大人ナエギリ10月~3月

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 神無月は落葉 霧「…さすがに買いすぎだと思うんだけど」 苗「サツマイモ、ジャガイモ、マツタケ、銀杏、栗…秋はやっぱり焚火だよね!」 霧「手伝うけれど、私は食べないわよ」 苗「どうして?せっかく呼んだのに」 霧「…その理由を聞くのは、野暮というものよ」 苗「…ああ、なるほどね。僕にばっか働かせて、自分は飲んで食べるだけなんだから」 苗「んー…でも、霧切さん別に太ってないよ」 霧「…あまり女性にそういうこと言及しない。見えないところに着々と溜まっているの。ほら、落ち葉集めたから」 苗(でも、霧切さんに食べてもらわないと、消費手がないなぁ) 苗「霧切さん、ホラ。ジャガイモ焼けたよ」 霧「……」 苗「甘くて美味しいよ。あ、バターと塩辛はクーラーボックスに入ってるからね」 霧「……怒るわよ、苗木君」 苗「いらないなら、僕が全部あとで食べちゃうけど」 霧「いい根性してるわね。九月の仕返しのつもり?」 苗「あ、ビールもクーラーボックスの中だ。キンキンに冷やしておいたから」 霧「…はあ。負けたわ。食べればいいんでしょう。…増えたら恨むから」 ----  霜月は雪待ち 霧「お邪魔してるわよ、苗木君」グビッ 苗「…ちょっと、何飲んでるの」 霧「ボジョレー・ヌヴォーがあるのなら、私も呼んでくれればいいのに。冷たいのね」 苗「……もう、楽しみにしてたのに。ボジョレヌーヴォ」 霧「ボジョレー・ヌヴォーよ。発音が違うわ」 苗「なんだっていいよ、もう。…はあ」 霧「ところでその手に持っているのは、もしかしておつまみ?」 苗「はいはい、どうぞお召し上がりください」 霧「気が利くわね。今日は何かしら?」 苗「フランスパンのガーリックトーストと、ゴルゴンゾーラのペンネでございます、お客様」 霧「ありがとう。この家に来ると肴に困らないわ」 苗「…いつもいつも何かあると思わないでね。財布が厳しい時は、何も作れないから」 霧「それでもいいのよ」 苗「そうなの?」 霧「ええ。それでも肴はあるから」 苗「?」 霧「ふふ…食べるものばかりが肴じゃないってことよ」 苗「全然わかんないよ…」 ----  師走はクリスマス 苗「クリスマスって言ったら、普通はワインやケーキやローストチキンになるのかな」 霧「あら、私はあなたの料理が食べられるなら何でもいいわ」 苗「ホント、『花より団子』が服着て歩いてるみたい」 霧「何か言ったかしら?」 苗「ううん。霧切さんには、ケーキとかワインの方が似合うかなと思って」 霧「洋風な方が、ってこと?」 苗「ううん、華やかな方が、ってこと」 霧「嬉しいこと言ってくれるわね。何か手伝う?」 苗「大丈夫、もう出来たから。あ、冷蔵庫からポン酢出してくれる?」 苗「はい、出来たよ。みぞれ鍋」 霧「…大根おろしの入った鍋なんて、初めて見たわ」 苗「お皿貸して」 霧「豆腐と白菜ともも肉とシイタケをお願い。あ、大根おろしは多目でね」 苗「はいはい。カンパーイ」 霧「はい、乾杯。お鍋にシャンパンというのも珍しいわ」 霧「…今更だけど、苗木君はこんなクリスマスで良かったの?」 苗「何が?」 霧「私はお酒を飲んで、あなたの手料理を食べて、それは楽しいけれど…あなたはそれで、いいのかなって」 苗「…ホントに今更だね」 霧「うるさいわね」 苗「僕は霧切さんと一緒にいられるなら、なんでもいいよ」 霧「……」 霧「…苗木君。このこたつ、隙間風が入るわ」 苗「え?」 