてるし…まさか、ね) ―――――――― 霧切「一応検査薬は買ってみたけれど…まあ、使い方を知っておくのも悪くないし」 霧切「えっと…こうすればいいのね…」 霧切「!!」 霧切「嘘…陽性、だなんて、そんな…だって、いつも付けているのに…」 霧切「これは、何かの間違いよ…ちゃんと病院で、検査を…」 ―――――――― 医師「ええ、おめでたですね」 霧切「……」 医師「まだ性別は分かりませんが…おそらく、双子でしょう」 霧切「そう、ですか…」 医師「どうかしましたか?」 霧切「いえ、……ありがとうございました」 ―――――――― 苗木「あ…お帰りなさい、霧切さん」 霧切「ええ…ただいま」 苗木「どこに行ってたの?」 霧切「……病院よ。体調が優れなかったから…点滴か薬でも、もらおうかと思って」 苗木「えっ…大丈夫、なの?」 霧切「ええ、問題ないわ。苗木君には負担のかからないように…」 苗木「そうじゃなくて。具合悪くなったらすぐに言ってね?」 霧切「ふふ…そんな、捨てられた犬みたいな顔して言わなくても、ホントに大丈夫よ」 苗木「い、犬って…僕は本気で心配して、」 霧切「ええ、わかってるわ。ありがとう、苗木君」 霧切「……」 霧切(…言えない) 霧切(苗木君には、言えない……) ―――――――― 霧切(どうしよう……) 霧切(中絶……、っ、ダメよ響子、安易に決断しては!…生まれてくる命に、罪はないわ) 霧切(苗木君との間に授かった命…嬉しくないと言えば嘘になるけれど) 霧切(産めば、確実に彼に負担をかける…探偵業は休まなければいけないし、費用も馬鹿にならない…) 霧切「……一人で、育てるしか…」 ―――――――― 霧切「苗木君、ちょっといいかしら?」 苗木「ん、何?」 霧切「…あなたに、話しておかなければならないことがあるから」 苗木「え…どうしたの、改まって」 霧切「…来月からしばらく、私は霧切の実家で暮らすことになったの」 苗木「へ?」 霧切「そうね、向こう6年くらいかしら…」 霧切「――だから、しばらく会えなくなるわ。私のことは忘れて、もっと…もっと、可愛げのある女の子と、」 苗木「ま、待ってよ…別れるってこと!?」 霧切「…」 苗木「…僕のことなんか、もう好きじゃないってこと…?」 霧切「っ……それは、違う。あなたのことは…ずっと、好きよ。愛している」 苗木「ぼ、僕だってそうだよ!」 霧切「…ありがとう。もし6年後までその気持ちが変わらなければ、もう一度出会った時に、同じ言葉を聞かせて、」 苗木「霧切さん!!」 霧切「っ…」 苗木「何が何だか分からないよ。ちゃんと説明して。どうして実家に帰るのか、どうして…別れなくちゃいけないのか」 霧切「そ、それは…」 苗木「言えないようなことなの?」 霧切「…、うっ!!」 苗木「霧切さん!?」 霧切「う、ぐふっ…お、ぇ…」 苗木「霧切さん、もしかして…そういえば前から、熱っぽかったり、酸っぱいもの欲しがったり…」 霧切「……」 苗木「……ホントに?」 霧切「っ…ゴメンなさい、苗木君…でも」 霧切「私はこの子たちを…産みたい。あなたとの間に授かった命を、大切に育てたい」 霧切「勝手を許して。あなたには迷惑はかけないわ…仕事を続けながら、実家で子育てをするから」 霧切「お願いよ、苗木君…他には何も望まないから、だからあなたとの子を…!」 苗木「霧切さん」 苗木「――そのお願いは、聞けないよ」 霧切「そ、んな……」 苗木「……」 霧切「…そうよね、分かってた。私が子供を産むことを、あなたが望んでいないことくらい」 霧切「…だけど」 霧切「中絶はしないわ。養育費も自分で稼ぐし、子育てと仕事を両立させてみせる」 苗木「…そんな簡単な事じゃないよ」 霧切「分かってる。それでも、私が自分で好きにやる分には、あなたも口出しを出来ないはずよ。私一人で――」 苗木「…ダメだ」 霧切「っ……私一人で、育ててみせる…!」 苗木「ダメだよ、だって」 苗木「僕の子供でも、あるんだから」 霧切「――え?」 苗木「独り占めなんかさせないよ。だから、霧切さんは子育てに専念して。養育費は、僕が稼いでみせる」 苗木「生まれた赤ちゃんをこの手で抱きあげたいから、実家にも帰してあげないし」 苗木「お腹の中の子供に負担がかからないように、家事はこれから僕がやるからね」 霧切「な、えぎ…」 苗木「どうしてあんなこと言ったの?実家に帰って、一人で育てるだなんて」 霧切「そんな、だって……嫌じゃないの?私が身ごもったこと…」 苗木「何で?嬉しいに決まっているじゃないか!そりゃ、最初は驚いたけれど…だって、僕と霧切さんの子どもなんだよ?」 霧切「……ええ、そうね」 苗木「霧切さんは?」 霧切「あなたの言う通りよ。最初は驚いたけれど、私も嬉しいわ」 霧切(…何より、あなたが喜んでくれたことが、一番――) 苗木「うん…ありがとう、霧切さん」 霧切「こちらこそ…苗木君。素敵な子供に育てましょう」 ――十数年後――― 「ねえ、知ってる?『超高校級の双子』」 「ああ、来月うちの学校に転入してくる奴らだろ?でも、どこが超高校級なんだ?」 「うーん、今まとめスレ見てるんだけどね」 「どれ…双子って言っても、全然似てないな。男の方は白髪で色白だし、女の方はチビでぱっとしないし」 「でも、ほら…これ。両親が、うちのOBとOGらしいね」 「えーと、なになに…『親の七光という幸運に溺れることなく、母親を見習って海外に進出、ボランティア活動に従事…』」 「『一見して能力は平凡だが、互いをカバーして困難を乗り越えていく姿は、周囲に希望を与える』か。うーん」 「なんかパッとしない奴らだな…っておい、OBの父親って、ここの」 「うん、学園長だよ」 「マジかよ…そういうのって、いいのか?ずるくない?」 「いや、それがさ。学園長はこの二人を入学させるつもりはなかったみたいなんだけどね。  なんと、毎年ランダムで一人選ばれる、あの『超高校級の幸運』の特別枠に、なぜかこの双子が選ばれたらしいんだよ」 「ふーん、奇妙な事もあるもんだな…」 「ちょっと運命感じちゃうよね。ね、学園長って確か」 「ああ、出来ちゃった結婚だろ。奥さんの方の実家にまで乗りこんで、親御さんを説得して、ってやつ」 「すごいよね、『超高校級の幸運』で偶然編入した凡人が、学園長の娘と恋に落ちて…くぅー、ドラマチック~!」 「っていうか、今は『超高校級の幸運』じゃないだろ」 「え?…あ、そっか。今の学園長が就任してから、呼び方が変わったんだよね、確か――」 「『超高校級の希望』」 ----

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