霧「あなたが離れて座ってるからよ。もう少し、こっちに寄りなさい」 苗「……うん」 ----  睦月は正月 苗「……あ、この年賀状、霧切さんからだ」 霧「実家から出したのよ。今頃届くなんて」 苗「わ、写真の霧切さん、着物着てる…すごい綺麗」 霧「っ……執事が無理矢理着せて写真を撮って、全部の年賀状に印刷したのよ…」 苗「いいじゃない、似合ってるんだから」 霧「…うるさい。早くおせちを持ってきなさい」 苗「今日は何のお酒持ってきたの?」 霧「実家で作っているお屠蘇よ」 苗「…、……そう」 霧「盃を出しなさい。注いであげるわ」 苗「いや、僕は…」 霧「出しなさい。女に注がれた酒を、まさか飲めないとは言わないわよね?」 苗「うぅ…あんまり好きじゃないんだよね、お屠蘇」 苗「じゃあ、着物姿の霧切さんを肴に、ぐぐっと一杯」 霧「やめなさい、馬鹿」 ----  如月は節分 苗「霧切さんが料理するなんて、珍しいよね」 霧「失礼ね。あなたが普段から料理の腕を振るってるから、披露する隙がなかっただけよ」 苗「あ、節分で使った落花生?」 霧「ピーナッツをチョコで絡めて冷やすだけ。冷蔵庫にウィスキーも入ってるわ」 苗「また甘いものでお酒?太るよー」 霧「……」 苗(あれ?いつもだったら怒られるのに…) 霧「食べるのは私じゃないから、大丈夫よ」 苗「そうなの?…わ、これワイルドターキー!?渋いの選んでくるね…」 霧「…前、あなたそれが美味しいって言ってたでしょ」 霧「苗木君…今日、節分からちょうど十日たったわね」 苗「え?うん」 霧「それで、ちょうど十二時…日付が変わったわね」 苗「そうだね」 霧「……ここまで言えば…分かるわね?」 苗「???」 霧「…チョコ食べてウィスキー飲んで、さっさと帰りなさい」 苗「え、ちょっと待ってよ、どういうこと?」 ----  弥生は雛祭り 霧「ひな人形なんて、久しぶりに並べたわ」 苗「…もう女の子なんて年齢じゃないでしょ」 霧「言ってくれるわね。女はいくつになっても、少女の心を忘れないものよ……っぷは」 苗「…白酒グビグビ飲みながら言わないでよ」 霧「ひな人形を肴に、白酒を飲む…桃の節句は、これに限るわね」 苗「じゃあ、おつまみはいらないかな?ホタテのニンニク焼きなんだけど」 霧「…そんなこと言ってないでしょう。よこしなさい」 苗「はいはい」 苗「久しぶりって言ってたけど、いつ以来?」 霧「そうね…小学校、に入るよりももっと前くらい…かしら」 苗「そんなに?」 霧「……お母様が亡くなってから。実家で作法を知る人間がいなかったのよ」 苗「…そっか」 霧「でも、ずっと仕舞ったままじゃ、この子達も可哀想でしょう」 苗「そうやって人間扱いすると、意思が宿るっていうよね…日本人形とか」 霧「あなた、情緒のわからない人間だと言われない?」 霧「さて、そろそろ仕舞わなきゃ」 苗「え、もう? 出したばかりなのに」 霧「ずっと出していると婚期が遅れる、というでしょう。それとも、あなたが責任取ってくれるの?」 苗「……いいよ」 霧「…は?」 苗「今までできなかった分も、合わせてさ」 霧「……」 苗「来年からは、一緒にやろうよ」 霧「苗木君、それって、」 苗「こ、ここまで言えば、分かるよね」 霧「…意趣返しのつもり?分からないわ。全然」 苗「う…いつも僕には、最後まで言ってくれないくせに」 霧「分かってる…でも、こういうことはちゃんと、言葉にして言ってほしいのよ…」 苗「だから…」 苗「僕が、責任取るよ」 霧「え…」 苗「責任取るから…いいよね、霧切さん」 霧「え、あの、ちょっと、…苗木君…」 ----
 神無月は落葉 霧「…さすがに買いすぎだと思うんだけど」 苗「サツマイモ、ジャガイモ、マツタケ、銀杏、栗…秋はやっぱり焚火だよね!」 霧「手伝うけれど、私は食べないわよ」 苗「どうして?せっかく呼んだのに」 霧「…その理由を聞くのは、野暮というものよ」 苗「…ああ、なるほどね。僕にばっか働かせて、自分は飲んで食べるだけなんだから」 苗「んー…でも、霧切さん別に太ってないよ」 霧「…あまり女性にそういうこと言及しない。見えないところに着々と溜まっているの。ほら、落ち葉集めたから」 苗(でも、霧切さんに食べてもらわないと、消費手がないなぁ) 苗「霧切さん、ホラ。ジャガイモ焼けたよ」 霧「……」 苗「甘くて美味しいよ。あ、バターと塩辛はクーラーボックスに入ってるからね」 霧「……怒るわよ、苗木君」 苗「いらないなら、僕が全部あとで食べちゃうけど」 霧「いい根性してるわね。九月の仕返しのつもり?」 苗「あ、ビールもクーラーボックスの中だ。キンキンに冷やしておいたから」 霧「…はあ。負けたわ。食べればいいんでしょう。…増えたら恨むから」 ----  霜月は雪待ち 霧「お邪魔してるわよ、苗木君」グビッ 苗「…ちょっと、何飲んでるの」 霧「ボジョレー・ヌヴォーがあるのなら、私も呼んでくれればいいのに。冷たいのね」 苗「……もう、楽しみにしてたのに。ボジョレヌーヴォ」 霧「ボジョレー・ヌヴォーよ。発音が違うわ」 苗「なんだっていいよ、もう。…はあ」 霧「ところでその手に持っているのは、もしかしておつまみ?」 苗「はいはい、どうぞお召し上がりください」 霧「気が利くわね。今日は何かしら?」 苗「フランスパンのガーリックトーストと、ゴルゴンゾーラのペンネでございます、お客様」 霧「ありがとう。この家に来ると肴に困らないわ」 苗「…いつもいつも何かあると思わないでね。財布が厳しい時は、何も作れないから」 霧「それでもいいのよ」 苗「そうなの?」 霧「ええ。それでも肴はあるから」 苗「?」 霧「ふふ…食べるものばかりが肴じゃないってことよ」 苗「全然わかんないよ…」 ----  師走はクリスマス 苗「クリスマスって言ったら、普通はワインやケーキやローストチキンになるのかな」 霧「あら、私はあなたの料理が食べられるなら何でもいいわ」 苗「ホント、『花より団子』が服着て歩いてるみたい」 霧「何か言ったかしら?」 苗「ううん。霧切さんには、ケーキとかワインの方が似合うかなと思って」 霧「洋風な方が、ってこと?」 苗「ううん、華やかな方が、ってこと」 霧「嬉しいこと言ってくれるわね。何か手伝う?」 苗「大丈夫、もう出来たから。あ、冷蔵庫からポン酢出してくれる?」 苗「はい、出来たよ。みぞれ鍋」 霧「…大根おろしの入った鍋なんて、初めて見たわ」 苗「お皿貸して」 霧「豆腐と白菜ともも肉とシイタケをお願い。あ、大根おろしは多目でね」 苗「はいはい。カンパーイ」 霧「はい、乾杯。お鍋にシャンパンというのも珍しいわ」 霧「…今更だけど、苗木君はこんなクリスマスで良かったの?」 苗「何が?」 霧「私はお酒を飲んで、あなたの手料理を食べて、それは楽しいけれど…あなたはそれで、いいのかなって」 苗「…ホントに今更だね」 霧「うるさいわね」 苗「僕は霧切さんと一緒にいられるなら、なんでもいいよ」 霧「……」 霧「…苗木君。このこたつ、隙間風が入るわ」 苗「え?」 霧「あなたが離れて座ってるからよ。もう少し、こっちに寄りなさい」 苗「……うん」 ----  睦月は正月 苗「……あ、この年賀状、霧切さんからだ」 霧「実家から出したのよ。今頃届くなんて」 苗「わ、写真の霧切さん、着物着てる…すごい綺麗」 霧「っ……執事が無理矢理着せて写真を撮って、全部の年賀状に印刷したのよ…」 苗「いいじゃない、似合ってるんだから」 霧「…うるさい。早くおせちを持ってきなさい」 苗「今日は何のお酒持ってきたの?」 霧「実家で作っているお屠蘇よ」 苗「…、……そう」 霧「盃を出しなさい。注いであげるわ」 苗「いや、僕は…」 霧「出しなさい。女に注がれた酒を、まさか飲めないとは言わないわよね?」 苗「うぅ…あんまり好きじゃないんだよね、お屠蘇」 苗「じゃあ、着物姿の霧切さんを肴に、ぐぐっと一杯」 霧「やめなさい、馬鹿」 ----  如月は節分 苗「霧切さんが料理するなんて、珍しいよね」 霧「失礼ね。あなたが普段から料理の腕を振るってるから、披露する隙がなかっただけよ」 苗「あ、節分で使った落花生?」 霧「ピーナッツをチョコで絡めて冷やすだけ。冷蔵庫にウィスキーも入ってるわ」 苗「また甘いものでお酒?太るよー」 霧「……」 苗(あれ?いつもだったら怒られるのに…) 霧「食べるのは私じゃないから、大丈夫よ」 苗「そうなの?…わ、これワイルドターキー!?渋いの選んでくるね…」 霧「…前、あなたそれが美味しいって言ってたでしょ」 霧「苗木君…今日、節分からちょうど十日たったわね」 苗「え?うん」 霧「それで、ちょうど十二時…日付が変わったわね」 苗「そうだね」 霧「……ここまで言えば…分かるわね?」 苗「???」 霧「…チョコ食べてウィスキー飲んで、さっさと帰りなさい」 苗「え、ちょっと待ってよ、どういうこと?」 ----  弥生は雛祭り 霧「ひな人形なんて、久しぶりに並べたわ」 苗「…もう女の子なんて年齢じゃないでしょ」 霧「言ってくれるわね。女はいくつになっても、少女の心を忘れないものよ……っぷは」 苗「…白酒グビグビ飲みながら言わないでよ」 霧「ひな人形を肴に、白酒を飲む…桃の節句は、これに限るわね」 苗「じゃあ、おつまみはいらないかな?ホタテのニンニク焼きなんだけど」 霧「…そんなこと言ってないでしょう。よこしなさい」 苗「はいはい」 苗「久しぶりって言ってたけど、いつ以来?」 霧「そうね…小学校、に入るよりももっと前くらい…かしら」 苗「そんなに?」 霧「……お母様が亡くなってから。実家で作法を知る人間がいなかったのよ」 苗「…そっか」 霧「でも、ずっと仕舞ったままじゃ、この子達も可哀想でしょう」 苗「そうやって人間扱いすると、意思が宿るっていうよね…日本人形とか」 霧「あなた、情緒のわからない人間だと言われない?」 霧「さて、そろそろ仕舞わなきゃ」 苗「え、もう? 出したばかりなのに」 霧「ずっと出していると婚期が遅れる、というでしょう。それとも、あなたが責任取ってくれるの?」 苗「……いいよ」 霧「…は?」 苗「今までできなかった分も、合わせてさ」 霧「……」 苗「来年からは、一緒にやろうよ」 霧「苗木君、それって、」 苗「こ、ここまで言えば、分かるよね」 霧「…意趣返しのつもり?分からないわ。全然」 苗「う…いつも僕には、最後まで言ってくれないくせに」 霧「分かってる…でも、こういうことはちゃんと、言葉にして言ってほしいのよ…」 苗「だから…」 苗「僕が、責任取るよ」 霧「え…」 苗「責任取るから…いいよね、霧切さん」 霧「え、あの、ちょっと、…苗木君…」 ----

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